友情についての考えを述べたあと、頼み事をした経験がほとんどないこと、そして一緒にいる喜びだけで満足していることを具体的に続ける文章です。「私利私欲をさしはさまない」を一語で片づけず、what true friendship requires と how we treat our friends に開くところが山場です。hardly ever の位置、ask 人 to do の形、enjoy の後の動名詞にも注意してください。
友情には、私利私欲をさしはさまないのが本当だと思う。私は友人に、私のために何か取計らってくれと頼んだり、物質的な利益を得るようにしてくれと頼んだりしたことはほとんどない。ただ友人とのつき合いを楽しみ、彼らも私とつき合って喜んでいるのを見て満足しているだけである。
友情、頼み事、満足という三段を、自分の知っている動詞と how / what 節で組み直してみましょう。Boost アプリなら意味の抜けと語法を確認できます。
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日本語は「友情には」と話題を出しますが、英語では友情が何を求めるかを主語にすると筋が通ります。そこで what true friendship requires を文の主語にします。「私利私欲」は抽象名詞を重ねず、our own interests と平易に言い、「友人をどう扱うか」を how we treat our friends と節に開きます。利益を友情の中に持ち込まない、という発想が見えるため、原文の道徳的な調子も保てます。
I believe that what true friendship requires is that we keep our own interests out of how we treat our friends.
I think that being a true friend means not allowing what we want for ourselves to affect how we act toward our friends.
true friendship なら「本当の友情」ですが、friendship is true は友情という事実が真実だという意味になります。原文は友情のあり方を述べているので、何が本当なのかを説明する形が必要です。
have no selfishness at all は人間に利己心が一切ないことを求めます。原文は友情の中に自分の利益を持ち込まないという行動の話なので、人物全体への強い評価に変わっています。
私は友人に、私のために何か取計らってくれと頼んだり、物質的な利益を得るようにしてくれと頼んだりしたことはほとんどない。
この文は「頼んだ経験がほぼない」という現在までの経験なので、I have hardly ever asked が中心です。hardly ever 自体に否定の意味があるため not は足しません。その後ろに to arrange ... or to help ... と同じ形を二つ置けば、日本語の「〜たり、〜たり」を無理なく再現できます。「取計らう」は一語を探すより、私のために何かを整える、と説明するほうが安全です。
I have hardly ever asked a friend to arrange something for me or to help me gain any material benefit.
I have almost never asked my friends to do me a favor or to help me get something of material value.
ask to do では、頼んだ本人である I が手配するように聞こえます。原文では友人にしてもらうので、ask と to do の間に a friend が必要です。
hardly ever にすでに「ほとんど〜ない」という否定が含まれます。not を重ねると否定関係が崩れ、「ほとんど頼まないわけではない」に近い読みに変わります。
単純過去では、ある過去の場面でほとんど頼まなかったという意味です。生涯を通じた経験として「したことはほとんどない」と述べる原文の時間の幅が消えます。
materials は材料や資料です。原文の「物質的な利益」は、金品など実際の得になるものを広く指しているので、頼んだ内容が材料の受け渡しへ狭くなります。
and では、手配と物質的利益の両方を一度に頼んだ経験だけを否定します。原文はどちらの種類の頼み事もほとんどしないと言っているので、or で一つずつ否定の範囲に入れます。
ただ友人とのつき合いを楽しみ、彼らも私とつき合って喜んでいるのを見て満足しているだけである。
ここでいう「つき合い」は交際関係の名称ではなく、一緒に過ごす行動です。そのため how we spend time together と節に開くと、難しい語を使わず自然になります。後半も their pleasure のような名詞にせず see how happy they are と書けば、誰が何を感じているかが明確です。前文の利益と対照させるため simply と satisfied を置き、求めるものは一緒にいる喜びだけだと示します。
I simply enjoy how we spend time together, and I am satisfied when I see how happy they are to spend time with me.
