京都大学のロゴ 第Ⅲ問(1) 和文英訳 京都大学 1998
京都大学 1998年度 後期日程 · 英語

第Ⅲ問(1) 和文英訳
解答と解説

目が疲れる原因を説明し、最後に具体的な助言をする実用文です。差がつくのは、「近くにあるもの」をwhat is close to usという節で表すこと、六メートル以内という範囲をwithinで示すこと、そして目の筋肉の緊張が高まるという因果関係を自然な主語で組み直すことです。命令の響きを強くしすぎず、休ませるようにしましょうという勧めまで丁寧に訳してください。

難易度 ★★★★ 目安 20分 和文英訳 テーマ 近くを見る作業と目の休ませ方
1

問題

第Ⅲ問(1) 次の文を英訳しなさい。

近くにあるものを長い間見つめることは、目を疲れさせる原因となります。およそ6メートル以内にあるものを見るときには、目の筋肉の緊張が高まるためです。コンピュータを使うときや、読書や工作のように近くにあるものを見続けなければならないときは、ときどき遠くにあるものを見て目を休ませるようにしましょう。

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この問題で見られている力

  • 「見つめる」をlookではなくkeep looking atやstare atで表せるか
  • 「原因となる」をcauseだけに頼らずmake our eyes tiredと書けるか
  • 「6メートル以内」をwithin about six metersと正しく置けるか
  • 筋肉が緊張する因果をbecauseで明確に示せるか
  • 最後の勧めをshouldやtry toで自然に表せるか
2

文ごとの解説

第 1 文

近くにあるものを長い間見つめることは、目を疲れさせる原因となります。

つまずきやすいところ
  • ここが山場です。長い主語はKeeping our eyes on ...という動名詞句にします
  • 「近くにあるもの」はwhat is close to usと節に開けます
  • eyesを受ける代名詞はthemです
  • cause fatigueのような硬い名詞は不要です
  • for a long timeで継続時間を残します
発想の切り替え

この文では「近くにあるものを長い間見つめることは…」を、英語で誰が何をするかに組み直します。日本語の語順を守ろうとせず、まず中心の動詞を決め、その後で時間・理由・様子を足すと安定します。訳例の形だけを覚えるのではなく、なぜその主語と動詞になるかまで確認してください。

訳例
標準

Keeping our eyes on what is close to us for a long time can make them tired.

別解

If we continue to look at things that are near us for a long time, our eyes become tired.

この文でやりやすい誤り

stareの後ろのatを落とす

減点 中
Looking what is near us for a long time makes our eyes tired.
Looking at what is near us for a long time makes our eyes tired.

lookを他動詞のように直接目的語へつなげています。対象を見るならlook atが必要です。 この誤りだけを直せば文のほかの部分はそのまま使えるので、答案ではまずこの一点を確認してください。

eyesを単数にする

減点 中
Looking at nearby things for a long time makes our eye tired.
Looking at nearby things for a long time makes our eyes tired.

一般の人の両目について述べるのでeyesと複数にします。単数では片方の目だけの話になります。 この誤りだけを直せば文のほかの部分はそのまま使えるので、答案ではまずこの一点を確認してください。

tiredの代わりにtiringを置く

減点 大
Looking at nearby things for a long time makes our eyes tiring.
Looking at nearby things for a long time makes our eyes tired.

tiringは人や物を疲れさせる側です。目が疲れた状態なのでtiredを使います。 この誤りだけを直せば文のほかの部分はそのまま使えるので、答案ではまずこの一点を確認してください。

この文の言いかえ
近くにあるもの
what is close to us節に開く最も明確な形です
nearby things短くまとめる形です
near things名詞の前ではnearbyが自然です
長い間見つめる
keep looking at ... for a long time継続と対象を正確に出せます
stare at ... for a long time一点をじっと見る響きです
see ... long time前置詞forがなく継続も表せません
目を疲れさせる
make our eyes tired平易で誤りにくい形です
cause eye strainやや専門的ですが意味は正確です
make our eyes tiring目が疲れさせる側になるので不可です
第 2 文

およそ6メートル以内にあるものを見るときには、目の筋肉の緊張が高まるためです。

つまずきやすいところ
  • This is becauseで前文の理由を受けます
  • 目の筋肉はthe muscles in our eyesです
  • withinは距離の範囲内を示します
  • 緊張が高まるはhave to work harderと結果で説明できます
  • when節の中に主節を入れ忘れないようにします
発想の切り替え

この文では「およそ6メートル以内にあるものを見る…」を、英語で誰が何をするかに組み直します。日本語の語順を守ろうとせず、まず中心の動詞を決め、その後で時間・理由・様子を足すと安定します。訳例の形だけを覚えるのではなく、なぜその主語と動詞になるかまで確認してください。

訳例
標準

This is because the muscles in our eyes have to work harder when we look at what is within about six meters of us.

