一枚の写真を見て、左の人物 X と右の人物 Y の会話を自由に想像し、全体で60〜70語で書く問題です。X: / Y: と話し手を明示する形式まで指定されています。写真は屋外で、X は背もたれのある木の椅子に腰かけ、Y はその隣に立って右腕をまっすぐ上へ伸ばし、葉の茂った木立の高いところを指さしています。二人とも背を向けているので、顔も表情も分かりません。ここが山場です。会話は自由に想像してよいのですが、「X が座っている」「Y が上を指している」という二つは写真から動かせない事実なので、その二つが会話の中に見えていないと、この写真の会話としては読んでもらえません。逆に、指の先に何があるかは写っていないので、そこは思い切って決めてかまいません。
下に示す写真の左側の人物をX、右側の人物をYとして、二人のあいだの会話を自由に想像し、英語で書け。分量は全体で60〜70語程度とする。どちらが話しているかわかるように、下記のように記せ。XとYのどちらから始めてもよいし、それぞれ何度発言してもよい。 X: --------------- Y: --------------- X: ----------- Y: ---------------
全体で60〜70語程度の英語(X と Y の会話形式)
白黒写真。屋外。奥に横一本の木の柵(手すり)があり、その向こうは葉の茂った暗い木立です。手前は丈のある草地で、いちばん手前は砂利まじりの明るい地面。左の人物(X)は横縞の入った明るい色の帽子と明るい色の長袖シャツを身につけ、背もたれのある木の椅子に腰かけた後ろ姿で、体の右わきにかばんを提げ、右腕を曲げて手を顔の右横まで上げています。右の人物(Y)は立っていて、濃い色の帽子、明るい色の長袖シャツ、裾に白い花模様のある濃い色のスカートという姿で、右腕をまっすぐ上へ伸ばして人差し指で木立の高いところ(葉の茂ったあたり)を指さしています。二人とも背を向けていて顔は見えません。文字・数値は写っていません。
解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。
アプリでこの問題を解く 無料で1日2回まで添削できます座っている X と、上を指す Y を発言に織り込む
X: I am glad we found this chair. My legs really hurt.
指の先に何があるかを、二人でやりとりする
X: I cannot see it from here. Tell me what it looks like.
次にどうするかを決めて、会話を閉じる
X: Then let us look it up together when we get home.
はじめのやりとり:座っている X と、上を指す Y を発言に織り込む
会話を想像する問題では、まず「この写真でなければ成立しない会話」にすることを考えてください。どんな写真にも当てはまる雑談を書いてしまうと、写真を見た証拠が答案のどこにも残りません。この写真から動かせない事実は二つです。X が椅子に腰かけていること、Y が立って木立の高いところを指していること。この二つを最初の二つの発言に埋め込めば、それだけで「この写真の会話」になります。座っていることは、そのまま I am sitting と書く必要はありません。むしろ会話としては不自然です。I am glad we found this chair. My legs really hurt. のように、座っている理由を言わせるほうが自然で、しかも読み手には「この人は今座っている」と確実に伝わります。会話文では、状況を説明するのではなく、状況から出てくる言葉を書くのがこつです。Y のほうは、指をさしているのですから、相手の注意を向ける言葉になります。Look up there, high in those tall trees. と場所を言えば、腕の角度まで伝わります。そして Can you see how fast that bird is moving? と続ければ、how 節で「どんなふうに動いているか」まで開けます。ここで気をつけたいのは、顔が見えないという点です。二人とも背を向けているので、笑った・困ったといった表情は写真から読めません。会話の中で気持ちを表すのはかまいませんが、地の文のように表情を書き足すことはできない形式です。
X: I am glad we found this chair. My legs really hurt.
X: What are you pointing at? I cannot stand up right now.
写真で腕を上げて指さしているのは、右に立っている Y です。X は椅子に腰かけています。設問は「左側の人物を X、右側の人物を Y として」と指定しているので、入れかえると設問の条件から外れます。会話の中身がよくても、ここでずれると評価されません。この一項目では話し手の記号だけを直しています。
二人とも背を向けていて、顔はまったく写っていません。表情を話題にすると、写真から読めないことを前提にした会話になります。同じ「元気がない」を書きたいなら、姿勢や動きから分かることに引きつけてください。この一項目では話題の取り方だけを直しています。
設問は「どちらが話しているかわかるように」と書き方まで指定していて、X: と Y: を交互に置く形が求められています。地の文の説明にすると、条件英作文としての形式を満たしません。中身が同じでも形式で落ちるのはもったいないところです。この一項目では答案の形式だけを直しています。
中のやりとり:指の先に何があるかを、二人でやりとりする
会話文の答案で最も多い失敗は、二人が同じことを言い合って終わってしまうことです。「見て、鳥がいるよ」「本当だ、鳥だね」では、二往復ぶんの語数を使って情報が一つしか増えません。会話が進む感じを出すには、片方が知らないこと・見えていないことを作るのが早道です。この写真では、それがちょうど用意されています。木立の上に何があるのかは写真に写っていないので、X が「ここからは見えない」と言うのはまったく自然ですし、写真とも矛盾しません。X: I cannot see it from here. Tell me what it looks like. と書けば、見えていないことと、相手に説明を求めていることを一度に示せます。ここで what 節が効きます。「どんな見た目か」を英語の名詞で言おうとすると the appearance のような硬い語になりますが、what it looks like なら中学で習う語だけで済みます。Y の返事にも what 節を使えます。It has a very long tail. I have no idea what it is called. と書けば、見えているところは説明できるが名前は分からない、という自然な返事になります。have no idea は「見当もつかない」で、do not know より会話らしい響きです。ここまでで、二人が別のことを知っている状態になり、会話に動きが出ます。なお、この部分は写真に写っていない領域なので、鳥でも凧でも飛行機でもかまいません。ただし写真の事実として書かないでください。あくまで会話の中の想像です。
X: I cannot see it from here. Tell me what it looks like.
