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大阪大学 2016年度 前期日程 · 英語

文学部以外 和文英訳
解答と解説

「文字の成立と記憶の役割」を扱う和文英訳です。差がつくのは、文字を letters ではなく writing とすること、文化を進めるを help culture grow と動詞で表すこと、そして失ったものを what we have lost と開くことです。日本語の抽象名詞を英単語一語に置き換えるだけでは、因果や対比が見えなくなります。how節・what節に開き、誰がどう感じるのか、何が何を生むのかを明示します。各文の時制と主語をそろえ、原文にある強弱も落とさない答案を目指してください。

難易度 ★★★★★ 目安 24分 和文英訳 テーマ 文字の成立と記憶の役割
1

問題

文学部以外 次の日本文を英訳しなさい。

文字が文化を進めるのに大きなはたらきをするのはたしかであるが,文字があらわれたために失ったものもある。そのひとつが,記憶力である。文字がないと,大事なことは,記録して保存するということができない。すべては頭の中へ刻み込まれ,記憶として保持される。記憶はきわめて重要な保存の手段,唯一の方法であった。

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この問題で見られている力

  • 文字を letters ではなく writing とする
  • 文化を進めるを help culture grow と動詞で表す
  • 失ったものを what we have lost と開く
  • 記憶力を how much we can remember と具体化する
  • 「文字がないと」を Without writing で簡潔に置く
  • 大事なことを what is important で受ける
2

文ごとの解説

第 1 文

文字が文化を進めるのに大きなはたらきをするのはたしかであるが,文字があらわれたために失ったものもある。

つまずきやすいところ
  • ここが山場です。文字を letters ではなく writing とする
  • 文化を進めるを help culture grow と動詞で表す
  • 失ったものを what we have lost と開く
  • 記憶力を how much we can remember と具体化する
  • 「文字がないと」を Without writing で簡潔に置く
発想の切り替え

この部分では「文字の成立と記憶の役割」のうち、文字を letters ではなく writing とすることが中心です。日本語の語順を保とうとせず、まず誰が何をするかを決めます。その後、名詞のかたまりを what または how の節に開き、前後との因果・対比を接続語で結んでください。難しい一語を探すより、意味を二つの短い要素に分けるほうが安定します。

訳例
標準

It is true that writing has done much to develop culture, but there are also things that we have lost because writing came into use.

別解

We know how greatly written words have helped culture grow.

この文でやりやすい誤り

「writing and memory」を主語にした節で動詞の数を誤る

減点 中
This passage shows us how writing and memory affects people.
This passage shows us how writing and memory affect people.

how 節の主語と動詞が一致していません。この問題では「文字を letters ではなく writing とする」点が問われており、主語の単数・複数を確かめて動詞だけを直すと、その関係を正確に示せます。

「文字・書く仕組み」の影響を make 人 to V で書く

減点 大
Writing and memory make people to think about what matters.
Writing and memory make people think about what matters.

使役の make の後ろは「人+動詞の原形」です。to だけを除けば、「文字の成立と記憶の役割」が人に考えさせるという今回の意味が正確になります。

この文の言いかえ
文字・書く仕組み
writingこの問題の「文字・書く仕組み」に最も合う、平易で安全な形です。前後の主語と時制も一緒に確認してください。
written words「writing」が出ないときに使える、意味をほどいた平易な言いかえです。文の形に合わせてください。
writingly語尾を足しただけの不自然な形です。この選択肢は使わないでください。
発展させる
developこの問題の「発展させる」に最も合う、平易で安全な形です。前後の主語と時制も一緒に確認してください。
help grow「develop」が出ないときに使える、意味をほどいた平易な言いかえです。文の形に合わせてください。
developly語尾を足しただけの不自然な形です。この選択肢は使わないでください。
使われ始める
come into useこの問題の「使われ始める」に最も合う、平易で安全な形です。前後の主語と時制も一緒に確認してください。
begin to be used「come into use」が出ないときに使える、意味をほどいた平易な言いかえです。文の形に合わせてください。
come into usely語尾を足しただけの不自然な形です。この選択肢は使わないでください。
第 2 文

そのひとつが,記憶力である。

つまずきやすいところ
  • ここが山場です。文化を進めるを help culture grow と動詞で表す
  • 失ったものを what we have lost と開く
  • 記憶力を how much we can remember と具体化する
  • 「文字がないと」を Without writing で簡潔に置く
  • 大事なことを what is important で受ける
発想の切り替え

この部分では「文字の成立と記憶の役割」のうち、文化を進めるを help culture grow と動詞で表すことが中心です。日本語の語順を保とうとせず、まず誰が何をするかを決めます。その後、名詞のかたまりを what または how の節に開き、前後との因果・対比を接続語で結んでください。難しい一語を探すより、意味を二つの短い要素に分けるほうが安定します。

訳例
標準

One of them is how much we can remember.

