あいさつを単なる声かけではなく、身ぶりやことばを慣習的に交換し、互いの地位や親しさを確かめる社会的な行為として説明する文章です。第2文では、日常的に会う相手には活動を止めず、しばらく会っていない知人には離れていた期間に応じて長くあいさつするという対比と比例を同時に表す必要があります。「地位」「親しさの度合い」「その分だけ」を名詞のまま重ねず、what position、how close、how long の節に開くことが山場です。
あいさつというのは、身ぶりやことばの慣習的な交換のことであり、それによってたがいの地位や親しさの度合いなどが確認される。多くの社会では、しばしば、顔を合わす間柄やたんな顔見知りのあいだでは、そのために立ちどまって、ほかの活動を一時停止することはないが、反対にしばらくあわなかった知人に出あうと、その分だけあいさつに時間をかけるのが一般的である。
解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。
アプリでこの問題を解く 無料で1日2回まで添削できますあいさつというのは、身ぶりやことばの慣習的な交換のことであり、それによってたがいの地位や親しさの度合いなどが確認される。
この文は、あいさつが何であるかと、それが何のために働くかの二段構成です。最初に A greeting is a usual exchange ... と定義し、その exchange を through which で受けます。「地位」「親しさの度合い」を status and degree of intimacy と固めると硬くなるため、各人がどんな立場にあり、どれほど近い関係かを確認する、と what と how の節で説明してください。
A greeting is a usual exchange of gestures or words through which people confirm what position each person holds and how close they are to each other.
When people greet each other, they exchange certain gestures or words in the usual way, and this helps them understand what their relationship is and how well they know each other.
ここでの exchange は、一回の「交換」を表す可算名詞です。単数形の前に冠詞が必要なので、an exchange of gestures or words とします。
body language は姿勢や表情全体を指し、あいさつとして交わす個々の身ぶりとは少しずれます。またことばは一語とは限らないので a word も狭すぎます。
traditional だと、古くから受け継がれた伝統的儀式のように聞こえます。原文は日常で決まって行われる型を指しているため、usual や in the usual way が合います。
place では物理的な場所や席順のように聞こえ、社会的な関係の中での立場が伝わりません。名詞を探すより、各人がどんな立場にあるかと節に開きます。
be familiar with は人や物をよく知っているという意味ですが、be familiar to は相手から見て見覚えがあるという意味です。ここでは相互の関係の近さを述べています。
多くの社会では、しばしば、顔を合わす間柄やたんな顔見知りのあいだでは、そのために立ちどまって、ほかの活動を一時停止することはないが、反対にしばらくあわなかった知人に出あうと、その分だけあいさつに時間をかけるのが一般的である。
日本語の一文を英語でも一文に保つ必要はありません。まず「よく会う人や顔見知りには活動を止めない」と書き、次に In contrast で「久しぶりの知人には長く時間をかける」へ移ります。「立ちどまる」と「活動を一時停止する」はほぼ同じ場面なので、stop what they are doing と一つにまとめます。最後の「その分だけ」は単なる for a long time ではなく、離れていた期間が長いほどあいさつも長い、という how long の関係です。
In many societies, people often do not stop what they are doing just to greet those whom they see regularly or merely know by sight. In contrast, when they meet someone they know but have not seen for some time, they generally spend more time greeting that person according to how long they have been apart.
In many societies, people usually continue what they are doing when they meet someone they often see or only know by sight. However, if they meet someone they know but have not seen for a while, it is common for them to make the greeting longer depending on how long it has been since they last met.
where は場所を受ける語なので、人を表す those には使えません。ここでは目的格の whom を使い、those whom they see regularly とします。
acquaintance はそれだけで「知人」という人を表す名詞なので、後ろに person を置きません。「たんな顔見知り」なら a mere acquaintance とします。
stop を二度並べても二つの別行動にはならず、ぎこちない反復になります。原文は、あいさつのために今していることを中断する場面を詳しく述べています。
会っていなかった期間は、今その人に会う時点まで続いています。単純過去だと、その期間と現在の再会のつながりが弱くなります。
これでは単に長くあいさつするだけです。原文は、会わなかった期間が長いほど、あいさつにも時間をかけるという対応関係を述べています。
A greeting is a usual exchange of gestures or words through which people confirm what position each person holds and how close they are to each other. In many societies, people often do not stop what they are doing just to greet those whom they see regularly or merely know by sight. In contrast, when they meet someone they know but have not seen for some time, they generally spend more time greeting that person according to how long they have been apart.
