自分の身体ならよく知っているはずだ、という思い込みをひっくり返す随筆です。「もっている情報が貧弱」「全表面のうち見える部分」「他人が私として認知する顔」を、直訳調の名詞ではなく what 節でほどく力が問われます。身体の内部、背中、後頭部、顔を一つも落とさず、終生という時間も残すのが得点の分かれ目です。
ところが、よく考えると、わたしがじぶんの身体についてもっている情報は、ふつう想像しているよりもはるかに貧弱なものだ。身体の全表面のうちじぶんで見える部分というのは、ごく限られている。だれもじぶんの身体の内部はもちろん、背中や後頭部でさえじかに見たことがない。ましてや他人がこのわたしをわたしとして認知してくれるその顔は、終生見ることができない。
解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。
アプリでこの問題を解く 無料で1日2回まで添削できますところが、よく考えると、わたしがじぶんの身体についてもっている情報は、ふつう想像しているよりもはるかに貧弱なものだ。
自分の身体を直接には見られないという不思議という全体の流れを先に押さえます。この部分では「「ところが」の転換を Yet で受けます」が出発点です。日本語の語順をそのまま追わず、誰が何をするかを決めてから、一般論なので we を主語にしますという細部を足してください。内容を一つずつ確認すれば、難しい単語を使わなくても十分に正確な英文になります。
Yet when we think carefully, we realize how much less we know about our own bodies than we usually imagine.
Yet a careful thought shows us how little we actually know about our own bodies compared with what we normally suppose.
information は数えない名詞なので複数形にはできません。ここでは知っている量の少なさを言う文です。 この一項目ではこの欠陥だけを直し、ほかの語順や時制は変えていません。
「普通に想像しているよりも」という意外性が消え、単に知識不足だという別の主張になります。 この一項目ではこの欠陥だけを直し、ほかの語順や時制は変えていません。
身体の全表面のうちじぶんで見える部分というのは、ごく限られている。
自分の身体を直接には見られないという不思議という全体の流れを先に押さえます。この部分では「文頭の長い主語を What we can see に開きます」が出発点です。日本語の語順をそのまま追わず、誰が何をするかを決めてから、「ごく限られている」を only a small part と平易にしますという細部を足してください。内容を一つずつ確認すれば、難しい単語を使わなくても十分に正確な英文になります。
What we can see for ourselves is only a small part of the whole surface of our body.
Only a very limited part of the entire surface of our body is something we can see directly.
一つの身体の表面全体を指すので surface は単数です。複数にすると別々の面を数える響きになります。 この一項目ではこの欠陥だけを直し、ほかの語順や時制は変えていません。
だれもじぶんの身体の内部はもちろん、背中や後頭部でさえじかに見たことがない。
自分の身体を直接には見られないという不思議という全体の流れを先に押さえます。この部分では「経験の否定なので has ever seen を使います」が出発点です。日本語の語順をそのまま追わず、誰が何をするかを決めてから、directly を入れ、鏡や写真で見る場合と区別しますという細部を足してください。内容を一つずつ確認すれば、難しい単語を使わなくても十分に正確な英文になります。
No one has ever directly seen what is inside their own body, or even what their back and the back of their head look like.
None of us has directly seen the inside of our own body; we have not even seen our own back or the back of our head.
二重否定になり、過去の一時点の話にもなっています。生涯の経験の否定には現在完了を使います。 この一項目ではこの欠陥だけを直し、ほかの語順や時制は変えていません。
内部はもちろん背中や後頭部さえ、という意外性の段階が and だけでは伝わりません。 この一項目ではこの欠陥だけを直し、ほかの語順や時制は変えていません。
後頭部は the back of the head です。head back では英語の名詞句になりません。 この一項目ではこの欠陥だけを直し、ほかの語順や時制は変えていません。
ましてや他人がこのわたしをわたしとして認知してくれるその顔は、終生見ることができない。
自分の身体を直接には見られないという不思議という全体の流れを先に押さえます。この部分では「「ましてや」は What is more でも十分です」が出発点です。日本語の語順をそのまま追わず、誰が何をするかを決めてから、直接見られないので directly と never を組み合わせますという細部を足してください。内容を一つずつ確認すれば、難しい単語を使わなくても十分に正確な英文になります。
Still less can we directly see, at any time in our lives, the face by which other people know who we are.
