京都大学のロゴ 第Ⅲ問(2) 条件英作文 京都大学 1990
京都大学 1990年度 後期日程 · 英語

第Ⅲ問(2) 条件英作文
解答と解説

与えられた英文に約50語で続きを書く物語型の自由英作文です。大事件を考える力ではなく、誰が来たか、なぜ来たか、自分がどう反応し、最後に何が分かったかを短い因果で結ぶ力が問われます。標準解では、泣いている隣家の少年が迷子の犬を探しに来た場面にし、what had happened、what I should do、how happy he was の三つの節で必要な情報を具体化します。過去完了はノックより前の出来事だけに使い、約50語の中で視点と時制を安定させることが山場です。与えられた文は there was a knock と音を中心にしているので、続きでは I opened the door と語り手を行動の主語に切り替えます。語り手が見ていない出来事を断定したり、説明なしに別の場所へ飛んだりしないよう、視点を一人称に保つことも確認してください。

難易度 ★★★★ 目安 20分 条件英作文 テーマ 夜のノックから始まる短い物語
1

問題

第Ⅲ問(2) 与えられた文に続く英文を書きなさい。

次の文の続きを,50語程度の英語で自由に書きなさい: Last night when I was ready to go to bed, there was a knock on the door.

50語程度の英語書きなさい
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この問題で見られている力

  • 与えられた過去時制を受け、物語全体を過去の出来事として続けられるか
  • 訪問者・目的・行動・結末を約50語の中に収められるか
  • ノックより前の出来事だけを had + 過去分詞で表せるか
  • what happened や how happy he was で説明を短く具体化できるか
  • 最後に新しい人物や事件を増やさず、一つの出来事を閉じられるか
2

答案の組み立て

第1段

ドアを開け、訪問者を示す

I opened it and found the boy next door, who was crying.

第2段

何が起きたかと、自分の判断を書く

I asked what had happened. He said his dog had run away, and I knew what I should do.

第3段

短い行動と結末で閉じる

We looked outside and found it near my gate. Seeing how happy he was, I forgot how tired I was.

第 1 文

第1段:ドアを開け、訪問者を示す

つまずきやすいところ
  • 与えられた文が過去なので opened と found で続けます
  • visitor を増やさず the boy next door 一人に絞ります
  • who was crying で少年の様子を同時に示します
  • I opened the door として、誰が行動したかを明確にします
  • 長い天候描写を入れず、事件へすぐ進みます
発想の切り替え

最初の一文では、ノックの正体をすぐに明かします。50語程度しかないため、「怖かった」「廊下を歩いた」などの前置きを何文も重ねる余裕はありません。隣の少年なら、夜に訪ねて来ても不自然ではなく、次の迷子の犬の話にも自然につながります。

訳例
標準

I opened it and found the boy next door, who was crying.

別解

When I opened the door, I saw the young boy who lived next door.

この文でやりやすい誤り

現在形へ急に変える

減点 大
I open the door and see a boy outside.
I opened the door and saw a boy outside.

書き出しは Last night と過去の出来事を語っています。続きだけ現在形にすると、同じ場面の時間が途中で変わってしまいます。

door を代名詞で受けず性別を付ける

減点 大
I opened him and found the boy next door.
I opened it and found the boy next door.

door は物なので代名詞は it です。him ではドアが男性を表すことになり、文の意味が成立しません。

next door の位置を誤る

減点 中
I found the next door boy, who was crying.
I found the boy next door, who was crying.

「隣に住む少年」は the boy next door という語順です。next door を boy の前にそのまま置く形は使えません。

人物を増やしすぎて指示語が曖昧になる

減点 中
A boy, his sister, their uncle, and a driver stood outside, and he asked me to help her.
A boy stood outside and asked me to help him find his dog.

he と her が誰を指すか判断できず、短い答案の中心も見えません。登場人物を語り手と訪問者の二人ほどに絞ります。

この文の言いかえ
ドアを開ける
open the door最も基本的です
open it直前の the door を受けられます
open him物を男性代名詞では受けません
隣の少年
the boy next door自然で短い形です
the boy who lived next door関係節で説明できます
the next door boyこの語順にはしません
第 2 文

第2段:何が起きたかと、自分の判断を書く

つまずきやすいところ
  • ここが山場です。what had happened で事情を尋ねます
  • 犬が逃げたのはノックより前なので had run away とします
  • what I should do で、自分の次の行動を考える流れを作ります
  • He said で説明の発信者を明確にします
  • lost dog ではなく run away として犬の動作を表します
発想の切り替え

事情を聞く→少年が答える→自分が判断する、という三つの動きを一続きにします。過去完了は「犬が逃げた」一点だけです。すべてを had にすると時間関係が見えにくくなります。what節を使うと、抽象的な situation や decision を使わずに中身を書けます。

訳例
標準

I asked what had happened. He said his dog had run away, and I knew what I should do.

