京都大学のロゴ 第Ⅲ問(2) 和文英訳 京都大学 2002
京都大学 2002年度 後期日程 · 英語

第Ⅲ問(2) 和文英訳
解答と解説

会話の調子と出来事の時間順序を同時に守る問題です。「勉強がはかどった」は直訳せず must have got a lot of studying done と過去への推量にします。「ところが」「それが」は actually / the thing is で相手の予想を裏切る流れを作れます。後半では読書中に止められなくなり、夜中に読み終え、その後も頭がさえて明け方まで眠れなかったという順番があります。how deeply I got into it、what happened next、how to settle down のような節で熱中の中身を説明します。会話問題では、各発話を単独で訳すだけでなく、相手の予想がどう外れるかを追います。外出しなかったと聞いた相手は勉強が進んだと推測しますが、実際には本を途中でやめられませんでした。さらに推理小説だという予想は当たりつつ、想像以上に熱中して眠れなかったと続きます。Then、Actually、Let me guess、Yes の働きを意識すると、会話が途切れません。時刻の線も書き出してみてください。昨日の日中に読み始め、夜中に読み終え、明け方まで眠れなかったという順です。must have は相手の過去への推量、could not stop と could not sleep は本人が語る過去の事実です。この二種類を混同しなければ、口語でも時制の正確な答案になります。発話の自然さを確かめるには、英訳を声に出して質問と答えがつながるかを確認してください。Did you ...? に No で答え、Then で推測し、Actually で訂正する流れは特に重要です。推理小説は mystery だけで一冊の本を指せるので mystery novel と重ねる必要はありません。最後の until dawn は眠れない状態が明け方まで続いた終点を示します。by dawn にすると明け方までのどこかで眠った可能性が出るため、ここでは until が適切です。途中でやめられないは couldn't stop halfway、読み終えるは finished the book、眠り始められないは couldn't get to sleep と、三つの stop / finish / sleep を区別します。couldn't stop to read とすると読むために立ち止まれない意味になるため注意してください。会話全体の面白さは、この三段階が時間順に正確に並ぶことで伝わります。

難易度 ★★★★ 目安 25分 和文英訳 テーマ 試験前に読みふけった推理小説
1

問題

第Ⅲ問(2) 次の文を英訳しなさい。

「昨日の休日はどこかへ出かけたの?」「試験前だし,一日中,家にいたよ。」「じゃあ,ずいぶん勉強がはかどったんでしょうね。」「ところが,本を読んでいるうちに,途中でやめられなくなったんだ。」「そんなに面白い本だったの?どうせまた推理小説でしょう。」「それが,すっかり引き込まれてね。夜中に読み終えても,頭がさえてとうとう明け方まで眠れなかったよ。」

答案を書くようすすめる Boost のキャラクター Boo

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この問題で見られている力

  • day off と yesterday の自然な語順
  • 試験が近いことを現在進行形で背景として示す力
  • must have + 過去分詞で相手の過去を推量する力
  • get so interested that ... で途中でやめられない結果を示す力
  • finish reading と finish the book の使い分け
  • wide awake と until dawn で読後の覚醒を表す力
2

文ごとの解説

第 1 文

「昨日の休日はどこかへ出かけたの?」

つまずきやすいところ
  • 「休日」は day off とし、holiday の大きな休暇と区別できます
  • go anywhere で疑問文・否定文の『どこか』を表します
  • yesterday は文末に置くと自然です
  • Did you ...? と過去形で一日の行動を尋ねます
  • 会話なので主語 you を省略しません
発想の切り替え

日本語の『昨日の休日』を yesterday's holiday と固めるより、on your day off yesterday と状況をほどくと自然です。

訳例
標準

Did you go anywhere on your day off yesterday?

別解

Did you go out at all yesterday, since it was your day off?

この文でやりやすい誤り

day off に on を付けない

減点 中
Did you go anywhere your day off yesterday?
Did you go anywhere on your day off yesterday?

