「不完全さから伝わる辞書作りの熱」を扱う和文英訳です。差がつくのは、決して完全無欠ではないを far from perfect とすること、だからこその強調を precisely because で出すこと、そしてむしろを all the more clearly と関係づけることです。日本語の抽象名詞を英単語一語に置き換えるだけでは、因果や対比が見えなくなります。how節・what節に開き、誰がどう感じるのか、何が何を生むのかを明示します。各文の時制と主語をそろえ、原文にある強弱も落とさない答案を目指してください。
決して完全無欠ではないからこそ,むしろ,辞書を作ったひとたちの努力と熱気が伝わってくるような気がした。
次の日本文の下線部(2)の意味を英語で表しなさい。 ___下線部(1)___辞書は必ずしも万能ではないと知り,荒木は落胆するどころか,ますます愛着を深めた。___下線部(1)___かゆいところに手が届ききらぬ箇所があるのも,がんばっている感じがして,とてもいい。___下線部(2)___決して完全無欠ではないからこそ,むしろ,辞書を作ったひとたちの努力と熱気が伝わってくるような気がした。___下線部(2)___ ___下線部(3)___一見しただけでは無機質な言葉の羅列だが,この膨大な数の見出し語や語釈や作例はすべて,だれかが考えに考え抜いて書いたものなのだ。___下線部(3)___なんという根気。なんという言葉への執念。 (三浦しをん『舟を編む』)
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アプリでこの問題を解く 無料で1日2回まで添削できます決して完全無欠ではないからこそ,むしろ,辞書を作ったひとたちの努力と熱気が伝わってくるような気がした。
この部分では「不完全さから伝わる辞書作りの熱」のうち、決して完全無欠ではないを far from perfect とすることが中心です。日本語の語順を保とうとせず、まず誰が何をするかを決めます。その後、名詞のかたまりを what または how の節に開き、前後との因果・対比を接続語で結んでください。難しい一語を探すより、意味を二つの短い要素に分けるほうが安定します。
Precisely because the dictionary was far from perfect, Araki felt that he could see how hard its makers had worked, how much energy they had put into it, and what strong feelings had led them to keep working on every part of the book.
Because the dictionary was not perfect, Araki felt all the more clearly how much work its makers had put into it and what kind of strong feeling had driven them.
how 節の主語と動詞が一致していません。この問題では「決して完全無欠ではないを far from perfect とする」点が問われており、主語の単数・複数を確かめて動詞だけを直すと、その関係を正確に示せます。
understand の目的語になる how 節では、do や does を前に出しません。「だからこその強調を precisely because で出す」点を守るためにも、how の後ろを普通の文の語順にしてください。
explain は explain 人 物 の形を取りません。この問題の「むしろを all the more clearly と関係づける」点を説明するときも、人の前に to を置けば正しい骨格になります。
助動詞 can の直後は動詞の原形です。余分な to だけを除けば、「気がしたを felt he could see と弱めて残す」点を what 節で正しく示せます。
because で理由を始めたら、主節の前に so は置きません。「努力を how hard they had worked と節にする」という因果を見せる語は一つに絞ってください。
although と but を同じ一文で重ねると接続語が二つになります。「熱気を how strongly they cared と平易に説明する」点を明確にするため、although だけで対比を作ると読みやすくなります。
information は数えない名詞なので単数扱いです。この題では「作った時点が過去なので had worked とする」点を述べるため、are だけを is に直してください。
discuss は目的語を直接取るため about は不要です。「辞書の不完全さと作り手の努力を逆接でなく因果で結ぶ」点を how 節で受け、余分な前置詞だけを除きます。
使役の make の後ろは「人+動詞の原形」です。to だけを除けば、「不完全さから伝わる辞書作りの熱」が人に考えさせるという今回の意味が正確になります。
can の後ろに understanding は置けません。動詞の原形 understand に直せば、「不完全さから伝わる辞書作りの熱」の示され方を how 節で受ける自然な英文になります。
Precisely because the dictionary was far from perfect, Araki felt that he could see how hard its makers had worked, how much energy they had put into it, and what strong feelings had led them to keep working on every part of the book.
