「書かれたメッセージの速さと危うさ」を扱う和文英訳です。差がつくのは、メールの送信の速さが後悔を生む因果と、文字にした内容が生の声を十分に伝えないという違和感を、時制を変えながら最後まで訳し切ることです。日本語の抽象名詞を英単語一語に置き換えるだけでは、原文の因果や対比が見えなくなります。そこで、how節・what節を使い、誰が何を感じ、何がどのように変わるのかを具体的にします。標準解では平易な語を選び、原文の限定・推量・時制も残しました。各segmentで日本語と英語を対応させ、最後に訳し落としがないかを一文ずつ確かめてください。
電子メールで「しまった!」という経験をお持ちの方は多いかと思います。郵送と違って,発送までにかかる時間が短い分,メールでは「出さなきゃ良かった」文面をそのまま送ってしまうのです。もちろん,こうした事態は以前にもありました。手紙にせよ,印刷物にせよ,文字化した自分の考えやメッセージに後から違和感を抱くということは,しばしば起きます。文章は所詮,モノですから,何となく自分の生の声を伝えていないように思えてしまう。書き換えれば良かったと後悔する。書かれたメッセージというのは,それだけ危ういのです。
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この部分では「書かれたメッセージの速さと危うさ」の流れのうち、「経験をお持ち」を現在完了 have had で受けることが中心です。日本語の名詞を一語ずつ置き換えるのでなく、まず誰が何をするのかを決め、短い時間が送信を招く結果を so ... that で結ぶ形へ組み直します。さらに、後悔を wish + 過去完了で表す点も落とさないでください。標準解と別解の主語や接続語を比べると、同じ内容でも二通りの安全な組み方が見えてきます。
I think many people have had an experience with email that made them say, “Oh no!”
Many people have probably sent an email and immediately wondered why they sent it.
experience は「一度の出来事としての経験」を指すときは数えられる名詞になります。ここは「しまった!と言った一度の経験」なので冠詞が要りますが、experience は母音で始まるので a ではなく an です。a のままだと、読み手はまず綴りのミスに目が行ってしまい、せっかくの現在完了 have had が評価されません。
have an experience と現在形にすると「今まさにそういう経験の最中だ」という意味になります。原文が言っているのは「今までに一度はやってしまったことがあるでしょう」という、過去から今までの経験です。ここは現在完了 have had で受けてください。
郵送と違って,発送までにかかる時間が短い分,メールでは「出さなきゃ良かった」文面をそのまま送ってしまうのです。
この部分では「書かれたメッセージの速さと危うさ」の流れのうち、短い時間が送信を招く結果を so ... that で結ぶことが中心です。日本語の名詞を一語ずつ置き換えるのでなく、まず誰が何をするのかを決め、後悔を wish + 過去完了で表す形へ組み直します。さらに、手紙にも以前からあったと時制を過去へ戻す点も落とさないでください。標準解と別解の主語や接続語を比べると、同じ内容でも二通りの安全な組み方が見えてきます。
Unlike regular mail, email takes so little time to send that we sometimes send a message which we later wish we had not sent.
Because email reaches the other person much faster than ordinary mail, we may send what we should have kept.
原文は「時間が短い分(=短いせいで)そのまま送ってしまう」という原因と結果の話です。so を置いたのに that を落とすと、結果を導く相手がいなくなり、しかもコンマだけで2つの文をつないだ形になってしまいます。so ... that ... まで書き切って初めて「短さが失敗を招く」という関係が伝わります。
wish の後ろを現在形にすると「送らないでいてほしい」という、これから先への願いに読めます。原文の「出さなきゃ良かった」は、もう送ってしまったことへの後悔です。すでに起きたことを悔やむときは wish + 過去完了で、時間を一つ後ろへずらしてください。
もちろん,こうした事態は以前にもありました。
この部分では「書かれたメッセージの速さと危うさ」の流れのうち、後悔を wish + 過去完了で表すことが中心です。日本語の名詞を一語ずつ置き換えるのでなく、まず誰が何をするのかを決め、手紙にも以前からあったと時制を過去へ戻す形へ組み直します。さらに、文字化した考えを what they had put into words と開く点も落とさないでください。標準解と別解の主語や接続語を比べると、同じ内容でも二通りの安全な組み方が見えてきます。
Of course, this kind of thing also happened in the past.
