京都大学のロゴ 第Ⅲ問(1) 和文英訳 京都大学 1997
京都大学 1997年度 後期日程 · 英語

第Ⅲ問(1) 和文英訳
解答と解説

インターネットが、属性の違う人々を共通の関心で結ぶという文章です。難所は、国籍・性別・年齢・職業をregardless ofの後ろに同じ形で並べること、「関心事」をwhat they are interested inと節に開くこと、京都の学生とニューヨークの高齢女性という具体例を対等に置くことです。最後の垣根は本物の柵ではなく、人を隔てる社会的な壁だと分かる形にしてください。

難易度 ★★★★ 目安 22分 和文英訳 テーマ インターネットが越える人々の違い
1

問題

第Ⅲ問(1) 次の文を英訳しなさい。

インターネットは人々を、国籍、性別、年齢、職業などにいっさい関係なく、お互いの関心事を通じて結びつけます。例えば京都の大学生とニューヨークのおばあさんが知り合い、環境問題や物理学、編物や釣りについて語り合うこともできるわけです。人々を隔てていたさまざまな垣根が取り除かれようとしているのです。

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この問題で見られている力

  • connect people throughで結びつく共通項を示せるか
  • regardless ofの後ろに四属性を並列できるか
  • 関心事をwhat節に開いて難語を避けられるか
  • get to know each otherで知り合う変化を表せるか
  • 取り除かれようとしている進行中の受け身を残せるか
2

文ごとの解説

第 1 文

インターネットは人々を、国籍、性別、年齢、職業などにいっさい関係なく、お互いの関心事を通じて結びつけます。

つまずきやすいところ
  • The Internetには通例theを付けます
  • connect people throughで共通項を示します
  • ここが山場です。関心事はwhat they are interested inと開けます
  • no matter whatで属性が関係ないと示せます
  • 四項目の形をそろえて並べます
発想の切り替え

この文では、属性や関心を名詞の列に詰め込まず、実際に人々が何を共有し、どうつながるかを節で説明します。まず中心の動詞を決め、前置詞の後ろの形をそろえてください。具体例から結論へ進む文章全体の流れも確認し、インターネットが人を結ぶ側であることを保ちます。

訳例
標準

The Internet connects people through what they are interested in, no matter what their nationality, sex, age, or job may be.

別解

Through the Internet, people can find others who share what they care about, regardless of where they come from, whether they are men or women, how old they are, or what work they do.

この文でやりやすい誤り

Internetにtheを付けない

減点 小〜中
Internet connects people around the world.
The Internet connects people around the world.

世界的な通信網としてのInternetには通常theを付けます。 この一点だけを直した修正例と比べ、読み手が受け取る意味の差まで確かめてください。

through の後ろにofを重ねる

減点 大
The Internet connects people through of their shared interests.
The Internet connects people through their shared interests.

throughはそれだけで「〜を通じて」を表す前置詞なので、後ろにofを重ねることはできません。 この一点だけを直した修正例と比べ、読み手が受け取る意味の差まで確かめてください。

regardlessのofを落とす

減点 中
People meet regardless their age or job.
People meet regardless of their age or job.

regardlessはofと一組で名詞へつなぎます。 この一点だけを直した修正例と比べ、読み手が受け取る意味の差まで確かめてください。

nationalityをnationalとする

減点 中
It does not matter what their national is.
It does not matter what their nationality is.

nationalは国籍という属性名ではありません。 この一点だけを直した修正例と比べ、読み手が受け取る意味の差まで確かめてください。

この文の言いかえ
関係なく
regardless of原文の関係を最も明確に表せるおすすめの形です。
no matter what ...平易な語で意味を保てる別の正解です。
not related with意味または文の形がずれるため、この答案では使いません。
関心事を通じて
through what they are interested in原文の関係を最も明確に表せるおすすめの形です。
through shared interests平易な語で意味を保てる別の正解です。
by interesting things意味または文の形がずれるため、この答案では使いません。
結びつける
connect people原文の関係を最も明確に表せるおすすめの形です。
bring people together平易な語で意味を保てる別の正解です。
tie people意味または文の形がずれるため、この答案では使いません。
第 2 文

例えば京都の大学生とニューヨークのおばあさんが知り合い、環境問題や物理学、編物や釣りについて語り合うこともできるわけです。

つまずきやすいところ
  • 京都の大学生はa university student in Kyotoです
  • おばあさんは親族でないのでgrandmotherでなくelderly womanです
  • 知り合う変化はget to know each otherです
  • physicsは見た目が複数でも単数扱いです
  • 例示なのでcanで可能性を示します
発想の切り替え

この文では、属性や関心を名詞の列に詰め込まず、実際に人々が何を共有し、どうつながるかを節で説明します。まず中心の動詞を決め、前置詞の後ろの形をそろえてください。具体例から結論へ進む文章全体の流れも確認し、インターネットが人を結ぶ側であることを保ちます。

訳例
標準

For example, a university student in Kyoto and an elderly woman in New York can get to know each other and talk about environmental problems, physics, knitting, or fishing.

