大阪大学のロゴ 外国語学部(1) 和文英訳 大阪大学 2026
大阪大学 2026年度 前期日程 · 英語

外国語学部(1) 和文英訳
解答と解説

成長が難しい日本で、人の求めるものと社会の価値観が変わり、従来のモデルが合わなくなりつつある、という二文です。「縦への成長」をそのまま vertical growth とせず、rapid economic growth のように文脈を説明すること、安らぎと癒し、多様性、持続可能性を落とさないことが重要です。断定を避ける「かもしれません」まで丁寧に残します。

難易度 ★★★★ 目安 20分 和文英訳 テーマ 成長中心のモデルから多様性と持続可能性へ
1

問題

外国語学部(1) 次の文を英訳しなさい。

しかし,今の日本では,縦への成長が簡単には望めなくなり,人の心も安らぎや癒しを求めるようになりました。多様性や持続可能であることが叫ばれるようになった現代の社会では,以前までのモデルだけでは少し難しくなりつつあるのかもしれません。

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この問題で見られている力

  • 「縦への成長」を経済や規模の成長として説明する
  • 人の心が求めるものを what gives people peace と開く
  • 多様性と持続可能性を並列にする
  • 現代社会の背景を where 節でつなぐ
  • may no longer be enough で推量を残す
2

文ごとの解説

第 1 文

しかし,今の日本では,縦への成長が簡単には望めなくなり,人の心も安らぎや癒しを求めるようになりました。

つまずきやすいところ
  • 「しかし」で前段との対比を残します
  • 縦への成長を vertical growth と直訳しません
  • now that で社会状況の変化を理由につなぎます
  • 「人の心」を people と自然な主語にします
  • 安らぎや癒しを what gives them peace and comfort に開きます
発想の切り替え

成長中心のモデルから多様性と持続可能性へという全体の流れを先に押さえます。この部分では「「しかし」で前段との対比を残します」が出発点です。日本語の語順をそのまま追わず、誰が何をするかを決めてから、安らぎや癒しを what gives them peace and comfort に開きますという細部を足してください。内容を一つずつ確認すれば、難しい単語を使わなくても十分に正確な英文になります。

訳例
標準

However, now that rapid growth is hard to expect in Japan, people have begun to seek what gives them peace and comfort.

別解

However, as Japan can no longer easily hope for growth in size, people have also come to value how calm and comfortable life feels.

この文でやりやすい誤り

縦への成長を vertical growth とする

減点 大
Vertical growth is difficult in Japan now.
Rapid growth is now hard to expect in Japan.

建物や植物が上へ伸びる意味に聞こえ、経済や規模の拡大という文脈が伝わりません。 この一項目ではこの欠陥だけを直し、ほかの語順や時制は変えていません。

expect の目的語を人にする

減点 中
Japan cannot expect its people to grow rapidly.
Japan can no longer easily expect rapid growth.

文法は整っていますが、成長する主体を国民に変えてしまっています。原文で望みにくいのは社会や経済の成長です。 この一項目では意味上の主語だけを直し、ほかの語順や時制は変えていません。

心を heart と直訳する

減点 中
People’s hearts began to ask for healing.
People have begun to seek peace and comfort.

heart が要求するという擬人化が不自然です。人そのものを主語にします。 この一項目ではこの欠陥だけを直し、ほかの語順や時制は変えていません。

heal を名詞として置く

減点 小〜中
People seek peace and heal.
People seek peace and comfort.

heal は動詞です。ここでは comfort などの名詞と並べます。 この一項目ではこの欠陥だけを直し、ほかの語順や時制は変えていません。

この文の言いかえ
成長を望む
expect growth「成長中心のモデルから多様性と持続可能性へ」の流れを平易に保てる第一候補です。迷ったらこの形を使ってください。
hope for further growth少し言い方は変わりますが、文脈に合い、意味も明確な選択肢です。
wish vertical growth品詞・語法・意味のいずれかがこの箇所に合いません。日本語の形だけを追わないようにしてください。
安らぎ
peace「成長中心のモデルから多様性と持続可能性へ」の流れを平易に保てる第一候補です。迷ったらこの形を使ってください。
a sense of calm少し言い方は変わりますが、文脈に合い、意味も明確な選択肢です。
easy heart品詞・語法・意味のいずれかがこの箇所に合いません。日本語の形だけを追わないようにしてください。
癒し
comfort「成長中心のモデルから多様性と持続可能性へ」の流れを平易に保てる第一候補です。迷ったらこの形を使ってください。
what helps people recover少し言い方は変わりますが、文脈に合い、意味も明確な選択肢です。
healing heart品詞・語法・意味のいずれかがこの箇所に合いません。日本語の形だけを追わないようにしてください。
第 2 文

