九州大学のロゴ 第5問(2) 和文英訳 九州大学 2018
九州大学 2018年度 前期日程 · 英語

第5問(2) 和文英訳
解答と解説

海外旅行と常識の相対化を扱う問題です。最も差がつくのは、自分と身近な場所が中心でも基準でもないという二重否定ことです。単語を並べるだけでは設問や原文の関係が見えません。how節・what節で内容、方法、結果へ開き、平易な語で筋道を示します。理由と主張の対応、原文の対比、時制、冠詞、指定要素が落ちていないかまで丁寧に確認してください。この一文では「海外旅行は楽しい」と感想を書くのではなく、自分の基準を相対化する経験だと説明します。neither A nor B を使う場合は、AとBの形をそろえてください。the center of the world と the standard for what is normal は別の内容なので、片方だけにまとめないことも大切です。traveler, places they know, where they stand の三つを追い、最後にworld centerとcommon senseの二基準が残っているか照合すると訳し落としを防げます。

難易度 ★★★★ 目安 15分 和文英訳 テーマ 海外旅行と常識の相対化
1

問題

第5問(2) 次の文を英訳しなさい。

海外を旅するということは,旅行者が自分自身や,自分の知っている場所,自分が立っている場所が世界の中心でも常識の基準でもないということに気づくことである。

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この問題で見られている力

  • 「travel abroad」を文脈に合う英語で具体化できるか
  • 「traveler」を文脈に合う英語で具体化できるか
  • 「oneself」を文脈に合う英語で具体化できるか
  • 「known places」を文脈に合う英語で具体化できるか
  • 「where one stands」を文脈に合う英語で具体化できるか
2

文ごとの解説

第 1 文

海外を旅するということは,旅行者が自分自身や,自分の知っている場所,自分が立っている場所が世界の中心でも常識の基準でもないということに気づくことである。

つまずきやすいところ
  • ここが山場です。「travel abroad」を動作と結果まで開きます
  • 自分と身近な場所が中心でも基準でもないという二重否定という関係を落としません
  • how節は疑問文語順にしません
  • what節に不要な主語や目的語を重ねません
  • 主語と動詞、冠詞、時制を確認します
発想の切り替え

「travel abroad」を一語で置くだけでは、自分と身近な場所が中心でも基準でもないという二重否定という中心が見えません。誰が何をし、そのため何が変わるかを順に考えます。what節で内容を、how節で方法や程度を開けば、難しい語を使わずに正確に説明できます。原文または設問の条件へ戻り、対比、時制、指定要素が残っているかも確認してください。 さらに、この年の「海外旅行と常識の相対化」では、travel abroad, traveler, oneself, known placesを一つずつ照合します。直訳した英文を読み返し、誰の行動か、いつの話か、どの結果へ進むかを日本語で言い直せるなら、英語の論理も保てています。

訳例
標準

Traveling abroad means realizing how small our own point of view may be. A traveler discovers what people elsewhere accept as normal and that neither the places they know nor the place where they stand is the center of the world or the standard by which we decide what is common.

別解

To travel in another country is to learn how other people see daily life and what they accept as normal. It makes us realize that who we are and where we come from do not decide how the whole world should live or what everyone should call common sense.

この文でやりやすい誤り

「travel abroad」をimportantだけで済ませる

減点 大
The point about "travel abroad" is important.
We should explain what "travel abroad" means in this answer.

評価だけで理由や内容がありません。 この問題では自分と身近な場所が中心でも基準でもないという二重否定ことが中心です。ほかの箇所を変えず、この欠陥だけを直してください。 修正文では「海外旅行と常識の相対化」の中心を保ち、titleで指摘した一点以外に新しい誤りや新しい主張を入れていないことも確認してください。

「traveler」のhow節を疑問文語順にする

減点 中
We explain how can the phrase "traveler" affect the main idea.
We explain how the phrase "traveler" can affect the main idea.

how節を疑問文語順にしています。 この問題では自分と身近な場所が中心でも基準でもないという二重否定ことが中心です。ほかの箇所を変えず、この欠陥だけを直してください。 修正文では「海外旅行と常識の相対化」の中心を保ち、titleで指摘した一点以外に新しい誤りや新しい主張を入れていないことも確認してください。

「oneself」のwhat節に不要なitを足す

減点 中
People understand what they need it when discussing "oneself".
People understand what they need when discussing "oneself".

whatが目的語なのでitは重ねません。 この問題では自分と身近な場所が中心でも基準でもないという二重否定ことが中心です。ほかの箇所を変えず、この欠陥だけを直してください。 修正文では「海外旅行と常識の相対化」の中心を保ち、titleで指摘した一点以外に新しい誤りや新しい主張を入れていないことも確認してください。

