料理を栄養補給だけのものと見ず、人間関係を生む場としてとらえた文章です。「単にAだけではない」を not just A で正しく閉じ、「媒体」は難しい名詞を探さず a way to communicate と説明することが第一のポイントです。最後は、ひと皿を囲んで分ける動作、一体感が生まれる結果、困ったときに友情に助けられる可能性という三段階を、when と and で順に並べます。抽象名詞を人の行動へ開けるかで差がつきます。
料理は単に腹を満たし,栄養をつけるだけのものではない。人とのコミュニケーションをはかる媒体にもなっている。ひと皿の料理を囲み,それを分かち合うことによって,一体感が生まれ,困ったときに思わぬ友情に助けられることもある。
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日本語の「〜だけのものではない」を一語ずつ追うより、Food is not simply something that A and B と先に枠を作ります。A は fills our stomachs、B は gives our bodies what they need のように、平易な動詞で説明できます。後半に what 節を入れることで「栄養」という抽象名詞を使わず、食べ物が身体に与えるものとして内容を具体化できます。第2文の also と組み合わせれば、否定された役割と追加される役割がきれいに対比されます。
Food is not simply something that fills our stomachs and gives our bodies what they need.
Food is not simply something that fills our stomachs and gives our bodies what they need.
a cook は料理ではなく料理人です。主語が人に変わり、「料理人が腹を満たす物だ」という意味になります。
英語では nutrition を人に付け足すとは言いません。身体が必要とするものを食物が与える、と動詞の関係を作ります。
人とのコミュニケーションをはかる媒体にもなっている。
medium に対応する難しい名詞を探す必要はありません。「料理を通して何ができるのか」と問い直し、It also gives us a way to communicate with other people と書きます。これなら料理そのものが通信機器になるような誤解を避け、人と話し、関係を作る機会になるという意味が出ます。前文の Cooking をそのまま主語にしてもよいですし、It で受けても構いません。大切なのは also を落とさないことです。
It also gives us a way to communicate with other people and to learn what they think and feel.
Food can also bring people together and help them understand one another.
not only は「だけでなく」の前半なので、対応する but also が必要です。ここで文を切ると構文が完結しません。
mass communication は放送や新聞による大勢への情報伝達です。原文は、同じ料理を囲む人どうしが直接心を通わせる働きを述べています。
communicate を「人と意思疎通する」の意味で使うときは with が必要です。前置詞がないと目的語の取り方が誤りです。
ひと皿の料理を囲み,それを分かち合うことによって,一体感が生まれ,困ったときに思わぬ友情に助けられることもある。
この文は「囲む・分ける→つながりを感じる→後に友情が助けになる」という順序です。When people gather ... and share ... を条件にし、主節を they begin to feel ... and they may find ... と置けば、長くても迷いません。「一体感」という名詞は how closely they are connected、「思わぬ友情」は friendship gives them help と、どちらも人がどうなるかへ開きます。原文の「こともある」は may で丁寧に残してください。
When people gather around one dish and share what is on it, they begin to feel how closely they are connected, and they may find that the friendship they have formed helps them when they are in trouble.
By sitting around the same dish and sharing the food, people can learn how much they have in common, and a friendship made there may later help them through a difficult time.
これでは料理が人を取り囲む意味になります。原文では人々が料理の周りに集まっています。
share each other では人間同士を分け合う奇妙な意味になります。分けるのは皿の上の食べ物です。
英語では感情を make で製造するようには言いません。人々がつながりを感じ始める、と人を主語にします。
原文では食事の共有が先にあり、そこで生まれた友情が後の困難で助けになります。because にすると、困っているから食べ物を分ける話になります。
原文は「助けられることもある」で、必ずでも常にでもありません。will always は内容を強めすぎています。
原文が述べるのは特定の意外な友人ではなく、食事を通して生まれた友情という関係の力です。人物へ変えると焦点がずれます。
Food is not simply something that fills our stomachs and gives our bodies what they need. It also gives us a way to communicate with other people and to learn what they think and feel. When people gather around one dish and share what is on it, they begin to feel how closely they are connected, and they may find that the friendship they have formed helps them when they are in trouble.
not simply で「腹と栄養だけではない」を受け、also で人を結ぶ別の役割へ進みました。what our bodies need、what other people think and feel、what is on the dish、how closely they are connected と、名詞のかたまりを四つの節に開いています。最後の may は「助けられることもある」の可能性を残す大事な語です。料理を囲む具体的な動作から友情の働きまで、原文の順番を崩さず運んでいます。
Food is not simply something that fills our stomachs and gives our bodies what they need. It can also bring people together and help them understand one another. By sitting around the same dish and sharing what they have, people learn how much they have in common. The friendship that starts there may later show them what help friends can give when life is hard.
媒体や一体感にぴったりの名詞が出なくても、bring people together、help them understand one another、learn how much they have in common と動作や変化で説明できます。「思わぬ」は later を入れ、食卓で生まれた友情が後の困難で役立つという時間差にしました。標準解より長いですが、食事の二つの役割と、共有から助けへ進む内容をすべて残しています。

「単に〜だけではない」
not only の対応に迷うとき、主語の働きがそれを超えると表せる便利な形です。後ろの動詞は主語に合う形へそろえてください。
物の中身を節に開く
栄養や共有物のように、ぴったりの名詞が難しいときは「必要なもの」「持っているもの」と説明できます。
手段や媒体を説明する
medium のような抽象名詞を避け、「人が〜する方法を与える」と動きのある文にできます。
行為から生まれる変化
「〜することによって、〜が生まれる」を、when 以下の行為と主節の変化に分ける形です。
つながりの強さを節で表す
一体感や関係の深さを一語にせず、「どれほど近く結ばれているか」と説明できます。
後になって気づく可能性
「思わぬ」「〜こともある」を、may と find that の組み合わせで自然に表せます。
人を結びつける
交流、行事、共通の経験などが人間関係を作る場面で広く使えます。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| fill | 満たす | fill our stomachs では身体の一部を目的語にし、前置詞は要りません |
| nutrition | 栄養 | 通常は数えない名詞です。ただし本問では what our bodies need と開くほうが安全です |
| communicate with | 〜と意思疎通する | 相手の人の前には with が必要です |
| bring together | 結びつける | bring people together の語順で、人を目的語の中央に置きます |
| gather around | 〜の周りに集まる | gather は人を主語にし、場所や物の前に around を置けます |
| dish | 皿、料理 | plate は主に器、dish は器だけでなく盛られた料理も指せます |
| share | 分かち合う | share food with 人、または人 share food の形で使います |
| be connected | 結びついている | connect は他動詞なので、人の状態は受け身の be connected にします |
| in trouble | 困って | 特定の一つの問題に限定しない慣用的な形で、冠詞は要りません |
京大の和文英訳では、1996年前期の子供の遊びが対人関係の学びになる文章や、1997年後期のインターネットが人を結ぶ文章のように、身近な物事の社会的な働きを説明させる問題が見られます。抽象的な日本語を、誰が何をしてどう感じるかへほどくのが有効です。
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