美術には数学の正解のような基準がないことと、だから自由勝手に見てよいわけではないことを区別する問題です。差がつくのは、単語の置き換えではなく、文中の時間差・逆接・因果・限定を英語の骨組みに直すことです。標準解では how 節3個、what 節4個を使い、名詞のかたまりを具体的な内容へ開きました。「ただ見ればよい」と「はびこる」の訳し分けを軸にすると、長い原文でも何を主語にし、どの評価を残すかが見えます。各文を一度短い主語と動詞にほどき、接続関係を戻してください。
美術作品というものは,ただみて自分なりにいいなとか,よくないとか感じればいいのだ,美術の歴史を研究したりする専門家でもないかぎり,特別な知識などいらないと,よくいわれます。でも,それはあくまでも俗説にすぎません。どうしてこのような俗説がはびこってしまったのでしょうか。ほんとうのところはよくわからないのですが,大きな理由としては,たとえば絵をみるときに,良い悪いのはっきりした基準がない,ということがあげられるでしょう。数学の正解にあたるものが,絵の場合にはないのです。しかし,だからといって,自分の好きかってにみてもいいというものでもありません。自分には「わからない」,だから「価値がない」とかんたんにいわれては困るのです。
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アプリでこの問題を解く 無料で1日2回まで添削できます美術作品というものは,ただみて自分なりにいいなとか,よくないとか感じればいいのだ,美術の歴史を研究したりする専門家でもないかぎり,特別な知識などいらないと,よくいわれます。
この文では、長い引用内容を People often say that ... and that ... の二本で整理します。日本語の名詞を英語の名詞一語へ急いで置き換えず、誰が何を見て、どのように判断するかまで組み直します。とくに「ただ見ればよい」は all we need to do is look と書くと、原文の論理が見えます。別解のように語順を変えても、対比・因果・限定のどれを表す文なのかを保てば大丈夫です。
People often say that all we need to do with a work of art is look at it and decide for ourselves how good or bad it seems, and that we need no special knowledge unless we are experts who study how art has changed through history.
It is often said that, if we are not specialists in art history, we can simply look at a work and feel what we like or dislike without learning anything special about it.
look はこの意味では look at と前置詞が必要です。ほかの語順を変えず at だけを補います。
主語側に do がある形では、be動詞の後ろに動詞原形 look を置きます。
unless 自体が「〜でないかぎり」を含むため not を重ねると、専門家でない場合という逆の条件になります。
でも,それはあくまでも俗説にすぎません。
この文では、But で前文の一般説を明確に退けます。日本語の名詞を英語の名詞一語へ急いで置き換えず、誰が何を見て、どのように判断するかまで組み直します。とくに「専門家でないかぎり」は unless we are experts と書くと、原文の論理が見えます。別解のように語順を変えても、対比・因果・限定のどれを表す文なのかを保てば大丈夫です。
But that is no more than a widely held belief.
However, this is only what many people happen to believe, not a proven truth.
superstition は超自然的な迷信を指し、美術知識をめぐる一般的な思い込みとは種類が違います。
どうしてこのような俗説がはびこってしまったのでしょうか。
この文では、問いの形を How did ...? と正しく倒置します。日本語の名詞を英語の名詞一語へ急いで置き換えず、誰が何を見て、どのように判断するかまで組み直します。とくに「はびこる」は become common と書くと、原文の論理が見えます。別解のように語順を変えても、対比・因果・限定のどれを表す文なのかを保てば大丈夫です。
How did such a belief become so common?
What made so many people come to accept this belief?
did が時制を担うので、後ろの動詞は原形 become です。疑問文の形だけを直します。
ほんとうのところはよくわからないのですが,大きな理由としては,たとえば絵をみるときに,良い悪いのはっきりした基準がない,ということがあげられるでしょう。
この文では、「よくわからない」を主語 we で補い、断定を避けます。日本語の名詞を英語の名詞一語へ急いで置き換えず、誰が何を見て、どのように判断するかまで組み直します。とくに「数学の正解にあたるもの」は what we call a correct answer in mathematics と書くと、原文の論理が見えます。別解のように語順を変えても、対比・因果・限定のどれを表す文なのかを保てば大丈夫です。
We do not really know, but one major reason may be that, when we look at a painting, there is no clear standard that tells us what is good and what is bad.
The true reason is hard to know. Still, one important cause may be how difficult it is to find a clear rule for judging whether a painting is good or bad.
reason の内容は that 節で続けます。because を使うと「理由は〜だからだ」が重なります。
what が補語の役割を含むため、末尾の it is は不要です。
数学の正解にあたるものが,絵の場合にはないのです。
この文では、「〜にあたるもの」は nothing like と比較へ変えます。日本語の名詞を英語の名詞一語へ急いで置き換えず、誰が何を見て、どのように判断するかまで組み直します。とくに「ただ見ればよい」は all we need to do is look と書くと、原文の論理が見えます。別解のように語順を変えても、対比・因果・限定のどれを表す文なのかを保てば大丈夫です。
In painting, there is nothing like what we call a correct answer in mathematics.
