東京大学のロゴ 第4問(B) 和文英訳 東京大学 1997
東京大学 1997年度 前期日程 · 英語

第4問(B) 和文英訳
解答と解説

化粧という身近な行為を、人類史と動物との比較から「基本的な人類の特徴」へ結ぶ文章です。第1文では、おそらくという推量、前史時代からという起点、余暇を得た時期、生まれつきの顔へ化粧する習慣を一つの英文に整理します。第2文ではno other animalで独自性を明示し、第3文では二足歩行と言語を並列してmayで推量を残します。custom、since、the face we are born withの係り受けを崩さないことが山場です。

難易度 ★★★★ 目安 22分 和文英訳 テーマ 化粧をする人類の習慣
1

問題

第4問(B) 次の文を英訳しなさい。

人類には、おそらく、生活のなかに多少の閑(ひま)の時間を見出した前史時代から、生まれながらの顔に対して化粧をほどこすという風習があった。これは、他のいかなる動物にも見られないことである。二本足で立って歩くとか、言語を話すというのと同じような、基本的な人類の特徴だろう。

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この問題で見られている力

  • probablyで「おそらく」の推量を残す力
  • since prehistoric timesで習慣の起点を示す力
  • 生まれながらの顔をthe face we are born withと節に開く力
  • no other animalで例外のない比較を示す力
  • 二足歩行・言語・化粧を同じ人類特徴として並べる力
2

文ごとの解説

第 1 文

人類には、おそらく、生活のなかに多少の閑(ひま)の時間を見出した前史時代から、生まれながらの顔に対して化粧をほどこすという風習があった。

つまずきやすいところ
  • ここが山場です。sinceの起点と、whenで示す余暇獲得の時期を混同せず、custom of applying make-upを中心に組み立てます。
  • Humanから始め、段の役割を読み手に早く伝えます
  • 名詞だけを並べず、how節またはwhat節で中身を見せます
  • 主語と動詞の対応を一つずつ確認します
  • 次の段との因果・対比・具体化の関係を接続語で示します
発想の切り替え

sinceの起点と、whenで示す余暇獲得の時期を混同せず、custom of applying make-upを中心に組み立てます。 日本語の情報をすべて一文に押し込まず、この段が担う仕事だけを先に決めます。平易な動詞を中心にして、howやwhatの節で具体的な内容を補えば、短い語数でも採点者が論理を追えます。書き終えたら「probablyで「おそらく」の推量を残す力」が英文のどの語に現れているか、指で示せるか確認してください。化粧をする人類の習慣では、この対応が曖昧だと内容点を失いやすくなります。

訳例
標準

Human beings have probably had the custom of applying make-up to the faces they were born with since prehistoric times, when they found some free time in daily life.

別解

Humans have probably put make-up on their natural faces since prehistoric people first found how they could use some free time in daily life.

この文でやりやすい誤り

時制を過去だけにする

減点 大
Humans had this custom since prehistoric times.
Humans have had this custom since prehistoric times.

先史時代から現在まで続くので現在完了が合います。設問が求める情報と照らし、読み手がどこで誤解するかまで確かめてください。

sinceを期間に使う

減点 中
Humans have used make-up since thousands of years.
Humans have used make-up for thousands of years.

sinceは起点、forは期間です。一見それらしく見えても、この問題の採点点を一つ落としてしまいます。

顔そのものを生むと書く

減点 大
people make the faces that they are born
people apply make-up to the faces they were born with

生まれつきの顔という修飾関係が崩れています。この一文だけを直せば、ほかの部分を変えずに論理が通ります。

make-upを動詞一語にする

減点 中
Humans make-up their faces.
Humans apply make-up to their faces.

make-upは名詞で、動詞ならapplyを使います。受験生が急いで書くと起こりやすいので、最後に主語と動詞を見直してください。

この文の言いかえ
人類
human beingsこの問題の「人類」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
humans語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
human racesここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
風習がある
have the custom of V-ingこの問題の「風習がある」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
have long practiced V-ing語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
have a habit to doingここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
化粧をほどこす
apply make-up to the faceこの問題の「化粧をほどこす」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
put make-up on the face語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
paint up the born faceここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
生まれながらの顔
the face we are born withこの問題の「生まれながらの顔」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
our natural face語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
a born faceここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
前史時代から
since prehistoric timesこの問題の「前史時代から」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
since people first had free time語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
from prehistoric times until now agoここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
第 2 文

