二文の中に、理由を示す「以上」、部分否定の「全て正しいとは限らない」、譲歩的な「〜を考えても」、規範を表す「あってしかるべき」が並ぶ論理重視の問題です。単語を一対一で置き換えるより、報道を作るのは人間だという事実、報道がどれほど多くの人に届くか、だから個々の記事への批判がなぜ重要か、という三段階にほどくと安定します。how far news can reach と what is reported のように節へ開けば、硬い抽象名詞を探さなくても内容を落とさず書けます。答案を見直すときは、第一文が「人が作るから誤る可能性がある」、第二文が「多くの人に影響するから批判が必要」という別々の根拠になっているか確認してください。批判が報道者個人への攻撃ではなく、記事や番組の内容を検討する営みだと対象を正確に保つことも大切です。
取材をし,記事を書き、ニュースを発信するのが人間である以上,報道は全て正しいとは限らない。また,報道が届く人々の範囲の広さを考えても,個別の記事や番組に対する批判は,あってしかるべき重要なものである。
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最初に「誰が何をするのか」を出し、その事実がなぜ結論につながるかを because で示します。「人間だから誤ることがある」と原文が含ませている関係を、英語では people can make mistakes と一段説明しても構いません。部分否定は not everything を文頭に置けば安全です。what is reported とすれば、「報道」という名詞を具体的な中身へ開く練習にもなります。さらに no matter how carefully they work と添えると、記者の努力を否定せず、人間の仕事である以上は完全ではありえない、という原文の慎重な論調を保てます。
Because it is people who gather information, write articles, and report the news, not everything that is reported can be correct, no matter how carefully they work.
People are the ones who collect information, write articles, and tell us what is happening. Since people can make mistakes, we cannot expect every news report to be correct.
no news report とすると「正しい報道は一つもない」という全否定です。原文は、全てが正しいとは限らないと言っているだけで、正しい報道の存在まで否定していません。筆者の主張を必要以上に強くしてしまいます。
when だけでは「人が取材している時には」という時の意味になり、人間が作るものだから誤りうるという理由が伝わりません。この文では because や since が必要です。
gather と report の間に writing だけを置くと、三つが同じ役割で並んでいることが崩れます。取材・執筆・発信はすべて people が行う動作なので、動詞の形をそろえます。
news は語尾が s でも不可算名詞です。many news とはせず、many news reports や a lot of news と書きます。この問題では個別の記事なら reports が明確です。
また,報道が届く人々の範囲の広さを考えても,個別の記事や番組に対する批判は,あってしかるべき重要なものである。
この文の中心は、報道の影響が広いからこそ批判が必要だ、という因果関係です。「範囲」を難しい名詞にせず how many people a report may reach と書くと、何が広いのかが明確になります。「あってしかるべき」は存在の話ではなく、批判を当然で重要なものとして認めるべきだという判断です。should therefore be seen as necessary and important と結論を言葉にしてください。
Also, when we consider how many people news reports can reach and what effect they may have, criticism of each article or program should be seen as both natural and important.
We should also remember how far a single report can spread and how strongly it can affect people. That is why it is necessary and right to examine and criticize individual articles and programs.
width は物の横幅を表す語なので、報道が何人に届くかという意味になりません。原文の「広さ」は人の数や広がる距離のことですから、how many people や how far に開きます。
reach は「〜に届く」の意味では目的語を直接取ります。to を入れるとこの用法では文法的に誤りです。ほかの内容は保ち、前置詞だけを外します。
ここでいう批判は、個々の記事を検討し批判する営み全体です。通常は不可算の criticism を使います。a criticism だと一つの批判的発言を指すため、原文の一般論より狭くなります。
exists naturally では「自然界に存在する」ように聞こえ、批判は必要で正当だという規範が消えます。should be accepted や is necessary を使って評価を表します。
英語自体は整っていますが、原文が並べた記事と番組のうち番組が訳から消えています。媒体を二つ挙げた意味を保つため、or programs を足してください。
原文が批判の対象にしているのは個別の記事や番組であり、記者個人ではありません。対象を人に変えると、内容の検証ではなく人格への攻撃という別の主張になります。
Because it is people who gather information, write articles, and report the news, not everything that is reported can be correct, no matter how carefully they work. Also, when we consider how many people news reports can reach and what effect they may have, criticism of each article or program should be seen as both natural and important.
