使い捨ての時代という評価を、まだ使える物だけでなくペットまで捨てる例で支え、物質面の豊かさと心の貧しさを対比した文章です。最後は、身近な物や動物を愛せないなら人間への温かさも期待できない、という強い結論へ進みます。not only A but even B の並行、It is true that A, but B の譲歩、without A, we cannot ... の条件を正確につなぐことがポイントです。
使い捨ての時代だと言われる。まだ使える電気製品や家具ばかりか、ペットまでがゴミとして捨てられてしまうのである。なるほど生活の物質面は豊かになったが、心の生活はますます貧しくなってしまったようである。身近な物や動物への愛情なくして、人間への温かい気持ちを期待できるわけがない。
物を捨てる事実、豊かさと貧しさの対比、愛情の必要条件を、when / what / how 節で組み直してみましょう。Boost アプリなら論理の抜けも確認できます。
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disposable age のように名詞を重ねるより、どんな時代なのかを an age when things are thrown away と説明するほうが確実です。受け身の「言われる」は It is said that we live ... でも書けますが、We are said to live ... なら短くまとまります。「使い捨て」は物が捨てられるという実際の行為に戻すことで、次の文の電気製品・家具・ペットへ自然につながります。
We are said to live in an age when things are thrown away.
People often say that we now live in a time when many things are used for a short while and then thrown out.
to use and throw は時代の目的として「物を使って投げる」ように聞こえます。原文は物が短期間で捨てられる社会の特徴を述べています。
is said that の直前に an age を置くことはできません。言われている内容全体を It is said that で受けるか、人を主語にします。
まだ使える電気製品や家具ばかりか、ペットまでがゴミとして捨てられてしまうのである。
驚きの中心は、物だけでなく生き物であるペットまで同じように捨てられることです。not only の後ろに electrical products and furniture、but even の後ろに pets を置き、どちらにも are thrown out がかかる形にします。furniture は不可算名詞なので furnitures としません。that can still be used は二種類の物をまとめて修飾し、「まだ使えるのに」という批判の根拠を残します。
Not only electrical products and furniture that can still be used but even pets are thrown out as garbage.
People throw away electrical goods and furniture even when they still work, and they go so far as to treat pets as garbage.
furniture は机や椅子をまとめる不可算名詞なので、個々の家具が複数でも s を付けません。狙いの内容は正しくても名詞の形で減点されます。
and even pets は動詞のない断片です。物とペットの両方を同じ受け身の主語として並べる必要があります。
into garbage はごみの中へ投げ込む場所の説明です。原文はペットをごみ同然に扱うことなので、資格や扱いを表す as を使います。
that can still be used が直前の pets にもかかり、ペットを役に立つかどうかで評価する文になります。原文で「まだ使える」のは電気製品と家具です。修飾範囲を分ける必要があります。
なるほど生活の物質面は豊かになったが、心の生活はますます貧しくなってしまったようである。
筆者は物質的な豊かさを否定していません。まず It is true that で認め、そのうえで but と心の貧しさを出します。この譲歩を落とすと、単純に現代を全面否定する文になります。「ますます」は poorer and poorer と変化の継続を表せます。前半は事実として have become、後半は筆者の観察なので seems to have become と強さを分けるのも大切です。
It is true that our material lives have become richer, but what we feel inside seems to have become poorer and poorer.
Our lives have certainly grown richer in material things, yet it seems that how we live in our hearts has grown steadily poorer.
of course は当然だという強い態度です。原文の「なるほど」は一方を認めてから反対面を出す譲歩なので、It is true that が合います。
現在の二状態を並べるだけになり、「なった」「ますます〜になった」という時代の変化が消えます。現在完了の have become を使います。
原文は「ようである」と観察にとどめています。断定すると筆者の主張が一段強くなるので、seem を残します。
身近な物や動物への愛情なくして、人間への温かい気持ちを期待できるわけがない。
最後は「身近な対象を愛すること」が「人への温かさ」の前提だという論理です。without を文頭に置けば、この条件が欠けると結論が成立しないことを示せます。「温かい気持ち」を warm mind と直訳せず、how warmly people feel toward other human beings と人・感情・向きをそろえます。さらに what it means to care for them と置けば、単なる一時的な感情ではなく、相手を大切にする意味まで説明できます。
Without love for the things and animals near us, we cannot expect people to show how warmly they feel toward other human beings or understand what it means to care for them.