これは、他のいかなる動物にも見られないことである。

つまずきやすいところ
  • ここが山場です。no other animalで全否定を簡潔に表し、Thisは化粧の習慣全体を受けます。
  • Thisから始め、段の役割を読み手に早く伝えます
  • 名詞だけを並べず、how節またはwhat節で中身を見せます
  • 主語と動詞の対応を一つずつ確認します
  • 次の段との因果・対比・具体化の関係を接続語で示します
発想の切り替え

no other animalで全否定を簡潔に表し、Thisは化粧の習慣全体を受けます。 日本語の情報をすべて一文に押し込まず、この段が担う仕事だけを先に決めます。平易な動詞を中心にして、howやwhatの節で具体的な内容を補えば、短い語数でも採点者が論理を追えます。見直しでは文法だけでなく、since prehistoric timesで習慣の起点を示す力を読み手が一度で理解できる順序かも確かめます。化粧をする人類の習慣の要点を日本語で短く言い直してから照合すると安全です。

訳例
標準

This is something that no other animal does.

別解

What makes this custom unusual is how it is found in no other animal.

この文でやりやすい誤り

他の動物も行うとする

減点 大
Many other animals also follow this custom.
No other animal follows this custom.

第2文と正反対です。意味のずれを防ぐには、日本語の要点を短くメモしてから英文にすると安全です。

any other animalを肯定文で誤用する

減点 中
This custom is seen in any other animal.
This custom is not seen in any other animal.

any otherはここでは否定と組み合わせます。設問が求める情報と照らし、読み手がどこで誤解するかまで確かめてください。

この文の言いかえ
他のいかなる動物にもない
no other animal does thisこの問題の「他のいかなる動物にもない」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
this is not found in any other animal語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
every other animal neverここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
第 3 文

二本足で立って歩くとか、言語を話すというのと同じような、基本的な人類の特徴だろう。

つまずきやすいところ
  • ここが山場です。歩行と言語をcomparable toの後ろに平行に置き、だろうをmay beで残します。
  • Itから始め、段の役割を読み手に早く伝えます
  • 名詞だけを並べず、how節またはwhat節で中身を見せます
  • 主語と動詞の対応を一つずつ確認します
  • 次の段との因果・対比・具体化の関係を接続語で示します
発想の切り替え

歩行と言語をcomparable toの後ろに平行に置き、だろうをmay beで残します。 日本語の情報をすべて一文に押し込まず、この段が担う仕事だけを先に決めます。平易な動詞を中心にして、howやwhatの節で具体的な内容を補えば、短い語数でも採点者が論理を追えます。

訳例
標準

It may be what we can call a basic human feature, comparable to how we walk on two legs and how we speak a language.

別解

It may be a basic feature of human beings, like walking on two legs and speaking a language.

この文でやりやすい誤り

二足歩行をfour legsにする

減点 大
Humans walk on four legs.
Humans walk on two legs.

原文の基本的特徴を取り違えています。一見それらしく見えても、この問題の採点点を一つ落としてしまいます。

languageの冠詞を崩す

減点 中
Humans speak a languages.
Humans speak a language.

aの後は単数形です。この一文だけを直せば、ほかの部分を変えずに論理が通ります。

だろうを断定する

減点 大
It is certainly the only basic human feature.
It may be a basic human feature.

推量を落とし、しかも唯一と強めています。受験生が急いで書くと起こりやすいので、最後に主語と動詞を見直してください。

三つの特徴の並列を崩す

減点 大
Make-up is basic because walking speaks a language.
Applying make-up may be basic, like walking on two legs and speaking a language.

becauseで無関係な因果を作っています。意味のずれを防ぐには、日本語の要点を短くメモしてから英文にすると安全です。

この文の言いかえ
二本足で歩く
walk on two legsこの問題の「二本足で歩く」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
stand and walk on two feet語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
walk by two legsここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
基本的特徴
a basic human featureこの問題の「基本的特徴」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
what we can call a human characteristic語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
a human basic characterここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
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模範解答

標準解

まずここを目標にhow節 ×2 / what節 ×162語

Human beings have probably had the custom of applying make-up to the faces they were born with since prehistoric times, when they found some free time in daily life. This is something that no other animal does. It may be what we can call a basic human feature, comparable to how we walk on two legs and how we speak a language.

