思考は止まった物ではなく動かす必要があり、そのためには刺激が要る。一人の頭の中だけで考えを深めるのは難しい、という短い三文です。後続文脈では、学校で一人に考えさせても思考が行き詰まり、少し違う考えをぶつける対話が必要だと展開します。したがって「動かす」はphysically moveではなく、keep our thinking moving / move from one idea to the next と意味を説明します。what makes us question an idea、how another view changes it、what lies beyond our first answer と節へ開けば、刺激が必要な理由まで見える訳になります。下線部だけを見ると、刺激を音や光のような感覚刺激と誤読しやすい問題です。しかし直後には、一人で考える時間を作っても最初の一分しか考えず、思考が行き詰まるので対話が必要だとあります。さらに別の考えをぶつけられると次へ進める、と続きます。したがってここで必要な刺激はnew question、another person's view、something that challenges what we already believeのような知的な働きかけです。第一文の引用符も、思考という物を移動させるという意味ではありません。最初の考えにとどまらず、次の疑問や理解へ進めることです。第二文ではTo keep our thinking movingを文頭に置き、何が必要かを後ろで説明します。第三文の「自分ひとり」は寂しい感情を表すlonelyではなく、他者の視点を借りずentirely by ourselvesという方法の限定です。一人では何を見落としたか、別の人にはどう見えるかに気づきにくい、とwhat/how節へ開くと、三文の因果が一つにつながります。
思考は「動かす」ことが必要です。動かすためには刺激がなければならない。自分ひとりの頭の中で考えを深めるのは難しいことです。
次の日本文の下線部(1)の意味を英語で表しなさい。 ___下線部(1)___思考は「動かす」ことが必要です。動かすためには刺激がなければならない。自分ひとりの頭の中で考えを深めるのは難しいことです。___下線部(1)___多くの小中学校で,「いまから15分でこれこれの問題について考えてください」というように「考える時間」をつくったりしますが,たいていは最初の1分しか考えていません。___下線部(2)___あとは全然違うことを考えています。___下線部(2)___思考が行き詰まってしまう。そこで「対話」が必要になるのです。 ___下線部(3)___ある考えに対して,ちょっと違う考えをぶつけられれば,次の考えに進むことができます。矛盾をどうにかしようと思考を働かせられるのです。___下線部(3)___ (齋藤孝『読書する人だけがたどり着ける場所』)
解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。「動かす」を思考の進展、「刺激」を別の問いや他者の見方、「一人」を他者の視点に頼らない状態として説明してください。後続文脈の対話へつながる訳になっているか確認すると、比喩の直訳を避けられます。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。
アプリでこの問題を解く 無料で1日2回まで添削できます思考は「動かす」ことが必要です。
Thought needs to be moved と受け身にすると、誰かが物を運ぶように聞こえます。We need to keep our thinking active and moving forward と、人が思考を働かせ続ける意味に直します。後続文脈では一つの考えが行き詰まり、対話によって次の考えへ進むので、move from what we first think to what we can think next とwhat節で方向を示すのも有効です。
We need to keep our thinking active and moving, so that we can move from what we first think to what we may be able to understand next.
Our thoughts must not be allowed to stop; we have to keep asking how one idea can lead us to another and what more we can find beyond our first answer.
部屋間の移動を加えると、思考という物体を運ぶ話になります。原文の動かすは考えを進展させる比喩です。
thinkingは思考過程を表すとき通常不可算です。個別の考えならthoughtsを使います。
これでは思考が移動する必要がある、または思考は移動に必要だと読めます。人が思考を進める骨格にします。
動かすためには刺激がなければならない。
「刺激」をlight or soundの感覚刺激と決めつけてはいけません。直後に対話と違う考えが出るので、ここでは what makes us question our first idea / another view that makes us respond と説明できます。To keep it moving, we need something ... とすれば、第一文との代名詞関係も明確です。
To keep our thinking moving, we need something that makes us question what we already think and consider how another person may see the same matter.
Our minds need a new idea from outside—something that challenges what we believe and makes us ask what might be wrong with it.
後続文脈の刺激は他者の違う考えや対話です。電気的刺激を加えると原文にない危険な意味になります。
excitingは形容詞で名詞の位置に置けません。また楽しい興奮ではなく、考えを問い直すきっかけです。
原文は動かすために刺激が必要だという必要条件です。この文は刺激が必ずあるから動くと事実を断定しています。
自分ひとりの頭の中で考えを深めるのは難しいことです。
alone in my head のような直訳でも意味は取れますが、一般論なのでweを使います。一人では自分の最初の前提に気づきにくい、という文脈を It is difficult to see what we have missed or how else the matter can be understood when we rely only on our own minds と説明すれば、なぜ刺激が必要かまでつながります。
It is difficult to develop an idea much further when we rely only on what is already inside our own minds, because we may not notice what we have missed or how else the matter could be understood.
