一文の中に、若いころ本に親しむ段階、社会経験がないのに人生を分かった気になる段階、現実が小説ほど感動的ではなく失望する段階が入っています。日本語の長い因果をそのまま一文に詰めず、when と once、even though と because の役割を分けるのがポイントです。「人生がわかる」「体験することのすべて」は what 節に開けば、抽象名詞を重ねずに書けます。
若くして多くの詩や小説になれ親しんでしまうと、社会体験皆無であってもなんとなく人生がわかってしまったような気になるものだし、いざ社会に出ると、体験することのすべてが必ずしも小説のように感動的ではないため、失望したり幻滅したりするものである。
読書による思い込みと現実での失望を、when / once と what 節で二段に組み直してみましょう。Boost アプリなら部分否定と比較も確認できます。
アプリでこの問題を解く 無料で1日2回まで添削できます若くして多くの詩や小説になれ親しんでしまうと、社会体験皆無であってもなんとなく人生がわかってしまったような気になるものだし、いざ社会に出ると、体験することのすべてが必ずしも小説のように感動的ではないため、失望したり幻滅したりするものである。
日本語は二つの「〜すると」を一続きにしていますが、論理は読書が生む思い込みと、社会に出た後の修正です。そこで前半を When we become familiar ...、後半を Once we enter society ... と分けます。「人生」の中身は what life is like、「体験すること」は what we actually experience と節に開きます。最後は because を使い、失望の理由が現実のすべてが小説ほど感動的ではないことだと明示します。not always は「いつもそうとは限らない」という部分否定なので、not as moving と一律に否定しないことも大切です。なぜ読書と現実を what 節でそろえるかというと、比較したいのは本という物と生活そのものではなく、それぞれの中で起こる内容だからです。また may feel と somehow を重ねることで、筆者が若者の理解を事実とは認めず、「分かったつもり」として距離を置く調子を保てます。二つの時期、二つの内容、二つの評価を順に対応させてください。
When, at a young age, we become familiar with what many poems and novels say about life, we may feel that we somehow understand what life is like even though we have no experience of life in society. Once we enter society, however, we are often disappointed because what we actually experience is not always as moving as what we have read in novels.
Young people who read many poems and novels may come to believe that they know how life works, even when they have never lived in the wider world. When they finally enter society, they often feel disappointed and lose that belief, since what happens to them is not always as deeply moving as what happens in a novel.
文頭の Young だけでは、誰が若いのかを自然に説明できません。原文は若い時期を示しているので、while we are young という時間の節にします。
get used to は最初は負担だった行為に慣れる意味です。原文の「なれ親しむ」は作品をよく知り、身近に感じることなので、読書への抵抗が消える話に変わります。
social experiences は交流会など社会的な催しの経験に聞こえます。ここは実社会で暮らし働いた経験全体なので、experience を不可算で使います。
これでは社会経験がないことが理解の理由になります。原文は経験がないにもかかわらず分かった気になるという意外な関係なので、even though が必要です。
understand と言い切ると、本当に人生を理解していることになります。原文は「なんとなく」「ような気になる」と距離を置いているので、思い込みの弱さが消えます。
if は社会に出るかどうかが未定の条件です。原文の「いざ」は実際にその段階へ進んだ時の転換を表すので、once または when が合います。
the society は文脈で特定された学会や団体を指しやすくなります。学校の外の実社会へ出る一般的な意味では society を無冠詞で使います。
completely not はすべての体験が感動的でないという全面否定に近く、英語としても不自然です。原文は感動的でない体験もあるという部分否定です。
体験という出来事と、小説という物を直接比べています。比べる相手は小説の中で起きることなので、what happens in a novel とそろえます。
disappointed は失望した人の感情です。体験を主語にすると、体験そのものが失望していることになります。人を主語にして be disappointed とします。
an illusion は目の錯覚や個別の誤った像を一つ失う感じです。ここでは人生を分かったという思い込み全体が崩れるので、前の belief を受けるほうが意味が明確です。
人が作品をよく知るという関係では、人を主語にして be familiar with 作品 とします。be familiar to は「その作品が若者にとって見覚えがある」という逆向きの関係です。前置詞を変えると、誰が知識を得たのかがずれます。
When, at a young age, we become familiar with what many poems and novels say about life, we may feel that we somehow understand what life is like even though we have no experience of life in society. Once we enter society, however, we are often disappointed because what we actually experience is not always as moving as what we have read in novels.
