東京大学のロゴ 第2問(B) 条件英作文 東京大学 2002
東京大学 2002年度 前期日程 · 英語

第2問(B) 条件英作文
解答と解説

長い教師同士の会話から、両者の立場と根拠を40〜50語へ圧縮する問題です。Ms. Aは、生徒の英語力に差があるため、能力別なら各水準に合う授業ができると考えます。Mr. Bは、下位クラスほど教材が易しくなる仕組みは差別的で、成績が低くても高度な内容を望む生徒の機会を奪うと反対します。具体例を全部列挙せず、「個別化」と「選択の公平」の対立軸を残すことが最大の難所です。

難易度 ★★★★★ 目安 18分 条件英作文 テーマ 能力別クラス編成の利点と公平性
1

問題

第2問(B) 二人の主張と根拠を、40〜50語で要約しなさい。

次の会話は、ある高校の授業に「能力別クラス編成」(ranking system) を導入するかどうかについての教師同士の議論である。このA先生(Ms. A)とB先生(Mr.B)のやりとりの内容について、日本語のわからない英会話の先生から質問されたと仮定し、2人の主張とその根拠を明確に伝えるような形で、議論の要点を40~50語の英語で述べなさい。 A先生:私は基本的に能力別クラス編成に賛成です。そのほうが生徒一人一人の能力に応じたきめ細かい指導ができると思いますよ。本校には英語圏からの帰国子女もたくさんおりますし、たとえば英語の授業でそういう生徒と普通の生徒を一緒にしてしまうと、結局、どちらに合わせればいいかわからなくなって、授業自体が中途半端になってしまいますからね。生徒主体の授業運営をするためにも、能力別にすべきだと思います。 B先生:そうは言ってもですね、能力別という発想自体、そもそも民主主義の原則に反する古い考え方ですよ。だって、英語にかぎらず、上級のクラスでは高度な教材を用いて高度な内容の授業が行われるわけだし、逆にそうでないクラスでは教材も内容もやさしくなるわけでしょう?それはやはり差別なんじゃないですか。成績自体はふるわなくたって、高度な内容を教えてほしいと言い出す生徒がいたらどうします?

40~50語の英語
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この問題で見られている力

  • Ms. Aの賛成立場と個別指導の理由を結ぶ力
  • 帰国生の例を能力差という上位概念へ圧縮する力
  • Mr. Bの反対理由を差別と学習機会で示す力
  • 二人の主張を混同せず対比接続する力
  • 40〜50語の狭い範囲でhow節2個とwhat節1個を入れる力
2

答案の組み立て

第1段

Ms. Aの賛成立場

Ms. A supports the ranking system.

第2段

水準別に教えられる利点

It lets teachers decide how to teach students at different levels.

第3段

Mr. Bの反対立場と根拠

Mr. B opposes it because easier classes may unfairly limit what some students can learn.

第4段

対立軸を一文で回収

Their disagreement is about how schools can meet different needs without treating students unequally.

第 1 文

第1段:Ms. Aの賛成立場

つまずきやすいところ
  • ここが山場です。supportsを使い、能力別編成への賛成を最初に固定します。
  • Ms.から始め、段の役割を読み手に早く伝えます
  • 名詞だけを並べず、how節またはwhat節で中身を見せます
  • 主語と動詞の対応を一つずつ確認します
  • 次の段との因果・対比・具体化の関係を接続語で示します
発想の切り替え

supportsを使い、能力別編成への賛成を最初に固定します。 日本語の情報をすべて一文に押し込まず、この段が担う仕事だけを先に決めます。平易な動詞を中心にして、howやwhatの節で具体的な内容を補えば、短い語数でも採点者が論理を追えます。

訳例
標準

Ms. A supports the ranking system.

別解

Ms. A favors grouping students by their level.

この文でやりやすい誤り

Ms. Aの立場を逆にする

減点 大
Ms. A opposes grouping students by ability.
Ms. A supports grouping students by ability.

会話冒頭の「賛成」を反対にすると要約全体が崩れます。設問が求める情報と照らし、読み手がどこで誤解するかまで確かめてください。

accordingの前置詞を誤る

減点 中
Students are grouped according with their level.
Students are grouped according to their level.

according toが一組の表現です。一見それらしく見えても、この問題の採点点を一つ落としてしまいます。

この文の言いかえ
能力別編成
the ranking systemこの問題の「能力別編成」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
grouping students by ability語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
the rank classここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
賛成する
support the systemこの問題の「賛成する」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
favor the plan語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
agree the systemここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
第 2 文

第2段:水準別に教えられる利点

つまずきやすいところ
  • ここが山場です。帰国生の例をhow to teach students at different levelsへまとめます。
  • Itから始め、段の役割を読み手に早く伝えます
  • 名詞だけを並べず、how節またはwhat節で中身を見せます
  • 主語と動詞の対応を一つずつ確認します
  • 次の段との因果・対比・具体化の関係を接続語で示します
発想の切り替え

帰国生の例をhow to teach students at different levelsへまとめます。 日本語の情報をすべて一文に押し込まず、この段が担う仕事だけを先に決めます。平易な動詞を中心にして、howやwhatの節で具体的な内容を補えば、短い語数でも採点者が論理を追えます。

訳例
標準

It lets teachers decide how to teach students at different levels.