多様性や持続可能であることが叫ばれるようになった現代の社会では,以前までのモデルだけでは少し難しくなりつつあるのかもしれません。

つまずきやすいところ
  • ここが山場です。長い主語を society, where ... に組み替えます
  • 持続可能性を how we can remain sustainable と節にします
  • 以前までのモデルを the model we used before と平易にします
  • だけ、を alone か no longer で表します
  • かもしれません、を may で残します
発想の切り替え

成長中心のモデルから多様性と持続可能性へという全体の流れを先に押さえます。この部分では「ここが山場です。長い主語を society, where ... に組み替えます」が出発点です。日本語の語順をそのまま追わず、誰が何をするかを決めてから、かもしれません、を may で残しますという細部を足してください。内容を一つずつ確認すれば、難しい単語を使わなくても十分に正確な英文になります。

訳例
標準

In today’s society, where people call for diversity and ask how we can remain sustainable, the model we used before may no longer be enough for what society needs or how it should move forward.

別解

Now that society values diversity and wants to know how life can continue without harming the future, the old model alone may be becoming less useful.

この文でやりやすい誤り

多様性を various とする

減点 中
Modern society calls for various.
Modern society calls for diversity.

various は形容詞で、単独では目的語になりません。 この一項目ではこの欠陥だけを直し、ほかの語順や時制は変えていません。

sustainable の品詞を誤る

減点 中
People call for sustainable.
People ask how society can remain sustainable.

sustainable は形容詞なので、名詞か節が必要です。 この一項目ではこの欠陥だけを直し、ほかの語順や時制は変えていません。

叫ぶを shout と直訳する

減点 大
Modern society shouts diversity.
People now call for diversity.

実際に大声で叫ぶ意味になり、社会的に求められるという比喩が伝わりません。 この一項目ではこの欠陥だけを直し、ほかの語順や時制は変えていません。

old model を古い模型にする

減点 小〜中
The old plastic model is becoming difficult.
The model we used before may no longer be enough.

plastic model は模型です。ここでは社会や事業の考え方を指します。 この一項目ではこの欠陥だけを直し、ほかの語順や時制は変えていません。

推量を落として断定する

減点 中
The former model is completely useless.
The old model alone may be becoming less useful.

原文は「少し難しくなりつつあるのかもしれない」と慎重に述べています。断定が強すぎます。 この一項目ではこの欠陥だけを直し、ほかの語順や時制は変えていません。

だけを訳さない

減点 大
The model used before may work.
The model used before may no longer be enough on its own.

「以前のモデルだけでは難しい」という限界が逆に、使えるという意味へ変わっています。 この一項目ではこの欠陥だけを直し、ほかの語順や時制は変えていません。

この文の言いかえ
多様性
diversity「成長中心のモデルから多様性と持続可能性へ」の流れを平易に保てる第一候補です。迷ったらこの形を使ってください。
different ways of living少し言い方は変わりますが、文脈に合い、意味も明確な選択肢です。
various品詞・語法・意味のいずれかがこの箇所に合いません。日本語の形だけを追わないようにしてください。
持続可能である
remain sustainable「成長中心のモデルから多様性と持続可能性へ」の流れを平易に保てる第一候補です。迷ったらこの形を使ってください。
continue without harming the future少し言い方は変わりますが、文脈に合い、意味も明確な選択肢です。
be sustain品詞・語法・意味のいずれかがこの箇所に合いません。日本語の形だけを追わないようにしてください。
叫ばれる
be widely called for「成長中心のモデルから多様性と持続可能性へ」の流れを平易に保てる第一候補です。迷ったらこの形を使ってください。
be strongly valued少し言い方は変わりますが、文脈に合い、意味も明確な選択肢です。
be shouted品詞・語法・意味のいずれかがこの箇所に合いません。日本語の形だけを追わないようにしてください。
以前のモデル
the model used before「成長中心のモデルから多様性と持続可能性へ」の流れを平易に保てる第一候補です。迷ったらこの形を使ってください。
the old approach少し言い方は変わりますが、文脈に合い、意味も明確な選択肢です。
the before model品詞・語法・意味のいずれかがこの箇所に合いません。日本語の形だけを追わないようにしてください。
難しくなりつつある
may be becoming less useful「成長中心のモデルから多様性と持続可能性へ」の流れを平易に保てる第一候補です。迷ったらこの形を使ってください。
may no longer be enough少し言い方は変わりますが、文脈に合い、意味も明確な選択肢です。
become completely impossible品詞・語法・意味のいずれかがこの箇所に合いません。日本語の形だけを追わないようにしてください。
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模範解答

標準解

まずここを目標にhow節 ×2 / what節 ×257語

However, now that rapid growth is hard to expect in Japan, people have begun to seek what gives them peace and comfort. In today’s society, where people call for diversity and ask how we can remain sustainable, the model we used before may no longer be enough for what society needs or how it should move forward.