「known places」でmanyに対してthere isを使う

減点 中
There is many examples related to "known places".
There are many examples related to "known places".

manyに合わせて主語と動詞を複数にします。 この問題では自分と身近な場所が中心でも基準でもないという二重否定ことが中心です。ほかの箇所を変えず、この欠陥だけを直してください。 修正文では「海外旅行と常識の相対化」の中心を保ち、titleで指摘した一点以外に新しい誤りや新しい主張を入れていないことも確認してください。

「where one stands」を過去の時でも現在形で書く

減点 大
Yesterday, people understand the point about "where one stands".
Yesterday, people understood the point about "where one stands".

過去を示す語と現在形が一致していません。 この問題では自分と身近な場所が中心でも基準でもないという二重否定ことが中心です。ほかの箇所を変えず、この欠陥だけを直してください。 修正文では「海外旅行と常識の相対化」の中心を保ち、titleで指摘した一点以外に新しい誤りや新しい主張を入れていないことも確認してください。

「world center」でmakeの後ろにto不定詞を置く

減点 中
The point about "world center" makes people to think about the issue.
The point about "world center" makes people think about the issue.

makeの後ろは目的語と動詞原形です。 この問題では自分と身近な場所が中心でも基準でもないという二重否定ことが中心です。ほかの箇所を変えず、この欠陥だけを直してください。 修正文では「海外旅行と常識の相対化」の中心を保ち、titleで指摘した一点以外に新しい誤りや新しい主張を入れていないことも確認してください。

「standard」に原文にないeveryoneとalwaysを足す

減点 中
Everyone always agrees about "standard".
People may have different views about "standard".

原文にない全員・常時という強い限定です。 この問題では自分と身近な場所が中心でも基準でもないという二重否定ことが中心です。ほかの箇所を変えず、この欠陥だけを直してください。 修正文では「海外旅行と常識の相対化」の中心を保ち、titleで指摘した一点以外に新しい誤りや新しい主張を入れていないことも確認してください。

「common sense」でhappenを受け身にする

減点 大
People are happened to learn about "common sense".
People happen to learn about "common sense".

happenはこの意味で受け身にできません。 この問題では自分と身近な場所が中心でも基準でもないという二重否定ことが中心です。ほかの箇所を変えず、この欠陥だけを直してください。 修正文では「海外旅行と常識の相対化」の中心を保ち、titleで指摘した一点以外に新しい誤りや新しい主張を入れていないことも確認してください。

「海外旅行と常識の相対化」の理由と結論を反対にする

減点 大
This view of the theme "海外旅行と常識の相対化" is useful. Therefore, we should ignore it.
This view of the theme "海外旅行と常識の相対化" is useful. Therefore, we should consider how it can help people.

前半と結論の向きが反対です。自分と身近な場所が中心でも基準でもないという二重否定という論を最後まで保ちます。 修正文では「海外旅行と常識の相対化」の中心を保ち、titleで指摘した一点以外に新しい誤りや新しい主張を入れていないことも確認してください。

「海外旅行と常識の相対化」をgood一語で終える

減点 大
The discussion of the theme "海外旅行と常識の相対化" is good.
Traveling abroad means realizing how small our own point of view may be.

これでは海外旅行と常識の相対化の具体的内容がほぼすべて落ちます。 修正文では「海外旅行と常識の相対化」の中心を保ち、titleで指摘した一点以外に新しい誤りや新しい主張を入れていないことも確認してください。

この文の言いかえ
travel abroad
travel abroadtravel abroadの内容を節で具体化できます
the question of travel abroad短くする場合は後ろで内容を補います
travel abroad is good thing冠詞がなく内容も曖昧なので使いません
traveler
travelertravelerの内容を節で具体化できます
the question of traveler短くする場合は後ろで内容を補います
traveler is good thing冠詞がなく内容も曖昧なので使いません
oneself
oneselfoneselfの内容を節で具体化できます
the question of oneself短くする場合は後ろで内容を補います
oneself is good thing冠詞がなく内容も曖昧なので使いません
known places
known placesknown placesの内容を節で具体化できます
the question of known places短くする場合は後ろで内容を補います
known places is good thing冠詞がなく内容も曖昧なので使いません
where one stands
where one standswhere one standsの内容を節で具体化できます
the question of where one stands短くする場合は後ろで内容を補います
where one stands is good thing冠詞がなく内容も曖昧なので使いません
world center
world centerworld centerの内容を節で具体化できます
the question of world center短くする場合は後ろで内容を補います
world center is good thing冠詞がなく内容も曖昧なので使いません
standard
standardstandardの内容を節で具体化できます
the question of standard短くする場合は後ろで内容を補います
standard is good thing冠詞がなく内容も曖昧なので使いません
common sense
common sensecommon senseの内容を節で具体化できます
the question of common sense短くする場合は後ろで内容を補います
common sense is good thing冠詞がなく内容も曖昧なので使いません
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模範解答

標準解

まずここを目標にhow節 ×1 / what節 ×251語

Traveling abroad means realizing how small our own point of view may be. A traveler discovers what people elsewhere accept as normal and that neither the places they know nor the place where they stand is the center of the world or the standard by which we decide what is common.

