フィクションなら自由に描いてよいという考えを否定し、描かれる人が故人の場合に制約がどう変わるかを段階的に問う文章です。強い「決して〜ない」、仮定の「故人だった場合」、引用内の二つの条件、最後にもう一度置かれる問いを正確に追う必要があります。「縛り」を rules about what a writer may do と what 節へ開き、当てはまらない場合を if neither is true と受けると、難しい法律用語なしで整理できます。
フィクションだから何でも許される,というわけでは決してないのです。では,そのひとが既に故人だった場合はどうでしょう。「既にその死から何百年も経過している」「歴史上の偉人として研究し尽くされている」といったケースでは縛りが緩くなることもあるでしょうが,それに当たらない場合は,どうでしょうか。
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アプリでこの問題を解く 無料で1日2回まで添削できますフィクションだから何でも許される,というわけでは決してないのです。
原文は「何一つ許されない」と言っているのではなく、「何をしてもよいわけではない」と自由に限界を置いています。not everything を使えば、この違いが一語順で出ます。さらに Just because A does not mean B の型に入れると、フィクションであることが無制限の許可にはならない、という論理も明確です。ここで writer を補うのは、許される行為をする主体が作品ではなく書き手だからです。a work is fiction と a writer does を分けると、「作品の種類」と「表現する人の責任」を混同せずに済みます。
Just because a work is fiction certainly does not mean that what a writer does is always allowed.
The fact that a story is fictional never means that a writer may do whatever he or she wants.
nothing is allowed は「何一つ許されない」です。原文は無制限ではないと言うだけで、創作の自由をすべて否定していません。
just because 節だけでは文が完結せず、何を否定するのかも示せません。does not mean that 以下が必要です。
a fiction は通常この意味で個々の作品を指す自然な言い方ではありません。a work of fiction または a story を使います。
では,そのひとが既に故人だった場合はどうでしょう。
日本語の「だった」は英語の過去時制を直接要求していません。「もしその人がすでに亡くなっている場合なら」という現在の条件です。What if the person has already died? と現在完了にすれば、死亡という出来事と今の状態の両方が伝わります。また、そのひとを単に the person とすると誰なのかが英語だけでは薄くなります。being described を添えるのは情報の追加ではなく、前文のフィクションに描かれる実在人物だと指示先を見える形にするためです。
But what if the person being described has already died?
Then how should we think about a case in which the real person is no longer alive?
late は故人の名前の前で the late Mr. Brown のように使います。a late person とは言いません。
特定の過去時点より前の死亡を話しているのではなく、今考える一般的な場合です。現在完了が自然です。
「既にその死から何百年も経過している」「歴史上の偉人として研究し尽くされている」といったケースでは縛りが緩くなることもあるでしょうが,それに当たらない場合は,どうでしょうか。
長い一文ですが、条件二つ→制約が緩む可能性→どちらにも当てはまらない場合、の三段です。引用をそのまま名詞句に押し込まず、when hundreds of years have passed ... or when we already know in detail how the person lived と二つの when 節にします。最後は neither で二条件をまとめれば、指示語の範囲を間違えません。さらに「こともあるでしょう」は必ず緩むという断定ではないので、may be less strict と可能性を残します。年月が長いことと研究が多いことは別条件ですから、and ではなく or で並べるのが原文の「といったケース」に合います。
The rules about what a writer may do may be less strict when hundreds of years have passed since that person's death, or when scholars have already studied in detail how that person lived. But what if neither is true?
We may allow a little more freedom if the person died centuries ago or if so much is known about what the person did as a great figure in history. But how much freedom is fair when neither condition applies?
