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大阪大学 2014年度 前期日程 · 英語

文学部以外 和文英訳
解答と解説

「知ることの根底にある区別と命名」を扱う和文英訳です。差がつくのは、抽象名詞の「知」を what we call knowledge と開き、区別する・名づける・明瞭に把握するという三つの動作を同じ文法の形で並べることです。日本語の抽象名詞を英単語一語に置き換えるだけでは、原文の因果や対比が見えなくなります。そこで、how節・what節を使い、誰が何を感じ、何がどのように変わるのかを具体的にします。標準解では平易な語を選び、原文の限定・推量・時制も残しました。各segmentで日本語と英語を対応させ、最後に訳し落としがないかを一文ずつ確かめてください。

難易度 ★★★★ 目安 22分 和文英訳 テーマ 知ることの根底にある区別と命名
1

問題

文学部以外 次の日本文を英訳しなさい。

「知」,あるいは「知る」ということの根底にあるのは,ものを区別し,区別されたものそれぞれに名前を付け,それを明瞭な形で把握しようとする態度です。それが重要であることは言うまでもありません。

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この問題で見られている力

  • 抽象的な「知」を what we call knowledge と開く
  • At the root of ... is ... の主語を見失わない
  • 区別・命名・把握を三つの動詞で並列する
  • one another で複数の物の相互の違いを示す
  • 「それ」が直前の態度を指すと明示する
  • 言うまでもないを It goes without saying で表す
2

文ごとの解説

第 1 文

「知」,あるいは「知る」ということの根底にあるのは,ものを区別し,区別されたものそれぞれに名前を付け,それを明瞭な形で把握しようとする態度です。

つまずきやすいところ
  • ここが山場です。抽象的な「知」を what we call knowledge と開く。この文の意味と英語の主語・動詞が対応しているか確認します
  • At the root of ... is ... の主語を見失わない。この文の意味と英語の主語・動詞が対応しているか確認します
  • 区別・命名・把握を三つの動詞で並列する。この文の意味と英語の主語・動詞が対応しているか確認します
  • one another で複数の物の相互の違いを示す。この文の意味と英語の主語・動詞が対応しているか確認します
  • 「それ」が直前の態度を指すと明示する。この文の意味と英語の主語・動詞が対応しているか確認します
発想の切り替え

この部分では「知ることの根底にある区別と命名」の流れのうち、抽象的な「知」を what we call knowledge と開くことが中心です。日本語の名詞を一語ずつ置き換えるのでなく、まず誰が何をするのかを決め、At the root of ... is ... の主語を見失わない形へ組み直します。さらに、区別・命名・把握を三つの動詞で並列する点も落とさないでください。標準解と別解の主語や接続語を比べると、同じ内容でも二通りの安全な組み方が見えてきます。

訳例
標準

At the root of what we call knowledge, or what it means to know something, is an attitude: we try to see how things differ from one another, give each thing a name, and understand what it is in a clear form.

別解

What lies behind knowing something is our effort to tell how one thing is different from another, name what we have separated, and make clear what each thing is.

この文でやりやすい誤り

knowledge を数えられる名詞にする

減点 大
A knowledge begins with naming things.
Knowledge begins with naming things.

この英文では「knowledge を数えられる名詞にする」という一つの欠陥が実際に現れています。そのままだと、この問題で必要な「抽象的な「知」を what we call knowledge と開く」という関係が崩れるか、原文より意味が強く・狭くなります。修正例では狙い以外の語順や時制は動かさず、この一点だけを直しています。答案では修正後の形を声に出して、主語から動詞、節の終わりまで確認してください。

what 節を疑問文語順にする

減点 中
We should understand what is it clearly.
We should understand what it is clearly.

この英文では「what 節を疑問文語順にする」という一つの欠陥が実際に現れています。そのままだと、この問題で必要な「At the root of ... is ... の主語を見失わない」という関係が崩れるか、原文より意味が強く・狭くなります。修正例では狙い以外の語順や時制は動かさず、この一点だけを直しています。答案では修正後の形を声に出して、主語から動詞、節の終わりまで確認してください。

different の後ろを with にする

減点 中
We see how one thing is different with another.
We see how one thing is different from another.