If we cannot care for the objects and animals around us, there is no reason to expect that we will know how to feel and act warmly toward other people.
love という名詞の対象には通常 for を使います。to では愛情の向きを表す基本の結び付きになりません。
familiar things は見慣れていてよく知る物です。原文の「身近な」は生活の近くにある対象なので、距離や関係の近さが薄れます。
do not hope は筆者が望んでいないという意味です。原文は温かい気持ちが生まれるはずがないという可能性の否定なので、cannot expect とします。
We are said to live in an age when things are thrown away. Not only electrical products and furniture that can still be used but even pets are thrown out as garbage. It is true that our material lives have become richer, but what we feel inside seems to have become poorer and poorer. Without love for the things and animals near us, we cannot expect people to show how warmly they feel toward other human beings or understand what it means to care for them.
実測は how 1、what 2です。what we feel inside が心の生活、how warmly they feel が人への温かさ、what it means to care が愛情の中身を担当します。さらに an age when ... で「使い捨ての時代」を行動へ開きました。not only ... but even ... はペットまでという驚きを、It is true that ... but ... は物質面を認めたうえでの批判を残します。四文の論理が一段ずつ強まる流れを守ってください。時制は現在社会の評価を現在形、過去から今への変化を現在完了に分けています。最後の cannot expect は希望しないという意味ではなく、愛情なしには温かさが生まれるはずがないという強い論理です。
People often say that we now live in a time when many things are used for a short while and then thrown out. People throw away electrical goods and furniture even when they still work, and they go so far as to treat pets as garbage. Our lives have certainly grown richer in material things, yet it seems that how we live in our hearts has grown steadily poorer. If we cannot care for the objects and animals around us, there is no reason to expect that we will know how to feel and act warmly toward other people.
こちらは「使い捨て」を used for a short while and then thrown out と順番から説明しました。「ペットまで」は go so far as to ... で行為の極端さを示しています。最後も Without を If we cannot care for ... に開き、条件と結論を見える形にしました。disposable や spiritual poverty のような語を知らなくても、使う→捨てる、豊かになる→心は貧しくなる、身近なものを大切にする→人にも温かくする、という動詞の流れで十分です。

〜する時代
時代の特徴を名詞で圧縮せず、when 節で実際の行動として説明できます。
AばかりかBまで
予想外のBを even で強めます。AとBは同じ文法の形にそろえます。
なるほどAだがB
相手が認める事実を先に受け入れ、その後に中心となる反対面を出します。
ますます〜になる
時間とともに同じ方向へ進む変化を表せます。
Aなくして〜できない
Aが必要条件であり、欠ければ結論が成立しないことを簡潔に示せます。
どのように〜する気持ちかを示す
抽象的な感情の名詞を、態度や行動の程度を表す how 節に開けます。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| throw away | 捨てる | 代名詞なら throw it away と間に置きます |
| electrical product | 電気製品 | 複数の製品なら products とします |
| furniture | 家具 | 不可算名詞なので furnitures とはしません |
| as garbage | ごみとして | 扱いや資格を示す as を使います |
| material | 物質的な | material life のように名詞の前で使えます |
| poorer and poorer | ますます貧しく | poor の比較級は poorer です |
| love for | 〜への愛情 | 名詞 love の対象は for で示します |
| expect | 期待する | 起こると見込む意味で、hope より客観的です |
1990年前期第(2)問は、正誤の判断を後にして今は語り始めるべきだと述べます。この第(1)問も、物質的な豊かさという表面から心の貧しさへ視点を反転させる文章です。1991年前期第(1)問の見返りを求めない友情にも通じ、京大は身近な行動から人間の価値観を論じる抽象文を繰り返し出しています。
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