食事には栄養を取る目的があると認めたうえで、それだけを追えば人間らしさが失われる、と問いかける文章です。「目的を設定する」を硬い名詞で置かず what the purpose of eating is と節に開くこと、「その目的しか」の限定を nothing but で落とさないこと、最後の反語を should we not say that ...? と問いの形で残すことが得点差になります。
確かに食に目的を設定するならばその目的は栄養摂取である。けれども,食がその目的しか追求しないようになったら,食における人間らしさは失われてしまうと言うべきではないでしょうか。
解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。
アプリでこの問題を解く 無料で1日2回まで添削できます確かに食に目的を設定するならばその目的は栄養摂取である。
日本語は「目的」「栄養摂取」と名詞を重ねていますが、英語まで名詞で固める必要はありません。まず「食べる目的は何か」と問い直して what the purpose of eating is を作り、「栄養摂取」は to give our bodies what they need to stay healthy と必要なものを体に与える動作へ開きます。こうすると、目的の内容が読み手に一度で伝わります。第2文の反論が続くので、It is true that で譲歩の入口も用意してください。食の価値を栄養だけに限定するのは次の文なので、ここでは栄養を大切な目的としていったん素直に認めます。
It is true that if we ask what the purpose of eating is, the answer is to give our bodies what they need to stay healthy.
If we have to say what we eat for, it is certainly to take in what our bodies need to live.
二文とも栄養の話を肯定して終わり、次に反論が来る構えが消えています。It is true that ... と始めれば、but 以下との対比が一つの論理になります。
food は食べ物そのものです。原文は食べるという人間の営みを論じているので、目的の主語が物へずれ、人間らしさとの対比も弱くなります。
「食べる行為の目的」は the purpose of eating です。purpose for は特定の物の用途を示す場合がありますが、この抽象的な行為との結びつきには of が自然です。
nutrition は「栄養を取ること・栄養状態」を表す不可算名詞なので、nutritions とはしません。必要な栄養素を数えるなら nutrients を使います。
これでは食べる目的が「食べ物の中の栄養素そのもの」だという同一関係になります。原文の栄養摂取は、体に必要なものを取り入れる行為なので、to give や to get を使って動作として示します。
けれども,食がその目的しか追求しないようになったら,食における人間らしさは失われてしまうと言うべきではないでしょうか。
「食」を主語にして purpose を pursue させるより、人間を主語に戻して「私たちが栄養のためだけに食べるようになる」と書くほうが平易です。その結果失われるものも humanity という一語に賭けず、what makes eating a human activity と what 節で説明します。最後は筆者が結論を押しつけず問いかけているので、疑問符まで含めて英語の反語にします。for that purpose alone の alone は purpose の直後に置き、栄養という目的だけに限定します。come to eat は現在の習慣ではなく、今後そういう食べ方へ変わってしまう懸念を表します。
But if we come to eat for that purpose alone, should we not say that we will lose what makes eating a truly human activity?
Yet if getting nutrients becomes the only thing we seek when we eat, will we not lose what is human about sharing and enjoying a meal?
only が come to eat 全体を狭め、「ほかの行動をせず食べるだけなら」のように読めます。原文が限定するのは食べる目的なので、for that purpose alone とします。
一般的な条件にはなっていますが、「そうするようになったら」という現在からの変化が消えています。come to や become を入れると、食のあり方が変わる懸念を残せます。
pursue は意志を持つ人や組織が目標を追うときの動詞です。eating という行為そのものが追求する形は不自然なので、人を主語に戻します。
human はこの位置では数えられる「人間」になり、lose の目的語として意味をなしません。what is human about eating と節に開けば安全です。
原文は、栄養だけを追うようになった場合に起こる未来の結果です。already を入れると、条件が成立する前から失われたという別の時間関係になります。
must say は筆者が読者に命令する強い文です。原文は「そう言うべきではないか」と同意を求めています。疑問形にして語調を保ってください。断定へ変えると、栄養だけを追うことへの考察を促す文章から、特定の結論を強制する文章へ意味が変わります。
It is true that if we ask what the purpose of eating is, the answer is to give our bodies what they need to stay healthy. But if we come to eat for that purpose alone, should we not say that we will lose what makes eating a truly human activity?