人が何百年を通過するのではありません。時間を主語にして years have passed since ... とします。
study は目的語を直接取るので about は不要です。about を入れるなら learn about を使います。
研究が完全に終了して今後何も調べないという意味になります。原文は多くの面が詳しく知られている程度を述べています。
ここでの縛りは物理的な縄ではなく、表現に対する制約です。rules や freedom で内容を説明します。
it が死後年数と研究状況のどちらを指すか不明です。二つとも当てはまらないことを neither で明示します。どちらか一方だけ違う場合にも読めてしまうため、最後の問いの範囲が原文より狭くなります。
are less strict と言い切ると、長い年月がたてば制約は必ず緩いという一般規則になります。原文は「緩くなることもあるでしょう」と可能性を示すだけなので、may を残す必要があります。
Just because a work is fiction certainly does not mean that what a writer does is always allowed. But what if the person being described has already died? The rules about what a writer may do may be less strict when hundreds of years have passed since that person's death, or when scholars have already studied in detail how that person lived. But what if neither is true?
第1文は部分否定を守り、第2文以降は問いを問いのまま残しました。what a writer does と what a writer may do の what 節が2個、how that person lived の how 節が1個あり、節は合計3個です。途中の What if ...? は問いを作る疑問詞であり、clauseCount には含めていません。長い第3文は、死後の年月と研究状況という二条件を or で並べ、そのどちらでもない場合を neither で回収しています。rights や ethics のような原文にない概念を足さず、制約の強さだけを訳しました。特に may be less strict の may は重要です。原文は二条件なら自動的に自由になるとは言わず、縛りが緩む可能性を認めるだけだからです。最後を疑問文で閉じることで、筆者が若くして亡くなった人や十分研究されていない人の扱いを読者に問い返す調子も保てています。
The fact that a story is fictional never means that a writer may do whatever he or she wants. Then how should we think about a case in which the real person is no longer alive? We may allow a little more freedom if the person died centuries ago or if so much is known about what the person did and how the person lived as a great figure in history. But how much freedom is fair when neither condition applies?
こちらは「縛りが緩い」を allow a little more freedom と人を主語にして説明しました。故人を no longer alive、何百年を centuries ago と言い換えています。「研究し尽くす」も what the person did and how the person lived と研究内容を開いているので、exhaustive のような難語は不要です。標準解の rules を freedom に変えても、書き手に許される範囲という軸は同じです。ただし fair は原文の「どうでしょうか」を判断の問いとして少し説明した語なので、原文により近く書くなら標準解の What if neither is true? を選んでください。人物が故人であることだけでは自由になると決めず、死後の年月と研究状況を別々に確認する流れを崩さないことが大切です。問いが三つ続く文章の調子を保つことも優先してください。

理由からの飛躍を止める
Aという事実だけからBを結論づけられない、と示す型です。部分否定と組み合わせると、相手の前提を認めながら結論の行き過ぎだけを止められます。
全部ではないという部分否定
nothing や no one の全否定と区別して、一部の例外や制限を残します。「全部がそうではない」と「一つもそうではない」の差が論旨を変える場面で特に重要です。
別の条件を短く問う
議論の途中で条件を一つ変え、その場合にも前の結論が成り立つかを読み手に考えさせられます。長い問いを作らず論点を切り替えられます。
Aからの経過時間
現在まで何年たったかを時間主語と現在完了で書けます。
許される行動の中身
freedom や limit だけで終わらず、何をしてよいかを節に開けます。
二条件のどちらでもない場合
長い二つの条件を繰り返さず、指示範囲を明確に回収できます。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| fiction | フィクション | 不可算で分野を指し、作品は a work of fiction とします |
| allow | 許す | 受け身は be allowed です。人を目的語に取るなら allow 人 to V とします |
| describe | 描写する | the person being described で「描かれている人」です |
| century | 世紀、百年 | 何世紀も前なら centuries ago と複数形にします |
| pass | (時間が)経過する | 時間を主語に years have passed と使います |
| scholar | 研究者 | 歴史上の人物を研究する人を広く指せます |
| strict | 厳しい | 制約が緩いは rules are less strict と比較級にします |
| apply | 当てはまる | 条件が当てはまるなら the condition applies と自動詞で使います |
阪大文学部の和文英訳は、2023年の海外文学の読み方、2024年の実在人物とフィクション、2025年の別の文化的文章のように、文学や表現をめぐる判断を長めの文で問います。同年度の全学部は哲学、文学部以外は報道で、素材も論理も別です。文学部では引用や問いかけを含む文章が多く、誰の立場をどの程度認めるのかを丁寧に訳す必要があります。
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