この英文では「different の後ろを with にする」という一つの欠陥が実際に現れています。そのままだと、この問題で必要な「区別・命名・把握を三つの動詞で並列する」という関係が崩れるか、原文より意味が強く・狭くなります。修正例では狙い以外の語順や時制は動かさず、この一点だけを直しています。答案では修正後の形を声に出して、主語から動詞、節の終わりまで確認してください。

三つの動作の形をそろえない

減点 中〜大
We try to separate things, to name them, and understanding them.
We try to separate things, name them, and understand them.

この英文では「三つの動作の形をそろえない」という一つの欠陥が実際に現れています。そのままだと、この問題で必要な「one another で複数の物の相互の違いを示す」という関係が崩れるか、原文より意味が強く・狭くなります。修正例では狙い以外の語順や時制は動かさず、この一点だけを直しています。答案では修正後の形を声に出して、主語から動詞、節の終わりまで確認してください。

name を名詞だけだと考えて動詞を落とす

減点 小〜中
We give a name each thing.
We give each thing a name.

この英文では「name を名詞だけだと考えて動詞を落とす」という一つの欠陥が実際に現れています。そのままだと、この問題で必要な「「それ」が直前の態度を指すと明示する」という関係が崩れるか、原文より意味が強く・狭くなります。修正例では狙い以外の語順や時制は動かさず、この一点だけを直しています。答案では修正後の形を声に出して、主語から動詞、節の終わりまで確認してください。

「把握する」を手でつかむ意味にする

減点 大
We catch each thing in a clear form.
We understand what each thing is in a clear form.

この英文では「「把握する」を手でつかむ意味にする」という一つの欠陥が実際に現れています。そのままだと、この問題で必要な「言うまでもないを It goes without saying で表す」という関係が崩れるか、原文より意味が強く・狭くなります。修正例では狙い以外の語順や時制は動かさず、この一点だけを直しています。答案では修正後の形を声に出して、主語から動詞、節の終わりまで確認してください。

root を複数扱いする

減点 中
The root of knowledge are these actions.
The root of knowledge is this attitude.

この英文では「root を複数扱いする」という一つの欠陥が実際に現れています。そのままだと、この問題で必要な「抽象的な「知」を what we call knowledge と開く」という関係が崩れるか、原文より意味が強く・狭くなります。修正例では狙い以外の語順や時制は動かさず、この一点だけを直しています。答案では修正後の形を声に出して、主語から動詞、節の終わりまで確認してください。

区別と命名の順序を逆に断定する

減点 小〜中
We name things before we can tell how they differ.
We tell how things differ and then give each thing a name.

この英文では「区別と命名の順序を逆に断定する」という一つの欠陥が実際に現れています。そのままだと、この問題で必要な「one another で複数の物の相互の違いを示す」という関係が崩れるか、原文より意味が強く・狭くなります。修正例では狙い以外の語順や時制は動かさず、この一点だけを直しています。答案では修正後の形を声に出して、主語から動詞、節の終わりまで確認してください。

この文の言いかえ
知識、知ること
knowledgeこの問題の「知識、知ること」に合う基本形です。数えない名詞として使うのが基本です
what we knowknowledgeがすぐに出ないとき、意味をほどいて書ける言いかえです。原文の強さと時制は保ってください。
the knowledge thing日本語の「知識、知ること」に thing を機械的に足しただけで、意味の関係が伝わりません。この形は使わないでください。
〜の根底に
at the root ofこの問題の「〜の根底に」に合う基本形です。位置の比喩であり、木の根そのものではありません
behindat the root ofがすぐに出ないとき、意味をほどいて書ける言いかえです。原文の強さと時制は保ってください。
AとBを区別する
tell A from Bこの問題の「AとBを区別する」に合う基本形です。tell には「見分ける」の意味があります
see how A differs from Btell A from Bがすぐに出ないとき、意味をほどいて書ける言いかえです。原文の強さと時制は保ってください。
互いに
one anotherこの問題の「互いに」に合う基本形です。三つ以上にも使えます。each other でも多くの場合通じます
each otherone anotherがすぐに出ないとき、意味をほどいて書ける言いかえです。原文の強さと時制は保ってください。
Aに名前を付ける
give A a nameこの問題の「Aに名前を付ける」に合う基本形です。give a name to A とも書けます
name Agive A a nameがすぐに出ないとき、意味をほどいて書ける言いかえです。原文の強さと時制は保ってください。
明瞭な形で
in a clear formこの問題の「明瞭な形で」に合う基本形です。clearly だけでも平易に言いかえられます
clearlyin a clear formがすぐに出ないとき、意味をほどいて書ける言いかえです。原文の強さと時制は保ってください。
第 2 文