Y: There is something moving at the top of that tree. I think it is a nest.
写真には木立の上の様子が写っておらず、鳥はどこにも見えません。会話の中で「鳥がいるよ」と想像するのは自由ですが、in this photograph you can see と言うと、写真にそう写っていることになってしまいます。想像したことは I think を添えて言えば、写真の事実と混ざりません。この一項目では、想像を写真の事実として書いた点だけを直しています。
四つの発言で情報が一つしか増えていません。会話を想像する問題では、片方が知らないこと・できないことを作ると自然に話が進みます。同じ内容の繰り返しは、語数だけを消費して評価につながりません。この一項目では会話の進み方だけを直しています。
tell me の目的語になる what 節の中は、平叙文の語順のままにします。does を入れると、文の中に疑問文が紛れ込んだ形になり、読み手が主節を見失います。会話文では短い文が続くぶん、この崩れが目立ちます。この一項目では語順だけを直しています。
call は「A を B と呼ぶ」という他動詞なので、名前を尋ねるときは受け身にして what it is called とします。能動のままだと「それが何を呼んでいるのか」という意味になり、鳥が何かを呼んでいる話になってしまいます。この一項目では態だけを直しています。
終わりのやりとり:次にどうするかを決めて、会話を閉じる
会話文の答案は、最後の発言で決まります。途中で切れたように終わると、読み手には「語数が尽きたので止めた」ように見えてしまいます。閉じ方は一つ覚えておけば足ります。「では、こうしよう」と次の行動を決めることです。この会話なら、名前の分からない鳥について、Then let us look it up together when we get home. と言えば、二人の話が一つの結論に着きます。look it up は「(辞書や本で)調べる」で、up が副詞なので目的語が代名詞のときは look it up の語順になります。look up it とは書けないところなので、覚えておいてください。前の発言で Y が「名前が分からない」と言っているので、その受け方としてもまっすぐです。会話は、前の発言を受けて次が出てくると自然に読めます。ここまで書けたら、必ず語数を数えてください。数えるのは英語の語だけで、X: や Y: の記号は数に入れません。標準解は65語で、条件の60〜70語のまん中あたりです。会話は一往復を短くしても、四つか五つ発言を並べれば60語はすぐに超えます。逆に、一つの発言を長くしすぎると、会話ではなく演説になってしまうので気をつけてください。目安として、一つの発言は10語から15語くらいがちょうどよい長さです。
X: Then let us look it up together when we get home.
X: All right. Wait a moment, and I will carry the bag.
二人が目の前の状況を説明し合っているだけで、会話として成り立っていません。設問が求めているのは、この状況にいる二人が実際に交わしそうな言葉です。写真から読み取ったことは、説明ではなく発言の中に自然に織り込んでください。この一項目では会話の中身だけを直しています。
look up の up は副詞なので、目的語が代名詞のときは必ず動詞と副詞の間に置きます。名詞なら look up the word でも look the word up でもかまいませんが、代名詞だけは位置が決まっています。この一項目では語順だけを直しています。
同じ内容を and でつなげて語数を稼いでいるだけで、話が先へ進んでいません。最後の発言で「では、こうしよう」と決めるだけで、会話全体が締まります。この一項目では終わり方だけを直しています。
X: I am glad we found this chair. My legs really hurt. Y: Look up there, high in those tall trees. Can you see how fast that bird is moving? X: I cannot see it from here. Tell me what it looks like. Y: It has a very long tail. I have no idea what it is called. X: Then let us look it up together when we get home.