特定の日に何をしたかを尋ねるので on your day off と前置詞が必要です。

この文の言いかえ
休日
a day offこの文脈ではこれが最も素直です。仕事や学校が休みの日には day off が自然です。
a free day少し説明的になりますが、意味を保った正しい言いかえです。
a holiday day日本語の形に引かれた不自然な形なので、この答案では使いません。
第 2 文

「試験前だし,一日中,家にいたよ。」

つまずきやすいところ
  • 試験が近い背景は the exam is coming up と現在進行形で表せます
  • Since で家にいた理由を先に示します
  • all day と all the day を混同しません
  • stay home では home の前に at を置かない形も自然です
  • 会話の短い否定 No を足すと応答が滑らかです
発想の切り替え

『試験前』を before the examination とだけ置くと、どれほど近いかがぼやけます。coming up なら目前に迫る感じが出ます。

訳例
標準

No. Since the exam is coming up, I stayed home all day.

別解

No, I was at home all day because I have an exam soon.

この文でやりやすい誤り

否定返答で anywhere を使わない

減点 大
No, I went somewhere because the exam is near.
No, I stayed home because the exam is near.

somewhere は実際にどこかへ行った意味です。家にいた返答なら go nowhere または stayed home とします。

all day に the を入れる

減点 小
I stayed home all the day.
I stayed home all day.

『一日中』の決まった副詞句は all day です。all the day は通常使いません。

この文の言いかえ
試験前
the exam is coming upこの文脈ではこれが最も素直です。近づく状況を文で表せます。
I have an exam soon少し説明的になりますが、意味を保った正しい言いかえです。
before of the exam日本語の形に引かれた不自然な形なので、この答案では使いません。
一日中
all dayこの文脈ではこれが最も素直です。冠詞なしの決まった形です。
the whole day少し説明的になりますが、意味を保った正しい言いかえです。
all the day日本語の形に引かれた不自然な形なので、この答案では使いません。
第 3 文

「じゃあ,ずいぶん勉強がはかどったんでしょうね。」

つまずきやすいところ
  • 相手の過去への推量なので must have + 過去分詞を使います
  • ここが山場です。「はかどる」は get a lot of studying done と成果に開きます
  • Then で前の返答からの推論を示します
  • study much は不自然なので a lot を使います
  • 付加疑問を無理に付けず、肯定文だけでも会話になります
発想の切り替え

勉強した時間ではなく、かなり進んだ成果を推測しています。must have studied hard でも近いのですが、get ... done のほうが『はかどる』を正確に残せます。

訳例
標準

Then you must have got a lot of studying done.

別解

So I guess you made good progress with your studies.

この文でやりやすい誤り

過去への推量を must study で書く

減点 大
Then you must study a lot.
Then you must have studied a lot.

must study は今後の義務です。昨日はかどったという推量には must have + 過去分詞を使います。

progress を可算名詞にする

減点 中
You must have made many progresses with your studies.
You must have made good progress with your studies.

progress は不可算名詞なので複数形にしません。量は much / good progress で表します。

この文の言いかえ
勉強がはかどる
get a lot of studying doneこの文脈ではこれが最も素直です。成果や進み具合に開きます。
make good progress with one's studies少し説明的になりますが、意味を保った正しい言いかえです。
study very forward日本語の形に引かれた不自然な形なので、この答案では使いません。
第 4 文

「ところが,本を読んでいるうちに,途中でやめられなくなったんだ。」

つまずきやすいところ
  • Actually で相手の予想をやわらかく訂正します
  • what I was reading で読んでいた内容を節として受けます
  • so interested that I could not stop で熱中と結果を結びます
  • 途中で は halfway / before I finished it とします
  • stop reading の後ろは動名詞です
発想の切り替え

『ところが』を however と硬く始めるより、会話では Actually が自然です。やめられなかった理由も got interested と示すと、単なる意志の弱さではなく物語への没頭が伝わります。

訳例
標準

Actually, I got so interested in what I was reading that I could not stop halfway.

別解

The thing is, I started a book and soon found that I could not put it down.

この文でやりやすい誤り

stop の後ろを不定詞にする

減点 大
I could not stop to read the book halfway.
I could not stop reading the book halfway.

stop to read は『読むために立ち止まる』です。読むのをやめるなら stop reading と動名詞を置きます。

put down の目的語位置を誤る

減点 中
I could not put down it.
I could not put it down.

