七つの短文が、呼びかけ、出発点、判断の延期、判断する人の選択、今こそ語る時だという決意へ進みます。個々の文は短くても、let us の呼びかけと I must の自己決定を混同しないことが大切です。「自分について何か」「正しいか正しくないか」「語ること」を what / whether / how の節に開き、同じ speak や talk を機械的に繰り返さず役割を分けると自然になります。
とにかく、何か喋ろう。自分について何か喋ることから全てが始まる。それがまず第一歩なのだ。正しいか正しくないかは、あとでまた判断すればいい。僕自身が判断してもいいし、別の誰かが判断してもいい。いずれにせよ、今は語るべき時なのだ。そして僕も語ることを覚えなくてはならない。
呼びかけ、判断の延期、今語る決意を、what / whether / how 節で組み直してみましょう。Boost アプリなら短文同士のつながりも確認できます。
アプリでこの問題を解く 無料で1日2回まで添削できますとにかく、何か喋ろう。
ここは内容より、黙った状態から言葉を出す決意が大切です。At any rate でそれまでの迷いをいったん切り、Let us say something と自分を含む呼びかけにします。say は内容を目的語に取れるので something とよく合います。speak は話す行為を表し、通常 something を直接目的語にはしません。短く言い切ることで次の「すべてが始まる」へ勢いがつきます。
At any rate, let us say something.
Whatever else may be uncertain, we should begin by saying something.
speak は話す行為を表し、内容の something を普通は直接目的語に取りません。何かを言うなら say を使います。
will はこれからそうする予測や意思の表明です。原文は相手と自分への呼びかけなので、一緒に始めようという let us が合います。
自分について何か喋ることから全てが始まる。
日本語の長い主語「自分について何か喋ること」をそのまま動名詞にしても書けますが、Everything begins を先に置き、いつ始まるかを when で続けると読みやすくなります。「自分について何か」は what we ourselves are like と節に開けば、名前のような表面的な情報ではなく、自分がどんな人かを語るという意味が見えます。ourselves は主語 we と同じ人を指します。
Everything begins when we talk about what we ourselves are like.
The whole process starts when we put into words something about who we are and how we feel.
主語 we が自分たちについて話すなら再帰代名詞は ourselves です。myself では話し手一人だけを指し、主語との対応も崩れます。
everything が目的語なら後ろの it は同じ内容を重ねた余分な目的語です。英語では目的語を二つ並べられません。
それがまず第一歩なのだ。
「それ」を It だけで受けると何を指すか少し弱くなります。That is how we take the first step とすれば、語り始めることが第一歩を踏み出す方法だと明確です。how は手段をまとめて受けるので、前文全体とのつながりも出ます。first step は順序上ただ一つの最初の段階なので the を付けます。大げさな表現にせず、短く前文を受けてください。
That is how we take the first step.
Speaking about ourselves is the first step from which everything else can follow.
順序の中で一つに決まる最初の段階なので the first step と定冠詞が必要です。
正しいか正しくないかは、あとでまた判断すればいい。
原文は真偽より発話を先に置いています。We can decide later を中心にして、判断の内容を whether what we said was right or wrong と後ろへ置きます。what we said はこれから語った内容を、後で振り返る時点から見た過去です。is right とすると判断時点の引用のようにも読めますが、was とすれば時間の順が明確になります。「正しさ」という名詞を探す必要はありません。
We can decide later whether what we said was right or wrong.
There will be time later to ask whether the things we have said are right or not.
if or not を先に固める語順は使えません。二択の内容を whether の後に置き、or not または or wrong を最後に続けます。
過去にすでに判断した話になり、今は語って判断は将来に回すという時間関係が消えます。can decide later とします。
僕自身が判断してもいいし、別の誰かが判断してもいい。
ここで問題なのは判断の中身ではなく、誰が判断してもよいという開かれた態度です。前文の decide を受けて、I may decide for myself, or someone else may decide と並べます。judge は人を裁く響きが出やすいため、この文では正誤を決める decide が安全です。myself は I を強調し、someone else と明確に対照します。
I may make that judgment myself, or someone else may do so.
I can make that judgment myself, or I can leave it to another person.
judge myself / judge me では、僕という人間の性格や行動全体を評価する意味になります。原文で判断するのは、先に語った内容が正しいかどうかです。判断者と判断対象を分けてください。
不特定の別人は someone else の語順です。another は通常、単数名詞の前に置きます。
いずれにせよ、今は語るべき時なのだ。
前文で判断者が二通り示されましたが、どちらでも今することは同じです。そのため In any case で選択を受けます。now is the time when we should speak とすれば、判断は later、発話は now という対照がはっきりします。should は外からの命令ではなく、今こそそうするのがよいという筆者の決意を表します。
In any case, now is the time when we should speak.