別解

He told me what had brought him there: his dog was missing. I decided to help him look for it.

この文でやりやすい誤り

ask の後ろを疑問文語順にする

減点 中
I asked what had he seen.
I asked what he had seen.

間接疑問では what の後ろを平叙文の語順にします。had を主語の前へ出すと直接疑問の語順が混ざります。

犬が逃げた時点を未来にする

減点 大
He said his dog would run away.
He said his dog had run away.

少年が来た時点ですでに犬は逃げています。would run away では、その後に逃げる予定・見込みという逆の時間関係になります。

run away を受け身にする

減点 中
He said his dog had been run away.
He said his dog had run away.

run away は犬自身が逃げる自動詞の表現です。受け身にすると、誰かが犬を「逃げられた」という成立しない形になります。

この文の言いかえ
何が起きたか
what had happenedノックより前の事情を表せます
what was wrong相手が困っている場面で使えます
what did happen間接疑問の語順としては不適切です
犬が逃げた
his dog had run away訪問より前の出来事だと明確です
his dog was missing犬がいない状態を表せます
his dog was escapedescape をこの意味で受け身にはしません
何をすべきか分かった
I knew what I should do判断の中身をwhat節で示します
I decided to help him具体的な行動を直接書けます
I knew my actionこの場面では不自然で内容も曖昧です
第 3 文

第3段:短い行動と結末で閉じる

つまずきやすいところ
  • We looked で二人が協力したことを示します
  • near my gate と場所を一つに絞ります
  • found it で dog を繰り返しません
  • how happy he was で少年の喜びを節に開きます
  • I forgot how tired I was で冒頭の就寝前へ戻ります
  • 新しい問題を足さず、発見で物語を閉じます
発想の切り替え

結末では捜索の細部を長く書かず、家の門の近くで犬を見つけたことにします。少年の喜びと語り手の疲れを how節で表せば、犬が見つかった意味と、寝る直前だった冒頭の状況を一度に回収できます。驚く結末より、読み終えたときに筋が閉じていることが大切です。

訳例
標準

We looked outside and found it near my gate. Seeing how happy he was, I forgot how tired I was.

別解

We soon found the dog by my gate. I was glad to see how much the boy cared about it.

この文でやりやすい誤り

look for から for を落とす

減点 中
We went outside to look his dog.
We went outside to look for his dog.

look だけでは「見る」で、目的語を直接置けません。「探す」は look for A のまとまりで使います。

find と look for を取り違える

減点 中
We found his dog for twenty minutes.
We looked for his dog for twenty minutes.

find は見つける瞬間を表すので、twenty minutes という継続時間とは合いません。捜していた時間なら looked for を使います。

how の後ろを疑問文語順にする

減点 中
I saw how happy was he.
I saw how happy he was.

how節の中は how happy he was という平叙文語順です。was を主語の前へ出すと節としてつながりません。

物語の最後に未解決の事件を足す

減点 大
We found the dog, but then another stranger knocked and asked me to leave with him.
We found the dog near my gate, and the boy went home happily.

新しい人物と問題を最後に出すため、約50語の中で話が閉じません。最初のノックから始まった出来事の結果を書いて終えます。

この文の言いかえ
犬を探す
look for the dog探している過程です
search for the dog使えますが look for のほうが平易です
find the dog見つけた結果なので、探す過程とは区別します
どれほど喜んでいたか
how happy he was感情の程度を節で表せます
how much this meant to him出来事の大切さまで説明できます
how was he happyhow節では疑問文語順にしません
最後に話を閉じる
The boy went home happily.結果が明確な短い結末です
I forgot how tired I was.冒頭の就寝前の状況へ戻れます
To be continued.答案として出来事の結末を書いたことになりません
3

模範解答

標準解

まずここを目標にhow節 ×2 / what節 ×251語

I opened it and found the boy next door, who was crying. I asked what had happened. He said his dog had run away, and I knew what I should do. We looked outside and found it near my gate. Seeing how happy he was, I forgot how tired I was.

全51語です。指定の「50語程度」を満たしています。訪問者を隣の少年に絞り、犬が逃げた事情、二人で探す行動、発見後の気持ちまで一つの筋でつなぎました。what had happened と what I should do が内容を短く具体化し、how happy he was と how tired I was が結末と冒頭を結びます。実測は how節2個、what節2個です。与えられた一文の語数はこの51語には含めていません。まずは50語前後で一つの出来事を閉じることを目標にしてください。時制の確認では、ドアを開ける、尋ねる、探す、見つけるは物語の順に起きるので単純過去です。犬が逃げた出来事だけはノックより前なので過去完了にしました。過去完了を多く使うほど良いわけではありません。基準になる過去より前だと示す必要がある箇所に限ると、短い物語でも時間が追いやすくなります。

説明を足した解

書けなかったときの逃げ道how節 ×1 / what節 ×252語

I opened the door and saw an old woman whom I had never met. She asked whether the cat in her arms was mine. I then saw what she was holding: my missing cat. She explained how she had found it near the station and what had led her to my house.

