東京大学のロゴ 第2問(B) 条件英作文 東京大学 2012
東京大学 2012年度 前期日程 · 英語

第2問(B) 条件英作文
解答と解説

「心が読めたら」という非現実の仮定から、社会や人間関係の結果を想像する問題です。ここでは嘘が減る可能性を認めつつ、プライバシーが失われ、人が会うことを恐れ、日常が平穏でなくなるという一本の因果にします。what others truly feel、how they judge us、what they hide と、読める内容を節で三つ具体化しています。利点と欠点を両方書いても、最終評価を「平穏でなくなる」に固定すれば論旨はぶれません。

難易度 ★★★★ 目安 20分 条件英作文 テーマ 他人の心を読める社会とプライバシー
1

問題

第2問(B) 他人の心が読めるという仮定から、起こりうる結果を具体的な因果関係で書いてください。

もし他人の心が読めたらどうなるか、考えられる結果について50~60語の英語で記せ。複数の文を用いてもかまわない。

50~60語の英語
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この問題で見られている力

  • If we could ... と would を使う仮定の基本
  • 心を読めることで分かる内容を三つ具体化する力
  • 利点を認めながら最終評価を一つに保つ構成
  • privacy の喪失から友人関係への影響をつなぐ力
  • 50~60語で仮定・直接結果・社会的結果を示す力
2

答案の組み立て

第1段

読める内容を節で具体化する

If we could read minds, we would know what others truly feel, how they judge us, and what they hide.

第2段

利点と大きな不利益を対比する

This might prevent some lies, but it would also destroy privacy.

第3段

人間関係の変化を示す

Friends might become afraid to meet one another.

第4段

平穏さについて結論を出す

I think daily life would grow less peaceful because everyone needs a private place for unfinished thoughts.

第 1 文

第1段:読める内容を節で具体化する

つまずきやすいところ
  • feel、judge、hide の三動詞で心の中身を分けます
  • 他人の心を読める社会とプライバシーに必要な情報だけを残し、一般論へ広げすぎないようにします
  • how / what の後ろは疑問文ではなく、主語+動詞の普通の語順にします
  • 短い語数でも、前の文とのつながりが読める接続を選びます
  • 難しい一語を探すより、知っている動詞で内容を節に開きます
発想の切り替え

mind を抽象的な名詞のまま繰り返さず、感情、評価、隠し事という三種類の内容に開きます。 この部分が他人の心を読める社会とプライバシーという中心にどう結びつくかを意識してください。情報を日本語で箇条書きにし、必要な主語と動詞を決めてから英語にすると、語数を使いすぎずに筋を通せます。

訳例
標準

If we could read minds, we would know what others truly feel, how they judge us, and what they hide.

別解

If we could read minds, we would learn what people think and how they see us.

この文でやりやすい誤り

抽象語を並べて内容を空にする

減点 中
Mind reading would be good, bad, useful, and dangerous.
Mind reading would show us what others hide but remove the privacy they need.

good や important だけでは、他人の心を読める社会とプライバシーの何を評価しているのか伝わりません。how や what の節で、誰が何をし、何が変わるかまで開いてください。

仮定法の時制を現在形にする

減点 中
If we can read minds, we would lose privacy.
If we could read minds, we would lose privacy.

非現実の仮定として could を使うなら、主節も would と対応させます。

how / what 節の語順を疑問文にする

減点 中
We would know how do they judge us.
We would know how they judge us.

how / what が導く部分は文中の名詞節なので、疑問文の語順にはしません。助動詞や be 動詞を主語の前に出すと明確な文法ミスです。

この文の言いかえ
心を読む
read minds英語で定着した平易な表現です
know what others are thinkingwhat 節に開く安全な言いかえです
read a heart日本語の直訳で、この意味には通常使いません
本音
what people really think難しい名詞を避けた明確な節です
people’s true feelings感情に焦点を置く言い方です
real intention of people冠詞や数が不自然になりやすいので避けます
第 2 文

第2段:利点と大きな不利益を対比する

つまずきやすいところ
  • ここが山場です。嘘の減少と privacy の消失を but で対比します
  • 他人の心を読める社会とプライバシーに必要な情報だけを残し、一般論へ広げすぎないようにします
  • how / what の後ろは疑問文ではなく、主語+動詞の普通の語順にします
  • 短い語数でも、前の文とのつながりが読める接続を選びます
  • 難しい一語を探すより、知っている動詞で内容を節に開きます
発想の切り替え

一方向の予想だけでなく、小さな利点を認めてから中心となる欠点を置くと考察が深まります。 この部分が他人の心を読める社会とプライバシーという中心にどう結びつくかを意識してください。情報を日本語で箇条書きにし、必要な主語と動詞を決めてから英語にすると、語数を使いすぎずに筋を通せます。

訳例
標準

This might prevent some lies, but it would also destroy privacy.

