東京大学のロゴ 第2問(B) 条件英作文 東京大学 2003
東京大学 2003年度 前期日程 · 英語

第2問(B) 条件英作文
解答と解説

日本語のことわざを英語の決まり文句へ置き換えるのではなく、三つの意味の層を約60語で説明する問題です。まず雨のあとに地面が固くなるという字義、次に問題や争いのあとで人間関係がよくなるという一般的意味、最後に監督・補欠・実力主義をめぐる議論がチームの結束を強めたという固有の文脈を入れます。三点の順序を崩さず、literal、in general、hereを道しるべにするのが得策です。

難易度 ★★★★ 目安 20分 条件英作文 テーマ 対立を経て強くなる関係
1

問題

第2問(B) ことわざの字義・一般的意味・この文脈の意味を、約60語で説明しなさい。

次の文章は、あるアマチュア・スポーツチームの監督の訓話の一部である。この中の、「雨降って地固まる」という表現について、それが字義通りにはどういう意味か、諺としては一般的にどのような意味で用いられるか、さらにこの特定の文脈の中でどのような状況を言い表しているかの3点を盛り込んだ形で、60語程度の英語で説明しなさい。 昨年は、マネージャーを採用すべきであるとかないとか、補欠にも出場の機会を与えるべきだとか、いやあくまで実力主義で行くべきであるとか、チームの運営の仕方をめぐってずいぶん色々とやり合いましたけれども、「雨降って地固まる」と申しまして、それで逆にチームの結束が固まったと思います。今年もみんなで力を合わせて頑張りましょう。

約60語の英語
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この問題で見られている力

  • 字義通りの雨と地面の変化を説明する力
  • 一般的な教訓を人間関係の改善として開く力
  • チーム運営をめぐる具体的な対立を拾う力
  • 議論の結果として結束が強まった因果を示す力
  • 三つの指定点を約60語に収める構成力
2

答案の組み立て

第1段

雨のあとに地面が固まるという字義

Literally, the saying means that rain makes the ground firm after it stops.

第2段

困難のあとに関係がよくなる一般的意味

In general, it tells us how people can build a better relationship after trouble.

第3段

チームで争われた論点を示す

Here, the team members argued over what rules they should follow and how players should be chosen.

第4段

議論が結束を強めたと回収する

However, those arguments finally brought them closer, which is what the coach means.

第 1 文

第1段:雨のあとに地面が固まるという字義

つまずきやすいところ
  • ここが山場です。rainが降っている最中ではなく、止んだあとにgroundがfirmになる順序を示します。
  • Literally,から始め、段の役割を読み手に早く伝えます
  • 名詞だけを並べず、how節またはwhat節で中身を見せます
  • 主語と動詞の対応を一つずつ確認します
  • 次の段との因果・対比・具体化の関係を接続語で示します
発想の切り替え

rainが降っている最中ではなく、止んだあとにgroundがfirmになる順序を示します。 日本語の情報をすべて一文に押し込まず、この段が担う仕事だけを先に決めます。平易な動詞を中心にして、howやwhatの節で具体的な内容を補えば、短い語数でも採点者が論理を追えます。

訳例
標準

Literally, the saying means that rain makes the ground firm after it stops.

別解

Taken literally, it says that the ground becomes harder after rain.

この文でやりやすい誤り

字義を省く

減点 大
The proverb means that arguments always make a team stronger.
Literally, it says that the ground becomes firm after rain.

第一の指定点である雨と地面の説明が完全に抜けています。設問が求める情報と照らし、読み手がどこで誤解するかまで確かめてください。

雨の最中に地面が固まるとする

減点 中
The ground becomes firm while heavy rain is falling.
The ground becomes firm after the rain stops.

ことわざの時間関係を逆にすると字義説明が不正確です。一見それらしく見えても、この問題の採点点を一つ落としてしまいます。

groundをearth全体にする

減点 中
The rain made the whole Earth stronger.
The rain made the ground firm.

このgroundは地面であり、地球全体のEarthではありません。この一文だけを直せば、ほかの部分を変えずに論理が通ります。

この文の言いかえ
字義通りには
literallyこの問題の「字義通りには」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
taken literally語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
literaryここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
雨が止んだあと
after the rain stopsこの問題の「雨が止んだあと」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
once the rain is over語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
while rainここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
地面が固まる
the ground becomes firmこの問題の「地面が固まる」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
rain makes the ground harder語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
the earth gets strongここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
第 2 文

第2段:困難のあとに関係がよくなる一般的意味

つまずきやすいところ
  • ここが山場です。天気の説明から人間関係へ移り、troubleのあとにhow people can build a better relationshipを述べます。
  • Inから始め、段の役割を読み手に早く伝えます
  • 名詞だけを並べず、how節またはwhat節で中身を見せます
  • 主語と動詞の対応を一つずつ確認します
  • 次の段との因果・対比・具体化の関係を接続語で示します
発想の切り替え

天気の説明から人間関係へ移り、troubleのあとにhow people can build a better relationshipを述べます。 日本語の情報をすべて一文に押し込まず、この段が担う仕事だけを先に決めます。平易な動詞を中心にして、howやwhatの節で具体的な内容を補えば、短い語数でも採点者が論理を追えます。

訳例
標準

In general, it tells us how people can build a better relationship after trouble.