全52語です。「50語程度」の条件を満たしています。こちらは見知らぬ女性が迷子だった猫を届けてくれる話にしました。whether the cat in her arms was mine で訪問の目的を示し、what she was holding で語り手が猫に気づきます。how she had found it と what had led her to my house は、女性がノックする前の経緯です。実測は how節1個、what節2個です。標準解と違い、捜索場面は描かず、訪問者の腕の中にいる猫を発見する一場面に絞っています。短編では、途中で出した人物や物を結末で使わないまま残さないことが大切です。この版では woman、cat、station、my house がすべて猫を届ける筋に関係しています。

6

他の問題にも使える形

学習のコツを紹介する Boost のキャラクター Boo
I opened A and found B, who ...最重要

行動と人物紹介を一文にする

短い物語で、場面転換と新しい人物の様子を少ない語数で示せます。

I opened the door and found the boy next door, who was crying.
I entered the room and found my sister, who was waiting for me.
ask what had happened最重要

それ以前の事情を尋ねる

物語の現在点より前に起きた出来事を尋ねるとき、what節と過去完了を組み合わせます。

I asked what had happened.
The teacher asked what had caused the noise.
S said A had V-edよく使う

過去より前の出来事を報告する

誰かの説明の中で、すでに終わっていた出来事を示せます。すべての動詞を過去完了にする必要はありません。

He said his dog had run away.
She said the last train had already left.
know what S should do最重要

判断の中身を示す

decision のような抽象名詞を使わず、次に何をすべきかを節で表せます。

I knew what I should do.
We did not know what we should bring.
look for A / find A最重要

過程と結果を分ける

look for は探す途中、find は見つけた結果です。物語の展開を正確にできます。

We looked for the dog and found it near the gate.
I looked for my key but did not find it.
Seeing how ..., S Vよく使う

見たことを理由に次へ進む

相手の様子を見た結果、自分の気持ちや行動がどう変わったかを短くつなげられます。

Seeing how happy he was, I forgot how tired I was.
Seeing how dark it was, we decided to go home.
人物→目的→行動→結果最重要

50語の短編を閉じる四段構成

書き始める前に四つを一行ずつメモすると、登場人物や事件を増やしすぎず約50語で完結できます。語数配分は人物紹介に約10語、事情に約15語、行動に約15語、結果と気持ちに約10語を一つの目安にしてください。これは厳密な型ではありませんが、事情説明だけで50語を使い切る失敗を防げます。最後に接続語と代名詞を確認し、he、she、it が一つに決まる状態なら読み手は迷いません。

隣の少年→犬を探す→一緒に外へ出る→門の近くで発見
友人→本を返す→短く話す→誤解が解ける
7

この問題の語彙

表現意味ひとこと
next door隣に、隣の家のthe boy next door のように名詞の後ろから説明できます
run away逃げる自動詞のまとまりなので受け身にしません
look for〜を探す見つける find と区別してください
gate家のdoorとは別で、敷地の入口を指します
missing行方不明の、見当たらないa missing dog と名詞の前にも置けます
happen起こるwhat happened の主語は what なので did を入れません
hold手に持つ過去形・過去分詞は held です
bring持って来る話し手のいる所へ運ぶので、過去形は brought です
outside外へ、外で副詞なら go outside のように前置詞なしで使えます
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出題の傾向

京大は1990年前期(2)で「まず何かを語ろう」という内容の和文英訳を出し、この後期(2)では実際に短い物語を続けさせています。近年の80〜100語の意見英作文とは形式が違いますが、最初に中心を決め、必要な情報だけを順に置く点は同じです。短文だからこそ、凝った筋よりも、読者が what happened と why it mattered を迷わず追える構成が評価につながります。特に与えられた書き出しは、夜、就寝直前、ドアのノックという三つの情報をすでに提供しています。答案側で朝の学校や昼の公園へ急に移らず、この条件を物語の時間と場所の土台として使ってください。ノックした人の目的が分かり、語り手が一つ行動し、その結果が出れば、約50語でも十分な物語になります。

学習の成果を喜ぶ Boost のキャラクター Boo

この問題を解いて添削してもらう

解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。

アプリでこの問題を解く iOS · Android · Web で使えます
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