The same problem existed in the past.
in the past は過去を指す言い方なので、will と一緒には使えません。原文は「昔からあったことです」と、これまでを振り返っている文です。ここを未来にしてしまうと、次の第4文の「しばしば起きていました」という過去の話ともつながらなくなります。
「以前にもありました」は、今も起きているうえで昔からあった、という意味です。only を入れると「昔だけの話で今はない」となり、直前まで書いてきたメールの失敗が現在の問題であることと真っ向から食い違います。「も」は also 一語で残せます。
手紙にせよ,印刷物にせよ,文字化した自分の考えやメッセージに後から違和感を抱くということは,しばしば起きます。
この部分では「書かれたメッセージの速さと危うさ」の流れのうち、手紙にも以前からあったと時制を過去へ戻すことが中心です。日本語の名詞を一語ずつ置き換えるのでなく、まず誰が何をするのかを決め、文字化した考えを what they had put into words と開く形へ組み直します。さらに、生の声とのずれとメッセージの危うさを結論までつなぐ点も落とさないでください。標準解と別解の主語や接続語を比べると、同じ内容でも二通りの安全な組み方が見えてきます。
Whether it was a letter or something printed, people often felt later that what they had put into words was somehow not what they really wanted to say.
With letters and printed texts, after writing, we sometimes notice how different the words are from what we meant.
whether は「A であれ B であれ、どちらでも」と二つを並べて譲る形なので、間は or です。and にすると「手紙であり、かつ印刷物でもある場合」という、ありえない一つのものを指してしまいます。原文の「〜にせよ,〜にせよ」は選択の譲歩なので、必ず or で結んでください。
what 節を名詞のかたまりとして文の中に埋め込むときは、ふつうの平叙文の語順(what + S + V)に戻します。did they と疑問文の語順のままにすると、文の中に質問が丸ごと挟まった形になり、主語がどこまでなのかが読み取れなくなります。「文字化した自分の考え」を what 節に開くこの問題では、ここが一番出やすいミスです。
文章は所詮,モノですから,何となく自分の生の声を伝えていないように思えてしまう。
この部分では「書かれたメッセージの速さと危うさ」の流れのうち、文字化した考えを what they had put into words と開くことが中心です。日本語の名詞を一語ずつ置き換えるのでなく、まず誰が何をするのかを決め、生の声とのずれとメッセージの危うさを結論までつなぐ形へ組み直します。さらに、「経験をお持ち」を現在完了 have had で受ける点も落とさないでください。標準解と別解の主語や接続語を比べると、同じ内容でも二通りの安全な組み方が見えてきます。
After all, written words are objects, so they can make us feel that they do not carry how our living voice sounds.
Written words remain as things outside us and may not show how we would speak in person.
原文は「文章はモノだから、生の声を伝えていないように思えてしまう」と、文字と本心のあいだにずれがあると言っています。この英文はそのずれを打ち消して、逆の主張になってしまいました。第6文の「書き換えれば良かった」という後悔も、この英文からはつながりません。
a voice of me という言い方は英語ではしません。所有は my voice の形で表します。さらにここでの「生の声」は声そのものではなく「本人が話したときの感じ」のことなので、how my living voice sounds と how 節に開くと、原文の「何となく伝わっていない」という感覚まで残せます。
書き換えれば良かったと後悔する。
この部分では「書かれたメッセージの速さと危うさ」の流れのうち、生の声とのずれとメッセージの危うさを結論までつなぐことが中心です。日本語の名詞を一語ずつ置き換えるのでなく、まず誰が何をするのかを決め、「経験をお持ち」を現在完了 have had で受ける形へ組み直します。さらに、短い時間が送信を招く結果を so ... that で結ぶ点も落とさないでください。標準解と別解の主語や接続語を比べると、同じ内容でも二通りの安全な組み方が見えてきます。
Then we wish we had written them differently.
We then want to change them.
hope は「これから実現してほしい」と前を向く語です。原文の「書き換えれば良かった」は、すでに送ってしまったあとで振り返っている後悔なので、方向が逆になります。過ぎたことを悔やむときは wish + 過去完了です。
rewrite は「何を書き直すか」を必ず伴う他動詞です。目的語がないと、読み手は文が途中で切れたように感じます。直前の文で話題にしている「文章」を it や them で受けて、必ず動詞のうしろに置いてください。
書かれたメッセージというのは,それだけ危ういのです。
この部分では「書かれたメッセージの速さと危うさ」の流れのうち、「経験をお持ち」を現在完了 have had で受けることが中心です。日本語の名詞を一語ずつ置き換えるのでなく、まず誰が何をするのかを決め、短い時間が送信を招く結果を so ... that で結ぶ形へ組み直します。さらに、後悔を wish + 過去完了で表す点も落とさないでください。標準解と別解の主語や接続語を比べると、同じ内容でも二通りの安全な組み方が見えてきます。
This shows how risky a written message can be.