別解

More generally, it means that people may become closer after they face a problem together.

この文でやりやすい誤り

一般的意味を勝敗の話にする

減点 大
The proverb means that the stronger side wins every argument.
The proverb means that relationships can improve after trouble.

教訓は勝者の強さではなく、困難後の関係改善です。この一文だけを直せば、ほかの部分を変えずに論理が通ります。

どんな関係かを示さない

減点 中
After trouble, things get better somehow.
After trouble, people may understand each other better.

thingsとsomehowでは何がどう改善するのか読み手に伝わりません。受験生が急いで書くと起こりやすいので、最後に主語と動詞を見直してください。

この文の言いかえ
一般的には
in generalこの問題の「一般的には」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
as a proverb語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
generally proverbここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
困難のあと
after troubleこの問題の「困難のあと」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
after people face a problem語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
after a difficulty thingここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
関係がよくなる
people become closerこの問題の「関係がよくなる」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
a relationship improves語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
relations grow upここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
第 3 文

第3段:チームで争われた論点を示す

つまずきやすいところ
  • ここが山場です。manager、substitutes、rulesのすべてを列挙せず、what rules they should followにまとめます。
  • Here,から始め、段の役割を読み手に早く伝えます
  • 名詞だけを並べず、how節またはwhat節で中身を見せます
  • 主語と動詞の対応を一つずつ確認します
  • 次の段との因果・対比・具体化の関係を接続語で示します
発想の切り替え

manager、substitutes、rulesのすべてを列挙せず、what rules they should followにまとめます。 日本語の情報をすべて一文に押し込まず、この段が担う仕事だけを先に決めます。平易な動詞を中心にして、howやwhatの節で具体的な内容を補えば、短い語数でも採点者が論理を追えます。

訳例
標準

Here, the team members argued over what rules they should follow and how players should be chosen.

別解

In this team, members disagreed about management and about who should get a chance to play.

この文でやりやすい誤り

チームの具体的状況を落とす

減点 大
Here, some people had a problem, but it ended.
Here, team members argued about management and chances to play.

この文脈固有の運営方針を示さなければ第三の指定点を満たしません。意味のずれを防ぐには、日本語の要点を短くメモしてから英文にすると安全です。

argueの目的を誤る

減点 中
They argued the manager for the team rules.
They argued about the team rules.

議題について争う場合はargue aboutを使います。一見それらしく見えても、この問題の採点点を一つ落としてしまいます。

この文の言いかえ
運営をめぐって争う
argue about how the team should be managedこの問題の「運営をめぐって争う」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
disagree over team rules語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
fight the managementここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
第 4 文

第4段:議論が結束を強めたと回収する

つまずきやすいところ
  • ここが山場です。争いが続いたのではなく、結果としてcloserになったことをことわざへ戻します。
  • However,から始め、段の役割を読み手に早く伝えます
  • 名詞だけを並べず、how節またはwhat節で中身を見せます
  • 主語と動詞の対応を一つずつ確認します
  • 次の段との因果・対比・具体化の関係を接続語で示します
発想の切り替え

争いが続いたのではなく、結果としてcloserになったことをことわざへ戻します。 日本語の情報をすべて一文に押し込まず、この段が担う仕事だけを先に決めます。平易な動詞を中心にして、howやwhatの節で具体的な内容を補えば、短い語数でも採点者が論理を追えます。

訳例
標準

However, those arguments finally brought them closer, which is what the coach means.

別解

Their open arguments eventually made the team more united, so the proverb fits their experience.

この文でやりやすい誤り

対立が続いたと結ぶ

減点 大
Their arguments divided the team forever.
Their arguments finally made the team more united.

原文は逆に結束が固まったと述べています。設問が求める情報と照らし、読み手がどこで誤解するかまで確かめてください。

監督の励ましを新しい主題にする

減点 大
The coach only wants the team to win every game this year.
The coach says their past arguments made the team stronger.

今年の勝敗ではなく、昨年の対立と現在の結束が説明対象です。意味のずれを防ぐには、日本語の要点を短くメモしてから英文にすると安全です。

この文の言いかえ
結束が固まる
the team becomes more unitedこの問題の「結束が固まる」を平易な語で正確に示せる第一候補です。
the arguments bring them closer語順や文の長さを変えたいときに使える自然な言いかえです。
the unity hardensここでは意味または語法がずれるため、答案には使わないでください。
3

模範解答

標準解

まずここを目標にhow節 ×2 / what節 ×257語

Literally, the saying means that rain makes the ground firm after it stops. In general, it tells us how people can build a better relationship after trouble. Here, the team members argued over what rules they should follow and how players should be chosen. However, those arguments finally brought them closer, which is what the coach means.

