東京大学のロゴ 第2問(B)(1) 和文英訳 東京大学 1996
東京大学(東大)1996年度 前期日程 · 英語

東大 1996年 第2問(B)(1) 和文英訳(英作文)
解答例と解説

生前・死後・現在の後悔という三つの時間を正確に並べる問題です。「重んじもせず、大切にもしなかった」はthink much of herとtreat her as importantに分け、「死んでみてはじめて」はIt was only after she died that ... で強調します。最後の「親切にしてあげるのだった」は実現しなかった過去への後悔なので、wish I had treated her betterを使います。単にI wanted to be kindとすると、今後できる希望のように聞こえる点に注意してください。

難易度 ★★★★★ 目安 18分 和文英訳 テーマ 死後にはじめて気づく人柄と後悔
1

問題

第2問(B)(1) 次の文を英訳しなさい。

生きているうちは、特別に重んじもせず、大切にもしなかったのであるが、彼女が死んでみてはじめて、やはりいい人だったと気がついた。もう少し親切にしてあげるのだった、と私は心から思った。

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この問題で見られている力

  • 生前の継続状態をwhile she was aliveで示す力
  • 重んじると大切にするを二つの動作に分ける力
  • 死後にはじめての認識を強調構文で示す力
  • what a good person she had beenで人柄を節に開く力
  • wish + 過去完了で実現不能な後悔を表す力
2

文ごとの解説

第 1 文

生きているうちは、特別に重んじもせず、大切にもしなかったのであるが、彼女が死んでみてはじめて、やはりいい人だったと気がついた。

つまずきやすいところ
  • ここが山場です。生前の扱いと死後の認識をwhileとIt was only afterで時間順に整理します。
  • Whileから始め、段の役割を読み手に早く伝えます
  • 名詞だけを並べず、how節またはwhat節で中身を見せます
  • 主語と動詞の対応を一つずつ確認します
  • 次の段との因果・対比・具体化の関係を接続語で示します
発想の切り替え

生前の扱いと死後の認識をwhileとIt was only afterで時間順に整理します。 日本語の情報をすべて一文に押し込まず、この段が担う仕事だけを先に決めます。平易な動詞を中心にして、howやwhatの節で具体的な内容を補えば、短い語数でも採点者が論理を追えます。書き終えたら「生前の継続状態をwhile she was aliveで示す力」が英文のどの語に現れているか、指で示せるか確認してください。死後にはじめて気づく人柄と後悔では、この対応が曖昧だと内容点を失いやすくなります。別解を作る場合も、死後にはじめての認識を強調構文で示す力は削らないでください。表現を変えても情報の役割を保つことが、死後にはじめて気づく人柄と後悔を正確に説明する条件です。死後にはじめて気づく人柄と後悔について具体的に書けているかを確かめるには、英文だけを読んで「誰が・何を・なぜ」が答えられるか試してください。特にwish + 過去完了で実現不能な後悔を表す力を落としていないかが重要です。

訳例
標準

While she was alive, I did not think much of her or treat her as someone important. It was only after she died that I realized what a good person she had been.

別解

I neither valued her highly nor cared for her while she was alive, but after her death I finally understood how good she had always been.

この文でやりやすい誤り

死後も現在形にする

減点 大
✗After she died, I realize that she is a good person.
✓After she died, I realized that she had been a good person.

認識も人柄も過去の時間関係に合わせます。設問が求める情報と照らし、読み手がどこで誤解するかまで確かめてください。

生前は大切にしたと逆訳する

減点 大
✗While she was alive, I always treated her as important.
✓While she was alive, I did not treat her as important.

否定が落ちると内容が正反対です。一見それらしく見えても、この問題の採点点を一つ落としてしまいます。

死ぬまで気づいていたとする

減点 大
✗I knew she was good until she died.
✓It was only after she died that I realized she had been good.

「はじめて」の転換が消えています。この一文だけを直せば、ほかの部分を変えずに論理が通ります。

only afterの語順を崩す

減点 大
✗It only was she died after that I realized it.
✓It was only after she died that I realized it.

強調構文のまとまりが崩れています。受験生が急いで書くと起こりやすいので、最後に主語と動詞を見直してください。

goodを技術が上手い意味にする

減点 中
✗I realized that she was good at everything.
✓I realized what a good person she had been.

