湖岸の町の廃水問題と、自然を求めて移り住んだ人々がその自然を壊すという因果のねじれを訳す問題です。「浄化されずに流れ続ける」の受け身と継続、「湖の生物」を何がそこに生きているかという what 節に開く処理、さらに「ひいては」と「皮肉なものだ」が示す論理を落とさないことが得点差になります。環境用語を背伸びして探すより、water, land, live, harm のような基本語で関係を明確にしてください。第2文では、人が集まること自体を悪いと言っているのではなく、求めた自然を自分たちの生活が損なう結果になった点が皮肉です。この対照まで訳して初めて二文が一本につながります。
湖岸の町では、廃水が浄化されずに流れ続けているために湖の生物に悪影響を及ぼしている。良い自然環境を求めて人がたくさん湖の周辺に住むようになったことも、ひいては水と陸という大切な環境を破壊する原因になるのだから皮肉なものだ。
因果と皮肉を自分の英語で組み直したら、答案の論理が読み手に伝わるかを確認しましょう。廃水の継続、浄化されない状態、生物への被害、人が集まる理由、その結果という五つの情報に印を付けてから見直すと、訳し落としを発見しやすくなります。Boost アプリならこの問題を開いて、そのまま AI 添削を受けられます。
アプリでこの問題を解く 無料で1日2回まで添削できます湖岸の町では、廃水が浄化されずに流れ続けているために湖の生物に悪影響を及ぼしている。
最初に「廃水」を主語にして、一つの流れを作ります。waste water keeps flowing into the lake without being cleaned まで書けば、原因となる状況が完成します。そのあと and this has a bad effect on ... と受け直すと、日本語の長い一文を無理なく二つの節に分けられます。「生物」に当たる難しい名詞は不要で、what lives there と書けば植物も動物も含められます。ここで wastewater という一語を知らなくても失点にはなりません。dirty water that comes from the town と説明する逃げ道もあります。大切なのは、流入が今も続くこと、浄化されていないこと、被害を受ける場所が湖であることの三点です。
In towns by the lake, waste water keeps flowing into the lake without being cleaned, and this has a bad effect on what lives there.
In towns along the lake, people continue to let dirty water run into it without cleaning it first. As a result, they harm the plants and animals that live in the lake.
waste water はここでは数えない水のまとまりなので単数扱いです。keep のままでは主語と動詞が一致しません。
without cleaning it では、文法上は廃水が it を洗う意味になります。浄化されない側を受け身で示す必要があります。
flow はここでは目的語を直接取りません。どこへ流れ込むかを into で示さないと文の骨格が壊れます。
英語としては成立しますが、この答案では「湖の」が抜けています。町や陸上の生物一般へ範囲が広がり、原文の被害対象を正確に示せません。
良い自然環境を求めて人がたくさん湖の周辺に住むようになったことも、ひいては水と陸という大切な環境を破壊する原因になるのだから皮肉なものだ。
皮肉の中身は「自然が良いから人が来たのに、その人々が自然を壊す」です。英語ではこの対立を because と while で見える形にします。日本語の「人が住むようになったことも」を主語にすると重くなるので、It is strange that から始め、what they wanted と what happens の対照を作ってもよいでしょう。難しい一語よりも、矛盾する二つの因果を読み手に見せることが大切です。「ひいては」は遠い結果まで及ぶ感じですが、難しい副詞を探す必要はありません。the result is that と先に宣言してから、水と陸の破壊を置けば同じ論理になります。また so many people の many を落とすと、居住者の増加が環境への圧力になる説明が弱くなるので残してください。
It is strange that so many people have come to live around the lake because of how good its natural environment is, while the result is that they are destroying both the water and the land that are so important to them.
Many people chose to live around the lake because they knew how rich and beautiful nature was there. Yet what happens after they settle there is that they damage both the lake water and the land around it.
ask for は人に何かを求める場面の語です。環境に引かれて場所を選ぶ意味にはならず、誰かに環境を要求した文になります。
現在の居住だけを述べると「住むようになった」という人口の変化が消え、破壊の原因が増えてきた流れも弱くなります。
therefore だけでは何の結果なのかが読み手に伝わりにくく、人が集まったことが破壊につながるという因果の輪が見えません。
湖だけでは「水と陸」という二つの環境のうち陸が落ちます。both を置くと二項を訳したことが明確になります。
funny は「おかしい・笑える」に寄り、この文の望んだ結果と反対になる皮肉や残念さを伝えません。
environment of nature は英語らしいまとまりではなく、a good environment だけでも何が良いか曖昧です。自然の良さを節で説明します。
In towns by the lake, waste water keeps flowing into the lake without being cleaned, and this has a bad effect on what lives there. It is strange that so many people have come to live around the lake because of how good its natural environment is, while what happens as a result is that they are destroying both the water and the land that are so important to them.