All I do is enjoy being with my friends, and it is enough for me to know how much they also enjoy being with me.
enjoy の目的語には動名詞を置きます。to spend を続けることはできず、友情を楽しむという内容以前に動詞の形で減点されます。
dating は恋愛相手として会う意味です。原文は友人一般と時間を共にすることを指すので、恋愛関係という余計な意味が加わります。
これでは友人が幸せである事実一般に満足しているだけです。原文は「彼らも私とつき合って」喜ぶという相互の関係を述べているので、with me を残す必要があります。
because of me は私が友人を幸せにしたという原因関係を表します。原文が言うのは一緒にいることを友人も楽しんでいるという事実で、筆者が幸福の原因だとは述べていません。
only with my friends は、家族やほかの人とは過ごさないという限定です。原文の「だけ」は、利益を求めず楽しみと満足だけを得るという限定なので、かかる場所が違います。
I believe that what true friendship requires is that we keep our own interests out of how we treat our friends. I have hardly ever asked a friend to arrange something for me or to help me gain any material benefit. I simply enjoy how we spend time together, and I am satisfied when I see how happy they are to spend time with me.
第1文では what true friendship requires と how we treat our friends、第3文では how we spend time together と how happy they are を使いました。実測は what 1、how 3です。抽象語を四つの節へ開いたため、難しい「無私」の語を知らなくても意味を正確に運べます。hardly ever は現在までの経験、simply は利益を求めない態度を担当しています。まずはこのように主語と行動をはっきり書くことを目標にしてください。三文の主語は I と we を使い分けています。友情の原則は一般の we、筆者自身の経験と満足は I とすることで、一般論と個人の実例が混ざりません。
I think that being a true friend means not allowing what we want for ourselves to affect how we act toward our friends. I have almost never asked my friends to do me a favor or to help me get something of material value. All I do is enjoy being with them, and it is enough for me to know how much they also enjoy being with me.
こちらは「私利私欲」を what we want for ourselves と中身から説明しています。「取計らう」は do me a favor、「満足しているだけ」は it is enough for me と言いかえました。一文ずつ少し長くなりますが、抽象名詞を避けたぶん、友情の条件、頼まなかったこと、今の満足という三段が読み手に伝わります。一語が出なくても、知っている動詞で何をしないのかまで書けば大丈夫です。

〜が求めるものは…だ
抽象的な条件を、何が必要かという what 節に開けます。is の後ろには内容を示す that 節を置きます。
AをBに持ち込まない
考えや利益など、望ましくないものを関係の外に置くときに使えます。
ほとんど〜したことがない
現在までの経験がほぼないことを表します。hardly に否定があるので not は加えません。
人に〜するよう頼む
頼む相手を ask の直後、してほしい行動を to 不定詞で続けます。
どのように〜するかを楽しむ
抽象的な「つき合い」や「過程」を、実際の様子を表す how 節に開けます。
Sがどれほど〜かを見る
人の感情や変化の程度を、名詞にせず how 節で具体的に示せます。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| true friendship | 本当の友情 | friendship is true ではなく、true を名詞の前に置きます |
| one's own interest | 自分自身の利益 | interest はここでは興味ではなく得になるものを指します |
| hardly ever | ほとんど〜ない | 否定を含むので not と一緒には使いません |
| arrange | 手配する | arrange something for 人 の語順で使います |
| material benefit | 物質的な利益 | material だけを名詞にすると材料という意味になります |
| spend time with | 〜と時間を過ごす | 人との「つき合い」を平易に表せます |
| be satisfied | 満足している | 人の感情には受け身の形 satisfied を使います |
| be happy to | 喜んで〜する | happy の後に行動を置くときは to 不定詞を続けます |
1991年前期第(2)問は、できなかったことができる喜びを what 節で説明しています。1990年前期第(2)問も「語ること」を短い動作へほどく問題です。京大のこの時期の和文英訳では、抽象的な名詞を英語の行動や節に直し、筆者の気持ちの流れを保つ力が続けて問われています。
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