原文は人柄であり、能力の万能さではありません。意味のずれを防ぐには、日本語の要点を短くメモしてから英文にすると安全です。

二つの欠落をandで隠す

減点 大
✗I did not care, and she died, and I was sad.
✓I did not value her while she lived, but after her death I realized how good she had been.

出来事の並びだけで認識と後悔が表せていません。意味のずれを防ぐには、日本語の要点を短くメモしてから英文にすると安全です。

この文の言いかえ
生きているうちは
◎while she was aliveこの問題の「生きているうちは」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
○during her lifetime語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
✗when she was living lifeここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
重んじる
◎think much of herこの問題の「重んじる」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
○value her highly語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
✗think her importantlyここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
大切にする
◎treat her as importantこの問題の「大切にする」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
○care for her語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
✗make her importantここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
死んではじめて
◎only after she diedこの問題の「死んではじめて」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
○not until her death語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
✗after she dies firstここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
いい人だった
◎what a good person she had beenこの問題の「いい人だった」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
○how good she had always been語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
✗she was a well personここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
第 2 文

もう少し親切にしてあげるのだった、と私は心から思った。

つまずきやすいところ
  • ここが山場です。実現できない過去への後悔をwish I had treatedで示し、心からをsincerelyで添えます。
  • Iから始め、段の役割を読み手に早く伝えます
  • 名詞だけを並べず、how節またはwhat節で中身を見せます
  • 主語と動詞の対応を一つずつ確認します
  • 次の段との因果・対比・具体化の関係を接続語で示します
発想の切り替え

実現できない過去への後悔をwish I had treatedで示し、心からをsincerelyで添えます。 日本語の情報をすべて一文に押し込まず、この段が担う仕事だけを先に決めます。平易な動詞を中心にして、howやwhatの節で具体的な内容を補えば、短い語数でも採点者が論理を追えます。見直しでは文法だけでなく、重んじると大切にするを二つの動作に分ける力を読み手が一度で理解できる順序かも確かめます。死後にはじめて気づく人柄と後悔の要点を日本語で短く言い直してから照合すると安全です。この段の採点ポイントはwhat a good person she had beenで人柄を節に開く力です。難しい一語を探すより、主語と動詞を置いて二つの短い節に開くと、意味のずれを自分でも発見しやすくなります。

訳例
標準

I then understood how little kindness I had shown her and how much kinder I could have been. I sincerely wished I had treated her better.

別解

From the bottom of my heart, I regretted what I had failed to do for her and wished I had been kinder.

この文でやりやすい誤り

今後の希望にする

減点 大
✗I hope I will be kinder to her later.
✓I wish I had been kinder to her.

彼女は亡くなっており、今後の行動ではありません。設問が求める情報と照らし、読み手がどこで誤解するかまで確かめてください。

wishの後を過去形だけにする

減点 中〜大
✗I wish I was kinder to her before she died.
✓I wish I had been kinder to her before she died.

過去の事実に反する後悔は過去完了です。一見それらしく見えても、この問題の採点点を一つ落としてしまいます。

kindの前置詞を誤る

減点 中
✗I should have been kind for her.
✓I should have been kind to her.

人に親切にはkind toを使います。この一文だけを直せば、ほかの部分を変えずに論理が通ります。

心からをheartの直訳で崩す

減点 中
✗I thought it from my deep heart body.
✓I sincerely wished I had treated her better.

sincerelyまたはfrom the bottom of my heartが自然です。受験生が急いで書くと起こりやすいので、最後に主語と動詞を見直してください。

この文の言いかえ
もう少し親切に
◎have been kinder to herこの問題の「もう少し親切に」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
○have treated her better語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
✗kind for her moreここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
心から
◎sincerelyこの問題の「心から」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
○from the bottom of my heart語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
✗from my deep heartここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
後悔する
◎wish I had V-edこの問題の「後悔する」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
○regret not having V-ed語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
✗regret to not didここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
3

模範解答

標準解

まずここを目標にhow節 ×2 / what節 ×266語

While she was alive, I did not think much of her or treat her as someone important. It was only after she died that I realized what a good person she had been. I then understood how little kindness I had shown her, how much kinder I could have been, and what I should have done for her. I sincerely wished I had treated her better.