全51語です。how節1個、what節2個を実測しました。自分と身近な場所が中心でも基準でもないという二重否定内容を順序どおり残し、冠詞、時制、主述の一致を一文ずつ確認しました。難しい語より、動作と結果が見える平易な節を目標にしてください。

説明を足した解

書けなかったときの逃げ道how節 ×2 / what節 ×249語

To travel in another country is to learn how other people see daily life and what they accept as normal. It makes us realize that who we are and where we come from do not decide how the whole world should live or what everyone should call common sense.

全49語、how節2個、what節2個です。海外旅行と常識の相対化という中心を変えず、別の動詞と文の切り方で説明しています。標準解の表現が出なくても、内容を順にほどけば十分に伝わります。

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他の問題にも使える形

学習のコツを紹介する Boost のキャラクター Boo
show how S V最重要

変化

海外旅行と常識の相対化でtravel abroadを抽象語のままにせず説明する型です。別の問題でも主語と動作を替えて使えます。

We explain how travel abroad affects people.
The report shows how the town changed.
explain what S V最重要

内容

海外旅行と常識の相対化でtravelerを抽象語のままにせず説明する型です。別の問題でも主語と動作を替えて使えます。

We explain how traveler affects people.
The report shows how the town changed.
not only A but also Bよく使う

並列

海外旅行と常識の相対化でoneselfを抽象語のままにせず説明する型です。別の問題でも主語と動作を替えて使えます。

We explain how oneself affects people.
The report shows how the town changed.
If S V, S can Vよく使う

条件

海外旅行と常識の相対化でknown placesを抽象語のままにせず説明する型です。別の問題でも主語と動作を替えて使えます。

We explain how known places affects people.
The report shows how the town changed.
This is because S Vよく使う

理由

海外旅行と常識の相対化でwhere one standsを抽象語のままにせず説明する型です。別の問題でも主語と動作を替えて使えます。

We explain how where one stands affects people.
The report shows how the town changed.
By V-ing, S can Vよく使う

方法

海外旅行と常識の相対化でworld centerを抽象語のままにせず説明する型です。別の問題でも主語と動作を替えて使えます。

We explain how world center affects people.
The report shows how the town changed.
rather than Aよく使う

対比

海外旅行と常識の相対化でstandardを抽象語のままにせず説明する型です。別の問題でも主語と動作を替えて使えます。

We explain how standard affects people.
The report shows how the town changed.
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この問題の語彙

表現意味ひとこと
supporttravel abroad海外旅行と常識の相対化では「travel abroad」を説明する流れで使います。単語だけでなく前後の語との組み合わせを確認してください。
choicetraveler海外旅行と常識の相対化では「traveler」を説明する流れで使います。単語だけでなく前後の語との組み合わせを確認してください。
effectoneself海外旅行と常識の相対化では「oneself」を説明する流れで使います。単語だけでなく前後の語との組み合わせを確認してください。
reasonknown places海外旅行と常識の相対化では「known places」を説明する流れで使います。単語だけでなく前後の語との組み合わせを確認してください。
communitywhere one stands海外旅行と常識の相対化では「where one stands」を説明する流れで使います。単語だけでなく前後の語との組み合わせを確認してください。
experienceworld center海外旅行と常識の相対化では「world center」を説明する流れで使います。単語だけでなく前後の語との組み合わせを確認してください。
changestandard海外旅行と常識の相対化では「standard」を説明する流れで使います。単語だけでなく前後の語との組み合わせを確認してください。
daily lifecommon sense海外旅行と常識の相対化では「common sense」を説明する流れで使います。単語だけでなく前後の語との組み合わせを確認してください。
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出題の傾向

九大は2017年から2020年に第5問の枝番で短い和文英訳を出し、2016年は第4問で同じ力を見ています。2017年の未来、2018年の旅、2019年の言語、2020年の研究と情報のように、短文中の対比・時制・抽象表現を平易な節へ開く出題が続きます。2018年も自分と身近な場所が中心でも基準でもないという二重否定力が問われます。

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