東京大学のロゴ 第2問(A) 条件英作文 東京大学 2010
東京大学 2010年度 前期日程 · 英語

第2問(A) 条件英作文
解答と解説

与えられた If there were only one language in the world, に続けて、社会や生活がどう変わるかを書く問題です。解答部分だけで指定語数を満たし、先頭は people could と小文字で自然につなげます。交流、旅行、貿易が容易になる一方、言語が運ぶ歌や物語が消えるという両面を扱います。what people think、how to communicate、what different cultures teach us と節に開き、便利さと文化的損失の因果を明確にします。

難易度 ★★★★ 目安 22分 条件英作文 テーマ 一つの世界共通語がもたらす利便と文化の喪失
1

問題

第2問(A) 与えられた If there were only one language in the world, に続く空所部分として、社会と生活への影響を書いてください。

現在、全世界で約3,000から8,000の言語が話されていると言われている。もしそうではなく、全世界の人々がみな同じ一つの言語を使用しているとしたら、我々の社会や生活はどのようになっていたと思うか。空所を50~60語の英語で埋める形で答えよ。答えが複数の文になってもかまわない。 If there were only one language in the world,

50~60語の英語
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この問題で見られている力

  • 与えられた if 節に文法的につながる主節を書く力
  • 空所に入れる解答部分だけで語数を管理する力
  • 交流の利点と文化の損失を対比する構成
  • 言語と歌・物語・考え方の関係を具体化する力
  • 仮定法の could / would を一貫して使う力
2

答案の組み立て

第1段

与えられたif節に主節をつなぐ

people could speak directly with anyone and learn what people in distant places think.

第2段

交流上の利点を具体化する

Travel and trade would be easier because we would know how to communicate everywhere.

第3段

言語とともに失うものを書く

However, many songs and stories would disappear with their languages.

第4段

両面をまとめる

We might forget what different cultures teach us, so a shared language would bring both freedom and loss.

第 1 文

第1段:与えられたif節に主節をつなぐ

つまずきやすいところ
  • people could と小文字で始め、主節を完成させます
  • 一つの世界共通語がもたらす利便と文化の喪失に必要な情報だけを残し、一般論へ広げすぎないようにします
  • how / what の後ろは疑問文ではなく、主語+動詞の普通の語順にします
  • 短い語数でも、前の文とのつながりが読める接続を選びます
  • 難しい一語を探すより、知っている動詞で内容を節に開きます
発想の切り替え

問題文の末尾がコンマなので、同じ文の主節として開始します。If をもう一度書く必要はありません。 この部分が一つの世界共通語がもたらす利便と文化の喪失という中心にどう結びつくかを意識してください。情報を日本語で箇条書きにし、必要な主語と動詞を決めてから英語にすると、語数を使いすぎずに筋を通せます。

訳例
標準

people could speak directly with anyone and learn what people in distant places think.

別解

people would easily learn what others need and how they live.

この文でやりやすい誤り

与えられたif節とつながらない文を書く

減点 大
If there were only one language in the world, everyone speaks easily.
If there were only one language in the world, everyone could speak easily.

非現実の仮定を示す were に対し、主節を現在形にすると時制の組み合わせが崩れます。

language を可算名詞なのに無冠詞で単数使用する

減点 中
Everyone would speak same language.
Everyone would speak the same language.

same の前には通常 the を置き、可算名詞 language を特定します。

この文の言いかえ
世界共通語
one language in the world問題文に自然につながります
a shared language共有される言語という簡潔な表現です
a common language by all people前置詞の選択が不自然なので避けます
第 2 文

第2段:交流上の利点を具体化する

つまずきやすいところ
  • ここが山場です。旅行と貿易が楽になる理由を how で示します
  • 一つの世界共通語がもたらす利便と文化の喪失に必要な情報だけを残し、一般論へ広げすぎないようにします
  • how / what の後ろは疑問文ではなく、主語+動詞の普通の語順にします
  • 短い語数でも、前の文とのつながりが読める接続を選びます
  • 難しい一語を探すより、知っている動詞で内容を節に開きます
発想の切り替え

「便利になる」だけでなく、どこでも意思疎通の仕方が分かるためだと一段掘り下げます。 この部分が一つの世界共通語がもたらす利便と文化の喪失という中心にどう結びつくかを意識してください。情報を日本語で箇条書きにし、必要な主語と動詞を決めてから英語にすると、語数を使いすぎずに筋を通せます。

訳例
標準

Travel and trade would be easier because we would know how to communicate everywhere.

別解

Work and travel across borders would become simpler because everyone could speak directly.

この文でやりやすい誤り

理由を言うだけで具体的な支えがない

減点 中
Life would be convenient because one language is good.
Life would be easier because travelers could ask what they needed anywhere.