別解

The reason is that when we look at things less than about six meters away, we can feel how the muscles in our eyes become tense.

この文でやりやすい誤り

距離のwithinをuntilにする

減点 大
The object is until about six meters from us.
The object is within about six meters of us.

untilは時の終点を示し、空間の範囲には使えません。六メートル以内はwithinです。 この誤りだけを直せば文のほかの部分はそのまま使えるので、答案ではまずこの一点を確認してください。

muscleを可算扱いしない

減点 中
The muscle in our eyes work harder.
The muscles in our eyes work harder.

主語muscleが単数ならworksですが、両目の複数の筋肉を一般的に述べるのでmuscles workが自然です。 この誤りだけを直せば文のほかの部分はそのまま使えるので、答案ではまずこの一点を確認してください。

becauseだけで文を終える

減点 大
Because the muscles in our eyes have to work harder.
This is because the muscles in our eyes have to work harder.

because節だけでは理由を示す従属節のままで、完全な文になりません。前文を受けるThis isを補います。 この誤りだけを直せば文のほかの部分はそのまま使えるので、答案ではまずこの一点を確認してください。

この文の言いかえ
6メートル以内
within about six meters範囲内を一語で示せます
less than about six meters away比較で説明する形です
until six metersuntilは時間用なので使えません
緊張が高まる
have to work harder筋肉への負担として説明できます
become tense原文に近い形です
rise their tension筋肉を主語にした自然な形になりません
第 3 文

コンピュータを使うときや、読書や工作のように近くにあるものを見続けなければならないときは、ときどき遠くにあるものを見て目を休ませるようにしましょう。

つまずきやすいところ
  • computerには可算名詞の冠詞aが必要です
  • 読書や工作はwhile reading or making somethingと行動に開けます
  • 「見続ける」はkeep looking atです
  • 目を休ませる手段はby lookingでつなぎます
  • 遠くにあるものもwhat is far awayと節にできます
  • 助言なのでshouldで十分で、強いmustは避けます
発想の切り替え

この文では「コンピュータを使うときや、読書や工作…」を、英語で誰が何をするかに組み直します。日本語の語順を守ろうとせず、まず中心の動詞を決め、その後で時間・理由・様子を足すと安定します。訳例の形だけを覚えるのではなく、なぜその主語と動詞になるかまで確認してください。

訳例
標準

When we use a computer or have to keep looking at what is near us while reading or making something, we should sometimes rest our eyes by looking at what is far away.

別解

If our work makes us focus on nearby things, as reading and handwork do, it is a good idea to look into the distance from time to time so that our eyes can rest.

この文でやりやすい誤り

keepの後ろを原形にする

減点 中
We have to keep look at nearby things.
We have to keep looking at nearby things.

keepの後ろで行動の継続を表すときはlookingというing形にします。 この誤りだけを直せば文のほかの部分はそのまま使えるので、答案ではまずこの一点を確認してください。

workを「工作」の意味で無冠詞単数にする

減点 小〜中
We look at nearby things when we do a work.
We look at nearby things when we make something.

workは一般的な作業なら不可算で、a workとはしません。ここではmaking somethingと具体的にできます。 この誤りだけを直せば文のほかの部分はそのまま使えるので、答案ではまずこの一点を確認してください。

目を休ませるをsleepで表す

減点 大
We should sometimes make our eyes sleep.
We should sometimes rest our eyes.

目そのものが眠るとは言いません。視線を遠くへ移して負担を減らすのでrest our eyesを使います。 この誤りだけを直せば文のほかの部分はそのまま使えるので、答案ではまずこの一点を確認してください。

byの後ろを原形にする

減点 中
We can rest our eyes by look at something far away.
We can rest our eyes by looking at something far away.

前置詞byの後ろには名詞相当のlookingを置きます。 この誤りだけを直せば文のほかの部分はそのまま使えるので、答案ではまずこの一点を確認してください。

この文の言いかえ
見続ける
keep looking at基本の継続表現です
continue to look atこれでも正解です
keep to look atkeepの後ろはdoingなので使えません
ときどき
from time to time自然なまとまりです
sometimes一語で十分です
at some timeいつか一度という意味にずれます
目を休ませる
rest our eyes最も簡単で自然です
give our eyes a rest目的語を明示する言い方です
make our eyes sleep目が眠るとは言わないため不可です
3

模範解答

標準解

まずここを目標にwhat節 ×474語

Keeping our eyes on what is close to us for a long time can make them tired. This is because the muscles in our eyes have to work harder when we look at what is within about six meters of us. When we use a computer or have to keep looking at what is near us while reading or making something, we should sometimes rest our eyes by looking at what is far away.

