一枚の写真を見て、思うことを60〜80語で述べる問題です。設問は感想だけを求めていて、説明を書けとは言っていません。とはいえ、何について述べているのかが読み手に伝わらないと感想も届かないので、実際には短い説明を先に置くことになります。写真には、じゅうたんの上に横たわる猫と、画面の上から写り込んだ大きな手が写っています。手はピントが合わずぼやけていて、親指と人差し指を近づけた形です。遠近法の効果で、奥にいる猫を指でつまみ上げているように見えます。山場は、この「見え方」と「実際」を書き分けるところです。手が猫をつまんでいると事実のように書いてしまうと、写真の仕掛けに気づいていないことになります。
下の画像について、あなたが思うことを述べよ。全体で60〜80語程度の英語で答えること。
全体で60〜80語程度の英語
白黒写真。室内の床に敷かれた、細かい花模様と縁飾りのあるじゅうたんの上に、白い猫が体を横たえています。画面の左上には壁と巾木、右側にはじゅうたんの外の床が写っています。画面の上のほうからは、カメラのすぐ近くにある大きな手が写り込んでいて、ピントが合わずぼやけています。手は親指と人差し指を近づけた形で、遠近法の効果により、奥にいる猫を指でつまみ上げているように見えます。実際には手と猫は離れた位置にあります。文字・数値は写っていません。
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At first this photo looks like a giant hand picking up a small cat. In fact the hand is close to the camera, and the cat is lying on a carpet far behind it.
この写真の何が面白かったのかを、一文で言い切る
What surprises me is how easily my eyes were fooled.
そこから考えたことへ広げて、答案を閉じる
A photo only shows what the camera caught from one place, so I should not trust it too quickly, even when it looks real.
第1〜2文:どう見えるかと、実際はどうなのかを書き分ける
この写真の面白さは、目に見えるものと実際に起きていることが違う、という一点にあります。ですから答案の最初の仕事は、その二つを書き分けることです。書き分けの型は決まっています。At first ... と書いて第一印象を出し、In fact ... と続けて実際を言う。二文でそのまま種明かしの形になります。第一印象のほうは、looks like を使うと短く書けます。looks like a giant hand picking up a small cat と、名詞のかたまりに -ing を当てるだけで「大きな手が小さな猫をつまみ上げているように見える」が書けます。ここで大事なのは、断定しないことです。is picking up と書いてしまうと、実際につまみ上げていることになり、写真の仕掛けに気づいていない答案になります。looks like の四文字が、この問題ではとても重い意味を持ちます。実際のほうは、距離の差を言えば足ります。the hand is close to the camera, and the cat is lying on a carpet far behind it と書けば、手前と奥という位置関係がそのまま伝わります。「遠近法」という語を英語で探す必要はありません。近い・遠いという中学で習う語で十分に説明できます。むしろ perspective のような語をひねり出そうとすると、そのあとの文が続かなくなります。この二文で34語ほど。残りを感想に回してください。
At first this photo looks like a giant hand picking up a small cat. In fact the hand is close to the camera, and the cat is lying on a carpet far behind it.
It looks as if someone is lifting a cat with two fingers, but the hand is simply much closer to the camera than the cat is.
写真の手は猫に触れていません。カメラのすぐ近くにある手が、遠近法で猫をつまんでいるように見えているだけです。事実として書いてしまうと、この写真の仕掛けにまったく気づいていない答案になります。looks like を一つ置くだけで防げます。この一項目では断定の部分だけを直しています。
手がぼやけているのは、カメラのすぐ近くにあるからです。実際に手が大きいわけではありません。距離の差を大きさの差として読むと、写真の仕掛けを説明できなくなります。この一項目では理由の読み取りだけを直しています。
look like のあとには名詞か文が来ます。as if を続けると like と as if が重なり、同じ役目の語が二つ並んだ形になります。looks like ... か looks as if ... のどちらか一方にしてください。この一項目では接続の重複だけを直しています。
第3文:この写真の何が面白かったのかを、一文で言い切る
設問が求めているのは「あなたが思うこと」です。ここからが本題なので、説明には戻らないでください。よくあるのは、種明かしをしたあとに写真の細部をもう一度書いてしまう答案です。じゅうたんの模様も、壁の位置も、感想ではありません。何を書けばよいか迷ったら、いま自分に起きたことを言葉にしてみてください。この写真を最初に見たとき、あなたは一瞬だまされたはずです。それこそが、この写真について書ける最も確かな感想です。英語にするときは What surprises me is how ... の形が便利です。「私が驚いたのは〜という点だ」と、what 節を主語にして、そのあとを how 節で受けます。名詞を二つ探さずに、感想の中身をそのまま節で書けます。how easily my eyes were fooled と書けば、「自分の目がどれだけ簡単にだまされたか」がそのまま出ます。fool は「だます」という他動詞なので、受け身にして be fooled とすると「だまされる」になります。easily を how の直後に置くのを忘れないでください。how のあとには程度を表す語をすぐ続ける決まりです。ここまでで、写真の説明と自分の感想が一つずつそろいました。あと一文か二文で、そこから考えたことへ広げれば、答案として完成します。
What surprises me is how easily my eyes were fooled.
