忘れたことと疑問が解決したことを明確に分け、心に戻ってくる「そもそも」の問いをもう一度考える営みこそ哲学だと述べる文章です。「〜からといって」を just because ... does not mean ... で処理すること、疑問がどのように広がるかを how 節で説明すること、「〜に他ならない」を this is exactly what it means to ... と what 節で受けることが中心です。時々といつの間にかの時間表現も落とせません。
とはいえ,忘れたからといって,疑問が解決されたわけではありません。時々は,思い出したり、疑問が広がったりするのではないでしょうか。 実を言えば,いつの間にか忘れてしまった「そもそも」問題を,あらためて問い直すのが「哲学すること」に他なりません。
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アプリでこの問題を解く 無料で1日2回まで添削できますとはいえ,忘れたからといって,疑問が解決されたわけではありません。
日本語の「AからといってBではない」は、AがBの十分な理由にならないという関係です。二文に切るより Just because we have forgotten a question does not mean that ... と一つの型に入れると、その関係がそのまま伝わります。疑問は puzzle ではなく question とし、答えが出たという意味なら has been answered が自然です。現在まで未解決なので現在完了を使います。ここで we を補うのは、特定の一人ではなく誰にでも起こる思考の話だからです。また it は question を受け、忘れた人と答えられた疑問を取り違えないようにします。
Even so, just because we have forgotten a question does not mean that it has been answered.
Still, the fact that a question has slipped from our minds does not show that we have found what the answer is.
because では忘れたことが未解決の原因だという意味になります。原文は、忘れた事実から解決済みとは結論できない、と推論を否定しています。
answer と自然に結びつくのは question です。problem は通常 solve するものなので、この組み合わせでは語の選び方がずれています。
今この瞬間に答えられていないという状態に聞こえます。過去から今まで解決に至っていないので、現在完了の has not been answered が合います。
時々は,思い出したり、疑問が広がったりするのではないでしょうか。
疑問そのものが空間的に広がるわけではありません。最初の問いから新しい問いが生まれ、考える範囲が広がるという意味です。そこで it may lead us to see how many more things we need to ask と説明します。「思い出す」と「広がる」は別々の可能性なので and で同時発生に固定せず、or を使うと「〜たり〜たり」に合います。may を両方に置くのは、いつも必ず起きるとは言わず「そういうこともあるのでは」と控えめに問いかけるためです。raises の主語 it は最初の疑問で、その疑問が別の問いを生むという因果も見えます。
Sometimes we may remember it, or we may begin to see how many more questions it raises.
At times the old question may come back to us and make us notice how far our doubt can grow and what else we need to ask.
remember は自動詞にもなりますが、ここでは何を思い出すのかが文の中心です。目的語を落とすと疑問とのつながりが見えません。
うわさや病気なら spread しますが、ここでは一つの疑問から新しい問いが生まれる話です。何が増えるかまで書く必要があります。
思い出す可能性だけになり、そこから疑問がさらに広がるという後半が消えています。二つの動きを or で並べてください。
実を言えば,いつの間にか忘れてしまった「そもそも」問題を,あらためて問い直すのが「哲学すること」に他なりません。
「そもそも」を first of all 一語にすると、単なる話の順番になります。ここでは普段は忘れている根本の問いなので、「最も基本の問いとは何か」と what the most basic questions are に開いてください。これなら日本語の「そもそも問題」という名詞の塊を、その中身を尋ねる節にできます。「哲学する」を philosophize と難しくせず、do philosophy で十分です。最後を what it means to do philosophy とすれば、「問い直すこと」と「哲学すること」が同じだという核心も明確になります。without noticing は、急に忘れたのではなく、忘れたことにも気づいていなかった時間の流れを残します。
In fact, asking again what the most basic questions are after we have forgotten them without noticing is exactly what it means to do philosophy.