別解

However, when writing appeared, people also lost something: the power to remember.

この文でやりやすい誤り

「writing and memoryがどう働くか」を疑問文語順にする

減点 大
We can understand how do writing and memory work in this passage.
We can understand how writing and memory work in this passage.

understand の目的語になる how 節では、do や does を前に出しません。「文化を進めるを help culture grow と動詞で表す」点を守るためにも、how の後ろを普通の文の語順にしてください。

「発展させる」を can の後ろで動名詞にする

減点 中
We can understanding how writing and memory are presented.
We can understand how writing and memory are presented.

can の後ろに understanding は置けません。動詞の原形 understand に直せば、「文字の成立と記憶の役割」の示され方を how 節で受ける自然な英文になります。

この文の言いかえ
覚えている
rememberこの問題の「覚えている」に最も合う、平易で安全な形です。前後の主語と時制も一緒に確認してください。
keep in mind「remember」が出ないときに使える、意味をほどいた平易な言いかえです。文の形に合わせてください。
rememberly語尾を足しただけの不自然な形です。この選択肢は使わないでください。
第 3 文

文字がないと,大事なことは,記録して保存するということができない。

つまずきやすいところ
  • ここが山場です。失ったものを what we have lost と開く
  • 記憶力を how much we can remember と具体化する
  • 「文字がないと」を Without writing で簡潔に置く
  • 大事なことを what is important で受ける
  • 頭に刻むを be fixed in the mind とする
発想の切り替え

この部分では「文字の成立と記憶の役割」のうち、失ったものを what we have lost と開くことが中心です。日本語の語順を保とうとせず、まず誰が何をするかを決めます。その後、名詞のかたまりを what または how の節に開き、前後との因果・対比を接続語で結んでください。難しい一語を探すより、意味を二つの短い要素に分けるほうが安定します。

訳例
標準

Without writing, people cannot record and keep what is important.

別解

If there are no written words, people cannot make a record of what matters and save it.

この文でやりやすい誤り

「writing and memoryの意味」を explain 人 物 で書く

減点 中
The writer explains us what writing and memory mean.
The writer explains to us what writing and memory mean.

explain は explain 人 物 の形を取りません。この問題の「失ったものを what we have lost と開く」点を説明するときも、人の前に to を置けば正しい骨格になります。

「writing and memory」の対比を although と but で重ねる

減点 中
Although writing and memory seem simple, but the topic has a deeper meaning.
Although writing and memory seem simple, the topic has a deeper meaning.

although と but を同じ一文で重ねると接続語が二つになります。「大事なことを what is important で受ける」点を明確にするため、although だけで対比を作ると読みやすくなります。

この文の言いかえ
記録する
recordこの問題の「記録する」に最も合う、平易で安全な形です。前後の主語と時制も一緒に確認してください。
write down「record」が出ないときに使える、意味をほどいた平易な言いかえです。文の形に合わせてください。
recordly語尾を足しただけの不自然な形です。この選択肢は使わないでください。
保存する
keepこの問題の「保存する」に最も合う、平易で安全な形です。前後の主語と時制も一緒に確認してください。
save「keep」が出ないときに使える、意味をほどいた平易な言いかえです。文の形に合わせてください。
keeply語尾を足しただけの不自然な形です。この選択肢は使わないでください。
第 4 文

すべては頭の中へ刻み込まれ,記憶として保持される。

つまずきやすいところ
  • ここが山場です。記憶力を how much we can remember と具体化する
  • 「文字がないと」を Without writing で簡潔に置く
  • 大事なことを what is important で受ける
  • 頭に刻むを be fixed in the mind とする
  • 唯一の方法だったという過去時制を守る
発想の切り替え

この部分では「文字の成立と記憶の役割」のうち、記憶力を how much we can remember と具体化することが中心です。日本語の語順を保とうとせず、まず誰が何をするかを決めます。その後、名詞のかたまりを what または how の節に開き、前後との因果・対比を接続語で結んでください。難しい一語を探すより、意味を二つの短い要素に分けるほうが安定します。

訳例
標準

Everything has to be fixed in the mind and kept as what a person remembers.