I like the fact that no special skill is needed. Anyone can make a picture like this.
設問は「あなたが思うことを述べよ」なので、写っている物を並べただけでは条件を満たしていません。細部を足しても感想の代わりにはなりません。一文でよいので、この写真を見て考えたことを書く必要があります。この一項目では答案の構成だけを直しています。
how のあとには程度を表す語をすぐに続けます。how easily my eyes were fooled が正しい形で、easily を後ろに回すと「どのようにしてだまされたのか」という手段の話に読まれます。how much / how little も同じ並びです。この一項目では語順だけを直しています。
fool は「〜をだます」という他動詞なので、目的語がないままでは「私の目がだました」という意味になってしまいます。だまされた側を主語にするなら受け身にして were fooled とします。この一項目では態だけを直しています。
第4文以降:そこから考えたことへ広げて、答案を閉じる
最後は、この写真一枚の話から少しだけ広げてください。感想が「だまされて驚いた」で終わると、どうしても薄く見えます。とはいえ大きな話に飛ぶ必要はありません。目の前の写真から一歩だけ進めれば十分です。この写真から自然に出てくるのは、写真というものは撮った場所から見えたものしか写さない、という考えです。手と猫が離れていることは、この一枚からは分かりません。別の角度から撮れば、まったく違って見えたはずです。英語にするときは what 節が効きます。A photo only shows what the camera caught from one place と書けば、「カメラが一つの場所からとらえたもの」を、名詞を探さずに書けます。the image captured by the camera のような名詞のかたまりにすると硬くなりますし、そのあとの文も続けにくくなります。締めは、自分への戒めの形にすると収まりがよくなります。so I should not trust it too quickly と書けば、写真の話から自分の姿勢の話へ自然に降りられます。even when it looks real を添えると、最初の looks like と呼応して、答案全体が一本の筋になります。書き終えたら必ず語数を数えてください。60〜80語は上限も下限もあります。標準解は68語で、説明と感想がちょうど半分ずつです。設問が感想を求めている以上、説明が半分を超えないことを目安にしてください。
A photo only shows what the camera caught from one place, so I should not trust it too quickly, even when it looks real.
It also reminds me that a photo never shows the whole room, only the part the camera chose.
白黒写真なので、目の色もじゅうたんの色も読み取れません。猫が眠っているかどうかも分かりません。細部を作って足しても感想にはならず、写真を見ずに書いたと判断される材料が増えるだけです。この一項目では図に無い情報だけを直しています。
猫が写っているという一点だけを拾って、写真の仕掛けとは関係のない主張になっています。設問は「この画像について」思うことを求めているので、この写真でなければ書けない内容にする必要があります。用意してきた文章を貼ると、この形になりがちです。この一項目では感想の中身だけを直しています。
名詞のかたまりが三つ重なって、何が言いたいのかがぼやけています。what the camera caught と節に開けば、中学で習う語だけで同じ内容が書けますし、そのあとの文も続けやすくなります。この一項目では名詞化だけを直しています。
At first this photo looks like a giant hand picking up a small cat. In fact the hand is close to the camera, and the cat is lying on a carpet far behind it. What surprises me is how easily my eyes were fooled. A photo only shows what the camera caught from one place, so I should not trust it too quickly, even when it looks real.
標準解は全68語で、「全体で60〜80語程度」に収まっています。配分は、写真の説明が34語、感想が34語です。設問が感想だけを求めているので、説明は仕掛けが伝わる最小限にとどめました。写真から読める cat / hand / carpet を実際に引いているので、写真を見て書いたことが一読で伝わります。looks like と In fact を対にして、見え方と実際を書き分けている点がこの答案の骨格です。how 節・what 節は What surprises me / how easily my eyes were fooled / what the camera caught の3か所で、いずれも感想の中身を名詞で探さずに節で書くために使っています。最後の even when it looks real が最初の looks like と呼応するので、68語が一本の筋にまとまります。
This photo made me laugh. It looks as if someone is lifting a cat with two fingers, but the hand is simply much closer to the camera than the cat is. I like the fact that no special skill is needed. Anyone can make a picture like this. It also reminds me that a photo never shows the whole room, only the part the camera chose.