なぜそう言えるのかが見えません。旅行者がどこでも必要なことを尋ねられる場面まで書くと、主張と現実の場面がつながります。短い答案ほど一つの動作や結果が有効です。

how / what 節の語順を疑問文にする

減点 中
We would know how could we communicate everywhere.
We would know how we could communicate everywhere.

how / what が導く部分は文中の名詞節なので、疑問文の語順にはしません。助動詞や be 動詞を主語の前に出すと明確な文法ミスです。

この文の言いかえ
意思疎通する
communicate言語を通じて考えを伝える意味に合います
speak directly with others具体的な動作に開いた表現です
communicate each other相互なら communicate with each other とします
理由を加える
because理由を一文の中で直接つなげられます
This is because ...前文全体の理由を次の文で説明できます
Because of + 文because of の後ろには名詞が必要なので、文を直接置けません
第 3 文

第3段:言語とともに失うものを書く

つまずきやすいところ
  • songs and stories を挙げ、文化損失を目に見える形にします
  • 一つの世界共通語がもたらす利便と文化の喪失に必要な情報だけを残し、一般論へ広げすぎないようにします
  • how / what の後ろは疑問文ではなく、主語+動詞の普通の語順にします
  • 短い語数でも、前の文とのつながりが読める接続を選びます
  • 難しい一語を探すより、知っている動詞で内容を節に開きます
発想の切り替え

文化が失われるという抽象文を、各言語に結びついた歌と物語が消えることに置き換えます。 この部分が一つの世界共通語がもたらす利便と文化の喪失という中心にどう結びつくかを意識してください。情報を日本語で箇条書きにし、必要な主語と動詞を決めてから英語にすると、語数を使いすぎずに筋を通せます。

訳例
標準

However, many songs and stories would disappear with their languages.

別解

Yet we would lose songs, stories, and ways of thinking that each language carries.

この文でやりやすい誤り

抽象語を並べて内容を空にする

減点 中
Society would be simple, good, easy, and global.
People would know how to communicate everywhere, but some local stories would disappear.

good や important だけでは、一つの世界共通語がもたらす利便と文化の喪失の何を評価しているのか伝わりません。how や what の節で、誰が何をし、何が変わるかまで開いてください。

一言語なら文化も完全に同じになると断定する

減点 大
One language would make every culture exactly the same.
One language might reduce some cultural differences carried by words and stories.

言語が一つでも食事や習慣などの違いは残り得ます。設問から言える影響の範囲を超えています。

この文の言いかえ
具体例を出す
For example, ...短い答案でも例だとすぐ伝わります
For instance, ...同じ働きをする自然な表現です
As an example of, ...後ろの形が重くなりやすく、この用途では避けます
結果を示す
As a result, ...前の出来事から生じる結果を明示できます
This means that ...結果の意味を説明したいときに使えます
According to the result, ...資料に基づくという別の意味になり、ここでは使えません
第 4 文

第4段:両面をまとめる

つまずきやすいところ
  • freedom and loss で利点と不利益を同時に受けます
  • 一つの世界共通語がもたらす利便と文化の喪失に必要な情報だけを残し、一般論へ広げすぎないようにします
  • how / what の後ろは疑問文ではなく、主語+動詞の普通の語順にします
  • 短い語数でも、前の文とのつながりが読める接続を選びます
  • 難しい一語を探すより、知っている動詞で内容を節に開きます
発想の切り替え

最後にどちらかを突然否定せず、一つの言語には二つの結果があるとまとめます。 この部分が一つの世界共通語がもたらす利便と文化の喪失という中心にどう結びつくかを意識してください。情報を日本語で箇条書きにし、必要な主語と動詞を決めてから英語にすると、語数を使いすぎずに筋を通せます。

訳例
標準

We might forget what different cultures teach us, so a shared language would bring both freedom and loss.

別解

One language would connect us, but the world could become less rich.

この文でやりやすい誤り

原因と結果の間を一足飛びにする

減点 中
People could talk, so all wars would end forever.
People could talk more easily, so some misunderstandings might decrease.

二つの出来事を並べただけで、前者がどう後者を生むのかが見えません。共通語が会話を可能にし誤解を減らすという中間の動きを入れると論理を追えます。

最後に新しい話題を持ち出す

減点 小〜中
Therefore, airplanes would no longer be necessary.
Therefore, one language would bring easier communication and cultural loss.

結論で別の論点を出すと、それまでの一つの世界共通語がもたらす利便と文化の喪失の説明が未完成に見えます。本文の理由を短く受けて中心へ戻ってください。

この文の言いかえ
文化が教えること
what different cultures teach us抽象語を節に開けます
lessons from different cultures短い名詞句でも自然です
what do cultures teach us名詞節を疑問文語順にしているため使えません
文化の豊かさを失う
the world could become less rich平易な比較級で表せます
we might lose cultural varietyvariety を目的語にした自然な形です
cultures would decrease themselves文化そのものが自動的に減るという不自然な形です
結論へ戻る
Therefore, ...本文の理由を受けて結論を示せます
For these reasons, ...複数の理由をまとめると自然です
At last, ...出来事の最後を表す語で、論理的な結論には向きません
3

模範解答

標準解

まずここを目標にhow節 ×1 / what節 ×256語

people could speak directly with anyone and learn what people in distant places think. Travel and trade would be easier because we would know how to communicate everywhere. However, many songs and stories would disappear with their languages. We might forget what different cultures teach us, so a shared language would bring both freedom and loss.