それが重要であることは言うまでもありません。

つまずきやすいところ
  • ここが山場です。At the root of ... is ... の主語を見失わない。この文の意味と英語の主語・動詞が対応しているか確認します
  • 区別・命名・把握を三つの動詞で並列する。この文の意味と英語の主語・動詞が対応しているか確認します
  • one another で複数の物の相互の違いを示す。この文の意味と英語の主語・動詞が対応しているか確認します
  • 「それ」が直前の態度を指すと明示する。この文の意味と英語の主語・動詞が対応しているか確認します
  • 言うまでもないを It goes without saying で表す。この文の意味と英語の主語・動詞が対応しているか確認します
発想の切り替え

この部分では「知ることの根底にある区別と命名」の流れのうち、At the root of ... is ... の主語を見失わないことが中心です。日本語の名詞を一語ずつ置き換えるのでなく、まず誰が何をするのかを決め、区別・命名・把握を三つの動詞で並列する形へ組み直します。さらに、one another で複数の物の相互の違いを示す点も落とさないでください。標準解と別解の主語や接続語を比べると、同じ内容でも二通りの安全な組み方が見えてきます。

訳例
標準

It goes without saying how important this attitude is.

別解

We do not need to explain how important this way of thinking is.

この文でやりやすい誤り

「態度」を身体の姿勢に限定する

減点 中
This body position is important for knowledge.
This attitude is important for knowledge.

この英文では「「態度」を身体の姿勢に限定する」という一つの欠陥が実際に現れています。そのままだと、この問題で必要な「At the root of ... is ... の主語を見失わない」という関係が崩れるか、原文より意味が強く・狭くなります。修正例では狙い以外の語順や時制は動かさず、この一点だけを直しています。答案では修正後の形を声に出して、主語から動詞、節の終わりまで確認してください。

言うまでもないを need not say 人 とする

減点 中〜大
We need not say you how important it is.
It goes without saying how important it is.

この英文では「言うまでもないを need not say 人 とする」という一つの欠陥が実際に現れています。そのままだと、この問題で必要な「区別・命名・把握を三つの動詞で並列する」という関係が崩れるか、原文より意味が強く・狭くなります。修正例では狙い以外の語順や時制は動かさず、この一点だけを直しています。答案では修正後の形を声に出して、主語から動詞、節の終わりまで確認してください。

この文の言いかえ
態度、考え方
attitudeこの問題の「態度、考え方」に合う基本形です。身体の姿勢ではなく、物事への向き合い方を指します
way of thinkingattitudeがすぐに出ないとき、意味をほどいて書ける言いかえです。原文の強さと時制は保ってください。
言うまでもない
go without sayingこの問題の「言うまでもない」に合う基本形です。主語を It にする定型です
be clearly importantgo without sayingがすぐに出ないとき、意味をほどいて書ける言いかえです。原文の強さと時制は保ってください。
an overly formal expression知っている難しい表現を無理に使う必要はありません。ここでは平易な節のほうが正確です。
3

模範解答

標準解

まずここを目標にhow節 ×2 / what節 ×351語

At the root of what we call knowledge, or what it means to know something, is an attitude: we try to see how things differ from one another, give each thing a name, and understand what it is in a clear form. It goes without saying how important this attitude is.

