京都大学のロゴ 第Ⅲ問(2) 和文英訳 京都大学 1995
京都大学 1995年度 後期日程 · 英語

第Ⅲ問(2) 和文英訳
解答と解説

パリ留学が決まった娘のため、父が船を手配し、古い案内書を開いて毎晩寄港地を説明する場面です。父が説明したことと、その父を娘が「もういいよ」とあしらったことの主語を取り違えないのが第一の山場です。長い一文はwhen節のあと、was delighted、asked a friend、brought out、explainedと父の行動を時間順に並べます。最後はalthoughやeven thoughを使い、娘の冷たい言葉にもかかわらず父が続けたという関係を明確にします。留学が決まったことはit was decided that、父が知人に頼んだことはask a friend to V、毎晩の習慣はwould Vでそれぞれ処理します。「寄港地」が出なければplaces where the ship would stopと節に開いて大丈夫です。父は単に場所の名前を列挙したのではなく、古い旅行案内書を見ながら各地がどんな所かを説明したので、what each place was likeを使えます。末尾の「〜ながら」は同時進行ではなく、娘に冷たくあしらわれたのに父が続けたという譲歩です。whileだけでつなぐよりeven thoughの方が場面の温度差が伝わります。

難易度 ★★★★ 目安 25分 和文英訳 テーマ 娘の留学を自分のことのように喜ぶ父
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問題

第Ⅲ問(2) 次の文を英訳しなさい。

私がはじめてパリに留学することになったとき、父は大よろこびで、さっそく知人にたのんで船の手配をしてくれ、古い旅行案内書をとりだしてきては、毎晩のように寄港地の説明をした。もういいよ、パパが行くんじゃないんでしょう、と冷たく私にあしらわれながら。

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解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。書き始める前に、留学する娘、喜ぶ父、手配する知人、説明する父、冷たく答える娘と主語を並べてください。次に、父の四つの動作を時系列に置き、最後の発言をeven thoughでつなぎます。添削では、ask a friend to Vの役割、過去の習慣を示すwould、what each place was likeの語順、娘の発言者が逆になっていないかを確認できます。「寄港地」が出なくても説明に開いた答案で十分です。さらに、父の喜びをhow節、船旅の方法をhow節、各地の様子をwhat節にして、同じ名詞を重ねず場面を具体化してみてください。直接話法ではThat's enoughが「もう十分聞いた」という意味になっているか、the one who is goingが旅行者の対比を示しているかも確認します。最後に全文の過去時制を見直し、娘の回想として統一できれば完成です。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。

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この問題で見られている力

  • 留学が決まるをwas going to study in Parisと表せるか
  • 父が知人に頼んで船旅を手配した使役関係を示せるか
  • 旅行案内書をguidebookと表し古いことも残せるか
  • 父が寄港地を説明したという主語を守れるか
  • 娘の発言と父の行動を譲歩でつなげられるか
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文ごとの解説

第 1 文

私がはじめてパリに留学することになったとき、父は大よろこびで、さっそく知人にたのんで船の手配をしてくれ、古い旅行案内書をとりだしてきては、毎晩のように寄港地の説明をした。

つまずきやすいところ
  • when節で留学決定を背景にします
  • 大よろこびはwas delightedで十分です
  • 知人が手配するのでasked a friend to arrangeを使います
  • ここが山場です。寄港地を説明した主語は父です
  • would bring outで毎晩の繰り返しを表せます
発想の切り替え

父の行動を一つの長い名詞句にせず、動詞を順に並べます。船そのものではなく船旅の手配なのでarrange my trip by shipと説明し、寄港地はthe places where the ship would stopとwhere節へ開けば難語を避けられます。

訳例
標準

When it was decided that I would study in Paris for the first time, my father was delighted. He immediately asked a friend to arrange my trip by ship, and almost every night he would bring out an old travel guide and explain what each place where the ship would stop was like.

別解

When I first got the chance to study in Paris, my father was very happy. He soon had a friend make the ship arrangements for me, and night after night he opened an old guidebook and told me about the towns we would visit on the way.

この文でやりやすい誤り

study abroadにParisを直接続ける

減点 大
I was going to study abroad Paris.
I was going to study in Paris.

study abroadは副詞表現なので都市を直接置けません。study in Parisとします。

父の喜びをfunnyにする

減点 中
My father was very funny about the news.
My father was delighted by the news.

funnyはおかしいという意味です。喜んだならhappyやdelightedを使います。

頼んだ相手を消す

減点 大
My father asked to arrange the trip.
My father asked a friend to arrange the trip.

ask to Vでは父自身が依頼されたように読めます。知人を目的語に置きます。

船そのものを並べる意味にする

減点 中
A friend arranged a ship in order.
A friend arranged my trip by ship.

arrange objectsは物を並べる意味です。ここは旅行の手配だと示します。

guideを人の案内人にする

減点 中
He brought out an old travel guide man.
He brought out an old travel guide.