別解

Teachers could match lessons to how much each group already knows.

この文でやりやすい誤り

帰国生だけの制度にする

減点 大
The system is only for students returning from abroad.
The system groups all students according to their level.

帰国生は能力差の例であり、対象を限定する条件ではありません。一見それらしく見えても、この問題の採点点を一つ落としてしまいます。

賛成理由を教師の楽さに変える

減点 大
Ms. A supports it because teachers will have less work.
Ms. A supports it because lessons can fit each level.

教師の負担軽減は原文にない理由です。この一文だけを直せば、ほかの部分を変えずに論理が通ります。

この文の言いかえ
水準に合う
fit each levelこの問題の「水準に合う」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
match students’ needs語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
fit to each levelここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
帰国生
students returning from abroadこの問題の「帰国生」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
students who studied overseas語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
return studentsここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
第 3 文

第3段:Mr. Bの反対立場と根拠

つまずきやすいところ
  • ここが山場です。easier classes may limit learningとし、単なる民主主義の語だけで終えません。
  • Mr.から始め、段の役割を読み手に早く伝えます
  • 名詞だけを並べず、how節またはwhat節で中身を見せます
  • 主語と動詞の対応を一つずつ確認します
  • 次の段との因果・対比・具体化の関係を接続語で示します
発想の切り替え

easier classes may limit learningとし、単なる民主主義の語だけで終えません。 日本語の情報をすべて一文に押し込まず、この段が担う仕事だけを先に決めます。平易な動詞を中心にして、howやwhatの節で具体的な内容を補えば、短い語数でも採点者が論理を追えます。

訳例
標準

Mr. B opposes it because easier classes may unfairly limit what some students can learn.

別解

Mr. B objects that lower groups may be denied difficult material they want to study.

この文でやりやすい誤り

Mr. Bも賛成にする

減点 大
Mr. B also thinks ranking is fair.
Mr. B thinks ranking may be unfair.

二人の対立を消すと議論の要約になりません。受験生が急いで書くと起こりやすいので、最後に主語と動詞を見直してください。

差別の中身を示さない

減点 中〜大
Mr. B says the system is bad and old.
Mr. B says easier classes may limit what students can learn.

評価語だけでは、なぜ差別的なのかという根拠が見えません。意味のずれを防ぐには、日本語の要点を短くメモしてから英文にすると安全です。

成績の低い生徒は易しい内容だけを望むとする

減点 大
Students with low marks never want difficult lessons.
Some students with low marks may still want difficult lessons.

B先生が示した反例と正反対です。設問が求める情報と照らし、読み手がどこで誤解するかまで確かめてください。

この文の言いかえ
反対する
oppose the systemこの問題の「反対する」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
object to the plan語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
opposite the systemここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
差別的な
unfairこの問題の「差別的な」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
unequal in its effect語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
discriminatedここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
高度な内容
advanced materialこの問題の「高度な内容」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
more difficult lessons語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
high contentsここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
第 4 文

第4段:対立軸を一文で回収

つまずきやすいところ
  • ここが山場です。異なる必要への対応と平等な扱いの両立が争点だと示します。
  • Theirから始め、段の役割を読み手に早く伝えます
  • 名詞だけを並べず、how節またはwhat節で中身を見せます
  • 主語と動詞の対応を一つずつ確認します
  • 次の段との因果・対比・具体化の関係を接続語で示します
発想の切り替え

異なる必要への対応と平等な扱いの両立が争点だと示します。 日本語の情報をすべて一文に押し込まず、この段が担う仕事だけを先に決めます。平易な動詞を中心にして、howやwhatの節で具体的な内容を補えば、短い語数でも採点者が論理を追えます。

訳例
標準

Their disagreement is about how schools can meet different needs without treating students unequally.

別解

They differ over how a school can teach mixed levels while giving every student a fair chance.

この文でやりやすい誤り

二人の根拠を混ぜる

減点 大
Ms. A fears discrimination, while Mr. B wants level-based lessons.
Ms. A wants suitable lessons, while Mr. B fears unfair limits.

主張者と根拠の組み合わせが入れ替わっています。この一文だけを直せば、ほかの部分を変えずに論理が通ります。

自分の意見を結論に足す

減点 中
I think Ms. A is clearly right, so the school should adopt the system.
Ms. A stresses suitable lessons, while Mr. B stresses equal chances.