全56語です。どちらも空所に入れる部分が50~60語です。 冒頭から結論まで「意思疎通は楽になるが文化の多様性を失う」という中心を保っています。how節1個、what節2個を使い、抽象的な名詞を平易な説明に開きました。各節は普通の語順で、冠詞・時制・主述の一致も一文ずつ確認しています。まずはこの構成を目標にしてください。

説明を足した解

書けなかったときの逃げ道how節 ×1 / what節 ×258語

people would easily learn what others need and how they live, so work and travel across borders would become simpler. Yet we would lose songs, stories, and ways of thinking that each language carries. We might no longer notice what makes one culture different from another. One language would connect us, but the world could become less rich.

全58語です。どちらも空所に入れる部分が50~60語です。 標準解と同じ中心を保ち、国境を越える仕事と、各言語が運ぶ考え方を対比しています。 難しい単語で短く見せるより、誰が何をするかを一つずつ書いています。語数を数え直し、英文としても一文ずつ確認しています。

4

答案全体で気をつけること

減点されやすい書き方を指さす Boost のキャラクター Boo

途中で中心となる考えを変える

減点 大
One language would make travel easy, but it would finally cause no change at all.
One language would make travel easy but reduce cultural variety.

前半で示した考えと結論が逆になっています。一つの世界共通語がもたらす利便と文化の喪失について最初に決めた中心線を保たないと、理由を評価できません。

語数不足のまま結論だけを書く

減点 大
people could speak with anyone.
people could speak with anyone and learn what distant cultures value, though some local stories might disappear.

主張だけで終わり、設問が求める説明を支える材料がありません。指定範囲の下限まで、利点、文化的な具体例、両面の結論を足してください。

6

他の問題にも使える形

学習のコツを紹介する Boost のキャラクター Boo
If there were ..., S would/could ...最重要

最初に答案の中心を決める

一つの世界共通語がもたらす利便と文化の喪失のように短い語数で考えを示す問題では、冒頭で中心を決めると後の文がぶれません。書き終えたら、すべての理由がこの一文を支えているか確認してください。

If there were one language, travel would be easier.
I believe small classes help students learn.
The reason is that + 文最重要

主張の直後に理由を置く

意見と理由の関係を読み手に迷わせない型です。that の後ろには主語と動詞を備えた文を置き、抽象語だけで止めずに中身を書いてください。

The reason is that travelers could speak directly with anyone.
The reason is that students can ask more questions.
For example, + 具体的な場面よく使う

理由を目に見える場面にする

一つの世界共通語がもたらす利便と文化の喪失について一般論だけで終わりそうなときに役立ちます。人、行動、結果のうち二つ以上を入れると、短い一文でも理由の信頼性が上がります。

For example, a visitor could ask what local people needed.
For example, a shy student can ask a teacher after class.
how + S + V最重要

方法や状態を節に開く

「方法」「あり方」のような硬い名詞を探さず、how の後ろに普通の語順を置いて説明できます。疑問文の語順にしない点も確認してください。

We would know how to communicate everywhere.
We learned how the machine saves energy.
what + S + V最重要

内容を具体的に示す

「こと」「もの」「内容」を平易に表せる型です。what 自体が節の中で役割を持つため、直後に不必要な名詞を重ねないようにしてください。

We might forget what different cultures teach us.
She explained what the town needed.
However, + 反対の結果よく使う

本文を受けて中心へ戻る

最後に新しい理由を足さず、すでに説明した内容をまとめます。冒頭と同じ単語を全部繰り返さなくても、立場が同じだと伝われば十分です。

However, many local stories might disappear.
Therefore, this plan would make our school better.
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この問題の語彙

表現意味ひとこと
language言語一つを指すときは a language、特定の共通語なら the language です
communicate意思疎通する相手を続けるなら communicate with 人です
trade貿易、取引この文脈では不可算名詞として使えます
distant遠く離れたdistance は名詞、distant は形容詞です
shared共有されたa shared language で皆が使う言語を表せます
culture文化複数文化なら cultures、文化一般なら不可算でも使えます
disappear消える自動詞なので目的語を直接取りません
variety多様性a variety of の形とは別に cultural variety と言えます
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出題の傾向

東大の第2問では、短い語数で意見、想像、会話の要約を切り替えて書かせます。2015年は相反することわざの比較、2013年は自分の学び、2012年は仮定の結果、2007年と2006年は長い会話の要約が出ました。題材は変わっても、設問の条件を先に拾い、平易な文で因果関係を示す力が一貫して求められています。

学習の成果を喜ぶ Boost のキャラクター Boo

この問題を解いて添削してもらう

解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。

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