第1文では「食の目的」を what the purpose of eating is、「栄養摂取」を give our bodies what they need to stay healthy と節に開きました。第2文では「食における人間らしさ」を what makes eating a truly human activity と説明しています。したがって、標準解の what 節は実文で数えて3個です。譲歩、限定、反語の順番も原文どおりで、栄養が不要だとは言わず、それだけを追う場合に問題が起きるという対比を保っています。nutrition intake のような硬い名詞に頼らず、体に必要なものを与えるという高校範囲の語で書ける形です。まずはこの組み立てを目標にしてください。
If we have to say what we eat for, it is certainly to take in what our bodies need to live. Yet if getting nutrients becomes the only thing we seek when we eat, will we not lose what is human about sharing and enjoying a meal?
こちらは「食における人間らしさ」の中身を sharing and enjoying a meal と少し具体化した版です。原文は人間らしさの内容を限定していないため、唯一の定義とはせず、食卓で人と分かち合い楽しむ場面を控えめな例として加えています。第1文の what we eat for は what the purpose of eating is をさらに会話に近い語へほどいた形です。第2文では getting nutrients becomes the only thing we seek とし、「私たちが栄養だけを追う」状態への変化を主語側から見せています。nutrition intake が出なくても、take in what our bodies need to live と説明すれば十分です。標準解より具体化した分、原文にない価値を断定しないよう注意し、共有と楽しみは例にとどめてください。うまい名詞が思いつかないときほど、知っている動詞と what 節でほどけば大丈夫です。

一度認めてから反論する
相手側の事実を否定せずに、自分が本当に述べたい制限や問題へ移れます。評論文の譲歩を一文で見せたいときに便利です。
抽象名詞の中身を問いに開く
「〜の目的」「〜の意味」を名詞だけで訳しにくいとき、what 節で読み手に内容を示せます。抽象名詞を別の抽象名詞に置き換えず、「何なのか」という問いへ戻すことで、後ろに平易な説明を続けやすくなります。
必要なものを関係節で限定する
難しい形容詞を探さず、後ろに主語と動詞を置いてどのような名詞か説明できます。
しだいに起こる変化を書く
「〜するようになる」を begin ほど急な始まりにせず、習慣や考え方の変化として表せます。
AをBらしくするもの
「AのBらしさ」を抽象名詞一語で言えないとき、その性質を生むものとして説明できます。Bには形容詞や名詞補語を置き、何がその特徴を作っているのかを節全体で受けられます。
控えめな反語で結論を促す
断定を避けながら読み手の同意を求める日本語に合います。筆者の判断を命令に変えず、読者にも同じ結論を考えてもらう調子を残せます。shouldn't の短縮形より、試験答案では省略しない形が見やすいです。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| purpose | 目的 | the purpose of V-ing の形にします。for eating より of eating が自然です |
| nutrient | 栄養素 | 数えられる名詞です。複数の栄養素なら nutrients とします |
| nutrition | 栄養、栄養摂取 | 不可算名詞なので a や複数形を付けません |
| take in | 取り入れる、摂取する | 食べ物や情報を中に入れる意味で使えます。二語を離しません |
| alone | 〜だけ | for that purpose alone のように、限定したい語句の後ろに置けます |
| human | 人間の、人間らしい | 形容詞で使うなら a human activity のように後ろに名詞が必要です |
| activity | 営み、活動 | 一つの活動なら a human activity と冠詞を付けます |
| lose | 失う | 人を主語にして we will lose ... とすれば、受け身を避けて書けます |
阪大の和文英訳は学部によって素材が異なります。文学部では2024年のフィクションと故人、2023年の海外文学のように文化や表現を扱う一方、文学部以外では2024年の報道、2023年の五感、2025年の食事と、身近な営みを社会的な視点へ広げる文章が出ています。共通するのは、抽象名詞を直訳せず、何をどうすることかまで節で説明する力が必要な点です。
解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。
アプリでこの問題を解く iOS · Android · Web で使えます問題文と模範解答をまとめた質問文を用意しました。いつも使っている AI を選ぶと、質問文がコピーされた状態でそのサービスが開きます。
添削そのものは Boost アプリのほうが得意です。AI には「なぜこの訳になるの?」のような、解説の追加質問を投げるのがおすすめです。