第1文は what lives there で「湖の生物」を説明し、第2文は how good ... is で人々が何に引かれたかを開いています。さらに what happens as a result is that ... を置き、移住が破壊の原因になる流れを明示しました。what / how は実測で合計3か所です。専門的な環境語を使わなくても、原因、対立、結果がつながっていれば十分に強い答案になります。without being cleaned では受け身、keeps flowing では継続、have come to live では過去から現在までの変化をそれぞれ担当させています。一つの動詞ですべてを表そうとせず、情報を小さな形に分けて積み上げるのがこの答案の狙いです。まずはこの平易な組み立てを目標にしてください。
In towns along the lake, people continue to let dirty water run into it without cleaning it first. This harms the plants and animals that live in the lake. Many people chose the area because they knew how rich and beautiful nature was there. Yet what happens after they settle there is that their own lives damage both the lake water and the land around it. It is sad and strange that what they wanted to enjoy is being lost because they came to enjoy it.
一文目を二文に分け、dirty water と plants and animals で具体的に説明した版です。後半も「住み始めたあとに何が起こるか」「何を楽しみたかったか」を what 節で順に示しています。日本語の一文を英語でも一文に保つ必要はありません。因果を一段ずつ書けば、語彙に自信がなくても内容を落とさず訳せます。最後の what they wanted to enjoy と is being lost を対応させたことで、求めたものを失うという皮肉も見えます。irony のつづりに不安があるなら、sad and strange の二語で気持ちを説明するほうが安全です。長くても、各文の主語と動詞が明確なら読みやすさは保てます。

「〜し続ける」
継続して起きている問題には keep と動詞の ing 形が便利です。現在も続くという時間の情報を一語で落とさず書けます。
「〜されずに」
without の後で受け身を作る型です。行為を受ける物が主語のときは being を忘れないようにしてください。
もの・ことを節に開く
正確な名詞が浮かばないとき、what が「〜するもの」をまとめてくれます。生物のような総称にも使えます。
性質を理由として示す
「〜の良さのために」のような名詞句を how 節にすると、何がどの程度よいかを自然に説明できます。
結果の中身を一文で示す
「ひいては」「その結果」を曖昧な副詞だけで済ませず、結果の内容を that 節で置く型です。
二つとも残す
原文が二項を並べたら both を置くと訳し落としを防げます。A と B は同じ文法の形にそろえてください。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| waste water | 廃水 | water は数えない名詞なので、動詞は単数に合わせます |
| flow into | 〜へ流れ込む | flow は自動詞です。行き先の前に into を置きます |
| clean | 浄化する | 専門語が出なくても clean を動詞で使えば十分です |
| have an effect on | 〜に影響を及ぼす | effect の前には an、対象の前には on を置きます |
| harm | 〜を害する | 名詞にも動詞にもなります。ここでは目的語を直接取る動詞です |
| come to live | 住むようになる | come to は変化の結果を表し、have come to なら現在へのつながりも出ます |
| surrounding land | 周辺の陸地 | surrounding は名詞の前に置いて周囲のという意味にします |
| destroy | 破壊する | damage より強く、元に戻せないほど壊す感じがあります |
京大の和文英訳では、1992年後期の既製品と手作り、1993年前期の外来植物、そしてこの湖岸の問題のように、身近な社会現象の因果を二文で説明させる出題が続いています。抽象名詞を一語で当てるより、何が起き、なぜ起き、その結果どうなるかを節に開く答案が安定します。
因果と皮肉を自分の英語で組み直したら、答案の論理が読み手に伝わるかを確認しましょう。廃水の継続、浄化されない状態、生物への被害、人が集まる理由、その結果という五つの情報に印を付けてから見直すと、訳し落としを発見しやすくなります。Boost アプリならこの問題を開いて、そのまま AI 添削を受けられます。
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