別解

Some lies might disappear, but no private thought would remain.

この文でやりやすい誤り

心を読めば必ず全員が正直になると断定する

減点 大
Everyone would always tell the truth if minds could be read.
Some lies might disappear, but people would lose a private place for thoughts.

一時的で未完成な考えまで見えるため、正直さだけに単純化すると設問の想像が浅くなります。

この文の言いかえ
プライバシーを失う
lose privacyprivacy は不可算名詞で簡潔です
have no private thoughts結果を平易に説明できます
lose a privacyprivacy に通常 a は付けません
結果を示す
As a result, ...前の出来事から生じる結果を明示できます
This means that ...結果の意味を説明したいときに使えます
According to the result, ...資料に基づくという別の意味になり、ここでは使えません
第 3 文

第3段:人間関係の変化を示す

つまずきやすいところ
  • 心を読まれる恐れから会うのを避ける流れにします
  • 他人の心を読める社会とプライバシーに必要な情報だけを残し、一般論へ広げすぎないようにします
  • how / what の後ろは疑問文ではなく、主語+動詞の普通の語順にします
  • 短い語数でも、前の文とのつながりが読める接続を選びます
  • 難しい一語を探すより、知っている動詞で内容を節に開きます
発想の切り替え

privacy がなくなると言うだけで終わらず、友人が互いに会うことを恐れるという日常の変化へ進めます。 この部分が他人の心を読める社会とプライバシーという中心にどう結びつくかを意識してください。情報を日本語で箇条書きにし、必要な主語と動詞を決めてから英語にすると、語数を使いすぎずに筋を通せます。

訳例
標準

Friends might become afraid to meet one another.

別解

People might avoid friends because every passing thought could be seen.

この文でやりやすい誤り

理由を言うだけで具体的な支えがない

減点 中
It would be bad because privacy is important.
People would fear meeting friends because every passing thought could be seen.

なぜそう言えるのかが見えません。友人が会うのを恐れる具体的な変化まで書くと、主張と現実の場面がつながります。短い答案ほど一つの動作や結果が有効です。

原因と結果の間を一足飛びにする

減点 中
Private thoughts would be visible, so every friendship would end.
Private thoughts would be visible, so some friends might avoid honest meetings.

二つの出来事を並べただけで、前者がどう後者を生むのかが見えません。私的な思考が見え、人が会うのを避けるという中間の動きを入れると論理を追えます。

この文の言いかえ
理由を加える
because理由を一文の中で直接つなげられます
This is because ...前文全体の理由を次の文で説明できます
Because of + 文because of の後ろには名詞が必要なので、文を直接置けません
具体例を出す
For example, ...短い答案でも例だとすぐ伝わります
For instance, ...同じ働きをする自然な表現です
As an example of, ...後ろの形が重くなりやすく、この用途では避けます
第 4 文

第4段:平穏さについて結論を出す

つまずきやすいところ
  • unfinished thoughts にも私的空間が必要だと理由づけます
  • 他人の心を読める社会とプライバシーに必要な情報だけを残し、一般論へ広げすぎないようにします
  • how / what の後ろは疑問文ではなく、主語+動詞の普通の語順にします
  • 短い語数でも、前の文とのつながりが読める接続を選びます
  • 難しい一語を探すより、知っている動詞で内容を節に開きます
発想の切り替え

頭に浮かぶ考えは確定した意見とは限らないため、それを守る空間が必要だとまとめます。 この部分が他人の心を読める社会とプライバシーという中心にどう結びつくかを意識してください。情報を日本語で箇条書きにし、必要な主語と動詞を決めてから英語にすると、語数を使いすぎずに筋を通せます。

訳例
標準

I think daily life would grow less peaceful because everyone needs a private place for unfinished thoughts.

別解

Therefore, life would be less peaceful even if people told fewer lies.

この文でやりやすい誤り

最後に新しい話題を持ち出す

減点 小〜中
Therefore, machines will soon read every mind.
Therefore, mind reading would make daily life less peaceful.

結論で別の論点を出すと、それまでの他人の心を読める社会とプライバシーの説明が未完成に見えます。本文の理由を短く受けて中心へ戻ってください。

この文の言いかえ
平穏でなくなる
become less peaceful変化を比較級で表せます
make people feel unsafe人の感情に開く言い方です
become fewer peacefulpeaceful は形容詞なので fewer では修飾できません
結論へ戻る
Therefore, ...本文の理由を受けて結論を示せます
For these reasons, ...複数の理由をまとめると自然です
At last, ...出来事の最後を表す語で、論理的な結論には向きません
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模範解答

標準解

まずここを目標にhow節 ×1 / what節 ×256語

If we could read minds, we would know what others truly feel, how they judge us, and what they hide. This might prevent some lies, but it would also destroy privacy. Friends might become afraid to meet one another. I think daily life would grow less peaceful because everyone needs a private place for unfinished thoughts.