第1文では「地位」と「親しさの度合い」を what position each person holds と how close they are に開きました。第2文でも「活動」を what they are doing、「会わなかった期間」を how long they have been apart と節にしています。合計4個のhow/what節があり、硬い社会学用語を使わなくても、あいさつが関係を確認する働きと、離れていた期間に応じて長くなる性質を正確に書けます。長い原文は英語で三文に分けて大丈夫です。
When people greet each other, they exchange certain gestures or words in the usual way. By doing so, they can understand what their relationship is and how well they know each other. In many societies, people usually continue what they are doing when they meet someone they often see or only know by sight. However, if they meet someone they know but have not seen for a while, it is common for them to make the greeting longer depending on how long it has been since they last met.
こちらは定義文を二文に分け、through which の代わりに By doing so を使った版です。「地位」を広く what their relationship is と言いかえ、顔見知りと久しぶりの知人の違いも usually / However で見えるようにしました。according to が出なければ depending on how long ... で比例を示せます。日本語の長い一文をそのまま抱え込まず、意味のまとまりごとに短く切ると、主語と動詞の対応を崩さずに書けます。

定義と働きを一文でつなぐ
まず物事を定義し、次にそれを通じて何が起こるかを説明する形です。説明文の冒頭をすっきり組み立てられます。
地位や役割を節に開く
position や role を名詞だけで置くより、誰がどんな立場にあるのかを節で示すと、関係が明確になります。
程度を名詞にせず表す
「親しさの度合い」「期間の長さ」などは degree や length を探さず、how close / how long と節に開けます。
活動を止めて別の行動をする
「活動の中断」のような硬い名詞を使わず、今していることを止める、と what 節で書けます。just to を使えば「そのためだけに」も表せます。
現在まで会っていない期間を表す
過去のある時点から今の再会まで会っていないため、現在完了を使います。for some time / for a while を添えて期間を示します。
「その分だけ」の比例を残す
ある量に応じて別の量が変わることを示します。単に more や long と書くだけでは消える対応関係を、how 節まで含めて明示できます。
二つの習慣を対比する
前の相手にはしないが、別の相手にはする、という違いを読み手にはっきり見せます。長文では対比の印を文頭に置くと安全です。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| greeting | あいさつ | 一回のあいさつなら可算名詞なので a greeting とします |
| gesture | 身ぶり | この文では複数の型を指すので gestures が自然です |
| exchange | 交換、やり取り | 名詞なら an exchange of A、動詞なら exchange A の形です |
| position | 立場、地位 | 物理的な位置にも使うため、この問題では what position each person holds と関係を明示します |
| close | 親しい | 人間関係では be close to 人 の形です。距離が近い意味にもなるので文脈を確認してください |
| regularly | 日常的に、定期的に | regular は形容詞です。see を修飾するときは regularly にします |
| know by sight | 顔だけは知っている | know someone by sight の語順で使います。顔見知りでも親しいとは限りません |
| be apart | 離れている | 期間は how long S have been apart と現在完了で表せます |
京大後期の和文英訳には、1997年の問題や1998年のこの問題、1999年の後期問題のように、文化・社会の習慣を分析する説明文が見られます。この問題は一文が長く、「あいさつの定義」「日常的に会う相手」「久しぶりに会う知人」という情報のまとまりを先に見抜く必要があります。語彙の難しさよりも、関係を through which、while、in contrast、according to などで整理する力が問われるタイプです。
解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。
アプリでこの問題を解く iOS · Android · Web で使えます問題文と模範解答をまとめた質問文を用意しました。いつも使っている AI を選ぶと、質問文がコピーされた状態でそのサービスが開きます。
添削そのものは Boost アプリのほうが得意です。AI には「なぜこの訳になるの?」のような、解説の追加質問を投げるのがおすすめです。