標準解では、この問題の中心となる内容をやさしい動詞で順番に運び、名詞に詰め込みやすい部分をhow節・what節に開きました。語数を短くすることより、誰が何をし、その結果がどうなるかを読み手が一度で追えることを優先しています。原文の調子も落とさず、冠詞・時制・単複を一文ずつ確認した形です。まずはこの程度の平易さと正確さを目標にしてください。

説明を足した解

書けなかったときの逃げ道how節 ×2 / what節 ×176語

If we continue to look at things that are near us for a long time, our eyes become tired. The reason is that when we look at things less than about six meters away, we can feel how the muscles in our eyes become tense. If we know how long we must focus on nearby things, we should also remember what we can do to rest our eyes: look into the distance from time to time.

こちらは一語の対応が思いつかない箇所を、具体的な動作や状態にほどいた答案です。長くなっても、原文の因果関係と話し手の意図が保たれていれば十分に評価されます。名詞を無理に探すより、how / what / whenなどで「どのようなことか」を説明してください。本番でも、知っている語を正しく組み合わせるこの方法なら最後まで安全に書けます。

6

他の問題にも使える形

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keep doingよく使う

動作を続ける

継続して同じ動作をする場面で使います。keepの後ろは原形ではなくing形だと確認してください。 この問題だけの決まりではなく、別の和文英訳でも同じ関係が出たときに使えます。例文を声に出し、形の変わらない部分を確かめてください。

近くを見続ける → keep looking at nearby things
練習を続ける → keep practicing
make O + 形容詞最重要

Oをある状態にする

原因と結果を平易に結ぶ形です。形容詞をing形と取り違えないようにします。 この問題だけの決まりではなく、別の和文英訳でも同じ関係が出たときに使えます。例文を声に出し、形の変わらない部分を確かめてください。

目を疲れさせる → make our eyes tired
知らせは彼を幸せにした → The news made him happy.
what is + 場所表現最重要

そこにあるものを節に開く

「近くにあるもの」の名詞を探さず、what節で場所との関係を説明できます。 この問題だけの決まりではなく、別の和文英訳でも同じ関係が出たときに使えます。例文を声に出し、形の変わらない部分を確かめてください。

近くにあるもの → what is close to us
机の上にあるもの → what is on the desk
This is because S Vよく使う

前文の理由を示す

becauseだけで文を始めて終えず、This isで前の内容を受けると完全な文になります。 この問題だけの決まりではなく、別の和文英訳でも同じ関係が出たときに使えます。例文を声に出し、形の変わらない部分を確かめてください。

筋肉が働くためです → This is because the muscles work.
遅れたのは電車が止まったためです → This is because the train stopped.
within + 距離よく使う

範囲内を示す

時間にも距離にも使えるwithinですが、ここでは自分からの距離をof usまで書くと明確です。 この問題だけの決まりではなく、別の和文英訳でも同じ関係が出たときに使えます。例文を声に出し、形の変わらない部分を確かめてください。

約六メートル以内 → within about six meters
一キロ以内 → within one kilometer
by doingよく使う

手段を表す

何をすることで目的を達成するかを示します。前置詞の後ろなので必ずing形です。 この問題だけの決まりではなく、別の和文英訳でも同じ関係が出たときに使えます。例文を声に出し、形の変わらない部分を確かめてください。

遠くを見て目を休める → rest our eyes by looking far away
毎日読んで学ぶ → learn by reading every day
7

この問題の語彙

表現意味ひとこと
nearby近くの名詞の前に一語で置けます 品詞と前置詞まで一緒に覚えると、本番で別の形と混ざりにくくなります。
stare at〜をじっと見る対象の前にatが必要です 品詞と前置詞まで一緒に覚えると、本番で別の形と混ざりにくくなります。
tired疲れた疲れさせる側のtiringと区別します 品詞と前置詞まで一緒に覚えると、本番で別の形と混ざりにくくなります。
within〜以内に距離の終点を示すuntilとは違います 品詞と前置詞まで一緒に覚えると、本番で別の形と混ざりにくくなります。
muscle筋肉複数の筋肉ならmusclesです 品詞と前置詞まで一緒に覚えると、本番で別の形と混ざりにくくなります。
tense緊張した人だけでなく筋肉の状態にも使えます 品詞と前置詞まで一緒に覚えると、本番で別の形と混ざりにくくなります。
from time to timeときどきsometimesと同じ働きをします 品詞と前置詞まで一緒に覚えると、本番で別の形と混ざりにくくなります。
rest one's eyes目を休ませるone'sを主語に合わせてourなどに変えます 品詞と前置詞まで一緒に覚えると、本番で別の形と混ざりにくくなります。
8

出題の傾向

1998年前期(2)は野球を通じた成長、同年後期(2)はあいさつの長さを扱っています。身近な行動を観察し、理由や助言まで論理的に英語へ移すのがこの時期の京大の特徴です。この問題では医学用語より、近くを見ると目がどう働くかを平易に説明する力が試されています。

学習の成果を喜ぶ Boost のキャラクター Boo

この問題を解いて添削してもらう

解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。

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