When we think entirely by ourselves, it is hard to deepen what we think: no different voice is there to show us how limited our first idea may be.
lonelyは寂しい感情です。原文は他者の考えを借りず一人だけで考える方法の話です。
一般のpeopleが話し手の頭の中で考える不可能な文です。主語と所有格をwe / ourにそろえます。
digは土を掘る物理的な動作で、この組み合わせは不自然です。develop an ideaやthink more deeplyを使います。
原文は難しいと述べており、一人では一秒も考えられないとは言っていません。impossibleは強すぎます。
We need to keep our thinking active and moving, so that we can move from what we first think to what we may be able to understand next. To keep our thinking moving, we need something that makes us question what we already think and consider how another person may see the same matter. It is difficult to develop an idea much further when we rely only on what is already inside our own minds, because we may not notice what we have missed or how else the matter could be understood.
全92語です。引用符付きの「動かす」を物理移動にせず、最初の考えから次の理解へ進むこととして what we first think / what we may understand next に開きました。刺激も単なる音や光ではなく、最初の考えを問い直し、他者がどう見るか考えさせるものです。最後は一人では what we have missed と how else the matter could be understood に気づきにくいと説明しました。how節2個、what節5個はすべて原文と後続文脈に沿っています。
Thinking must continue to change instead of staying in one place. For this to happen, we need a new question or another person's view that makes us examine what we believe. Such a stimulus can show us how our first answer is limited and what other answers may be possible. If we think only inside our own minds, it is hard to notice what we have left out, understand how the problem looks to someone else, or develop our idea beyond what we already know.
全80語です。「動かす」を continue to change instead of staying in one place と比喩の対比で説明しました。刺激の具体例をnew question / another person's viewとし、後続の「対話」へ自然につながるようにしています。最後は一人の思考の限界を、見落とし、他者の見方、既知を越えることの三点に分けました。stimulusが出にくければ something new from outside と書いても十分です。難しい抽象語より、思考がどのように次へ進むかを動詞で示してください。

状態や動作を続ける
思考を動かし続ける、関心を保つなど、継続する状態を示せます。
考えの出発点と到着点を節にする
物理移動ではなく、理解がどこからどこへ進むかを説明できます。
刺激の中身を説明する
stimulus一語にせず、何を問い直させるものかを関係節とwhat節で示せます。
他者の視点を考える
対話や異文化理解で、別の見方をhow節に開けます。
一つの手段だけに頼る限界
何かが難しい理由を、情報源や方法の不足として示せます。
見落としと別解釈を示す
自分の考えの限界を、欠けた内容と別の見方の二つに分けられます。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| thinking | 思考、考えること | 過程を表すとき通常不可算です |
| active | 活発な | keep our thinking activeの形で使えます |
| move forward | 前へ進む、進展する | 思考や計画にも比喩的に使えます |
| stimulus | 刺激 | 難しければsomething new that challenges usと説明できます |
| challenge | 問い直させる、異議を投げかける | 難題という名詞の意味だけではありません |
| rely on | 〜に頼る | 前置詞onを忘れないでください |
| develop | 発展させる | develop an ideaで考えを深める意味です |
| further | さらに先へ | 比較級fartherは物理距離に多く使います |
阪大外国語学部は、一つの長い文章から複数の下線部を分けて英訳させる年があります。2020年は(1)思考を動かす刺激、(2)考える時間に別のことを考えてしまう状態、(3)違う考えをぶつけて次へ進む対話、という連続した内容です。全学部の独立した随筆や文学部の長文とは違い、下線部の外側にある文脈を読んで代名詞や比喩の意味を決める必要があります。この(1)では、後に対話が解決策として出ることを踏まえ、「刺激」を単なる音や光ではなく他者の考えとして読めるかが重要です。下線部問題では、対象箇所だけを独立した標語のように訳さないでください。前後から、同じ語が何を指し、次の段落がどんな理由や例を与えるかを確認します。この文章では「動かす」が後の「次の考えに進む」と対応し、「刺激」が「ちょっと違う考え」と対応し、一人で深めにくいという問題が「対話」の必要性へつながります。この三組を英語にも反映すれば、短い下線部でも文章全体と結びついた訳になります。別解ではthinking、thoughts、ideasを使い分け、思考過程、個々の考え、考えの内容を混同しないようにしてください。
解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。「動かす」を思考の進展、「刺激」を別の問いや他者の見方、「一人」を他者の視点に頼らない状態として説明してください。後続文脈の対話へつながる訳になっているか確認すると、比喩の直訳を避けられます。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。
アプリでこの問題を解く iOS · Android · Web で使えます問題文と模範解答をまとめた質問文を用意しました。いつも使っている AI を選ぶと、質問文がコピーされた状態でそのサービスが開きます。
添削そのものは Boost アプリのほうが得意です。AI には「なぜこの訳になるの?」のような、解説の追加質問を投げるのがおすすめです。