全66語です。二文の内容を保ち、生前より前に成立していた人柄を過去完了、取り返せない後悔をwish + 過去完了で示しました。 how節2個、what節2個を使い、抽象的な名詞を避けて内容を具体化しました。各文の主語と時制をそろえ、最後まで同じ説明の軸を保っています。まずはこの流れを目標にしてください。

説明を足した解

書けなかったときの逃げ道how節 ×2 / what節 ×261語

I neither valued her highly nor cared for her while she was alive. Only after her death did I understand how good she had always been. I saw what I had failed to notice, how coldly I had treated her, and what kindness I should have shown. From the bottom of my heart, I regretted not having been kinder to her.

全61語です。別解はregretted not having been kinderを使い、後悔の対象を動名詞で説明しています。 標準解と同じ要点を保ちながら、動作や因果関係を一段ずつ示しています。難しい語を探さず、how節とwhat節で説明すれば十分に伝わります。

6

他の問題にも使える形

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while S was alive最重要

生前の状態を置く

死後にはじめて気づく人柄と後悔の説明で実際に使った形です。日本語の名詞を無理に一語へ置かず、誰が何をするかまで開けます。生前の状態を置く場面では、語数を増やすためではなく、論理を読み手に見える形にするために使ってください。

while she was alive
while my grandfather was alive
not A or B最重要

二つの否定をまとめる

死後にはじめて気づく人柄と後悔の説明で実際に使った形です。日本語の名詞を無理に一語へ置かず、誰が何をするかまで開けます。二つの否定をまとめる場面では、語数を増やすためではなく、論理を読み手に見える形にするために使ってください。

did not value her or care for her
did not eat or drink
It was only after ... that ...最重要

遅い認識を強調する

死後にはじめて気づく人柄と後悔の説明で実際に使った形です。日本語の名詞を無理に一語へ置かず、誰が何をするかまで開けます。遅い認識を強調する場面では、語数を増やすためではなく、論理を読み手に見える形にするために使ってください。

It was only after she died that I realized it.
It was only after I left that I missed home.
what a + 形容詞 + 名詞 S Vよく使う

人柄を節で示す

死後にはじめて気づく人柄と後悔の説明で実際に使った形です。日本語の名詞を無理に一語へ置かず、誰が何をするかまで開けます。人柄を節で示す場面では、語数を増やすためではなく、論理を読み手に見える形にするために使ってください。

what a good person she had been
what a difficult choice it was
how little / much S Vよく使う

不足と程度を示す

死後にはじめて気づく人柄と後悔の説明で実際に使った形です。日本語の名詞を無理に一語へ置かず、誰が何をするかまで開けます。不足と程度を示す場面では、語数を増やすためではなく、論理を読み手に見える形にするために使ってください。

how little kindness I had shown
how much time we had lost
wish S had V-edよく使う

過去の後悔を表す

死後にはじめて気づく人柄と後悔の説明で実際に使った形です。日本語の名詞を無理に一語へ置かず、誰が何をするかまで開けます。過去の後悔を表す場面では、語数を増やすためではなく、論理を読み手に見える形にするために使ってください。

I wish I had been kinder.
I wish I had studied harder.
7

この問題の語彙

表現意味ひとこと
alive生きている名詞の前でなくbe aliveの形で使います
value重んじる人を目的語にしてvalue her highlyとできます
realize気づく頭で理解する変化に合う動詞です
kindness親切不可算名詞でshow kindness to herと使えます
sincerely心からwishやhopeを修飾できます
regret後悔する過去の行為にはregret V-ingを使います
treat扱うtreat 人 wellで人によく接する意味です
lifetime生きている間during her lifetimeと前置詞duringを使います
8

出題の傾向

東京大学の和文英訳は、1996年の人物への後悔や日米の田舎観、1997年の化粧という文化的習慣のように、身近な語で抽象的な見方を説明させます。難語の直訳より、誰がどう感じるか、何が人間らしさなのかを how節・what節に開き、時制や比較を崩さず書く力が問われます。

学習の成果を喜ぶ Boost のキャラクター Boo

書いたらすぐ、AIが無料で採点

解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI がその場で採点します。

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