本はguidebookまたはtravel guideです。manを足すと人になります。

毎晩の習慣を一回の過去形だけにする

減点 中
One night he explained the stops to me.
Almost every night he would explain the stops to me.

one nightでは一晩だけになり、毎晩のように繰り返した内容が落ちます。

説明した人を娘に変える

減点 大
I explained the places where the ship would stop to my father.
My father explained the places where the ship would stop to me.

原文で案内書を出して説明したのは父です。主語を変えると場面が逆になります。

初めての留学をfor the first abroadとする

減点 大
It was my first abroad in Paris.
It was the first time I was going to study in Paris.

abroadは副詞で、留学という出来事を表す名詞にはできません。study in Parisを動詞として置き、初めてはその行動にかけます。

この文の言いかえ
留学する
study in Paris都市があるときはこれで十分です
go to Paris to study目的を説明できます
study abroad Paris語順が誤りです
大よろこびする
be delighted強い喜びに合います
be very happy平易で安全です
be ecstatic難しいので覚えなくて大丈夫です
知人に頼む
ask a friend to V基本の語順です
ask someone one knows to Vfriendと言い切らない形です
ask to a friend V語順が誤りです
船の手配
arrange the trip by ship旅を手配すると明確です
make the ship arrangements使えますが少し硬めです
order the ship船を注文する意味になります
寄港地
places where the ship would stopwhere節で平易に説明できます
stops on the way短く安全です
ports of call知っていれば使えますが覚える必要はありません
毎晩のように
almost every night頻度が正確です
night after night繰り返しを強調します
everyday night英語では使いません
古い案内書を取り出す
bring out an old travel guideしまってあった本を出す動作と、本の種類の両方が伝わります
take an old guidebook from the shelf置き場所を補って具体的に説明する形です
take out an old guide person本ではなく案内人のようになり、名詞の組み合わせも不自然です
第 2 文

もういいよ、パパが行くんじゃないんでしょう、と冷たく私にあしらわれながら。

つまずきやすいところ
  • 発言者は娘で、あしらわれたのは父です
  • You are not the one who is goingで対比します
  • 冷たくはcoldlyで発言にかけます
  • 文の断片なので前文へalthoughでつなぎます
  • 父はそれでも説明したという譲歩を残します
発想の切り替え

日本語では主語が省かれていますが、「私」が父に言い、父が冷たくあしらわれています。受け身を直訳するより、although I would say to him coldlyと娘を主語にすれば、会話の向きが明確です。

訳例
標準

He did this even though I would say to him coldly, ‘That's enough, Dad. You are not the one who is going, are you?’

別解

He kept on explaining, although I brushed him off by saying, ‘Enough, Dad. It is not you who will be making the trip.’

この文でやりやすい誤り

That's enoughを量の不足にする

減点 大
That is not enough, Dad.
That's enough, Dad.

not enoughは足りないという正反対の意味です。もう聞かなくてよいならThat's enoughです。

行く人の対比を失う

減点 中
You do not go there now, Dad.
You are not the one who is going, Dad.

nowを入れると今は行かないだけに聞こえます。今回の旅行者は父ではないと示します。

coldで動詞を修飾する

減点 中
I answered him cold.
I answered him coldly.

answeredを修飾するには副詞coldlyが必要です。

娘の冷たい態度を父の態度に変える

減点 大
My father coldly told me that he was not going.
I said to my father coldly, ‘That's enough. You are not the one who is going.’

冷たく「もういい」と言ったのは娘で、父はその言葉を受けた側です。主語を父にすると、家族のやり取りが逆になります。

この文の言いかえ
冷たくあしらう
answer coldly発言を中心にする安全な形です
brush someone off会話的ですが意味は合います
treat cold品詞が誤りです
行くのは父ではない
You are not the one who is going.対比が明確です
I am the one who will make the trip, not you.娘を主語にできます
You do not go now.一時的な話に変わります
説明を続ける父
He kept on explaining the stops.娘の反応があっても続けたことを簡潔に表せます
He would tell me about each stop night after night.毎晩の習慣と説明内容を同時に残せます
He was explained every night.受け身では父が説明を受けた意味になるため使えません
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模範解答

標準解

まずここを目標にhow節 ×1 / what節 ×286語

When it was decided that I would study in Paris for the first time, I saw how delighted my father was. He immediately asked a friend to arrange my trip by ship, and almost every night he would bring out an old travel guide and explain what each place where the ship would stop was like and what I might see there. He did this even though I would say to him coldly, ‘That's enough, Dad. You are not the one who is going, are you?’

父の行動をwas delighted、asked、would bring out、explainの順に置きました。冒頭のhow delighted my father wasで、娘が父の喜びを目の前で見たことを示します。what each place was likeとwhat we might see thereで、父が案内書から寄港地の様子や見どころまで語った場面を開きました。船の手配は父自身が行ったのではなく、知人に頼んだのでask a friend to arrangeと役割を分けています。almost every nightとwould bring outの組み合わせは、一度だけでなく何度も案内書を開いた熱心さを伝えます。最後はwho is goingで父ではなく娘が行くという対比を明示しました。娘の冷たい発言があっても父は説明したのでeven thoughを使っています。how節1個、what節2個です。

説明を足した解

書けなかったときの逃げ道how節 ×2 / what節 ×179語

When I first learned that I could go to Paris to study, I saw how happy the news made my father. He asked someone he knew to find out how I could travel there by ship. Then, nearly every evening, he took out an old guidebook and told me what I would see at each stop. He continued even when I answered coldly, ‘Dad, that is enough. You know that I am the one who is going, not you.’