別解

This means, for example, that a student in Kyoto may meet an older woman in New York online and discover how much they can share when they discuss the environment, physics, knitting, and fishing.

この文でやりやすい誤り

京都大学の学生と決める

減点 大
A Kyoto University student can meet an elderly woman online.
A university student in Kyoto can meet an elderly woman online.

原文は京都にいる大学生で、京都大学所属とは書いていません。 この一点だけを直した修正例と比べ、読み手が受け取る意味の差まで確かめてください。

学生の祖母に変える

減点 大
A student can meet his grandmother in New York.
A student can meet an elderly woman in New York.

his grandmotherでは学生自身の祖母になり、見知らぬ二人という例が消えます。 この一点だけを直した修正例と比べ、読み手が受け取る意味の差まで確かめてください。

知り合う変化を落とす

減点 中
They can know each other on the Internet.
They can get to know each other on the Internet.

knowは知っている状態です。初めて知り合うならget to knowです。 この一点だけを直した修正例と比べ、読み手が受け取る意味の差まで確かめてください。

physicsを複数扱いする

減点 中
Physics are one thing they can discuss.
Physics is one thing they can discuss.

physicsは語尾がsでも学問名として単数扱いです。 この一点だけを直した修正例と比べ、読み手が受け取る意味の差まで確かめてください。

knitを名詞位置に置く

減点 中
They can talk about knit and fishing.
They can talk about knitting and fishing.

aboutの後ろには名詞が必要で、活動名はknittingです。 この一点だけを直した修正例と比べ、読み手が受け取る意味の差まで確かめてください。

この文の言いかえ
知り合う
get to know each other原文の関係を最も明確に表せるおすすめの形です。
meet online平易な語で意味を保てる別の正解です。
know each other意味または文の形がずれるため、この答案では使いません。
おばあさん
an elderly woman原文の関係を最も明確に表せるおすすめの形です。
an older woman平易な語で意味を保てる別の正解です。
his grandmother意味または文の形がずれるため、この答案では使いません。
語り合う
talk about原文の関係を最も明確に表せるおすすめの形です。
discuss平易な語で意味を保てる別の正解です。
discuss about意味または文の形がずれるため、この答案では使いません。
第 3 文

人々を隔てていたさまざまな垣根が取り除かれようとしているのです。

つまずきやすいところ
  • 垣根は比喩なのでbarriersとします
  • 過去に隔てていたはthat once kept people apartです
  • 取り除かれるは受け身be removedです
  • 〜ようとしているはare beginning toで変化の始まりを残します
  • In this wayで具体例から結論へ戻します
発想の切り替え

この文では、属性や関心を名詞の列に詰め込まず、実際に人々が何を共有し、どうつながるかを節で説明します。まず中心の動詞を決め、前置詞の後ろの形をそろえてください。具体例から結論へ進む文章全体の流れも確認し、インターネットが人を結ぶ側であることを保ちます。

訳例
標準

In this way, the many barriers that once kept people apart are beginning to be removed.

別解

We can now see how barriers of many kinds are coming down and what the Internet is changing about the distance between people.

この文でやりやすい誤り

垣根を庭の柵にする

減点 大
Many garden fences between people are being removed.
Many barriers between people are being removed.

実際の庭の柵の撤去になり、社会的な隔たりという比喩が消えます。 この一点だけを直した修正例と比べ、読み手が受け取る意味の差まで確かめてください。

この文の言いかえ
垣根
barriers between people原文の関係を最も明確に表せるおすすめの形です。
walls that kept people apart平易な語で意味を保てる別の正解です。
garden fences意味または文の形がずれるため、この答案では使いません。
取り除かれようとしている
are beginning to be removed原文の関係を最も明確に表せるおすすめの形です。
are slowly coming down平易な語で意味を保てる別の正解です。
will remove意味または文の形がずれるため、この答案では使いません。
3

模範解答

標準解

まずここを目標にhow節 ×1 / what節 ×380語

The Internet connects people through what they are interested in, no matter what their nationality, sex, age, or job may be. For example, a university student in Kyoto and an elderly woman in New York can get to know each other and talk about environmental problems, physics, knitting, or fishing. Such a meeting shows how people can share what they care about across distance. In this way, the many barriers that once kept people apart are beginning to be removed.

