一枚のイラストを見て、その状況を簡単に説明したうえで、思ったことを60〜80語で述べる問題です。条件が二つある点がこれまでと違います。絵には、チェック柄の上着を着た人物が手鏡を顔の前にかざし、目を見開いて口を大きく開けている様子が描かれています。ところが鏡に映っている顔は、片目をつぶって舌を長く突き出し、いたずらっぽく笑っています。鏡の中と外で表情が食い違っている、というのがこの絵の一点です。山場は語数の配分です。説明は二文ほどで切り上げ、残りを感想に回してください。絵の細部を丁寧に書いていくと、80語のほとんどが説明で消え、条件の半分しか満たしていない答案になります。
下の絵に描かれた状況を簡単に説明したうえで、それについてあなたが思ったことを述べよ。全体で60〜80語程度の英語で答えること。
全体で60〜80語程度の英語
白黒の線画(漫画風のイラスト)。短い黒髪で、格子柄(チェック)の上着を着た人物が、片方の手で柄つきの手鏡を顔の前にかざし、もう一方の手は指を開いて肩の高さに上げています。人物は横顔で、目を見開き口を大きく開けた驚いた表情をしています。ところが鏡に映っている顔は、片目をつぶって(ウインクして)舌を長く突き出し、いたずらっぽく笑っている表情で、鏡の中と外で表情が食い違っています。背景は白一色で、文字・数値の書き込みはありません。
解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。
アプリでこの問題を解く 無料で1日2回まで添削できます人物が手鏡をのぞいているところを、短く書く
In this picture a person is looking into a small hand mirror.
鏡の中と外で表情が食い違っている、という一点を書く
The face in the mirror is winking and sticking out its tongue, and the person is clearly surprised.
ここから思ったことを書き、条件の後半を満たす
I think the drawing shows how little we know about the way we look. We believe we know what our own face is doing, but we cannot control what others see in it.
第1文:人物が手鏡をのぞいているところを、短く書く
この問題には条件が二つあります。絵の説明と、思ったことです。だから最初に決めるべきは、説明にどれだけ語数を使うかです。目安は二文、30語くらいまでです。絵には、チェック柄の上着、短い黒髪、開いたもう一方の手など、書けることがたくさんありますが、それらはこの絵の要点ではありません。要点は「鏡の中と外で顔が違う」の一点だけなので、そこにたどり着くまでを最短で書いてください。第1文で書くのは、人物が手鏡をのぞいているということだけです。「鏡をのぞく」は look into a mirror が定番です。into は「中へ」なので、鏡の中をのぞきこむ感じが出ます。look at a mirror と書くと、鏡そのものを眺めている、つまり鏡の枠や汚れを見ているように読まれることがあります。前置詞ひとつで意味が変わるところです。持っている鏡が手鏡であることは、a hand mirror と書けば一語で伝わります。柄のついた鏡だと分かると、読み手は自分の顔を近くで見ている場面を思い浮かべられます。書き出しは In this picture ... としても、いきなり A person is ... と始めてもかまいません。前者は「これは絵の説明ですよ」という合図になるので、説明と感想を分けたいこの問題では使いやすい書き出しです。ただし三語使うので、語数が苦しければ省いて構いません。
In this picture a person is looking into a small hand mirror.
A young person is holding up a hand mirror and looking into it.
look at a mirror は「鏡そのものを見ている」で、枠や汚れを眺めている場面にも読めます。ここで書きたいのは鏡に映った自分の顔を見ているところなので、look into a mirror とします。前置詞ひとつで、どこを見ているかが変わります。この一項目では前置詞だけを直しています。
実測44語を、まだ絵の要点に触れないまま使ってしまっています。設問は説明のあとに感想まで求めているので、これでは残りが足りません。髪型や服の柄はこの絵の要点ではないので、落として構いません。この一項目では説明の分量だけを直しています。
背景は白一色で、場所はまったく描かれていません。また、人物が持っているのは柄のついた手鏡で、壁に掛かった鏡ではありません。絵に無いものを足すと、そのあとの説明もまるごとずれます。この一項目では場所と鏡の種類だけを直しています。
第2文:鏡の中と外で表情が食い違っている、という一点を書く
この絵で書くべきことは、突きつめれば一つだけです。鏡に映っている顔と、鏡をのぞいている人の顔が食い違っている。この一点が書けていれば説明としては十分ですし、逆にここが書けていないと、ほかを丁寧に書いても伝わりません。主語の作り方から見ていきます。「鏡の中の顔」は The face in the mirror です。名詞のあとに前置詞句を置いて場所を限定する、というだけの形ですが、これができると「絵のこの部分」を指す主語を自由に作れるようになります。The man behind the door、The dog at his feet というように、絵や写真の説明ではずっと使えます。次に、その顔が何をしているかです。片目をつぶるのは wink、舌を出すのは stick out one's tongue です。put out one's tongue でもかまいません。この二つを and でつなげば、鏡の中の顔の様子は書き切れます。そして、鏡の外の人物が驚いていることを続けます。ここで主を取り違える答案がとても多いところです。舌を出して笑っているのは鏡の中、驚いて口を開けているのは鏡の外。逆に書くと、この絵の面白さがまるごと消えてしまいます。書いたあとに一度、「笑っているのはどっちだったか」と絵に戻って確かめてください。なお、鏡の中の顔を it で受けるか the face in it で受けるかは自由です。it のほうが短く済みます。
The face in the mirror is winking and sticking out its tongue, and the person is clearly surprised.