実測は how 0、what 4です。what many poems and novels say が作品の語る内容、what life is like が「人生とはどのようなものか」、what we actually experience が現実の体験、what we have read が小説で読んだ内容を担当します。前半には may feel と somehow を置き、確かな理解ではなく「なんとなく分かったような気」を残しました。後半の not always は部分否定です。長い日本語でも、読書→思い込み→社会→失望という順番に接続語を置けば整理できます。時制も、若いころから親しむ一般的な傾向は現在形、社会へ出る転換も現在形で統一しています。特定の一人の過去話ではなく、人がよく経験することを述べる文章だからです。
Young people who read many poems and novels may come to believe that they know how life works, even when they have never lived in the wider world. When they finally enter society, they often feel disappointed and lose that belief, since what happens to them is not always as deeply moving as what happens in a novel.
こちらは「社会体験皆無」を have never lived in the wider world と説明し、「幻滅」を lose that belief と分かったつもりが崩れる動きで示しました。disillusioned のような長い語を知らなくても、前に置いた belief を受ければ内容を失いません。「詩や小説になれ親しむ」も read many poems and novels と行動へ戻しています。難しい一語より、どんな変化が起きるかを短い動詞で説明してください。前半の believe と後半の lose that belief が対応するため、幻滅とは何を失うことかも明確です。また what happens to them と what happens in a novel を同じ形にそろえ、現実の出来事と作品内の出来事を公平に比べています。最後に not always を確認し、感動的な現実もある余地を残してください。

若いころAに親しむ
知識や作品が次第に身近になることと、その時期を一緒に表せます。
〜なのに
予想と反する事実を明示します。because と取り違えないようにしてください。
なんとなく〜と感じる
確信ではない感覚や、根拠の弱い思い込みを表せます。
Sがどのようなものか
抽象的な対象の性質や様子を what 節に開く基本形です。
いったん〜すると
新しい段階へ入った後に起こる変化をはっきり示せます。
必ずしもAほど〜ではない
全面否定を避けながら、二つの対象の程度を比べられます。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| be familiar with | 〜によく親しんでいる | 人ではなく作品や話題をよく知る意味にも使えます |
| experience | 経験 | 経験一般なら不可算、個別の出来事なら複数形にできます |
| somehow | なんとなく | 理由や方法をはっきり言えない感覚を残します |
| what life is like | 人生がどのようなものか | like を文末に置く語順を覚えてください |
| enter society | 社会に出る | 一般的な実社会なら society に冠詞を付けません |
| not always | 必ずしも〜とは限らない | すべてを否定せず、例外があることを示します |
| moving | 感動的な | 人を感動させる物事には moving、人の感情には moved を使います |
| be disappointed | 失望する | 人の感情なので disappointed、失望させる物には disappointing を使います |
1991年前期第(2)問では理解できなかったものが急に分かる喜びを扱い、この後期第(1)問では逆に、分かったつもりが現実で崩れる過程を扱います。1992年前期第(1)問も大学が文化を考える場であることを述べています。京大は知識と経験のずれを、時間関係と具体的な行動に直して訳させる文章を重ねています。
読書による思い込みと現実での失望を、when / once と what 節で二段に組み直してみましょう。Boost アプリなら部分否定と比較も確認できます。
アプリでこの問題を解く iOS · Android · Web で使えます問題文と模範解答をまとめた質問文を用意しました。いつも使っている AI を選ぶと、質問文がコピーされた状態でそのサービスが開きます。
添削そのものは Boost アプリのほうが得意です。AI には「なぜこの訳になるの?」のような、解説の追加質問を投げるのがおすすめです。