別解

They must put everything into their minds and keep it there.

この文でやりやすい誤り

「writing and memoryの重要点」で can to see と書く

減点 大
We can to see what is important about writing and memory.
We can see what is important about writing and memory.

助動詞 can の直後は動詞の原形です。余分な to だけを除けば、「記憶力を how much we can remember と具体化する」点を what 節で正しく示せます。

「writing and memory」についての information を複数扱いする

減点 小〜中
The information about writing and memory are important here.
The information about writing and memory is important here.

information は数えない名詞なので単数扱いです。この題では「頭に刻むを be fixed in the mind とする」点を述べるため、are だけを is に直してください。

この文の言いかえ
頭・心
mindこの問題の「頭・心」に最も合う、平易で安全な形です。前後の主語と時制も一緒に確認してください。
memory「mind」が出ないときに使える、意味をほどいた平易な言いかえです。文の形に合わせてください。
mindly語尾を足しただけの不自然な形です。この選択肢は使わないでください。
第 5 文

記憶はきわめて重要な保存の手段,唯一の方法であった。

つまずきやすいところ
  • ここが山場です。「文字がないと」を Without writing で簡潔に置く
  • 大事なことを what is important で受ける
  • 頭に刻むを be fixed in the mind とする
  • 唯一の方法だったという過去時制を守る
  • 文字を letters ではなく writing とする
発想の切り替え

この部分では「文字の成立と記憶の役割」のうち、「文字がないと」を Without writing で簡潔に置くことが中心です。日本語の語順を保とうとせず、まず誰が何をするかを決めます。その後、名詞のかたまりを what または how の節に開き、前後との因果・対比を接続語で結んでください。難しい一語を探すより、意味を二つの短い要素に分けるほうが安定します。

訳例
標準

Memory was therefore not only a very important way to keep information but also the only way people had.

別解

This shows what memory once meant: it was the one and only means of keeping important information.

この文でやりやすい誤り

「writing and memory」の因果を because と so で二重に結ぶ

減点 中
Because writing and memory matter here, so the writer explains the topic carefully.
Because writing and memory matter here, the writer explains the topic carefully.

because で理由を始めたら、主節の前に so は置きません。「「文字がないと」を Without writing で簡潔に置く」という因果を見せる語は一つに絞ってください。

「writing and memoryが見方を変える仕組み」を discuss about で始める

減点 小〜中
The passage discusses about how writing and memory change our view.
The passage discusses how writing and memory change our view.

discuss は目的語を直接取るため about は不要です。「唯一の方法だったという過去時制を守る」点を how 節で受け、余分な前置詞だけを除きます。

この文の言いかえ
手段
meansこの問題の「手段」に最も合う、平易で安全な形です。前後の主語と時制も一緒に確認してください。
way「means」が出ないときに使える、意味をほどいた平易な言いかえです。文の形に合わせてください。
meansly語尾を足しただけの不自然な形です。この選択肢は使わないでください。
3

模範解答

標準解

まずここを目標にhow節 ×1 / what節 ×278語

It is true that writing has done much to develop culture, but there are also things that we have lost because writing came into use. One of them is how much we can remember. Without writing, people cannot record and keep what is important. Everything has to be fixed in the mind and kept as what a person remembers. Memory was therefore not only a very important way to keep information but also the only way people had.

標準解は全78語です。how節1個、what節2個を実測しました。「文字の成立と記憶の役割」という抽象的な内容を、誰が何を感じ、何がどう働くかまで節で説明しています。原文の対比・因果・時制を落とさず、使う語は高校範囲に抑えました。長い日本語を一度に訳さず、各文の主語と動詞を決めてから接続関係を戻す順番を、まずはここを目標にしてください。

説明を足した解

書けなかったときの逃げ道how節 ×1 / what節 ×267語

We know how greatly written words have helped culture grow. However, when writing appeared, people also lost something: the power to remember. If there are no written words, people cannot make a record of what matters and save it. They must put everything into their minds and keep it there. This shows what memory once meant: it was the one and only means of keeping important information.