全57語です。実測で約60語に収め、設問の三点をLiterally、In general、Hereの順で一つずつ処理しています。 how節2個、what節2個を使い、抽象的な名詞を避けて内容を具体化しました。各文の主語と時制をそろえ、最後まで同じ説明の軸を保っています。まずはこの流れを目標にしてください。

説明を足した解

書けなかったときの逃げ道how節 ×2 / what節 ×260語

The words first describe how wet ground becomes firm after rain. As a proverb, they show what can happen after people face a serious disagreement: their relationship may improve. In this case, the players argued about how the team should be managed and who should play, but the discussion helped them learn what they shared and made the team stronger.

全60語です。こちらは字義からチームの具体例までを少し説明的につないでいます。 標準解と同じ要点を保ちながら、動作や因果関係を一段ずつ示しています。難しい語を探さず、how節とwhat節で説明すれば十分に伝わります。

4

答案全体で気をつけること

減点されやすい書き方を指さす Boost のキャラクター Boo

三点をandだけで並べる

減点 中〜大
Rain falls and the ground is firm and the team argued and became close.
Rain makes the ground firm; likewise, trouble can make people closer.

関係を示さず列挙すると字義と比喩の対応が読めません。受験生が急いで書くと起こりやすいので、最後に主語と動詞を見直してください。

6

他の問題にも使える形

学習のコツを紹介する Boost のキャラクター Boo
Literally, S means ...最重要

字義を先に示す

対立を経て強くなる関係の説明で実際に使った形です。日本語の名詞を無理に一語へ置かず、誰が何をするかまで開けます。字義を先に示す場面では、語数を増やすためではなく、論理を読み手に見える形にするために使ってください。

Literally, it means that rain makes the ground firm.
Literally, the sign says that the road is closed.
tell 人 how S V最重要

変化の仕方を開く

対立を経て強くなる関係の説明で実際に使った形です。日本語の名詞を無理に一語へ置かず、誰が何をするかまで開けます。変化の仕方を開く場面では、語数を増やすためではなく、論理を読み手に見える形にするために使ってください。

tell us how people become closer
tell me how the machine works
what S should V最重要

争点の中身を示す

対立を経て強くなる関係の説明で実際に使った形です。日本語の名詞を無理に一語へ置かず、誰が何をするかまで開けます。争点の中身を示す場面では、語数を増やすためではなく、論理を読み手に見える形にするために使ってください。

what rules they should follow
what students should bring
argue about / over 名詞よく使う

議論の対象を置く

対立を経て強くなる関係の説明で実際に使った形です。日本語の名詞を無理に一語へ置かず、誰が何をするかまで開けます。議論の対象を置く場面では、語数を増やすためではなく、論理を読み手に見える形にするために使ってください。

argue over team rules
argue about how money should be used
bring A closerよく使う

関係を近づける

対立を経て強くなる関係の説明で実際に使った形です。日本語の名詞を無理に一語へ置かず、誰が何をするかまで開けます。関係を近づける場面では、語数を増やすためではなく、論理を読み手に見える形にするために使ってください。

the arguments brought them closer
the trip brought our family closer
A is what B meansよく使う

説明を元の語へ戻す

対立を経て強くなる関係の説明で実際に使った形です。日本語の名詞を無理に一語へ置かず、誰が何をするかまで開けます。説明を元の語へ戻す場面では、語数を増やすためではなく、論理を読み手に見える形にするために使ってください。

That is what the coach means.
This is what the rule means.
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この問題の語彙

表現意味ひとこと
literally字義通りにliteratureと形が似ていますが、意味は「文字通りに」です
sayingことわざ、言い回しproverbが出なくてもthis sayingで安全に受けられます
ground地面Earthと大文字にすると地球を指すので区別します
firm固い、しっかりしたhardより人間関係の比喩にもつなげやすい語です
relationship関係人同士の関係では可算名詞としてa relationshipとできます
argue議論する議題にはargue about、相手にはargue withを使います
management運営manageは動詞で、how the team should be managedにも開けます
united結束したbecome more unitedで以前よりまとまる変化を示します
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出題の傾向

東京大学の条件英作文は、2001年の死の恐怖の要約、2002年の能力別編成の対立整理、2003年のことわざ説明、2004年の登山隊長の発言要約のように、短い語数で複数の指定点を過不足なく並べる問題が続いています。自分の意見を自由に広げるより、設問が指定した要素を先に数え、how節・what節で関係を明示する姿勢が安定します。

学習の成果を喜ぶ Boost のキャラクター Boo

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