The face in the mirror is not doing the same thing. It is winking and putting out its tongue.
絵で片目をつぶって舌を出しているのは、鏡に映っているほうの顔です。鏡の外の人物は目を見開いて口を開け、驚いています。ここを入れかえると、鏡の中と外が食い違っているというこの絵の要点が消えてしまいます。この一項目では動作の主だけを直しています。
鏡の中の顔だけを書いて、それを見ている人物がどんな顔をしているかに触れていません。二つを並べて初めて「食い違っている」ことが伝わります。片方だけでは、ただ変な顔をしている絵になってしまいます。この一項目では情報の落としだけを直しています。
stick out one's tongue でひとまとまりの言い方なので、out of the mouth を足す必要はありません。付け足すと「口の外へ舌を突き出す」と当たり前のことを説明した形になり、語数も無駄になります。この一項目では余分な語句だけを直しています。
背景は白一色で、ほかの登場人物は一人も描かれていません。鏡に映っているのは本人の顔です。誰かのいたずらということにすると、絵の説明としてはまるごと違う話になります。この一項目では登場人物だけを直しています。
第3文以降:ここから思ったことを書き、条件の後半を満たす
説明が終わったら、必ず「思ったこと」に切り替えてください。切り替えの合図があると読み手に親切です。I think ... や When I look at this picture, I feel ... と書き出せば、ここからは自分の考えだとはっきりします。何を書くかで手が止まったら、絵の一点をそのまま自分の話に引き寄せてください。この絵の一点は「鏡の中の自分が、思っていたのと違う顔をしていた」です。ここから自然に出てくるのは、自分の顔を自分ではちゃんと見られていない、という考えです。これを英語にするときに効くのが、how 節と what 節です。「自分の顔がどれだけ分かっていないか」は how little we know about the way we look と書けます。how little は「どれだけ少ししか〜ないか」で、量の少なさを how で受ける形です。難しい名詞をひとつも使わずに、抽象的な内容が書けます。続けて「自分の顔が何をしているか」は what our own face is doing です。ここも名詞では言いにくいところを節に開いています。最後に一言添えると答案が締まります。おすすめは、面白さとこわさの両面を書くことです。That thought is a little frightening, but it is also funny. と書けば、絵の受け取り方に幅が出て、ありきたりな感想になりません。but でつなぐだけなので、語数もほとんど使いません。書き終えたら語数を数えてください。60〜80語は上限も下限もあります。標準解は74語です。
I think the drawing shows how little we know about the way we look. We believe we know what our own face is doing, but we cannot control what others see in it.
When I look at this picture, I feel that my own face may be doing something that I have never noticed.
設問は「絵の状況を簡単に説明したうえで、それについてあなたが思ったことを述べよ」と、二つを求めています。説明だけで終わっているので、条件の半分しか満たしていません。細部を足しても感想の代わりにはなりません。この一項目では答案の構成だけを直しています。
絵とまったく関係のない意見になっています。設問は「それについて」思ったことを求めているので、絵の一点から出発した考えでなければなりません。用意してきた文章をそのまま貼ると、この形になりがちです。この一項目では感想の中身だけを直しています。
how のあとには、量や程度を表す語をすぐに続けます。how little we know の形が正しく、little を後ろに回すと「どのようにして少し知っているか」という別の意味に読まれます。how much / how far も同じ並びです。この一項目では語順だけを直しています。
In this picture a person is looking into a small hand mirror. The face in the mirror is winking and sticking out its tongue, and the person is clearly surprised. I think the drawing shows how little we know about the way we look. We believe we know what our own face is doing, but we cannot control what others see in it. That thought is a little frightening, but it is also funny.
標準解は全74語で、「全体で60〜80語程度」に収まっています。構成は、説明が二文(30語)、感想が三文(44語)です。設問が説明と感想の両方を求めているので、説明は要点だけにして、語数の三分の二を感想に回してあります。絵から読める mirror / tongue / winking / surprised / face を実際に引いているので、絵を見て書いたことが一読で伝わります。how 節・what 節は how little we know / what our own face is doing / what others see in it の3か所です。いずれも「自分の顔について分かっていない度合い」「自分の表情の中身」という、英語の名詞では言いにくいところを節に開いています。最後の一文で frightening と funny の両面を書いているので、感想がありきたりになっていません。
A young person is holding up a hand mirror and looking into it. The face in the mirror is not doing the same thing. It is winking and putting out its tongue, and the person is clearly shocked. When I look at this picture, I feel that my own face may be doing something that I have never noticed. That is a strange feeling.