全62語です。原文の三文を順番どおり訳し、現在まで続く習慣を現在完了で示しました。 how節2個、what節1個を使い、抽象的な名詞を避けて内容を具体化しました。各文の主語と時制をそろえ、最後まで同じ説明の軸を保っています。まずはこの流れを目標にしてください。

説明を足した解

書けなかったときの逃げ道how節 ×2 / what節 ×267語

Since prehistoric times, when people began to find some free time in their lives, humans have probably used make-up to change how their natural faces look. No other animal is known to do this. How we decorate our natural faces shows what is special about human beings. Like walking on two legs and speaking a language, it is probably what we can call a basic human feature.

全67語です。こちらは化粧による見た目の変化を説明し、人類と動物の差を一段明示しています。 標準解と同じ要点を保ちながら、動作や因果関係を一段ずつ示しています。難しい語を探さず、how節とwhat節で説明すれば十分に伝わります。

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他の問題にも使える形

学習のコツを紹介する Boost のキャラクター Boo
have had ... since + 起点最重要

継続する習慣を示す

化粧をする人類の習慣の説明で実際に使った形です。日本語の名詞を無理に一語へ置かず、誰が何をするかまで開けます。継続する習慣を示す場面では、語数を増やすためではなく、論理を読み手に見える形にするために使ってください。

have had the custom since prehistoric times
have lived here since 2010
the 名詞 S be born with最重要

生まれつきのものを節に開く

化粧をする人類の習慣の説明で実際に使った形です。日本語の名詞を無理に一語へ置かず、誰が何をするかまで開けます。生まれつきのものを節に開く場面では、語数を増やすためではなく、論理を読み手に見える形にするために使ってください。

the face we are born with
the talents she was born with
when S found ...最重要

時代の説明を挟む

化粧をする人類の習慣の説明で実際に使った形です。日本語の名詞を無理に一語へ置かず、誰が何をするかまで開けます。時代の説明を挟む場面では、語数を増やすためではなく、論理を読み手に見える形にするために使ってください。

when people found some free time
when the town began to grow
no other + 単数名詞よく使う

唯一性を比較で示す

化粧をする人類の習慣の説明で実際に使った形です。日本語の名詞を無理に一語へ置かず、誰が何をするかまで開けます。唯一性を比較で示す場面では、語数を増やすためではなく、論理を読み手に見える形にするために使ってください。

no other animal does this
no other student knew the answer
like A and Bよく使う

同列の例を並べる

化粧をする人類の習慣の説明で実際に使った形です。日本語の名詞を無理に一語へ置かず、誰が何をするかまで開けます。同列の例を並べる場面では、語数を増やすためではなく、論理を読み手に見える形にするために使ってください。

like walking and speaking
like reading and writing
what we can call Aよく使う

評価名を節で示す

化粧をする人類の習慣の説明で実際に使った形です。日本語の名詞を無理に一語へ置かず、誰が何をするかまで開けます。評価名を節で示す場面では、語数を増やすためではなく、論理を読み手に見える形にするために使ってください。

what we can call a basic feature
what we can call real courage
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この問題の語彙

表現意味ひとこと
prehistoric前史時代のhistoryの前にpreが付き、文字記録以前を表します
custom風習custom of V-ingで〜する風習です
make-up化粧名詞なのでapplyまたはput onと使います
applyほどこすapply A to BでBにAを塗る形です
natural生まれつきの、自然のnatural faceで化粧前の顔を表せます
feature特徴可算名詞なのでa basic featureです
language言語speak a languageではaが必要です
probablyおそらく文中でhaveの前に置くと自然です
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出題の傾向

東京大学の和文英訳は、1996年の人物への後悔や日米の田舎観、1997年の化粧という文化的習慣のように、身近な語で抽象的な見方を説明させます。難語の直訳より、誰がどう感じるか、何が人間らしさなのかを how節・what節に開き、時制や比較を崩さず書く力が問われます。

学習の成果を喜ぶ Boost のキャラクター Boo

この問題を解いて添削してもらう

解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。

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