設問は自分の賛否ではなく会話の要点を求めています。意味のずれを防ぐには、日本語の要点を短くメモしてから英文にすると安全です。

この文の言いかえ
学ぶ機会
a chance to learnこの問題の「学ぶ機会」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
what students are allowed to study語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
an opportunity of learnここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
3

模範解答

標準解

まずここを目標にhow節 ×2 / what節 ×147語

Ms. A supports the ranking system because it lets teachers decide how to teach students at different levels. Mr. B opposes it because easier classes may unfairly limit what some students can learn. Their disagreement is about how schools can meet different needs without treating students unequally.

全47語です。実測40〜50語に収め、賛成と反対を一文ずつ置いたうえで争点を回収しました。 how節2個、what節1個を使い、抽象的な名詞を避けて内容を具体化しました。各文の主語と時制をそろえ、最後まで同じ説明の軸を保っています。まずはこの流れを目標にしてください。

説明を足した解

書けなかったときの逃げ道how節 ×2 / what節 ×150語

Ms. A favors grouping students by ability, since teachers could choose how difficult each lesson should be. Mr. B argues that this would be unfair: students with low marks might want what advanced classes offer. The debate asks how a school can meet different needs while giving everyone equal chances.

全50語です。こちらも両者を同じ比重で扱い、低い成績と高い学習意欲を区別しました。 標準解と同じ要点を保ちながら、動作や因果関係を一段ずつ示しています。難しい語を探さず、how節とwhat節で説明すれば十分に伝わります。

4

答案全体で気をつけること

減点されやすい書き方を指さす Boost のキャラクター Boo

40語未満で根拠を落とす

減点 大
Ms. A supports ranking. Mr. B opposes it. They disagree about education.
Ms. A supports ranking because lessons can fit each level, while Mr. B fears that it may limit what some students can learn.

立場だけで、双方の理由がありません。受験生が急いで書くと起こりやすいので、最後に主語と動詞を見直してください。

6

他の問題にも使える形

学習のコツを紹介する Boost のキャラクター Boo
support / oppose + 名詞最重要

賛否を短く対比する

能力別クラス編成の利点と公平性の説明で実際に使った形です。日本語の名詞を無理に一語へ置かず、誰が何をするかまで開けます。賛否を短く対比する場面では、語数を増やすためではなく、論理を読み手に見える形にするために使ってください。

Ms. A supports the system.
Many citizens oppose the plan.
decide how to V最重要

方法の選択を開く

能力別クラス編成の利点と公平性の説明で実際に使った形です。日本語の名詞を無理に一語へ置かず、誰が何をするかまで開けます。方法の選択を開く場面では、語数を増やすためではなく、論理を読み手に見える形にするために使ってください。

decide how to teach each group
decide how to use the room
what S can V最重要

内容の範囲を示す

能力別クラス編成の利点と公平性の説明で実際に使った形です。日本語の名詞を無理に一語へ置かず、誰が何をするかまで開けます。内容の範囲を示す場面では、語数を増やすためではなく、論理を読み手に見える形にするために使ってください。

limit what students can learn
show what visitors can see
because + 理由よく使う

立場と根拠を一文にする

能力別クラス編成の利点と公平性の説明で実際に使った形です。日本語の名詞を無理に一語へ置かず、誰が何をするかまで開けます。立場と根拠を一文にする場面では、語数を増やすためではなく、論理を読み手に見える形にするために使ってください。

She supports it because lessons can fit each level.
He stayed home because he felt ill.
while A, Bよく使う

二つの立場を対照する

能力別クラス編成の利点と公平性の説明で実際に使った形です。日本語の名詞を無理に一語へ置かず、誰が何をするかまで開けます。二つの立場を対照する場面では、語数を増やすためではなく、論理を読み手に見える形にするために使ってください。

A values suitable lessons, while B values fairness.
I like cities, while my sister likes villages.
without V-ingよく使う

両立条件を示す

能力別クラス編成の利点と公平性の説明で実際に使った形です。日本語の名詞を無理に一語へ置かず、誰が何をするかまで開けます。両立条件を示す場面では、語数を増やすためではなく、論理を読み手に見える形にするために使ってください。

meet needs without treating students unfairly
save money without losing quality
7

この問題の語彙

表現意味ひとこと
ranking system能力別クラス編成問題文指定の語なのでそのまま使えます
ability能力by abilityまたはaccording to abilityで分類基準を示します
level水準at different levelsと複数にするのが自然です
returning student帰国生説明するならa student who studied abroadが安全です
support支持する他動詞なのでsupport the ideaと前置詞なしで続けます
oppose反対するoppose toとはせず、目的語を直接取ります
unfairly不公平にlimitを修飾して、制限の性質を示せます
advanced高度な人ではなくadvanced materialやadvanced classesを修飾します
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出題の傾向

東京大学の条件英作文は、2001年の死の恐怖の要約、2002年の能力別編成の対立整理、2003年のことわざ説明、2004年の登山隊長の発言要約のように、短い語数で複数の指定点を過不足なく並べる問題が続いています。自分の意見を自由に広げるより、設問が指定した要素を先に数え、how節・what節で関係を明示する姿勢が安定します。

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