百科事典の拾い読みを、広い図書館での気ままな散歩に重ねた文章です。第1文では「AするのはBすることに似ている」という骨格を先に作り、二つの長い動名詞句をそろえることが大切です。第2文では「本が目にとまる→手がのびる」と「項目を偶然見つける→読みふける」の対応を just as で見せます。「ものだ」は義務ではなく、人がついそうしてしまう傾向として often で受けると自然です。
特に目的もなく百科事典の項目をあれこれと眺めるのは,ちょうど広大な図書館の書架の中をあてもなくうろつくことに似ている。おもしろそうな題の本が目にとまってふと手がのびるように,われわれは偶然に見つけた事典の記述について読みふけってしまうものだ。
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アプリでこの問題を解く 無料で1日2回まで添削できます特に目的もなく百科事典の項目をあれこれと眺めるのは,ちょうど広大な図書館の書架の中をあてもなくうろつくことに似ている。
まず Looking through ... is much like wandering ... と一本の骨組みを作ります。そのあと左側に「目的なく」「あれこれ」、右側に「広大な図書館」「あてもなく」を足すと、主語を見失いません。「百科事典を読む」と決めつけず looking through とすることで、一項目ずつ深く読む前の、気ままにページを眺める感じも残せます。日本語の語順どおりに名詞を積み上げるより、二つの動作を左右に並べるのが得点しやすい組み立てです。
Looking through various entries in an encyclopedia without any special purpose is much like wandering without a destination among the shelves of a huge library.
When we look here and there through an encyclopedia with no clear purpose, it is like walking around a very large library without knowing where we want to go.
この文の purpose は「その場での目的」という不可算的な考えなので、通常は単数です。複数にすると、いくつもの具体的な目的を一つずつ否定する不自然な響きになります。
subject は「話題・科目」で、実際にページ上に並ぶ個々の項目を指しません。何を眺めているのかが原文よりぼやけます。
原文は原因を述べず、二つの行為が似ていると述べています。because にすると、図書館を歩くことが百科事典を読む原因だという別の話になります。
inside the bookshelves では棚の中に人が入り込む意味になります。歩く場所は棚と棚の間です。
おもしろそうな題の本が目にとまってふと手がのびるように,われわれは偶然に見つけた事典の記述について読みふけってしまうものだ。
第2文は、前半と後半の動きが鏡のように対応しています。前半を Just as we may notice ... and reach ...、後半を we often become lost ... と置けば、その対応が読み手に伝わります。「偶然」は by chance でもよいのですが、what we happen to find と what 節に開くと、「何を読むか」の目的語まで一度に作れます。末尾に without knowing how much time has passed を添えると、読みふける状態も平易な語で具体的にできます。
Just as we may notice how interesting the title of a book looks and reach for it, we often become lost in reading what we happen to find in an encyclopedia, without knowing how much time has passed.
A book with an interesting title may catch our eye and make us pick it up; in the same way, we may keep reading an entry that we have found by chance and forget how long we have been reading.
be seen は単に視界に入った事実を述べるだけで、「気になって注意を引かれる」という動きが出ません。ここでは notice を使うと意図が明確です。
grow は手そのものが長く成長する意味になります。原文は思わず取ろうとする動作を表しています。
just as で始めた比較には、後半の中心となる普通の主節が必要です。二つ目も as にすると、文の中心がなくなります。
「偶然〜する」の happen は to不定詞を取ります。finding にすると文法的に成り立ちません。
read through は「初めから終わりまで一通り読む」で、夢中になって時間を忘れる意味ではありません。没頭の感じが落ちます。
must は「そうしなければならない」という義務です。原文は、人はついそうなりがちだという傾向を述べています。
encyclopedia は数えられる名詞なので、単数なら冠詞が必要です。無冠詞では「百科事典という媒体一般」の自然な形になりません。
Looking through various entries in an encyclopedia without any special purpose is much like wandering without a destination among the shelves of a huge library. Just as we may notice how interesting the title of a book looks and reach for it, we often become lost in reading what we happen to find in an encyclopedia, without knowing how much time has passed.
第1文では looking through と wandering を同じ doing の形にそろえ、二つの行為の似ている点を見やすくしました。第2文では how interesting で題の印象を、what we happen to find で偶然見つけた内容を、how much time has passed で読みふけった結果をそれぞれ節に開いています。難しい一語で飾らず、目にとまってから読み続けるまでを動詞で順に運ぶ答案です。
When we look here and there through an encyclopedia with no clear purpose, it is like walking around a very large library without knowing where we want to go. We sometimes see how interesting the title of a book is and pick it up without thinking. In the same way, we may keep reading what we have found by chance in an encyclopedia and forget how long we have been doing so.
wander や become lost in reading が出ないときは、walk around、keep reading、forget how long のように、知っている動詞を重ねて説明できます。原文の比喩を it is like で保ち、前半の本を手に取る場面と後半の事典を読む場面を In the same way で明示しました。少し長くても、偶然性と没頭の両方が落ちていないので、安心して使える逃げ道です。

二つの行為を比べる
長い日本語でも、比べられている二つの動作を先に doing の形へそろえると骨格が安定します。修飾語はあとから足してください。
「〜せずに」を短く添える
主語を増やさず、動作のしかたを補えます。主節の動作主と without 以下の動作主が同じかを確認してください。
似た二場面を対応させる
前半の具体例と後半の本題を比べる形です。Just as 側だけで文を終えず、後ろに中心となる主節Bを置きます。
印象を節に開く
「題のおもしろそうな感じ」のような名詞のかたまりを、how 節にするとやさしい形容詞で説明できます。
偶然見つけたものを一つにまとめる
先行詞を探さず、what 節で「偶然〜したもの」まで一つの目的語にできます。happen の後ろは to不定詞です。
夢中になる
専門的な一語を探さず、「〜する中に自分を見失う」と説明する形です。読書や思考などに広く使えます。
時間を忘れるほど続ける
「夢中だ」を結果から説明する便利な形です。継続してきた時間なので現在完了進行形がよく合います。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| encyclopedia | 百科事典 | 数えられる名詞です。単数なら an encyclopedia とします |
| entry | 項目、記載 | enter の名詞ですが、ここでは百科事典の一項目を指します |
| look through | ざっと目を通す | look at は一点を見る形、look through は複数のページをたどる形です |
| wander | あてもなく歩き回る | 目的地へ向かう walk と違い、行き先が定まらない感じを含みます |
| shelf | 棚 | 複数形は shelves と f が v に変わります |
| reach for | 〜を取ろうと手を伸ばす | reach the station の reach とは違い、物に手を伸ばすときは for が要ります |
| happen to do | 偶然〜する | 後ろは doing ではなく to不定詞です |
| by chance | 偶然に | 文末に置けば、どの動作が偶然なのかを明確にしやすくなります |
| become lost in | 〜に夢中になる | 道に迷う be lost と同じ形ですが、in reading なら読書への没頭を表せます |
京大の和文英訳は、1996年前期の筆記具、1997年前期の空港で心の到着を待つ人物のように、身近な行為を比喩や具体的な動きで描く文章が続いています。難しい名詞を探すより、誰が何をするかを補い、場面が目に浮かぶ動詞で順に書く力が問われます。
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