九州大学のロゴ 第5問(2) 和文英訳 九州大学 2019
九州大学 2019年度 前期日程 · 英語

第5問(2) 和文英訳
解答と解説

多言語社会での共存を扱う問題です。最も差がつくのは、母語利用との対比と異なる言語の人との共存を保つことです。単語を並べるだけでは設問や原文の関係が見えません。how節・what節で内容、方法、結果へ開き、平易な語で筋道を示します。理由と主張の対応、原文の対比、時制、冠詞、指定要素が落ちていないかまで丁寧に確認してください。この文は「母語が使えること」を否定していません。Of course で価値を認めたうえで、what matters far more へ進む順序が重要です。different languages と different people の両方を残し、単に外国語を学ぶ話へ変えないでください。live together は同じ場所に住むだけでなく、社会の一員として互いに参加する意味で使えます。オンライン上の母語利用と社会全体の共存を対比できているか、二つの範囲を読み分けて確認しましょう。

難易度 ★★★★ 目安 15分 和文英訳 テーマ 多言語社会での共存
1

問題

第5問(2) 次の文を英訳しなさい。

もちろん,インターネット上で母語を扱えることは大事ですが,それだけでなく,「多様な言語を使う多様な人々と共存する」ことがはるかに重要なのです。

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この問題で見られている力

  • 「of course」を文脈に合う英語で具体化できるか
  • 「first language」を文脈に合う英語で具体化できるか
  • 「online」を文脈に合う英語で具体化できるか
  • 「not only」を文脈に合う英語で具体化できるか
  • 「far more important」を文脈に合う英語で具体化できるか
2

文ごとの解説

第 1 文

もちろん,インターネット上で母語を扱えることは大事ですが,それだけでなく,「多様な言語を使う多様な人々と共存する」ことがはるかに重要なのです。

つまずきやすいところ
  • ここが山場です。「of course」を動作と結果まで開きます
  • 母語利用との対比と異なる言語の人との共存を保つという関係を落としません
  • how節は疑問文語順にしません
  • what節に不要な主語や目的語を重ねません
  • 主語と動詞、冠詞、時制を確認します
発想の切り替え

「of course」を一語で置くだけでは、母語利用との対比と異なる言語の人との共存を保つという中心が見えません。誰が何をし、そのため何が変わるかを順に考えます。what節で内容を、how節で方法や程度を開けば、難しい語を使わずに正確に説明できます。原文または設問の条件へ戻り、対比、時制、指定要素が残っているかも確認してください。 さらに、この年の「多言語社会での共存」では、of course, first language, online, not onlyを一つずつ照合します。直訳した英文を読み返し、誰の行動か、いつの話か、どの結果へ進むかを日本語で言い直せるなら、英語の論理も保てています。

訳例
標準

Of course, it is important that people can use their own language on the Internet. What matters far more, however, is learning how we can live together with people who use different languages, how we can listen to them, and what each person needs in order to take part.

別解

Being able to use our first language online is certainly important. Yet the more important question is how people with different languages can live together, how they can listen to one another, and what they can do so that no one is left outside.

この文でやりやすい誤り

「of course」をimportantだけで済ませる

減点 大
The point about "of course" is important.
We should explain what "of course" means in this answer.

評価だけで理由や内容がありません。 この問題では母語利用との対比と異なる言語の人との共存を保つことが中心です。ほかの箇所を変えず、この欠陥だけを直してください。 修正文では「多言語社会での共存」の中心を保ち、titleで指摘した一点以外に新しい誤りや新しい主張を入れていないことも確認してください。

「first language」のhow節を疑問文語順にする

減点 中
We explain how can the phrase "first language" affect the main idea.
We explain how the phrase "first language" can affect the main idea.

how節を疑問文語順にしています。 この問題では母語利用との対比と異なる言語の人との共存を保つことが中心です。ほかの箇所を変えず、この欠陥だけを直してください。 修正文では「多言語社会での共存」の中心を保ち、titleで指摘した一点以外に新しい誤りや新しい主張を入れていないことも確認してください。

「online」のwhat節に不要なitを足す

減点 中
People understand what they need it when discussing "online".
People understand what they need when discussing "online".

whatが目的語なのでitは重ねません。 この問題では母語利用との対比と異なる言語の人との共存を保つことが中心です。ほかの箇所を変えず、この欠陥だけを直してください。 修正文では「多言語社会での共存」の中心を保ち、titleで指摘した一点以外に新しい誤りや新しい主張を入れていないことも確認してください。