To tell the truth, philosophy is nothing more than returning to the questions we somehow left behind and asking again why things are the way they are.
suddenly は急な出来事です。「いつの間にか」は気づかないうちに時間が過ぎたことなので、before we knew it が合います。
at first は時間的な「最初は」であり、根本から問うという「そもそも」の内容を表せません。さらに from at first という形も作りません。
again と once more が同じ意味を二重に表しています。どちらか一つで「あらためて」を示せます。
philosophy は学問や営みで、人が「哲学そのものになる」わけではありません。be philosophy では行為との同定ができないため、人が行う営みとして do philosophy とします。
first を使うと「忘れた疑問を最初に尋ね、その後で哲学をする」という手順になります。原文の「そもそも」は根本的な問いの性質を示し、問い直す行為そのものが哲学だと述べています。
Even so, just because we have forgotten a question does not mean that it has been answered. Sometimes we may remember it, or we may begin to see how many more questions it raises. In fact, asking again what the most basic questions are after we have forgotten them without noticing is exactly what it means to do philosophy.
第1文は just because A does not mean B で「忘却=解決」という誤った結びつきを否定しました。第2文の how many more questions it raises は、疑問が広がるとは新しい問いが増えることだと具体化しています。第3文では「そもそも問題」という名詞の塊を what the most basic questions are に開き、さらに what it means to do philosophy で問い直す行為と哲学を同定しました。how節1個、what節2個の合計3個を実文で数えています。without noticing によって「いつの間にか」も残し、難しい哲学用語なしで、忘却、再浮上、問い直しという原文の流れを保っています。
Still, the fact that a question has slipped from our minds does not show that we have found what the answer is. At times the old question may come back to us and make us notice how far our doubt can grow and what else we need to ask. To tell the truth, philosophy means returning to the questions we somehow left behind and asking again why things are the way they are.
こちらは「疑問が解決された」を we have found what the answer is と能動態へ開きました。また「そもそも問題」を why things are the way they are と具体的に説明しています。標準解が「根本の問いとは何か」と問いの種類を開くのに対し、こちらは「なぜ物事は今のようになっているのか」と問いの一例まで示す版です。原文は具体的な問いを指定していないので、断定的に狭めず、根本を問う代表例として置いています。slip from our minds が出なければ simply forget でかまいません。疑問が戻るだけでなく what else we need to ask まで進めると、「疑問が広がる」が別の問いを生むことだと伝わります。抽象語を探すより、誰が何を忘れ、何を再び問うのかを順番に書くほうが、内容を落とさない答案になります。

誤った因果を否定する
Aという事実だけではBを結論できない、と論理の飛躍を正せます。評論文でも自由英作文でも使いやすい形です。
過去から今までの結果を受け身で表す
誰がしたかより、今どの状態にあるかが大切な文で使います。
変化の程度を節で見せる
「広がり」「深さ」のような名詞を、実際にどの程度かという内容へ開けます。形容詞や副詞を how の直後に置くと、変化そのものだけでなく、その大きさや速さへ焦点を当てられます。
ほかに何をすべきかを書く
追加の疑問や課題を漠然と things で済ませず、what 節にできます。
気づかないうちの変化
「いつの間にか」を突然の出来事にせず、本人が気づく前に進んだこととして書けます。
AこそBだと同定する
「AがBに他ならない」「AこそBの意味だ」という抽象的な結論を平易に書けます。Aには具体的な行動を置くと、抽象語Bの内容を説明する文になり、nothing other than の硬い直訳を避けられます。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| question | 疑問、問い | 答える対象なので answer a question と結びつきます |
| answer | 答える、答え | 動詞でも名詞でも使えます。受け身は be answered です |
| raise | 提起する、生じさせる | raise a question で「疑問を生じさせる」です。rise とは区別します |
| doubt | 疑い、疑問 | 不可算で一般的な疑いを表せます。具体的な問いなら question が安全です |
| basic | 根本的な、基本的な | first では表しにくい「そもそも」の内容に使えます |
| somehow | いつの間にか、どういうわけか | 方法が不明という響きもあるので、時間を強調するなら before we knew it が明確です |
| philosophy | 哲学 | 営みは do philosophy、人は philosopher です |
| mean | 意味する | what it means to V の語順で「Vするとはどういうことか」を表します |
阪大の全学部向け和文英訳は、2022年の宇宙の条件、2023年の人類の共通性、2024年の根本的な疑問、2025年の別問題へと、身近な言葉から抽象的な考察へ進む素材が続きます。一方、同じ年でも文学部はフィクション、文学部以外は報道を扱います。学部別に題材は変わっても、日本語の名詞表現を節へ開き、対比や因果を補って論理を見える形にする点は共通しています。
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