標準解は全51語です。how節2個、what節3個を実測しました。抽象名詞の「知」を what we call knowledge と開き、区別する・名づける・明瞭に把握するという三つの動作を同じ文法の形で並べることを、難しい名詞に頼らず節と平易な動詞で表しています。冠詞、時制、主語と動詞の一致を文ごとに確認し、原文の内容がどの箇所に対応するかも照合しました。まずはこの形を目標にしてください。

説明を足した解

書けなかったときの逃げ道how節 ×2 / what節 ×342語

What lies behind knowing something is our effort to tell how one thing is different from another, name what we have separated, and make clear what each thing is. We do not need to explain how important this way of thinking is.

こちらは全42語で、how節2個、what節3個です。標準解とは骨格を変えながら、「知ることの根底にある区別と命名」の内容を落とさず説明しました。一語の訳語が出ない場合も、人・行動・理由を短い節で補えば正確に伝えられます。書いた後は、原文の限定や対比を強めすぎていないかも確認してください。

6

他の問題にも使える形

学習のコツを紹介する Boost のキャラクター Boo
how + S + V最重要

様子や程度を節に開く

抽象的な「知」を what we call knowledge と開くとき、抽象名詞を探すより how の後ろに主語と動詞を置くと内容が見えます。疑問文と違い、節の中では普通の語順にしてください。

This shows how the idea works.
We learned how people see the issue.
what + S + V最重要

内容を名詞節で示す

At the root of ... is ... の主語を見失わないときに使えます。「もの」「こと」を thing で受けず、何を指すかまで一つの節にすると、今回の中心である知ることの根底にある区別と命名が明確になります。

We should understand what the writer means.
Tell me what happened next.
If / When + S V, S Vよく使う

条件や時の関係を先に示す

区別・命名・把握を三つの動詞で並列する場合、先に条件や時点を置くと長い日本語を二つに整理できます。if 節で単純な条件を述べるときは、未来の内容でも現在形を基本にします。

If we look carefully, we can see the difference.
When people learn more, their view may change.
because + S Vよく使う

理由と結果を一度だけ結ぶ

one another で複数の物の相互の違いを示す理由を示すときに便利です。because を使ったら主節の前に so を重ねず、どちらが原因でどちらが結果かを読み返してください。

We changed our plan because we found a problem.
Because she asked a clear question, we understood her point.
not A but B / A and Bよく使う

対比と並列を使い分ける

「それ」が直前の態度を指すと明示するためには、反対関係なら not A but B、同じ向きの要素なら A and B を選びます。日本語の読点だけを見ず、二つの内容の関係を確かめてください。

The task needs not speed but care.
We asked questions and checked the facts.
主語を決める→節に開く→接続語を戻す最重要

長い和文を安全に組み立てる順番

この問題では言うまでもないを It goes without saying で表す点が最後の確認になります。まず各文の中心動詞を置き、how / what 節で中身を補い、最後に because や however を戻すと、訳し漏れを防げます。

知ることの根底にある区別と命名:中心動詞を決めてから細部を足す
教育の意義:何を学び、どう変わるかを先に書く
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この問題の語彙

表現意味ひとこと
knowledge知識、知ること数えない名詞として使うのが基本です
at the root of〜の根底に位置の比喩であり、木の根そのものではありません
tell A from BAとBを区別するtell には「見分ける」の意味があります
one another互いに三つ以上にも使えます。each other でも多くの場合通じます
give A a nameAに名前を付けるgive a name to A とも書けます
attitude態度、考え方身体の姿勢ではなく、物事への向き合い方を指します
in a clear form明瞭な形でclearly だけでも平易に言いかえられます
go without saying言うまでもない主語を It にする定型です
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出題の傾向

阪大の文学部以外では、知・教育・歴史などの説明文から、定義と論理関係を正確に組み直す和文英訳が続いています。2013年は分析技能の教育、2014年は知ることの構造、2015年は歴史的事実の捉え方が題材です。この年は「知ることの根底にある区別と命名」を、列挙や比喩の関係を崩さず平易な節で示せるかが中心です。

学習の成果を喜ぶ Boost のキャラクター Boo

この問題を解いて添削してもらう

解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。

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