目的語が代名詞のときは句動詞の間に置き、put it down とします。

この文の言いかえ
途中でやめられない
cannot stop halfwayこの文脈ではこれが最も素直です。stop reading と stop to read を区別します。
cannot put the book down少し説明的になりますが、意味を保った正しい言いかえです。
cannot stop to read日本語の形に引かれた不自然な形なので、この答案では使いません。
第 5 文

「そんなに面白い本だったの?どうせまた推理小説でしょう。」

つまずきやすいところ
  • that interesting の that は『そんなに』という程度です
  • 過去に読んだ本なので Was it ...? と尋ねます
  • どうせ は Let me guess と会話的に表せます
  • 推理小説は a mystery / a detective story とします
  • another を付けると『また』が自然に出ます
発想の切り替え

どうせを anyway と一語で置くと皮肉の向きが曖昧です。相手の好みから予想しているので Let me guess が場面に合います。

訳例
標準

Was it that interesting? Let me guess—it was another mystery, wasn't it?

別解

Was the book really so good? I bet it was another detective story.

この文でやりやすい誤り

mystery を不可算扱いする

減点 中
It was mystery again, wasn't it?
It was another mystery, wasn't it?

一冊の推理小説を指す可算名詞なので a mystery が必要です。

この文の言いかえ
推理小説
a mysteryこの文脈ではこれが最も素直です。一冊なら冠詞が必要です。
a detective story少し説明的になりますが、意味を保った正しい言いかえです。
a mystery novel book日本語の形に引かれた不自然な形なので、この答案では使いません。
第 6 文

「それが,すっかり引き込まれてね。

つまずきやすいところ
  • The thing is / Yes, and で予想どおりだが程度が大きかったと続けます
  • get deeply into a book で物語に入り込む感じを出せます
  • how deeply I got into it と程度を節で開きます
  • absorbed のような語が不安なら could think of nothing else と説明できます
  • it は直前の mystery を受けます
発想の切り替え

この『それが』は完全な否定ではなく、相手の予想した推理小説に強く引き込まれたことを続けています。Yes, but ではなく Yes. You cannot imagine ... と程度を強めます。

訳例
標準

Yes. You cannot imagine how deeply I got into it.

別解

It was, and once I started, I could think of nothing but what would happen next.

この文の言いかえ
引き込まれる
get deeply into itこの文脈ではこれが最も素直です。読者の集中を行動で示せます。
be unable to think of anything else少し説明的になりますが、意味を保った正しい言いかえです。
be drawn in the book日本語の形に引かれた不自然な形なので、この答案では使いません。
第 7 文

夜中に読み終えても,頭がさえてとうとう明け方まで眠れなかったよ。」

つまずきやすいところ
  • finish it at midnight で本を読み終えた時刻を示します
  • even after で読み終えても状態が続いたことを表します
  • wide awake は『頭がさえて眠くない』の自然な形です
  • could not get to sleep と眠り始められないことを表します
  • until dawn で明け方までの継続を示します
  • how to calm my mind down と読後に落ち着けない状態を説明できます
発想の切り替え

awake my head のような直訳は避けます。wide awake を主語 I の状態として置き、眠れなかった期間を until dawn で明示します。

訳例
標準

Even after I finished it at midnight, I was wide awake and did not know how to calm my mind down, so I could not get to sleep until dawn.

別解

I finished the book around midnight, but what I had read kept running through my mind, and I was unable to fall asleep until daybreak.

この文でやりやすい誤り

finish の後ろを不定詞にする

減点 大
I finished to read the book at midnight.
I finished reading the book at midnight.

finish の後ろは動名詞、または目的語の名詞です。to 不定詞は取れません。

awake を他動詞として頭に使う

減点 大
The book awoke my head, so I could not sleep.
I was wide awake, so I could not sleep.

awake はここでは人の状態を表す形容詞として be wide awake と使います。head を目的語にする形ではありません。

この文の言いかえ
頭がさえて眠れない
be wide awake and unable to sleepこの文脈ではこれが最も素直です。人を主語に状態を表します。
not know how to calm one's mind down少し説明的になりますが、意味を保った正しい言いかえです。
one's head is clear to sleep日本語の形に引かれた不自然な形なので、この答案では使いません。
3

模範解答

標準解

まずここを目標にhow節 ×2 / what節 ×199語

"Did you go anywhere on your day off yesterday?" "No. Since the exam is coming up, I stayed home all day." "Then you must have got a lot of studying done." "Actually, I got so interested in what I was reading that I could not stop halfway." "Was it that interesting? Let me guess—it was another mystery, wasn't it?" "Yes. You cannot imagine how deeply I got into it. Even after I finished it at midnight, I was wide awake and did not know how to calm my mind down, so I could not get to sleep until dawn."