A painting has no answer that can be checked in the same way as an answer in mathematics.
answer は可算名詞です。一般的な一つの正解を指すため a correct answer とします。
しかし,だからといって,自分の好きかってにみてもいいというものでもありません。
この文では、that does not mean that で誤った推論を打ち消します。日本語の名詞を英語の名詞一語へ急いで置き換えず、誰が何を見て、どのように判断するかまで組み直します。とくに「専門家でないかぎり」は unless we are experts と書くと、原文の論理が見えます。別解のように語順を変えても、対比・因果・限定のどれを表す文なのかを保てば大丈夫です。
However, that does not mean that we may look at art in any way we please.
Yet the lack of one correct answer does not give us the right to judge a work without thinking about what it shows.
原文は「正解がない」ことから「好き勝手でよい」は導けないと否定しています。not の欠落で主張が逆になっています。
自分には「わからない」,だから「価値がない」とかんたんにいわれては困るのです。
この文では、「困る」を we cannot accept と主張の拒否に置き換えます。日本語の名詞を英語の名詞一語へ急いで置き換えず、誰が何を見て、どのように判断するかまで組み直します。とくに「はびこる」は become common と書くと、原文の論理が見えます。別解のように語順を変えても、対比・因果・限定のどれを表す文なのかを保てば大丈夫です。
We cannot accept the easy claim that a work has no value simply because someone does not understand what it expresses.
It is wrong to say, without further thought, that a work is worthless merely because we cannot see what the artist is trying to do.
and では二つの判断を事実として並べ、原文が批判する短絡をそのまま肯定します。安易な因果を受け入れない文にします。
People often say that all we need to do with a work of art is look at it and decide for ourselves how good or bad it seems, and that we need no special knowledge unless we are experts who study how art has changed through history. But that is no more than a widely held belief. How did such a belief become so common? We do not really know, but one major reason may be that, when we look at a painting, there is no clear standard that tells us what is good and what is bad. In painting, there is nothing like what we call a correct answer in mathematics. However, that does not mean that we may look at art in any way we please. We cannot accept the easy claim that a work has no value simply because someone does not understand what it expresses.
全149語です。原文の7文をすべて対応させ、美術には数学の正解のような基準がないことと、だから自由勝手に見てよいわけではないことを区別する形にしました。how節3個、what節4個を実測しています。難しい名詞へ逃げず、主語・動詞・接続を見える形にしたため、少し説明的でも意味は正確です。冠詞、時制、主述の一致も文ごとに確認しています。まずはこの骨組みを目標にしてください。
It is often said that, if we are not specialists in art history, we can simply look at a work and feel what we like or dislike without learning anything special about it. However, this is only what many people happen to believe, not a proven truth. What made so many people come to accept this belief? The true reason is hard to know. Still, one important cause may be how difficult it is to find a clear rule for judging whether a painting is good or bad. A painting has no answer that can be checked in the same way as an answer in mathematics. Yet the lack of one correct answer does not give us the right to judge a work without thinking about what it shows. It is wrong to say, without further thought, that a work is worthless merely because we cannot see what the artist is trying to do.
全154語です。こちらは原文の論理を保ちながら、自分なりに感じるや良い悪いの基準を別の平易な言い方にしました。how節1個、what節5個を使っています。一語が出ないときも、誰が何を感じ、何がどう変わるかを二つの短い節に分ければ、内容を落とさず書けます。

名詞を働きへ開く
ただ見ればよいのような内容を、物や性質の名前ではなく「どう〜するか」へ開きます。節内は疑問文語順にしません。
内容を節で受ける
「もの・こと」の中身を示せます。この問題では はびこる を具体化するために使えます。末尾に it を重ねないでください。
時間の境目を示す
変化の前後を明確にします。時を表す節では未来の内容でも will を置かず、現在形を使います。
譲歩を平易に書く
程度にかかわらない譲歩を表します。難しい倒置を使わず、形容詞と主語・動詞の順を守れば十分です。
誤った推論を止める
前の事実から短絡的な結論を出さないための形です。筆者が何を否定しているかをはっきり示せます。
評価の逆転を見せる
正しい点を認めたあとで問題点を出す対比です。but still / yet を使い、単なる and の列挙にしません。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| work of art | 美術作品 | work はここでは可算で a work of art とします |
| art history | 美術史 | history of art とも言えます |
| expert | 専門家 | expert in art のように分野には in を使えます |
| widely held belief | 広く信じられる考え | 俗説を平易に説明する形です |
| standard | 基準 | standard for judging のように用途を続けます |
| correct answer | 正解 | 可算なので a correct answer です |
| please | 望む、好きにする | in any way we please で「好きなように」です |
| value | 価値 | この意味では不可算で no value とします |
2012年の文学部以外では、美術鑑賞をめぐる俗説を長い論理で訳します。同年文学部が文章表現の修辞を扱うのに対し、こちらは「明確な正解がない」から「知識不要」へ飛ぶ誤りを論じます。学部別で題材も論理の山場も異なる阪大らしい出題です。
解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。
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