標準解は、属性を越えること、共通の関心、具体的な二人、取り除かれる垣根の順を守っています。関心事はwhat節に開き、国籍などはno matter whatで説明しました。難しい情報技術の語は必要ありません。connectの主語と、get to knowの相互関係を確認し、原文の希望を含む進行中の変化まで書いてください。見直しでは、四つの属性と四つの話題をただ列挙しただけになっていないか確認してください。前半では国籍などが出会いを妨げないこと、後半では環境問題から釣りまで幅の広い関心が共通点になることが対になっています。京都の学生を京都大学生と決めたり、ニューヨークの女性をその学生の祖母にしたりすると、原文にない関係を足すことになります。最後のbarriersは過去に人々を隔てていたものなので、once kept people apartまで書くと比喩が明確です。

説明を足した解

書けなかったときの逃げ道how節 ×2 / what節 ×377語

Through the Internet, people can find others who share what they care about, regardless of where they come from, whether they are men or women, how old they are, or what work they do. A student in Kyoto may meet an older woman in New York and find out how much they can discuss, from the environment and physics to knitting and fishing. We can see what is happening: old barriers between people are slowly coming down.

こちらは国籍などを一語ずつ並べず、where they come from、how old they are、what work they doと普段の語にほどきました。「おばあさん」も学生の祖母だと誤解されないolder womanにしています。少し長くても、属性の違いと共通点の両方が明確です。垣根はcome downと動作で表せば、受け身が苦手でも自然に結べます。この問題の列挙には役割があります。国籍などは人々を分けてきた条件、環境問題などは人々を結びうる共通の話題です。両方をandだけで平らに並べず、regardless ofとthroughを使い分けてください。具体例のあとにIn this wayで一般論へ戻すと、最後の「垣根が取り除かれようとしている」が突然の話題転換になりません。進行中の希望をslowlyやbeginningで残すことも大切です。

6

他の問題にも使える形

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regardless of + 名詞最重要

〜に関係なく

年齢や仕事など、影響しない条件を同じ形で並べます。ofまで一組です。 別の和文英訳でも、条件・関心・人間関係を説明するときに再利用してください。

年齢に関係なく → regardless of age
天候に関係なく → regardless of the weather
no matter what S be最重要

何であっても

属性の中身をwhat節に開き、難しい名詞を避けられます。 別の和文英訳でも、条件・関心・人間関係を説明するときに再利用してください。

国籍が何であっても → no matter what their nationality is
理由が何でも → no matter what the reason is
what S be interested in最重要

Sの関心事

普段のbe interested inをwhat節で包む安全な形です。 別の和文英訳でも、条件・関心・人間関係を説明するときに再利用してください。

互いの関心事 → what they are interested in
彼の関心事 → what he is interested in
get to know each otherよく使う

互いに知り合う

get toで状態への変化を、each otherで相互関係を表します。 別の和文英訳でも、条件・関心・人間関係を説明するときに再利用してください。

二人は知り合える → They can get to know each other.
旅で知り合った → We got to know each other on the trip.
from A to Bよく使う

話題の幅を示す

場所だけでなく列挙する話題の広がりにも使えます。 別の和文英訳でも、条件・関心・人間関係を説明するときに再利用してください。

環境から釣りまで → from the environment to fishing
歴史から音楽まで → from history to music
barriers that keep A apartよく使う

Aを隔てる壁

比喩のbarriersが何をしてきたかを関係節で説明できます。 別の和文英訳でも、条件・関心・人間関係を説明するときに再利用してください。

人々を隔てる壁 → barriers that keep people apart
二国を隔てる壁 → barriers that keep two countries apart
7

この問題の語彙

表現意味ひとこと
nationality国籍形容詞nationalと区別します 前後の語との結びつきも一緒に覚えてください。
regardless of〜に関係なくofまで含めます 前後の語との結びつきも一緒に覚えてください。
interest関心事what節にも開けます 前後の語との結びつきも一緒に覚えてください。
elderly年配の親族関係は含みません 前後の語との結びつきも一緒に覚えてください。
get to know知り合う状態への変化です 前後の語との結びつきも一緒に覚えてください。
physics物理学単数扱いです 前後の語との結びつきも一緒に覚えてください。
knitting編物活動名のing形です 前後の語との結びつきも一緒に覚えてください。
barrier障壁、垣根比喩に使えます 前後の語との結びつきも一緒に覚えてください。
8

出題の傾向

1997年前期(1)は旅人の心、同年前期(2)は家庭訪問、1998年後期(2)はあいさつの慣習を扱います。人と人がどう結びつき、文化や距離の違いが関係にどう働くかを、具体例から一般論へ広げる問題が続いています。

学習の成果を喜ぶ Boost のキャラクター Boo

この問題を解いて添削してもらう

解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。

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