購入前の欠点への敏感さと、所有後の長所の強調を before / once で対比する問題です。差がつくのは、単語の置き換えではなく、文中の時間差・逆接・因果・限定を英語の骨組みに直すことです。標準解では how 節1個、what 節3個を使い、名詞のかたまりを具体的な内容へ開きました。「欠点に敏感だ」と「長所を強調する」の訳し分けを軸にすると、長い原文でも何を主語にし、どの評価を残すかが見えます。各文を一度短い主語と動詞にほどき、接続関係を戻してください。 下書きでは紙を二つに分け、左に「購入前=faults」、右に「所有後=good points」と書いてください。そこへ before と once を付ければ、長い日本語でも対比の骨組みが先に決まります。sensitive が出なければ pay careful attention、emphasize が不安なら stress や speak mainly about で十分です。採点では難しい語より、同じ品物に対する注目点が所有を境に変わること、only が長所側に掛かること、一般的な you の視点が最後まで続くことの三点を優先して確認してください。
買う前は欠点に敏感だったあなたも,いったん所有することになると,長所ばかりを強調することになる。
次の日本文の下線部(2)の意味を英語で表しなさい。 ___下線部(1)___人間の心理というのは不思議なもので,最初はそれほどいいと思わなかった物でも,いったん自分で買おうと決断すると,そのいいところばかりを見るようになる。___下線部(1)______下線部(2)___買う前は欠点に敏感だったあなたも,いったん所有することになると,長所ばかりを強調することになる。___下線部(2)___そういうわけだから,テレビなどでもっともよくベンツのコマーシャルを見る人間は,今現在ベンツを所有している客自身だということになる。___下線部(3)___われわれはいったん自分自身で決定を下すと,それがいかにおかしな事態を招くことになるとしても,それに向けて一直線に進んでいく習性を持っているのである。___下線部(3)___
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この文では、before と once を一文の両側に置き、購入前と所有後を見失わせません。日本語の名詞を英語の名詞一語へ急いで置き換えず、誰が何を見て、どのように判断するかまで組み直します。とくに「欠点に敏感だ」は pay attention to what is wrong と書くと、原文の論理が見えます。別解のように語順を変えても、対比・因果・限定のどれを表す文なのかを保てば大丈夫です。
Before you buy something, you may pay careful attention to what is wrong with it, but once you come to own it, you begin to stress only what is good about it, no matter how clearly you saw its faults before or what you thought of them.
You may be quick to notice an item's faults before buying it. Once it is yours, however, you tend to speak mainly about what makes it good and forget how strongly those faults bothered you earlier. This shows what changes in our judgment after something becomes our own.
sensitive は sensitive to の形です。購入前という意味は正しいので、前置詞一つだけを直します。
before の後ろに動作を置くなら before buying または before you buy です。to buy はここでは続きません。
時を表す once の節では、未来の内容でも現在形を使います。所有後の変化という意味はそのままです。
becomes の補語として「あなたのもの」を表すには所有代名詞 yours が必要です。your は後ろに名詞を必要とします。
英語の long point は商品の長所を意味しません。good points または what is good about it と書きます。
emphasize は他動詞なので目的語を直接取ります。about を入れると動詞の型が壊れます。
only own は「所有するだけで」という限定です。原文の「長所ばかり」を出すには only を what is good の前に置きます。
what 節の中で is it と倒置せず、what is good about it の語順にします。末尾の it は対象の商品を受けます。
一般に起こる心理を述べているのに、before 節は現在、主節だけ過去となっています。視点を現在にそろえます。
これでは所有後に何を強調するかが消え、原文の評価の偏りを訳せていません。what is good を明示してください。
Before you buy something, you may pay careful attention to what is wrong with it, but once you come to own it, you begin to stress only what is good about it, no matter how clearly you saw its faults before or what you thought of them.
全47語です。原文の1文をすべて対応させ、購入前の欠点への敏感さと、所有後の長所の強調を before / once で対比する形にしました。how節1個、what節3個を実測しています。難しい名詞へ逃げず、主語・動詞・接続を見える形にしたため、少し説明的でも意味は正確です。冠詞、時制、主述の一致も文ごとに確認しています。まずはこの骨組みを目標にしてください。
You may be quick to notice an item's faults before buying it. Once it is yours, however, you tend to speak mainly about what makes it good and forget how strongly those faults bothered you earlier. This shows what changes in our judgment after something becomes our own.
全48語です。こちらは原文の論理を保ちながら、「欠点に敏感」を be quick to notice、「長所ばかり」を speak mainly about what makes it good と別の平易な言い方にしました。how節1個、what節2個を使っています。確認では、before buying と once it is yours が対になっているか、faults と what makes it good が反対側に置かれているかを見てください。「所有すると評価が変わる」という最後の一文は、原文の二つの状態をまとめる説明であり、新しい理由を足したものではありません。ここでの you は目の前の一人を責める語ではなく、誰にでも起こりうることを身近に示す一般的な you です。途中で people や we に変えると視点が揺れるため、最後までそろえてください。be sensitive to が出なくても、be quick to notice と動作に開けば同じ内容を保てます。所有後は faults が消えたのではなく、話し手が good points を強く述べるようになったのだと区別することも重要です。only の位置がずれると「所有するだけ」という意味になるので、必ず何を限定しているかを読み返します。単語だけでなく対比の軸を再現できれば、説明的な答案でも十分に正確です。

名詞を働きへ開く
欠点に敏感だのような内容を、物や性質の名前ではなく「どう〜するか」へ開きます。節内は疑問文語順にしません。
内容を節で受ける
「もの・こと」の中身を示せます。この問題では 長所を強調する を具体化するために使えます。末尾に it を重ねないでください。
時間の境目を示す
変化の前後を明確にします。時を表す節では未来の内容でも will を置かず、現在形を使います。
譲歩を平易に書く
程度にかかわらない譲歩を表します。難しい倒置を使わず、形容詞と主語・動詞の順を守れば十分です。
誤った推論を止める
前の事実から短絡的な結論を出さないための形です。筆者が何を否定しているかをはっきり示せます。
評価の逆転を見せる
正しい点を認めたあとで問題点を出す対比です。but still / yet を使い、単なる and の列挙にしません。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| fault | 欠点 | 物の欠点なら複数 faults が自然です |
| be sensitive to | 〜に敏感だ | 前置詞は to です |
| before buying | 買う前に | before to buy とはしません |
| own | 所有する | have より所有関係をはっきり示します |
| be yours | あなたのものだ | once it is yours の形でも所有後を表せます |
| stress | 強調する | 目的語を直接置き、stress about とはしません |
| good point | 長所 | 複数の長所なら good points です |
| tend to | 〜しがちだ | 一般的な習性を断定しすぎず表せます |
2012年外国語学部の三つの下線部は、決定と所有が評価を変える一続きの文章です。(1)が買う決断、(2)が所有前後の評価、(3)が決定後の行動を扱います。この(2)では sensitive to faults と stress what is good の対照を明確にする力が問われます。
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