標準解は全44語です。how節2個、what節1個を実測しました。「不完全さから伝わる辞書作りの熱」という抽象的な内容を、誰が何を感じ、何がどう働くかまで節で説明しています。原文の対比・因果・時制を落とさず、使う語は高校範囲に抑えました。長い日本語を一度に訳さず、各文の主語と動詞を決めてから接続関係を戻す順番を、まずはここを目標にしてください。
Because the dictionary was not perfect, Araki felt all the more clearly how much work its makers had put into it and what kind of strong feeling had driven them. Its limits helped him understand how seriously they had worked on every part of it.
説明を足した解は全45語です。how節2個、what節1個です。標準解と同じ内容を別の骨格で表し、「不完全さから伝わる辞書作りの熱」の中心がどこにあるかを読み手に見えるようにしました。一語の訳語が思い出せないときでも、平易な動詞の後ろに節を置けば意味を守れます。表現の格好よさより、原文の各要素が答案のどこにあるかを一文ずつ照合してください。

名詞を内容のある節に開く
抽象名詞を一語で探すより、何を指すのかを主語と動詞で示すと、この問題の論理が読み手に伝わります。「不完全さから伝わる辞書作りの熱」を扱う今回も、語句より関係を先に決めるのがコツです。
状態や方法を節で示す
「あり方」「程度」「仕組み」を how 節にすると、難しい名詞を使わずに意味を正確に置けます。「不完全さから伝わる辞書作りの熱」を扱う今回も、語句より関係を先に決めるのがコツです。
理由を結果につなぐ
この題材では出来事を並べるだけでなく、なぜその結果になるのかを接続詞で見せる必要があります。「不完全さから伝わる辞書作りの熱」を扱う今回も、語句より関係を先に決めるのがコツです。
二つの面を対応させる
対比される二項を同じ文法の形にそろえると、長い日本語でも関係が崩れません。「不完全さから伝わる辞書作りの熱」を扱う今回も、語句より関係を先に決めるのがコツです。
場面や条件を先に置く
具体的な場面を節で示してから主文へ進むと、一般論と例のつながりが明確になります。「不完全さから伝わる辞書作りの熱」を扱う今回も、語句より関係を先に決めるのがコツです。
平易な動詞で説明する
show、see、know、understand のような高校語の後ろに節を置けば、難語に頼らず答案を組み立てられます。「不完全さから伝わる辞書作りの熱」を扱う今回も、語句より関係を先に決めるのがコツです。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| far from perfect | 完全にはほど遠い | 今回の「不完全さから伝わる辞書作りの熱」では far from perfect をこの意味で使います。前置詞・単複・語形を丸ごと確認し、単語だけを孤立して覚えないでください。 |
| precisely because | まさに〜だから | 今回の「不完全さから伝わる辞書作りの熱」では precisely because をこの意味で使います。前置詞・単複・語形を丸ごと確認し、単語だけを孤立して覚えないでください。 |
| maker | 作り手 | 今回の「不完全さから伝わる辞書作りの熱」では maker をこの意味で使います。前置詞・単複・語形を丸ごと確認し、単語だけを孤立して覚えないでください。 |
| work hard | 努力する | 今回の「不完全さから伝わる辞書作りの熱」では work hard をこの意味で使います。前置詞・単複・語形を丸ごと確認し、単語だけを孤立して覚えないでください。 |
| hope to | 〜を望む | 今回の「不完全さから伝わる辞書作りの熱」では hope to をこの意味で使います。前置詞・単複・語形を丸ごと確認し、単語だけを孤立して覚えないでください。 |
| care about | 〜を大切に思う | 今回の「不完全さから伝わる辞書作りの熱」では care about をこの意味で使います。前置詞・単複・語形を丸ごと確認し、単語だけを孤立して覚えないでください。 |
| all the more | いっそう | 今回の「不完全さから伝わる辞書作りの熱」では all the more をこの意味で使います。前置詞・単複・語形を丸ごと確認し、単語だけを孤立して覚えないでください。 |
| seriously | 真剣に | 今回の「不完全さから伝わる辞書作りの熱」では seriously をこの意味で使います。前置詞・単複・語形を丸ごと確認し、単語だけを孤立して覚えないでください。 |
阪大外国語学部の同じ長文でも、下線部ごとに得点の中心が異なります。2015年(1)は感情の反転ですが、(2)は「不完全であるからこそ努力が伝わる」という一見逆向きの因果が中心です。2014年外国語学部も価値観の閉鎖性を因果で説明しており、接続関係を見抜く力が続けて問われています。
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