「not only」でmanyに対してthere isを使う

減点 中
There is many examples related to "not only".
There are many examples related to "not only".

manyに合わせて主語と動詞を複数にします。 この問題では母語利用との対比と異なる言語の人との共存を保つことが中心です。ほかの箇所を変えず、この欠陥だけを直してください。 修正文では「多言語社会での共存」の中心を保ち、titleで指摘した一点以外に新しい誤りや新しい主張を入れていないことも確認してください。

「far more important」を過去の時でも現在形で書く

減点 大
Yesterday, people understand the point about "far more important".
Yesterday, people understood the point about "far more important".

過去を示す語と現在形が一致していません。 この問題では母語利用との対比と異なる言語の人との共存を保つことが中心です。ほかの箇所を変えず、この欠陥だけを直してください。 修正文では「多言語社会での共存」の中心を保ち、titleで指摘した一点以外に新しい誤りや新しい主張を入れていないことも確認してください。

「different languages」でmakeの後ろにto不定詞を置く

減点 中
The point about "different languages" makes people to think about the issue.
The point about "different languages" makes people think about the issue.

makeの後ろは目的語と動詞原形です。 この問題では母語利用との対比と異なる言語の人との共存を保つことが中心です。ほかの箇所を変えず、この欠陥だけを直してください。 修正文では「多言語社会での共存」の中心を保ち、titleで指摘した一点以外に新しい誤りや新しい主張を入れていないことも確認してください。

「different people」に原文にないeveryoneとalwaysを足す

減点 中
Everyone always agrees about "different people".
People may have different views about "different people".

原文にない全員・常時という強い限定です。 この問題では母語利用との対比と異なる言語の人との共存を保つことが中心です。ほかの箇所を変えず、この欠陥だけを直してください。 修正文では「多言語社会での共存」の中心を保ち、titleで指摘した一点以外に新しい誤りや新しい主張を入れていないことも確認してください。

「live together」でhappenを受け身にする

減点 大
People are happened to learn about "live together".
People happen to learn about "live together".

happenはこの意味で受け身にできません。 この問題では母語利用との対比と異なる言語の人との共存を保つことが中心です。ほかの箇所を変えず、この欠陥だけを直してください。 修正文では「多言語社会での共存」の中心を保ち、titleで指摘した一点以外に新しい誤りや新しい主張を入れていないことも確認してください。

「多言語社会での共存」の理由と結論を反対にする

減点 大
This view of the theme "多言語社会での共存" is useful. Therefore, we should ignore it.
This view of the theme "多言語社会での共存" is useful. Therefore, we should consider how it can help people.

前半と結論の向きが反対です。母語利用との対比と異なる言語の人との共存を保つという論を最後まで保ちます。 修正文では「多言語社会での共存」の中心を保ち、titleで指摘した一点以外に新しい誤りや新しい主張を入れていないことも確認してください。

「多言語社会での共存」をgood一語で終える

減点 大
The discussion of the theme "多言語社会での共存" is good.
Of course, it is important that people can use their own language on the Internet.

これでは多言語社会での共存の具体的内容がほぼすべて落ちます。 修正文では「多言語社会での共存」の中心を保ち、titleで指摘した一点以外に新しい誤りや新しい主張を入れていないことも確認してください。

この文の言いかえ
of course
of courseof courseの内容を節で具体化できます
the question of of course短くする場合は後ろで内容を補います
of course is good thing冠詞がなく内容も曖昧なので使いません
first language
first languagefirst languageの内容を節で具体化できます
the question of first language短くする場合は後ろで内容を補います
first language is good thing冠詞がなく内容も曖昧なので使いません
online
onlineonlineの内容を節で具体化できます
the question of online短くする場合は後ろで内容を補います
online is good thing冠詞がなく内容も曖昧なので使いません
not only
not onlynot onlyの内容を節で具体化できます
the question of not only短くする場合は後ろで内容を補います
not only is good thing冠詞がなく内容も曖昧なので使いません
far more important
far more importantfar more importantの内容を節で具体化できます
the question of far more important短くする場合は後ろで内容を補います
far more important is good thing冠詞がなく内容も曖昧なので使いません
different languages
different languagesdifferent languagesの内容を節で具体化できます
the question of different languages短くする場合は後ろで内容を補います
different languages is good thing冠詞がなく内容も曖昧なので使いません
different people
different peopledifferent peopleの内容を節で具体化できます
the question of different people短くする場合は後ろで内容を補います
different people is good thing冠詞がなく内容も曖昧なので使いません
live together
live togetherlive togetherの内容を節で具体化できます
the question of live together短くする場合は後ろで内容を補います
live together is good thing冠詞がなく内容も曖昧なので使いません
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模範解答

標準解

まずここを目標にhow節 ×2 / what節 ×249語

Of course, it is important that people can use their own language on the Internet. What matters far more, however, is learning how we can live together with people who use different languages, how we can listen to them, and what each person needs in order to take part.