標準解は X: / Y: の記号を除いて65語で、「全体で60〜70語程度」に収まっています。語数を数えるときは話し手の記号を入れないでください。構成は、座っている X(写真の事実)→ 上を指す Y(写真の事実)→ 見えない X が説明を求める → Y が答える → 次の行動を決めて閉じる、の五つの発言です。写真から動かせない chair と trees を実際に引いているので、この写真の会話であることが一読で伝わります。how 節・what 節は how fast that bird is moving / what it looks like / what it is called の3か所で、いずれも「どんなふうに」「どんな見た目か」「何という名前か」という、英語の名詞では言いにくいものを節に開いています。鳥がいるかどうかは写真に写っていない部分なので、会話の中の想像として書いてあります。
X: What are you pointing at? I cannot stand up right now. Y: There is something moving at the top of that tree. I think it is a nest. X: Are you sure? It may be just a bunch of dry leaves. Y: Come and see. If you take my hand, you can get up easily. X: All right. Wait a moment, and I will carry the bag.
こちらは記号を除いて63語です。会話の流れをもう一つ持っておくと、本番で手が止まりません。この解では、Y の見立てに X が疑いを差しはさむ形にしてあります。意見が食い違うと、そのぶん発言が自然に増えるので、語数の心配が減ります。最後は「手を貸すから立って」「分かった、かばんを持つよ」と、二人が同じ行動に向かって閉じています。写真で X の右わきにかばんが提げてあるので、最後の一言は写真から取った具体物です。こうした小さな一致があると、写真を見て書いたことが読み手にはっきり伝わります。

実測81語で、条件の70語を超えています。一つの発言に説明を足し続けると、こうなりがちです。会話文では、一つの発言を10語から15語くらいに抑え、そのぶん往復を増やすほうが自然に読めます。この一項目では分量だけを直しています。
写真を説明する文になっていて、相手に向けた言葉になっていません。設問が求めているのは、写真の中の二人が交わす会話です。しかも X の発言だけで終わっているので、往復にもなっていません。この一項目では答案の性格だけを直しています。

相手の注意を向けて、様子まで伝える型
会話文で「見て」と呼びかけるとき、Look. だけで終えると情報が増えません。Can you see how ... ? にすれば、相手に見てほしいものと、そのどんな点に注目してほしいかを一度に言えます。how のあとに形容詞や副詞を置ける点も便利です。
見えていない相手に説明を求める型
「どんな様子か」を英語の名詞で言おうとすると the appearance のような硬い語を探すことになります。what it looks like と節に開けば、中学で習う語だけで済みます。会話で情報を引き出す役目もあり、次の発言を作りやすくなります。
「見当もつかない」を会話らしく言う型
do not know より会話らしい響きになります。have no idea にすでに否定が入っているので、後ろの節を否定にしないでください。what / where / why のどれとも組み合わせられます。
会話を着地させる型
会話文の答案は最後の発言で決まります。前の発言を Then で受けて「では、こうしよう」と次の行動を決めれば、途中で切れた印象になりません。when 節を足すと、いつやるのかまで示せて締まります。
正体の分からないものを出す型
写真や絵の会話では、「何かがある」から話が始まる場面が多くあります。there is +名詞+ -ing の形にすると、正体を言わずに存在と動きだけを示せて、相手の質問を引き出せます。-ing は名詞の後ろに置きます。
相手の見立てにやんわり反対する型
会話が進む感じを出すには、二人の意見をそろえないことです。may を使えば、断定せずに別の可能性を出せます。just を添えると「たいしたものではない」という含みが加わり、やりとりが自然になります。
「あとで調べる」を表す型
up が副詞なので、目的語が代名詞のときは動詞と副詞の間に置きます。名詞なら前後どちらでもかまいません。会話の締めに使うと、分からないままだった話題をきれいに閉じられます。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| point at | 〜を指さす | point は自動詞なので at か to が要ります。目的語を直接は取れません。 |
| rest | 休む | 自動詞で「休む」、名詞で「休息」。take a rest でも rest だけでも使えます。 |
| top | てっぺん、上部 | at the top of the tree で「木のてっぺんのあたりに」。on the top of the tree だと、枝の上に載っている感じになります。 |
| nest | 巣 | build a nest で「巣を作る」。鳥の話題では真っ先に出てくる語です。 |
| tail | 尾、しっぽ | a long tail の形で使います。鳥にも動物にも使えます。 |
| have no idea | 見当もつかない | すでに否定の意味を含むので、後ろの節を否定にしないでください。 |
| look up | (辞書などで)調べる | 代名詞を目的語にするときは look it up の語順に固定されます。look up it とは言いません。 |
| a bunch of | ひとかたまりの、束の | a bunch of leaves / keys のように、まとまった数のものに使えます。 |
| moment | ちょっとの間 | Wait a moment. で「少し待って」。会話の中でそのまま使えます。 |
東大の第2問(A)は、写真や絵を見て書かせる出題が続いた時期があります。2013年と2014年は「写真の二人の会話を想像する」形で、語数はそれぞれ60〜70語、50〜70語でした。2015年は絵の説明に自分の感想を足す形、2016年は写真について思うことを述べる形へ変わっています。さらにさかのぼると、2005年と2007年は絵に描かれた状況を自由に解釈する形でした。素材と設問の言い方は毎年変わりますが、「与えられた図から確かに読み取れることを外さず、足りない部分は自分で決めて短くまとめる」という中身は共通しています。
解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。
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