What is more, throughout our lives we can never directly see the face that tells other people who we are.
as me が何を区別するのか不明で、日本語の形だけを写した不自然な文です。 この一項目ではこの欠陥だけを直し、ほかの語順や時制は変えていません。
during life はどの人生かが曖昧で、終生ずっとという範囲も弱くなります。 この一項目ではこの欠陥だけを直し、ほかの語順や時制は変えていません。
鏡や写真なら見えるため、原文が限定する「じかに」を落とすと事実として誤りになります。 この一項目ではこの欠陥だけを直し、ほかの語順や時制は変えていません。
どの顔か、なぜ重要かが消えています。他人が本人を認知する顔だという限定が必要です。 この一項目ではこの欠陥だけを直し、ほかの語順や時制は変えていません。
Yet when we think carefully, we realize how much less we know about our own bodies than we usually imagine. What we can see for ourselves is only a small part of the whole surface of our body. No one has ever directly seen what is inside their own body, or even what their back and the back of their head look like. What is more, throughout our lives we can never directly see the face that tells other people who we are.
標準解は全83語です。自分の身体を直接には見られないという不思議を筋として保ち、実際の how 節と what 節を合わせて4個使っています。文頭の What is more は接続表現なので節数には入れていません。抽象的な名詞を無理に探さず、誰が何をどのように知るのかへ開き、内部・背中・後頭部・顔も一つずつ残しました。まずはこの明確さを目標にしてください。
When we stop and think, we find how poor our knowledge of our own bodies really is. We can see only a small part of the entire surface for ourselves. None of us has ever directly seen what lies inside our body, and we cannot even see how our own back or the back of our head looks. Most strangely, the face through which others understand who we are is something we can never look at directly during our lifetime.
説明を足した解は全80語です。標準解と同じ内容を別の主語や動詞で組み直し、自分の身体を直接には見られないという不思議が読み手に見えるようにしています。うまい一語が出ないときは、短い文に分けて具体的な動作や結果を書けば大丈夫です。答案を書いたあと、問題文の要素を指で一つずつ追い、訳し落としがないか確かめてください。

「身体について知っていること」を安定して書く型
自分の身体を直接には見られないという不思議を扱うこの問題では、名詞のかたまりを節に開くと、難しい名詞を探さずに内容を正確に示せます。主語と動詞が見えるため、採点者にも関係が伝わりやすくなります。
「想像よりはるかに少ない」を安定して書く型
自分の身体を直接には見られないという不思議を扱うこの問題では、対比や順序を先に決めてから語句を入れると、長い日本語でも英文の骨組みが崩れません。別の説明問題でもそのまま使える考え方です。
「全表面」を安定して書く型
自分の身体を直接には見られないという不思議を扱うこの問題では、直訳すると意味がずれる表現は、具体的に誰が何をするのかへ言い換えてください。平易な動詞で説明するほうが安全です。
「ごく限られた部分」を安定して書く型
自分の身体を直接には見られないという不思議を扱うこの問題では、原文の程度・推量・限定を短い語で残す型です。内容語だけでなく、筆者の言い切りの強さまで再現できます。
「身体の内部」を安定して書く型
自分の身体を直接には見られないという不思議を扱うこの問題では、長い主語を短い主語と後ろの説明に分けると、主述の一致を確認しやすくなります。自由英作文の理由説明にも役立ちます。
「後頭部」を安定して書く型
自分の身体を直接には見られないという不思議を扱うこの問題では、一つ目の表現が出ないときの逃げ道です。うまい一語を待たず、知っている語を組み合わせて最後まで内容を運んでください。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| surface | 表面 | 自分の身体を直接には見られないという不思議の中心語です。名詞か動詞かを確認してから文に入れてください。 |
| directly | 直接に | 日本語と一対一で置かず、後ろに続く前置詞や目的語まで一緒に覚えると安定します。 |
| inside | 内部 | 似た語に引かれやすいので、模範解答の一文ごと声に出して語順を確かめてください。 |
| imagine | 想像する | 抽象的に見えますが、高校範囲の基本語です。難しい同義語へ置き換える必要はありません。 |
| suppose | 思う・想定する | 単数・複数や冠詞で迷いやすい語です。この問題で使った形をひとかたまりで確認してください。 |
| throughout | 〜の間ずっと | 程度や文脈で意味が変わります。日本語の表面ではなく、この段落で何を指すかを見ます。 |
| recognize | 見分ける・認知する | 別の意見文や説明文にも使えます。短い例を自分で一つ作ると定着しやすくなります。 |
| limited | 限られた | つづりだけでなく品詞も大切です。修飾したい語との位置関係を答案の中で見直してください。 |
阪大の和文英訳は学部別で題材が変わります。文学部では、2025年の話の終え方、2024年の実在人物を扱うフィクション、2023年の海外文学の楽しみ方のように、人の認識や表現を扱う随筆が続きます。全学部の科学説明より文脈の含みが多く、この問題も「自分の顔なのに自分では直接見られない」という対比を丁寧に再構成する必要があります。
解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。
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