こちらは全66語です。標準解の「すぐに信じてはいけない」という締めが自分に合わないと感じたら、面白さのほうに寄せてかまいません。この解では、笑ってしまったという素直な反応から入り、特別な技術が要らないところが好きだ、と書いています。感想は立派な教訓である必要はなく、自分が実際に思ったことであればよいのです。ただし最後の一文で、写真は部屋の全部を写すわけではないという一般の話に触れています。感想を一言で終わらせず、もう一段広げると答案に厚みが出るからです。only the part the camera chose は関係代名詞を省いた形で、the part which the camera chose と書いても同じです。

実測27語で、条件の下限60語に届いていません。一文ずつが短く、しかも感想が I was surprised. の三語で終わっています。何に驚いたのか、そこから何を考えたのかを足せば、自然に60語に届きます。この一項目では分量だけを直しています。
実測56語すべてが写真の描写で、設問が求めている「あなたが思うこと」が一言も書かれていません。丁寧に書けているぶん惜しいのですが、条件を満たしていないので評価されません。設問文を最初に読み、何を書くよう求められているかを確かめてください。✓ の例では写真の説明を三文にとどめ、残りを「思うこと」に使って全66語にしました。この一項目では答案の性格だけを直しています。

第一印象と実際を書き分ける型
図や写真に仕掛けがあるとき、この二文だけで種明かしの形が作れます。前半で読み手の見え方に寄り添い、後半でひっくり返すので、説明が短くても納得してもらえます。意見論述でも、通説と実際を対比するときにそのまま使えます。
断定せずに見え方だけを言う型
図の説明で最も大切なのは、見えていることと実際に起きていることを混ぜないことです。looks like を一つ置くだけで、それが自分の受け取り方であることを示せます。名詞のあとに -ing を当てれば、動きまで一度に書けます。
感想を what 節と how 節で書く型
「私が驚いたのは〜という点だ」を、名詞を探さずに書けます。what 節を主語にして、そのあとを how 節で受けるだけです。surprises のところを interests / worries に替えれば、そのまま別の感想に使えます。
遠近の差を比較級で言い切る型
遠近法の説明に難しい語は要りません。近い・遠いという中学で習う語を比較級にするだけで、位置関係が正確に伝わります。文末の is を残すと、何と何を比べているかがはっきりします。
「写ったもの」を節に開く型
「撮影された像」「切り取られた一部」といった日本語を英語の名詞で言おうとすると、名詞のかたまりが重なって読みにくくなります。what 節に開けば、中学で習う語だけで書けますし、そのあとの文も続けやすくなります。
一枚の図から一般の話へ広げる型
感想を一言で終わらせず、もう一段広げたいときに使えます。remind A that S V の形です。remind A of B の of は名詞の前に置く形なので、that 節を続けるときは of を取らない点だけ注意してください。
自分への戒めとして締める型
感想の締めを「みんなこうすべきだ」と大きく構えると、短い答案では浮いてしまいます。主語を I にして自分の姿勢として書くと、無理なく収まります。too quickly / too easily のように副詞を添えると、何が問題なのかが具体的になります。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| fool | 〜をだます | 他動詞です。だまされた側を主語にするなら be fooled と受け身にします。 |
| carpet | じゅうたん | on a carpet で「じゅうたんの上に」。床全体に敷いたものにも、部分的な敷物にも使えます。 |
| lie | 横たわる | 自動詞で、活用は lie - lay - lain です。「〜を置く」の lay と混同しやすい語です。 |
| lift | 持ち上げる | pick up とほぼ同じ意味です。lift up と重ねなくても、lift だけで持ち上げる意味になります。 |
| in fact | 実際には | 冠詞を付けない決まった形です。in the fact とは言いません。文頭でも文中でも使えます。 |
| remind | 思い出させる | remind A of B と remind A that S V の二つの形があります。that 節のときは of を置きません。 |
| trick | 仕掛け、いたずら/〜をだます | 名詞でも動詞でも使えます。a trick photograph で「仕掛けのある写真」。 |
| catch | (写真に)とらえる | 「捕まえる」から広がって、瞬間を写真に収める意味でも使えます。過去形は caught です。 |
| quietly | 静かに | 動詞のあとに置いて様子を表します。quite(かなり)とつづりが似ているので注意してください。 |
東大の第2問(A)では、絵や写真を使った出題が続いた時期があります。2016年は「画像について、あなたが思うことを述べよ」と、感想だけを求める形でした。前年の2015年は「絵の状況を簡単に説明したうえで、思ったこと」と説明が明示されており、条件の書き方が一年で変わっています。2013年と2014年は写真の二人の会話を想像する形、2005年と2007年は絵に描かれた状況を自由に解釈する形です。設問の言い方が変わっても、図から確かに読み取れることを外さずに短くまとめる、という中身は変わりません。設問文を最初に精読して、何と何を書くよう求められているかを確かめてください。
解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。
アプリでこの問題を解く iOS · Android · Web で使えます問題文と模範解答をまとめた質問文を用意しました。いつも使っている AI を選ぶと、質問文がコピーされた状態でそのサービスが開きます。
添削そのものは Boost アプリのほうが得意です。AI には「なぜこの訳になるの?」のような、解説の追加質問を投げるのがおすすめです。