こちらは全64語です。「私たちは」で始まる一般論が書きにくいときは、自分一人の話に引き寄せてください。この解では、When I look at this picture, I feel that ... と切り替えて、自分の顔についての実感を書いています。may を使っているので、断定せずに「そうかもしれない」と書ける点も安心です。説明の部分では、The face in the mirror is not doing the same thing. という一文を挟んで、鏡の中と外が食い違っていることを先に言い切っています。細かい表情はそのあとに回すと、読み手が絵の要点を最初につかめます。標準解より10語短いので、時間が足りないときの形としても使えます。

実測83語で、条件の80語を超えています。しかも全部が説明で、思ったことが一言も書かれていません。細部を丁寧に書くほど語数が消えるので、説明は要点だけにして感想に残してください。この一項目では分量と構成だけを直しています。
絵の説明と自分の考えが and でつながっていて、どこまでが絵に描かれていることで、どこからが自分の意見なのかが読み手に分かりません。設問が二つを求めている以上、切れ目をはっきりさせる必要があります。I think や When I look at this picture のような合図を置いてください。この一項目では区切りだけを直しています。

名詞に前置詞句を当てて、絵の一部分を指す型
絵や写真の説明では、「どの部分の話か」を主語で示せると一気に書きやすくなります。名詞のあとに in / behind / at などの前置詞句を置くだけで、その部分を指す主語が作れます。関係代名詞を使わずに済むので語数も節約できます。
「意外と分かっていない」を節で書く型
「無知」「理解の浅さ」といった日本語を英語の名詞で言おうとすると硬くなります。how little / how much を使えば、量や程度をそのまま節に開けます。感想を書く場面でとても使い勝手のよい形です。
「自分の〜が何をしているか」を what 節で示す型
自分では気づいていないこと、見えていないことを書くときに使えます。名詞で書こうとすると expression のような語を探すことになりますが、what 節なら中身まで残ります。own を添えると「ほかでもない自分の」が出ます。
「相手にどう見えるかは決められない」を書く型
自分と他人のずれを書く場面で使えます。control の目的語を what 節にすると、「何を」の中身まで一度に書けます。感想や意見論述で、人間関係を話題にするときに繰り返し出てくる形です。
説明から感想へ切り替える型
説明と感想の二つが条件になっている問題では、切れ目をはっきりさせると読み手に親切です。この形なら、切り替えの合図と、断定を避ける may を同時に置けます。I think ... よりも自分の実感に寄せた書き出しになります。
受け取り方の両面を書いて、感想に厚みを出す型
感想を一言で終わらせると、どうしてもありきたりになります。but でもう一面を足すだけで、書き手の受け取り方に幅が出ます。frightening と funny、sad と warm のように、方向の違う二語を並べるのがこつです。
「〜のしかた」「見え方」を the way で受ける型
the way S V で「S が V するやり方・ありさま」を表せます。how S V とほぼ同じですが、前に前置詞を置きたいときは the way のほうが収まります。about the way we look のように使えます。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| mirror | 鏡 | look into a mirror で「鏡をのぞく」、in the mirror で「鏡の中に」。前置詞は into と in を使い分けます。 |
| wink | 片目をつぶる | 自動詞です。目的語は取らず、wink at someone の形で「〜にウインクする」となります。 |
| stick out | 突き出す | stick out one's tongue でひとまとまりです。out of the mouth を足す必要はありません。 |
| reflection | (鏡や水に)映った姿 | see one's reflection in the mirror の形で使います。the face in the mirror より一語短く書けます。 |
| surprised | 驚いている | 驚いているのは surprised、驚かせるものは surprising です。-ed と -ing の使い分けが問われます。 |
| control | 〜を思いどおりにする | 目的語に what 節を置けます。control what others see で「相手にどう見えるかを決める」。 |
| notice | 〜に気づく | 目や耳に入って気づくことです。know(知識として知っている)とは使い分けます。 |
| frightening | ぞっとさせる | 物事が主語なら frightening、人が主語なら frightened です。感想を書くときによく取り違えます。 |
| expression | 表情 | a surprised expression で「驚いた表情」。ただし絵の説明では、動詞で書くほうが伝わります。 |
東大の第2問(A)では、絵や写真を使った出題が続いた時期があります。2015年は「絵の状況を説明したうえで、思ったことを述べる」形で、翌2016年は「画像について、あなたが思うことを述べる」形へさらに感想寄りになりました。2013年と2014年は写真の二人の会話を想像する形、2005年と2007年は絵に描かれた状況を自由に解釈する形です。素材が絵でも写真でも、求められているのは「図から確かに読み取れることを外さずに書き、そのうえで自分の言葉を足す」ことで一貫しています。説明と感想の両方が条件になっている年は、語数の配分そのものが採点の対象だと考えてください。
解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。
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