会話の一往復ごとに時制と推量を確認しました。must have got は過去の成果への推量、while I was reading は途中の背景、finished it は完了した出来事です。how deeply I got into it、what would happen next、how to calm my mind down と節を使い、熱中の程度と頭がさえた理由を説明しています。引用符の中でも一文ごとに主語を置き、口語だからと文法を崩していません。

説明を足した解

書けなかったときの逃げ道what節 ×2106語

"Did you go out at all yesterday, since it was your day off?" "No, I was at home all day because I have an exam soon." "So I guess you made good progress with your studies." "The thing is, I started a book and soon found that I could not put it down." "Was the book really so good? I bet it was another detective story." "It was, and once I started, I could think of nothing but what would happen next. I finished it around midnight, but what I had read kept running through my mind, and I was unable to fall asleep until daybreak."

こちらは put it down、I bet、running through my mind など、実際の会話で自然な短い表現を使った版です。難しい語ではなく動作で場面を見せています。『本を読み終えた』と『眠れなかった』の順番を around midnight / until daybreak で固定したので、途中でやめられなかったという前半とも矛盾しません。

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他の問題にも使える形

学習のコツを紹介する Boost のキャラクター Boo
Did you go anywhere ...?よく使う

過去の外出を尋ねる

疑問文では somewhere ではなく anywhere が基本です。特定の日は on を使って続けられます。

昨日どこかへ行った? → Did you go anywhere yesterday?
休みに出かけた? → Did you go anywhere on your day off?
Since S is ..., S stayed ...よく使う

背景を理由につなぐ

会話では理由を先に示すと返答が自然です。現在の予定と昨日の行動で時制が異なる点を確認します。

試験前なので家にいた → Since the exam is coming, I stayed home.
雨なので中にいた → Since it was raining, I stayed inside.
must have + 過去分詞最重要

過去への強い推量

今の義務を表す must do と区別します。相手の昨日の行動を証拠から推測する場面に合います。

勉強が進んだでしょう → You must have studied a lot.
疲れたでしょう → You must have been tired.
so + 形容詞 + that S could not ...よく使う

程度と結果を表す

夢中になった程度が大きく、途中でやめられなかったという結果まで一文で示せます。

面白くてやめられない → so interested that I could not stop
眠すぎて読めない → so sleepy that I could not read
what would happen nextよく使う

次の展開を節にする

『続き』という名詞を探さず、次に何が起こるかと開けます。物語や会話の説明で便利です。

次に何が起こるか → what would happen next
彼が次に何を言うか → what he would say next
Even after S V, S remained ...よく使う

完了後も続く状態

出来事が終わっても別の状態が続いたことを示します。even が予想外の長さを強調します。

読み終えても目がさえた → Even after I finished, I was wide awake.
雨がやんでも寒かった → Even after the rain stopped, it remained cold.
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この問題の語彙

表現意味ひとこと
day off休日仕事や学校から離れる一日を表し、on a day off と使います
come up近づく試験や予定が目前に迫るときに現在進行形で使えます
get ... done〜を終わらせる・進める目的語と過去分詞の順番を保ちます
make progress進歩する・はかどるprogress は不可算なので複数形にしません
halfway途中で副詞なので stop halfway と前置詞なしで使えます
mystery推理小説一冊を指すときは a mystery です
put a book down本を読むのを中断する代名詞なら put it down と間に置きます
wide awake完全に目がさえてvery awake より自然な決まった組み合わせです
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出題の傾向

京大の和文英訳には随筆だけでなく、この年のような日常会話も出ます。2001年前期のキャンプの口語的な評価や2003年前期の仕事観とは違い、ここでは文法的に正しいだけでなく、質問と返答が自然につながる短い表現を選ぶことが重要です。

学習の成果を喜ぶ Boost のキャラクター Boo

この問題を解いて添削してもらう

解説で組み立て方を確かめたら、次は原文だけを見て自分の英語にしてみてください。Boost アプリでは、この問題への答案をそのまま AI が添削し、内容の抜けや不自然な表現を具体的に確認できます。

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