全49語です。how節2個、what節2個を実測しました。母語利用との対比と異なる言語の人との共存を保つ内容を順序どおり残し、冠詞、時制、主述の一致を一文ずつ確認しました。難しい語より、動作と結果が見える平易な節を目標にしてください。

説明を足した解

書けなかったときの逃げ道how節 ×2 / what節 ×144語

Being able to use our first language online is certainly important. Yet the more important question is how people with different languages can live together, how they can listen to one another, and what they can do so that no one is left outside.

全44語、how節2個、what節1個です。多言語社会での共存という中心を変えず、別の動詞と文の切り方で説明しています。標準解の表現が出なくても、内容を順にほどけば十分に伝わります。

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他の問題にも使える形

学習のコツを紹介する Boost のキャラクター Boo
show how S V最重要

変化

多言語社会での共存でof courseを抽象語のままにせず説明する型です。別の問題でも主語と動作を替えて使えます。

We explain how of course affects people.
The report shows how the town changed.
explain what S V最重要

内容

多言語社会での共存でfirst languageを抽象語のままにせず説明する型です。別の問題でも主語と動作を替えて使えます。

We explain how first language affects people.
The report shows how the town changed.
not only A but also Bよく使う

並列

多言語社会での共存でonlineを抽象語のままにせず説明する型です。別の問題でも主語と動作を替えて使えます。

We explain how online affects people.
The report shows how the town changed.
If S V, S can Vよく使う

条件

多言語社会での共存でnot onlyを抽象語のままにせず説明する型です。別の問題でも主語と動作を替えて使えます。

We explain how not only affects people.
The report shows how the town changed.
This is because S Vよく使う

理由

多言語社会での共存でfar more importantを抽象語のままにせず説明する型です。別の問題でも主語と動作を替えて使えます。

We explain how far more important affects people.
The report shows how the town changed.
By V-ing, S can Vよく使う

方法

多言語社会での共存でdifferent languagesを抽象語のままにせず説明する型です。別の問題でも主語と動作を替えて使えます。

We explain how different languages affects people.
The report shows how the town changed.
rather than Aよく使う

対比

多言語社会での共存でdifferent peopleを抽象語のままにせず説明する型です。別の問題でも主語と動作を替えて使えます。

We explain how different people affects people.
The report shows how the town changed.
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この問題の語彙

表現意味ひとこと
supportof course多言語社会での共存では「of course」を説明する流れで使います。単語だけでなく前後の語との組み合わせを確認してください。
choicefirst language多言語社会での共存では「first language」を説明する流れで使います。単語だけでなく前後の語との組み合わせを確認してください。
effectonline多言語社会での共存では「online」を説明する流れで使います。単語だけでなく前後の語との組み合わせを確認してください。
reasonnot only多言語社会での共存では「not only」を説明する流れで使います。単語だけでなく前後の語との組み合わせを確認してください。
communityfar more important多言語社会での共存では「far more important」を説明する流れで使います。単語だけでなく前後の語との組み合わせを確認してください。
experiencedifferent languages多言語社会での共存では「different languages」を説明する流れで使います。単語だけでなく前後の語との組み合わせを確認してください。
changedifferent people多言語社会での共存では「different people」を説明する流れで使います。単語だけでなく前後の語との組み合わせを確認してください。
daily lifelive together多言語社会での共存では「live together」を説明する流れで使います。単語だけでなく前後の語との組み合わせを確認してください。
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出題の傾向

九大は2017年から2020年に第5問の枝番で短い和文英訳を出し、2016年は第4問で同じ力を見ています。2017年の未来、2018年の旅、2019年の言語、2020年の研究と情報のように、短文中の対比・時制・抽象表現を平易な節へ開く出題が続きます。2019年も母語利用との対比と異なる言語の人との共存を保つ力が問われます。

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