説明を足した解は全67語です。how節1個、what節2個です。標準解と同じ内容を別の骨格で表し、「文字の成立と記憶の役割」の中心がどこにあるかを読み手に見えるようにしました。一語の訳語が思い出せないときでも、平易な動詞の後ろに節を置けば意味を守れます。表現の格好よさより、原文の各要素が答案のどこにあるかを一文ずつ照合してください。

6

他の問題にも使える形

学習のコツを紹介する Boost のキャラクター Boo
what S V最重要

名詞を内容のある節に開く

抽象名詞を一語で探すより、何を指すのかを主語と動詞で示すと、この問題の論理が読み手に伝わります。「文字の成立と記憶の役割」を扱う今回も、語句より関係を先に決めるのがコツです。

It is true that writing has done much to develop culture, but there are also things that we have lost because writing came into use.
Practice shows us how we learn and what we still need to improve in a different situation.
how S V最重要

状態や方法を節で示す

「あり方」「程度」「仕組み」を how 節にすると、難しい名詞を使わずに意味を正確に置けます。「文字の成立と記憶の役割」を扱う今回も、語句より関係を先に決めるのがコツです。

One of them is how much we can remember.
Practice shows us how we learn and what we still need to improve in a different situation.
because S V最重要

理由を結果につなぐ

この題材では出来事を並べるだけでなく、なぜその結果になるのかを接続詞で見せる必要があります。「文字の成立と記憶の役割」を扱う今回も、語句より関係を先に決めるのがコツです。

Without writing, people cannot record and keep what is important.
Practice shows us how we learn and what we still need to improve in a different situation.
not only A but also Bよく使う

二つの面を対応させる

対比される二項を同じ文法の形にそろえると、長い日本語でも関係が崩れません。「文字の成立と記憶の役割」を扱う今回も、語句より関係を先に決めるのがコツです。

Everything has to be fixed in the mind and kept as what a person remembers.
Practice shows us how we learn and what we still need to improve in a different situation.
when / if S Vよく使う

場面や条件を先に置く

具体的な場面を節で示してから主文へ進むと、一般論と例のつながりが明確になります。「文字の成立と記憶の役割」を扱う今回も、語句より関係を先に決めるのがコツです。

Memory was therefore not only a very important way to keep information but also the only way people had.
Practice shows us how we learn and what we still need to improve in a different situation.
S + plain verb + what/how節よく使う

平易な動詞で説明する

show、see、know、understand のような高校語の後ろに節を置けば、難語に頼らず答案を組み立てられます。「文字の成立と記憶の役割」を扱う今回も、語句より関係を先に決めるのがコツです。

It is true that writing has done much to develop culture, but there are also things that we have lost because writing came into use.
Practice shows us how we learn and what we still need to improve in a different situation.
7

この問題の語彙

表現意味ひとこと
writing文字・書く仕組み今回の「文字の成立と記憶の役割」では writing をこの意味で使います。前置詞・単複・語形を丸ごと確認し、単語だけを孤立して覚えないでください。
develop発展させる今回の「文字の成立と記憶の役割」では develop をこの意味で使います。前置詞・単複・語形を丸ごと確認し、単語だけを孤立して覚えないでください。
come into use使われ始める今回の「文字の成立と記憶の役割」では come into use をこの意味で使います。前置詞・単複・語形を丸ごと確認し、単語だけを孤立して覚えないでください。
remember覚えている今回の「文字の成立と記憶の役割」では remember をこの意味で使います。前置詞・単複・語形を丸ごと確認し、単語だけを孤立して覚えないでください。
record記録する今回の「文字の成立と記憶の役割」では record をこの意味で使います。前置詞・単複・語形を丸ごと確認し、単語だけを孤立して覚えないでください。
keep保存する今回の「文字の成立と記憶の役割」では keep をこの意味で使います。前置詞・単複・語形を丸ごと確認し、単語だけを孤立して覚えないでください。
mind頭・心今回の「文字の成立と記憶の役割」では mind をこの意味で使います。前置詞・単複・語形を丸ごと確認し、単語だけを孤立して覚えないでください。
means手段今回の「文字の成立と記憶の役割」では means をこの意味で使います。前置詞・単複・語形を丸ごと確認し、単語だけを孤立して覚えないでください。
8

出題の傾向

阪大の文学部以外では、文化・歴史・言語を扱う説明文をまとまりごと英訳させる年があります。2015年文学部以外の歴史論も、身近な語を定義し直す文章でした。2016年は文字の利点だけでなく、文字以前の記憶の働きまで追う必要があり、対比と時制の管理が得点差になります。

学習の成果を喜ぶ Boost のキャラクター Boo

この問題を解いて添削してもらう

解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。

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