標準解は全57語です。成長中心のモデルから多様性と持続可能性へという筋を保ち、how 節と what 節を合わせて4個使っています。抽象的な名詞を無理に探さず、誰が何をどのように行うのかへ開きました。「以前のモデルだけでは難しい」という限界と「かもしれない」という慎重さも残しています。まずはこの明確さを目標にしてください。

説明を足した解

書けなかったときの逃げ道how節 ×2 / what節 ×268語

Yet Japan can no longer easily expect the kind of growth that makes everything bigger. People now care more about what helps them feel calm and safe. Society also asks how we can respect different ways of living and how we can continue without taking too much from the future. In such a time, it may be hard to solve every problem with what worked in the past.

説明を足した解は全68語です。標準解と同じ内容を別の主語や動詞で組み直し、成長中心のモデルから多様性と持続可能性へが読み手に見えるようにしています。うまい一語が出ないときは、短い文に分けて具体的な動作や結果を書けば大丈夫です。答案を書いたあと、問題文の要素を指で一つずつ追い、訳し落としがないか確かめてください。

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他の問題にも使える形

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expect growth最重要

「成長を望む」を安定して書く型

成長中心のモデルから多様性と持続可能性へを扱うこの問題では、名詞のかたまりを節に開くと、難しい名詞を探さずに内容を正確に示せます。主語と動詞が見えるため、採点者にも関係が伝わりやすくなります。

expect growth
hope for further growth
peace最重要

「安らぎ」を安定して書く型

成長中心のモデルから多様性と持続可能性へを扱うこの問題では、対比や順序を先に決めてから語句を入れると、長い日本語でも英文の骨組みが崩れません。別の説明問題でもそのまま使える考え方です。

peace
a sense of calm
comfortよく使う

「癒し」を安定して書く型

成長中心のモデルから多様性と持続可能性へを扱うこの問題では、直訳すると意味がずれる表現は、具体的に誰が何をするのかへ言い換えてください。平易な動詞で説明するほうが安全です。

comfort
what helps people recover
diversityよく使う

「多様性」を安定して書く型

成長中心のモデルから多様性と持続可能性へを扱うこの問題では、原文の程度・推量・限定を短い語で残す型です。内容語だけでなく、筆者の言い切りの強さまで再現できます。

diversity
different ways of living
remain sustainableよく使う

「持続可能である」を安定して書く型

成長中心のモデルから多様性と持続可能性へを扱うこの問題では、長い主語を短い主語と後ろの説明に分けると、主述の一致を確認しやすくなります。自由英作文の理由説明にも役立ちます。

remain sustainable
continue without harming the future
be widely called forよく使う

「叫ばれる」を安定して書く型

成長中心のモデルから多様性と持続可能性へを扱うこの問題では、一つ目の表現が出ないときの逃げ道です。うまい一語を待たず、知っている語を組み合わせて最後まで内容を運んでください。

be widely called for
be strongly valued
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この問題の語彙

表現意味ひとこと
growth成長成長中心のモデルから多様性と持続可能性への中心語です。名詞か動詞かを確認してから文に入れてください。
expect期待する日本語と一対一で置かず、後ろに続く前置詞や目的語まで一緒に覚えると安定します。
seek求める似た語に引かれやすいので、模範解答の一文ごと声に出して語順を確かめてください。
peace安らぎ抽象的に見えますが、高校範囲の基本語です。難しい同義語へ置き換える必要はありません。
comfort心の支え・癒し単数・複数や冠詞で迷いやすい語です。この問題で使った形をひとかたまりで確認してください。
diversity多様性程度や文脈で意味が変わります。日本語の表面ではなく、この段落で何を指すかを見ます。
sustainable持続可能な別の意見文や説明文にも使えます。短い例を自分で一つ作ると定着しやすくなります。
model考え方・型つづりだけでなく品詞も大切です。修飾したい語との位置関係を答案の中で見直してください。
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出題の傾向

阪大外国語学部の和文英訳は、2019年の外国語学習、2020年の社会を扱う文章に加え、2026年は同じ文章から事業観を三つの設問に分けています。全学部の短い科学説明や文学部の表現論とは違い、社会・文化・経済の抽象語を文脈に即して言い直す力が必要です。この第一問では、価値観が変化した背景と旧来モデルの限界を結ぶことが中心です。

学習の成果を喜ぶ Boost のキャラクター Boo

この問題を解いて添削してもらう

解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。

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