文化財が多い環境では、その存在を当たり前だと思ってしまうという反省から始まります。「努力の結晶」を難しい比喩で飾るより、each treasure exists because of what many people have done と原因に開くのが安全です。最後は neglecting cultural treasures と failing to respect people's work が同じことだという同定なので、what it means to ... を使うと論理が見えます。文化財そのものと、それを守った人々の努力の両方を目的語として取り違えないことが山場です。内容の流れは『多いので慣れる』『実は人々の努力で残っている』『粗末に扱えば努力まで軽んじる』です。この因果を先に三行で整理してから英語にすると、文化財を守ろうという一般論だけに縮めずに済みます。第2文の over many years は時間の長さ、many people は人数の多さで、どちらも努力の重みを作る要素です。第3文では cultural treasure と people's work が別の目的語であることを意識してください。見直しでは each に対応する is と it、many people に対応する have worked と they を確かめ、what 節の中でも単複を崩さないようにします。take for granted と neglect は似ていますが、前者は意識しない状態、後者は世話を怠る行為なので使い分けます。保存の動詞は keep でも構いませんが、単に keep it では『所有し続ける』とも読めます。keep it safe、keep it in good condition のように状態を補うと維持の意味が伝わります。また cultural treasures are many around us の語順は日本語的なので、there are many cultural treasures around us と存在構文に直します。名詞を一語ずつ置き換えるより、存在・保存・尊重という三つの動作を中心に英文を作ってください。最後に must not forget の後ろが事実の that 節か内容の what 節になっているかを確認します。答案を読み返すときは、同じ it が何を指すかを一つずつ指で追ってください。each treasure を受ける it と、複数の treasures を受ける them が混ざると、保存する対象が不明になります。those people は長年保存に努めた人々だけを受けます。代名詞を明確にすることが、抽象的な内容を読みやすくする最後の仕上げです。
私たちは,周囲にあまりにもたくさんある文化財になれっこになって,その存在を当然のように思いがちである。しかしほんとうは,一つ一つの文化財は,それを維持するために尽くしてきた数多くの人々の長年の努力の結晶なのだ。文化財をおろそかにすることは,そうした人々の努力をないがしろにすることであるという事実を忘れてはならない。
解説で組み立て方を確かめたら、次は原文だけを見て自分の英語にしてみてください。Boost アプリでは、この問題への答案をそのまま AI が添削し、内容の抜けや不自然な表現を具体的に確認できます。
アプリでこの問題を解く 無料で1日2回まで添削できます私たちは,周囲にあまりにもたくさんある文化財になれっこになって,その存在を当然のように思いがちである。
文化財の多さが原因で意識しなくなる、という流れです。be used to と take for granted をただ並べず、so ... that ... で因果を見せます。existence を使わなくても them で文化財を受ければ十分です。
We tend to become so used to having so many cultural treasures around us that we take them for granted.
Because cultural treasures are all around us, we often stop noticing how special their presence is and begin to think that they will always be there.
be used to の to は前置詞です。後ろには seeing のような動名詞を置きます。
used to do は過去の習慣で、慣れている意味には be used to 名詞 が必要です。be がないため文が成立しません。
take A for granted では、当然視する対象 A が必要です。ここでは文化財を them で受けます。
しかしほんとうは,一つ一つの文化財は,それを維持するために尽くしてきた数多くの人々の長年の努力の結晶なのだ。
結晶という比喩の核心は、多くの人の仕事が積み重なって現在の文化財が残っていることです。result of what ... have done とすれば、比喩を不自然に直訳せず、現在へのつながりも表せます。
In fact, each cultural treasure is the result of what many people have done over many years to preserve it.
The truth is that every cultural treasure remains with us only because many people have worked for years to keep it safe.
each cultural treasure は単数扱いなので、動詞も is にします。複数の文化財を念頭に置いても are にはなりません。
people はすでに複数形です。一般の多数の人々の所有格は people's とし、peoples' とはしません。
maintain は他動詞で、文化財を維持する人を主語にして目的語 it を置きます。文化財側なら be maintained が必要です。
crystal は実物の結晶を表し、努力の蓄積を表すこの日本語の比喩には不自然です。結果だと説明します。
文化財をおろそかにすることは,そうした人々の努力をないがしろにすることであるという事実を忘れてはならない。
単に We must protect cultural treasures とまとめると、人々の努力を軽んじるという倫理的な理由が落ちます。what it means to neglect を使い、文化財への態度が保存者への態度でもあると同定します。
We must not forget what it means to neglect a cultural treasure: it means failing to respect how hard those people worked to preserve it.