全59語です。第一文では because で「人間が作る以上」という理由を示し、not everything that is reported で部分否定を確実にしました。no matter how carefully they work は、努力していても完全とは限らないという含みです。第二文では「届く範囲」を how many people reports can reach、「影響」を what effect they may have と節へ開いています。批判が単に存在するという話ではなく、当然で重要だという評価まで both natural and important で残しています。難しい報道用語を探さず、論理の骨組みを見える形にするのがこの問題の要点です。
People are the ones who collect information, write articles, and tell us what is happening. Because people can make mistakes, we cannot expect every report to be correct. We should also think about how far one report can spread, how many people may receive it, and what it may make them believe. For this reason, it is both natural and important for people to examine and criticize each article or program.
全70語です。「人間である以上」に含まれる意味を people can make mistakes と明示し、部分否定を cannot expect every report to be correct に言い換えました。第二文の根拠も、どこまで広がるか、何人に届くか、何を信じさせるか、の三点に分けています。原文より説明は長くなりますが、内容の追加ではなく隠れた関係の明示なので、本番で短い形が浮かばないときの安全な逃げ道になります。

動作主を示して理由につなぐ
誰が行う行為なのかが結論の理由になるときに使えます。it is ... who で動作主を見せ、because で後半との因果関係を保ってください。
部分否定を安全に書く
「全てが〜とは限らない」は not を every の前に置きます。no を使う全否定とは意味が大きく違うため、主張の強さを必ず確認してください。
抽象的な内容を節に開く
「報道内容」「発言内容」のような硬い名詞を、何が起きているか、何を信じるかという節で説明できます。
範囲の広さを人数で示す
「影響範囲の広さ」を直訳せず、何人が受け取るかに言い換えられます。数の程度を表す名詞句を一段具体的にする形です。
評価を二つ並べる
「当然で重要だ」のような判断を、存在表現ではなく評価として書けます。AとBには同じ品詞を置いてください。
理由を受けて結論を出す
前の文で事実を説明したあと、その事実からどんな判断が導かれるかを明確にできます。長い一文を二つに分けたいときにも便利です。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| gather information | 情報を集める、取材する | gather news より、何を集めるかが明確です |
| article | 記事 | 新聞やウェブの記事です。冠詞を付けるときは an article です |
| report | 報道する、報道記事 | 動詞にも可算名詞にもなります。news自体は不可算です |
| correct | 正しい | 事実が正確だという文脈で使えます。rightでも言い換えられます |
| reach | 〜に届く | 他動詞なので reach to people とはせず、reach people とします |
| effect | 影響、効果 | 名詞です。have an effect on の形も使えます |
| criticism | 批判 | 一般的な批判の営みなら不可算で使います |
| individual | 個々の | privateとは違い、一つ一つを別々に見る意味です |
阪大の和文英訳は学部別に題材と文体が変わります。全学部では2023年の人類の共通性や2024年の疑問を考え続ける文章のような一般的随筆が出る一方、文学部は文学・表現、文学部以外は2022年の登山からの撤退、2023年の五感、2024年の報道のように、身近な例から社会的な判断へ進む文章が目立ちます。この区分では専門語よりも、理由・対比・程度を平易な英語で明示する力が問われています。特に2022年は悪天候なら退くことと進路・仕事を見切ることを結び、2023年は個人の感覚と社会・文化を結んでいました。どちらも二つの事柄の関係を英語側で説明する問題です。2024年も同じで、「人が作るから完全ではない」「広く届くから批判が必要だ」という二本の因果関係を落とさないことが得点の中心になります。過去問演習では、各文の接続語だけを先に丸で囲み、理由・追加・結論のどれかを書き添えると構造を見失いません。この問題なら「以上」は理由、「また」は別の理由の追加です。二文とも同じ結論を繰り返しているのではない点を意識してください。
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