This tells us what makes any written message dangerous.
break は物が割れたり壊れたりすることです。原文の「危うい」は、後悔や誤解を招きかねないという意味なので、モノとしての壊れやすさとは別の話になってしまいます。risky や cause regret のように、結果として困ったことが起きる方向で書いてください。
ここでの「それだけ」は「これほどまでに」という程度を指しています。that much を形容詞のうしろにそのまま置く言い方は英語になく、語順としても収まりません。程度は how 節で受けると自然に出せますし、この問題全体で使ってきた how 節の締めくくりにもなります。
I think many people have had an experience with email that made them say, “Oh no!” Unlike regular mail, email takes so little time to send that we sometimes send a message which we later wish we had not sent. Of course, this kind of thing also happened in the past. Whether it was a letter or something printed, people often felt later that what they had put into words was somehow not what they really wanted to say. After all, written words are objects, so they can make us feel that they do not carry how our living voice sounds. Then we wish we had written them differently. This shows how risky a written message can be.
標準解は全118語です。how節2個、what節2個を実測しました。メールの送信の速さが後悔を生む因果と、文字にした内容が生の声を十分に伝えないという違和感を、時制を変えながら最後まで訳し切ることを、難しい名詞に頼らず節と平易な動詞で表しています。冠詞、時制、主語と動詞の一致を文ごとに確認し、原文の内容がどの箇所に対応するかも照合しました。まずはこの形を目標にしてください。
Many people have probably sent an email and immediately wondered why they sent it. Because email reaches the other person much faster than ordinary mail, we may send what we should have kept. The same problem existed with letters and printed texts: after writing, we sometimes notice how different the words are from what we meant. Written words remain as things outside us and may not show how we would speak in person. We then want to change them, which tells us what makes any written message dangerous.
こちらは全88語で、how節2個、what節3個です。標準解とは骨格を変えながら、「書かれたメッセージの速さと危うさ」の内容を落とさず説明しました。一語の訳語が出ない場合も、人・行動・理由を短い節で補えば正確に伝えられます。書いた後は、原文の限定や対比を強めすぎていないかも確認してください。

この文章は前半(第1〜2文)が「今も多くの人がやってしまう」という今の話、後半(第3〜4文)が「昔からあった」という過去の話で、時間の軸がはっきり分かれています。ここが入れ替わると、いつの出来事を語っているのかが読み手に伝わらず、最後の「だから書かれたメッセージは危うい」という結論にもつながりません。書き終えたら、前半が現在(完了)、後半が過去でそろっているかを見返してください。

様子や程度を節に開く
「経験をお持ち」を現在完了 have had で受けるとき、抽象名詞を探すより how の後ろに主語と動詞を置くと内容が見えます。疑問文と違い、節の中では普通の語順にしてください。
内容を名詞節で示す
短い時間が送信を招く結果を so ... that で結ぶときに使えます。「もの」「こと」を thing で受けず、何を指すかまで一つの節にすると、今回の中心である書かれたメッセージの速さと危うさが明確になります。
条件や時の関係を先に示す
後悔を wish + 過去完了で表す場合、先に条件や時点を置くと長い日本語を二つに整理できます。if 節で単純な条件を述べるときは、未来の内容でも現在形を基本にします。
理由と結果を一度だけ結ぶ
手紙にも以前からあったと時制を過去へ戻す理由を示すときに便利です。because を使ったら主節の前に so を重ねず、どちらが原因でどちらが結果かを読み返してください。
対比と並列を使い分ける
文字化した考えを what they had put into words と開くためには、反対関係なら not A but B、同じ向きの要素なら A and B を選びます。日本語の読点だけを見ず、二つの内容の関係を確かめてください。
長い和文を安全に組み立てる順番
この問題では生の声とのずれとメッセージの危うさを結論までつなぐ点が最後の確認になります。まず各文の中心動詞を置き、how / what 節で中身を補い、最後に because や however を戻すと、訳し漏れを防げます。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| have an experience | 経験をする | 特定の一度の経験なら an を付けます |
| regular mail | 郵便 | email と対比するときに平易でわかりやすい表現です |
| so ... that | とても〜なので… | 原因から結果までを一つの文で示せます |
| wish S had V-ed | 〜すればよかったと思う | すでに起きたことへの後悔なので過去完了を使います |
| put into words | 言葉にする | 考えや気持ちを文章にする場面で使えます |
| somehow | どういうわけか、何となく | 理由を断定できない違和感を残せます |
| in person | 直接、生で | 文章ではなく本人が話す場合との対比に使えます |
| risky | 危うい | 物理的な危険ではなく、後悔や誤解を招く可能性を表します |
阪大全学部の和文英訳は、身近な経験や科学的な考え方をまとまった段落で示し、因果や言い換えを英語で明確にする問題が見られます。2012年の「書かれたメッセージの速さと危うさ」から、2013年の電子メール、2014年の言葉の親和性へと題材は変わりますが、抽象名詞を how節・what節に開き、筆者の断定の強さまで保つ点は共通しています。
解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。
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添削そのものは Boost アプリのほうが得意です。AI には「なぜこの訳になるの?」のような、解説の追加質問を投げるのがおすすめです。