こちらはarrangeやport of callを避け、find out how I could travel、what I would see at each stopと説明に開きました。父の喜び、旅の方法、寄港地で見るものが順に見えるため、長くても読み手は迷いません。娘の言葉もI am the one who is goingと主語をはっきりさせています。

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他の問題にも使える形

学習のコツを紹介する Boost のキャラクター Boo
When it was decided that S would V最重要

予定が決まった背景を置く

自分の意思だけでなく、機会や予定が決定したことを表せます。

When it was decided that I would study in Paris, ...
When it was decided that we would move, ...
ask 人 to V最重要

人に行動を頼む

頼んだ人と実際に行動する人を分けられます。

ask a friend to arrange the trip
ask my brother to open the door
would V + 頻度よく使う

過去の繰り返しを描く

昔よくしていた行動を、思い出の場面として表します。

He would explain the stops every night.
We would walk there after school.
what 場所 was like最重要

場所の様子を説明する

appearanceのような名詞を使わず、どんな所かをwhat節にできます。

explain what each town was like
tell me what the new school was like
場所 where S V最重要

場所の中身を節で示す

難しい場所名が出なくても、そこで何が起こるかで説明できます。

places where the ship would stop
a park where children can play
even though S Vよく使う

反対の事情にもかかわらず続ける

期待と逆の反応があっても行動が続いたことを一文で示せます。

He continued even though I answered coldly.
She went out even though it was raining.
have 人 V / ask 人 to V最重要

手配した人と実行した人を分ける

本人が直接行わず、別の人に頼んで実現した出来事に使います。haveは動詞の原形、askは人の後ろにto不定詞を置く違いに注意してください。

He had a friend arrange my trip.
She asked a clerk to reserve a seat.
the one who is V-ing, not 人よく使う

行動する人を強く対比する

誰が実際の当事者かを一文で明確にします。会話文で主語が省かれた日本語を英語へ直すとき、人物関係を保つ助けになります。

I am the one who is going, not you.
She is the one who is leading the team, not me.
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この問題の語彙

表現意味ひとこと
study in〜で学ぶ都市や学校の前にinを置きます
delighted大喜びした人を主語にしてbe delightedとします
arrange手配する何を手配するか目的語を置きます
by ship船で交通手段には原則として冠詞を置きません
guidebook旅行案内書人のguideと区別できます
stop立ち寄る場所名詞なら寄港地を平易に表せます
night after night来る夜も来る夜も繰り返しを強く感じさせます
coldly冷たく動詞を修飾する副詞です
the one who〜する人人を対比するときに便利です
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出題の傾向

京大の和文英訳では1994年や1996年にも、家族や日常の場面を長い一文で語る問題があります。単語の難しさより、誰が頼み、誰が説明し、誰が冷たく応じたかという役割を英語の主語で固定することが重要です。この年は父の喜びと娘の照れを対照的に描けるかが中心です。最初に、留学するのは娘、喜ぶのは父、船を実際に手配するのは父の知人、寄港地を説明するのは父、冷たく答えるのは娘、と五つの役割を確認してください。ここを一つでも逆にすると、英文が文法的でも場面は別物になります。「してくれ」は娘にとってありがたい行動ですが、英語で特別な受益表現を無理に足さず、for meを船旅の手配に添えれば十分です。毎晩のように案内書を出した習慣はwould bring outで表せます。末尾の日本語は断片ですが、英文でも断片にする必要はありません。He continued even though I said ...と前文へ戻し、娘にあしらわれても父が説明を続けたという譲歩を完成させます。父の熱意を笑う文章ではなく、喜びが少し先走った温かな家族の場面なので、coldlyは娘の言葉にだけかけてください。さらに、寄港地という語が出なくてもplaces where the ship would stopと説明すれば減点を避けられます。古い案内書から場所の様子を語る父の姿まで描くと、娘の「行くのはパパじゃない」という言葉が自然につながります。

学習の成果を喜ぶ Boost のキャラクター Boo

この問題を解いて添削してもらう

解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。書き始める前に、留学する娘、喜ぶ父、手配する知人、説明する父、冷たく答える娘と主語を並べてください。次に、父の四つの動作を時系列に置き、最後の発言をeven thoughでつなぎます。添削では、ask a friend to Vの役割、過去の習慣を示すwould、what each place was likeの語順、娘の発言者が逆になっていないかを確認できます。「寄港地」が出なくても説明に開いた答案で十分です。さらに、父の喜びをhow節、船旅の方法をhow節、各地の様子をwhat節にして、同じ名詞を重ねず場面を具体化してみてください。直接話法ではThat's enoughが「もう十分聞いた」という意味になっているか、the one who is goingが旅行者の対比を示しているかも確認します。最後に全文の過去時制を見直し、娘の回想として統一できれば完成です。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。

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