偉人の生涯や伝記が、家庭や学校の直接的な教育では伝えにくい生き方と思考を子供に示し、その記憶が大人の社会まで変えうると述べます。「人間のすばらしい生き方、ものの考え方」は what a good human life can be like / how a person can think と節に開きます。最終文は、幼少期の感動と教訓が実際には十分残っていないという含みを持つ仮定なので、If ... remained, ... would become ... と過去形・would の組み合わせにする点が山場です。見直しでは、感動と教訓を一つにまとめて片方を落としていないか、「幾分なりとも」を almost all のように強めていないか、大人自身の性格ではなく大人が形作る世界の変化になっているかを確認してください。偉人伝が命令するのではなく、生き方の可能性を示すという動詞の選択も大切です。
偉人の生涯は感動的で面白い。親や教師が教えることも模範を示すこともできないような、人間のすばらしい生き方、ものの考え方を伝えてくれる。幼少の頃に偉人伝から得た感動や教訓が幾分なりとも残存していれば、大人の世界も少しは変わってくるはずだ。
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The lives of great people are moving and interesting と、修飾関係を素直に置けば十分です。great people は歴史上高く評価される人々を平易に示します。感動を受ける私たちではなく、生涯の物語が感動を与える側なので moving を選びます。この短い文は次文の主語 They を準備する役割もあります。難しい inspiring などへ飛ばず、時制と単複を確実にしてください。
The lives of great people are moving and interesting.
Stories about how great people lived can move us and hold our interest.
great men は伝統的表現でも、現代英語では男性の偉人に限定されやすい形です。原文は性別を限定していません。
moved は人が感動した状態です。感動を与える生涯は moving とします。
funny はおかしくて笑える意味が中心です。興味を引くという原文には interesting が合います。
親や教師が教えることも模範を示すこともできないような、人間のすばらしい生き方、ものの考え方を伝えてくれる。
中心を They show us A and B と置きます。A は what a good human life can be like、B は how a person can think です。そのあとにダッシュを置き、things that parents and teachers cannot teach or show by example と二つの内容をまとめて受けます。日本語では長い修飾がA・Bの前にありますが、英語では内容を先に示し、限定を後ろへ回すと読みやすくなります。cannot は teach と show の両方にかかります。
They show us what a good human life can be like and how a person can think—things that parents and teachers cannot teach or show by example.
Through these stories, we can learn how people may live well and what ideas can guide their lives, even when our parents and teachers cannot put those things into words or show them in their own lives.
原文で伝える働きを持つのは、過去の偉人本人ではなく、その生涯や伝記です。主語を本人にすると、物語を通して学ぶという関係が消えます。
偉人伝は特定の生き方を命令するのではなく、人間がどう生きられるかというすばらしい可能性を示します。
teach と show が何を誰に伝えられないのかがなく、文が内容的に完結しません。
for example は「例えば」で、模範を自ら示す意味ではありません。行動で手本を示すなら by example です。
幼少の頃に偉人伝から得た感動や教訓が幾分なりとも残存していれば、大人の世界も少しは変わってくるはずだ。
If even some of A and B remained with us と条件を作ります。A は what moved us、B は what we learned from their stories in childhood です。感動と教訓を二つの what 節にすれば、どちらも「子供の頃に得て今も残るもの」として some of の後ろに置けます。主節は the world of adults would surely become a little different。would と a little で、原文の控えめながら確かな期待を表してください。
If even some of what moved us and what we learned from their stories in childhood remained with us, the world of adults would surely become a little different.
If we kept even a small part of how those stories touched us and what they taught us when we were young, the world we make as adults would surely change for the better, at least a little.
infant は乳児を指し、幼少期全体には狭すぎます。in childhood または when we were young を使います。
幾分なりともは「少しでも」であり、ほとんど全部ではありません。条件を必要以上に強くしています。
if 節を過去形 remained にして現実と距離を置いたなら、主節も would change にそろえます。
earth は地球という天体・大地で、大人が作る社会を指しません。
The lives of great people are moving and interesting. They show us what a good human life can be like and how a person can think—things that parents and teachers cannot teach or show by example. If even some of what moved us and what we learned from their stories in childhood remained with us, the world of adults would surely become a little different.
what a good human life can be like と how a person can think で、生き方と思考法を節に開きました。ダッシュの後ろの things はこの二つを受け、親や教師には伝えにくい内容だと補います。さらに最終文では what moved us と what we learned を分け、感動と教訓を具体的な経験として受けています。If ... remained, ... would become ... は、今は十分残っていないかもしれないという含みのある仮定です。surely と a little を両方残し、「はずだ」と「少しは」の強さも調整しました。
Stories about how great people lived can move us and hold our interest. They help us see what it means to live a good human life and how we can form our own ideas. Our parents and teachers may find it hard to teach us these things or show us what they mean through their own actions. If we kept even a little of what touched us and what we learned from such stories as children, we would know how the adult world could become better.
moving や by example が出ない場合を想定し、move us、show us through their own actions と人の動きで説明しました。「大人の世界が変わる」も we would know how ... could become better と、子供時代の学びを持つ私たちが世界を作る流れにしています。文は増えていますが、親や教師の限界、偉人伝の特別な働き、幼少期の影響が残るという仮定をすべて保っています。

ありうる姿を示す
生き方や社会像のような抽象的な内容を、「どんなものになりうるか」と what 節で説明できます。
方法や可能性を節に開く
「ものの考え方」「社会の変え方」を難しい名詞にせず、how 節で動作として書けます。
方法の違いを後ろから限定する
内容を先に述べ、その伝え方が普通の方法ではできないことを後ろから補えます。
経験の中身を受ける
感動や教訓という名詞が硬いとき、人を動かしたもの、学んだものとして what 節にできます。
現実と距離のある仮定
今は十分そうなっていないという含みを持たせ、もし〜なら結果が変わると述べます。
少しでもという条件
全部ではなく一部でもよいことを強調します。数えない内容なら some of it と受けられます。
行動で手本を示す
言葉で教える teach と対比し、自分の行動を通して示す意味になります。for example と混同しないでください。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| great people | 偉人 | great men より性別を限定しない表現です |
| moving | 感動的な | 感動を与える側は moving、感動した人は moved です |
| life story | 伝記、生涯の物語 | biography が出ないときにも使える平易な言い方です |
| by example | 模範を示して | for example「例えば」と区別してください |
| childhood | 幼少期 | in childhood と無冠詞で使えます |
| lesson | 教訓 | 授業の意味もありますが、learn a lesson なら経験から得た教訓です |
| remain with | 〜の心に残る | 物理的に同席するだけでなく、記憶や影響が残る意味にも使えます |
| adult | 大人 | the world of adults の adults は名詞の複数形です |
| surely | きっと | 推測に話し手の確信を添えます。would と一緒にも使えます |
京大は1995年後期の政治家の伝記でも、人物の業績だけでなく人間像や人生への理解を問いました。1994年のこの問題は読み手である子供への影響に焦点があります。どちらも life、lesson といった名詞だけで固めず、何を見てどう考えるかを節にすると書きやすくなります。この年はさらに、子供時代の経験が現在に残るという時間の長さと、現実とは少し距離のある仮定が組み合わされています。条件節の時制だけを見るのではなく、筆者が現状を惜しみながら改善を願っている調子まで would と surely で再現してください。1995年後期が伝記の書き手に必要な視点を論じるのに対し、本問は読者の内部に残る影響を論じます。同じ伝記の題材でも、誰が変化するのかを見分けることが訳の主語選びにつながります。
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