We should remember that if we fail to care for cultural treasures, we also show that we do not value what all those people did to protect them.
neglect は他動詞なので目的語を直接取ります。about は不要です。
forget to do は『これからすべきことをし忘れる』です。原文は忘れてはいけない事実を述べるので forget that / what を使います。
原文が問題にしているのは人々そのものへの無視ではなく、彼らが払った努力を軽んじることです。対象が変わっています。
We tend to become so used to having so many cultural treasures around us that we take them for granted. In fact, each cultural treasure is the result of what many people have done over many years to preserve it. We must not forget what it means to neglect a cultural treasure: it means failing to respect how hard those people worked to preserve it.
having so many cultural treasures around us で周囲の多さ、what many people have done で努力の内容、what it means to neglect で行為の意味、how hard those people worked で努力の程度を表しました。『存在』『結晶』『事実』と名詞を重ねず、節にすると関係が見えます。each cultural treasure と複数の people の主述一致、代名詞 it / them の受け先も一文ずつ確認しています。
Because cultural treasures are all around us, we often stop noticing how special their presence is and begin to think that they will always be there. The truth is that every cultural treasure remains with us only because many people have worked for years to keep it safe. We should remember that if we fail to care for these treasures, we also show that we do not value what all those people did to protect them.
こちらは preserve や neglect が出ない場合に備え、keep it safe と fail to care for にほどいた解答です。文化財が今も残るのは人々が長年働いたからだ、そして粗末に扱えばその仕事を評価しないことになる、という因果を二つの because / if で明示しました。抽象語を避けても原文の重みは落ちません。

程度から結果へつなぐ
慣れの程度が大きいため当然視する、という因果を一文で表せます。so と that の間には形容詞や副詞を置きます。
存在量を節にする
『多くの〜の存在』を名詞化せず、どれほど多くあるかと開けます。there are の語順まで一組で確認します。
Aを当然視する
A を必ず take の直後に置きます。人の支えや日常の便利さを意識しないという話で広く使えます。
積み重ねの成果を節にする
『努力の結晶』のような比喩を、過去から現在までにしてきたことの結果として説明できます。
行為の意味を同定する
一つの行為が別の態度を意味する、と説明するときに便利です。what 節の中の it は形式主語ではありません。
すべきことをしない
単なる not より、本来期待される行為を果たさない含みがあります。後ろは to 不定詞です。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| cultural treasure | 文化財 | property は不可算の扱いが難しいため、個々の文化財には treasure が書きやすいです |
| be used to | 〜に慣れている | to は前置詞なので名詞か動名詞が続きます |
| take for granted | 当然のことと思う | take と for の間に当然視する対象を置きます |
| preserve | 保存する | 現在の状態を守って後世へ残す意味に合います |
| over many years | 長年にわたって | for many years は期間、over は積み重ねを感じさせます |
| result | 結果・成果 | result of の後ろに原因を置きます |
| neglect | おろそかにする | 他動詞なので about を付けません |
| respect | 尊重する | 名詞でも動詞でも使えます。動詞なら目的語を直接取ります |
2001年前期の自然や好奇心、2003年前期の休暇文化と同様、京大は身近な対象への見方を問い直す文章をよく出します。この年は『結晶』『ないがしろ』の一語対応を競う問題ではありません。保存のために誰が何をしたかを具体的な節へ直すことが得点につながります。
解説で組み立て方を確かめたら、次は原文だけを見て自分の英語にしてみてください。Boost アプリでは、この問題への答案をそのまま AI が添削し、内容の抜けや不自然な表現を具体的に確認できます。
アプリでこの問題を解く iOS · Android · Web で使えます問題文と模範解答をまとめた質問文を用意しました。いつも使っている AI を選ぶと、質問文がコピーされた状態でそのサービスが開きます。
添削そのものは Boost アプリのほうが得意です。AI には「なぜこの訳になるの?」のような、解説の追加質問を投げるのがおすすめです。