全56語です。どちらも50~60語に収まっています。 冒頭から結論まで「心が読めると嘘は減るが生活は平穏でなくなる」という中心を保っています。how節1個、what節2個を使い、抽象的な名詞を平易な説明に開きました。各節は普通の語順で、冠詞・時制・主述の一致も一文ずつ確認しています。まずはこの構成を目標にしてください。

説明を足した解

書けなかったときの逃げ道how節 ×1 / what節 ×257語

Being able to read minds would show us what people really think and how they feel about us. It could help us notice what a friend needs, yet it would make every passing thought public. People might avoid open conversations because they would fear being judged. Our relationships would become less trusting, even if some secrets disappeared.

全57語です。どちらも50~60語に収まっています。 標準解と同じ中心を保ち、友人の必要に気づく利点も示してから、信頼低下へ進んでいます。 難しい単語で短く見せるより、誰が何をするかを一つずつ書いています。語数を数え直し、英文としても一文ずつ確認しています。

4

答案全体で気をつけること

減点されやすい書き方を指さす Boost のキャラクター Boo

結果を書かず能力の説明だけで終える

減点 大
Reading minds means knowing another person’s thoughts.
If we could read minds, people would lose privacy and avoid some meetings.

設問は心が読めることの定義ではなく、そこから何が起こるかを求めています。

途中で中心となる考えを変える

減点 大
Reading minds would destroy privacy, but it would finally make life completely peaceful.
Reading minds would destroy privacy, so life would become less peaceful.

前半で示した考えと結論が逆になっています。他人の心を読める社会とプライバシーについて最初に決めた中心線を保たないと、理由を評価できません。

語数不足のまま結論だけを書く

減点 大
Everyone would know every thought.
Everyone would know what others hide, so friends might become afraid to meet.

主張だけで終わり、設問が求める説明を支える材料がありません。指定範囲の下限まで、読める内容、利点、不利益、生活への影響を足してください。

6

他の問題にも使える形

学習のコツを紹介する Boost のキャラクター Boo
If we could ..., we would ...最重要

最初に答案の中心を決める

他人の心を読める社会とプライバシーのように短い語数で考えを示す問題では、冒頭で中心を決めると後の文がぶれません。書き終えたら、すべての理由がこの一文を支えているか確認してください。

If we could read minds, we would lose privacy.
I believe small classes help students learn.
The reason is that + 文最重要

主張の直後に理由を置く

意見と理由の関係を読み手に迷わせない型です。that の後ろには主語と動詞を備えた文を置き、抽象語だけで止めずに中身を書いてください。

The reason is that every passing thought would become public.
The reason is that students can ask more questions.
For example, + 具体的な場面よく使う

理由を目に見える場面にする

他人の心を読める社会とプライバシーについて一般論だけで終わりそうなときに役立ちます。人、行動、結果のうち二つ以上を入れると、短い一文でも理由の信頼性が上がります。

For example, a friend might avoid meeting us after an angry thought.
For example, a shy student can ask a teacher after class.
how + S + V最重要

方法や状態を節に開く

「方法」「あり方」のような硬い名詞を探さず、how の後ろに普通の語順を置いて説明できます。疑問文の語順にしない点も確認してください。

We would know how other people judged us.
We learned how the machine saves energy.
what + S + V最重要

内容を具体的に示す

「こと」「もの」「内容」を平易に表せる型です。what 自体が節の中で役割を持つため、直後に不必要な名詞を重ねないようにしてください。

We would discover what people tried to hide.
She explained what the town needed.
Therefore, life would + 変化よく使う

本文を受けて中心へ戻る

最後に新しい理由を足さず、すでに説明した内容をまとめます。冒頭と同じ単語を全部繰り返さなくても、立場が同じだと伝われば十分です。

Therefore, daily life would become less peaceful.
Therefore, this plan would make our school better.
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この問題の語彙

表現意味ひとこと
mind心、思考read minds では通常複数形で一般的な能力を表します
privacyプライバシー不可算名詞なので a privacy とはしません
private私的なprivacy は名詞、private は形容詞です
judge判断する、評価する人を目的語にすると「人を評価する」です
hide隠すwhat they hide のように目的語を what が担えます
peaceful平穏な人より生活や場所の状態に使いやすい語です
unfinished未完成の考えが確定した意見ではないことを示せます
prevent防ぐprevent some lies のように目的語を直接取ります
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出題の傾向

東大の第2問では、短い語数で意見、想像、会話の要約を切り替えて書かせます。2015年は相反することわざの比較、2013年は自分の学び、2012年は仮定の結果、2007年と2006年は長い会話の要約が出ました。題材は変わっても、設問の条件を先に拾い、平易な文で因果関係を示す力が一貫して求められています。

学習の成果を喜ぶ Boost のキャラクター Boo

この問題を解いて添削してもらう

解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。

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