Whoever makes the judgment, what matters now is that I begin to speak.
the time of speaking は発話時間という予定表の項目のように聞こえます。原文は今こそ語るのがよいという判断なので、should を含む節にします。
そして僕も語ることを覚えなくてはならない。
最後の「語る」は発音や言語を覚えることではなく、自分の内面を言葉にする力を身につけることです。そこで learn how to put what I think and feel into words と二つの節に開きます。put ... into words は、ぼんやりした考えや感情を言語化するという意味です。I too は、語る必要が他人だけでなく筆者自身にもあるという自己への向き直りを表します。
I too must learn how to put what I think and feel into words.
And I myself must learn how I can express what is inside me in words.
learn to speak は幼児が話せるようになることや外国語の会話習得に聞こえます。原文は自分の考えを言葉にする力を身につけることです。
At any rate, let us say something. Everything begins when we talk about what we ourselves are like. That is how we take the first step. We can decide later whether what we said was right or wrong. I may make that judgment myself, or someone else may do so. In any case, now is the time when we should speak. I too must learn how to put what I think and feel into words.
実測は how 2、what 3です。what we ourselves are like が自分についての内容、how we take the first step が語り始める働き、what we said が後で判断する対象、how to put what I think and feel into words が身につけるべき語り方を担当します。let us から we、そして I へ主語が移る流れも原文どおりです。判断は later、発話は now と時を対比すると、短文の連続が一つの決意としてまとまります。
Whatever else may be uncertain, we should begin by saying something. The whole process starts when we put into words something about who we are and how we feel. Speaking about ourselves is the first step from which everything else can follow. There will be time later to ask whether the things we have said are right or not. I can make that judgment myself, or leave it to another person. Whoever makes the judgment, what matters now is that I begin to speak. And I myself must learn how I can express what is inside me in words.
こちらは「すべて」を the whole process とし、その後の歩み全体が始まると説明しました。「第一歩」は everything else can follow を足して、なぜ最初の一歩なのかを示しています。最後は learn to speak ではなく express what is inside me とし、自分について語る力だと明確にしました。七文を無理に一つへまとめず、同じ主語と時を持つ短文を保てば、原文のためらいと決意のリズムも伝わります。

一緒に〜しよう
話し手を含む相手への呼びかけや提案を表せます。
〜するとすべてが始まる
出発点となる行動を when 節で具体的に説明できます。
それが〜する方法だ
前の文全体を方法として受け、how 節で次の結果へ結べます。
AかBか判断する
判断の対象となる二つの可能性を whether で並べます。
今こそ〜すべき時だ
行動に適した時期を強調し、後回しにする事柄と対比できます。
考えを言葉にする方法を学ぶ
抽象的な「語る力」を、方法と内容を含む how / what 節に開けます。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| at any rate | とにかく | 迷いや前の議論を切って次へ進むときに使います |
| say something | 何かを言う | 内容を目的語に取るときは say が基本です |
| about ourselves | 私たち自身について | 主語 we に対応する再帰代名詞は ourselves です |
| the first step | 第一歩 | 順序上特定されるので the を付けます |
| whether | 〜かどうか | or not や or wrong と二択を続けられます |
| for myself | 自分自身で、自分のために | by myself は助けなしで一人でという意味です |
| someone else | 別の誰か | else は someone の後ろに置きます |
| put into words | 言葉にする | 考えや感情を目的語として put と into words の間に置きます |
1990年前期第(1)問は物質的な豊かさの裏にある心の問題を論じ、この第(2)問は心の中身をまず言葉にする必要を語ります。1991年前期第(2)問でも、理解できなかったものが分かる内面の変化を具体的な動作へ直します。京大では短い日本語ほど、指示語が何を受け、誰がどの時点で判断するのかを英語で補う力が問われます。
呼びかけ、判断の延期、今語る決意を、what / whether / how 節で組み直してみましょう。Boost アプリなら短文同士のつながりも確認できます。
アプリでこの問題を解く iOS · Android · Web で使えます問題文と模範解答をまとめた質問文を用意しました。いつも使っている AI を選ぶと、質問文がコピーされた状態でそのサービスが開きます。
添削そのものは Boost アプリのほうが得意です。AI には「なぜこの訳になるの?」のような、解説の追加質問を投げるのがおすすめです。