社会構造、年功序列、出産・育児による休職、復職、業績に応じた昇進という制度語が連続する難問です。難しい名詞を並べるより、how society was built mainly for men、what happens when women take time off、how well they work after returning のように、人と動作が見える節へ開くと安全です。過去の不利益は過去形、今後作るべき制度は should / must で分け、筆者の提案の時間軸を崩さないことが大切です。
女性が従来学問の世界で十分活躍できなかったのは、男性中心で作られてきた社会に原因があったことは疑う余地はありません。とくにわが国は従来年功序列の社会でありましたので、出産、育児のため女性が休むことは昇進の面で著しく不利でありました。今後は休んだ後の復職を容易にするとともに、復職後業績を上げれば速やかに昇進できる体制を作り上げて行かねばなりません。(井村裕夫「時計台の朝」)
解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。女性が活躍できなかった原因を社会制度に置き、出産・育児による休職が昇進に与えた不利益を説明してください。今後の制度では、復職のしやすさと、復職後の業績に応じた速い昇進の二つが必要です。条件を落としていないか確認してから、Boost アプリで答案をそのまま AI に添削してもらえます。
アプリでこの問題を解く 無料で1日2回まで添削できます女性が従来学問の世界で十分活躍できなかったのは、男性中心で作られてきた社会に原因があったことは疑う余地はありません。
There is no doubt that the reason ... was how ... とすると重いので、原因と結果を二文に分けても構いません。標準解では the main reason was that society had been built mainly for men と、原因を that 節で明示します。「活躍できなかった」を能力不足に読ませないことが出発点です。gave them little chance to show what they could do と機会の不足まで書けば、原因が女性ではなく社会の側にあるという筆者の主張がぶれません。
There is no doubt that the main reason why women could not play a full part in academic life in the past was that society had been built mainly for men and gave them little chance to show what they could do.
We cannot doubt that how society had long been organized around men kept women from doing as much as they were able to do in the academic world.
原文は女性の能力ではなく、男性中心に作られた社会が十分な機会を与えなかったことを原因にしています。この文では女性本人の能力不足が原因になり、制度を変えるべきだという後半の提案まで根拠を失う重大な内容誤りです。
no doubt と not the cause が重なり、「社会が原因ではないことは疑いない」と断定する逆の意味になります。原文は男性中心の社会に原因があったと強く認めているため、否定の向きが一つ違うだけで主張全体が反転します。
academic はここでは形容詞なので、in academic だけでは「学問の何の中で」なのかが欠けます。academic life や the academic world と名詞を補わないと、女性が活躍できなかった領域が示せません。
とくにわが国は従来年功序列の社会でありましたので、出産、育児のため女性が休むことは昇進の面で著しく不利でありました。
seniority system が出なくても、a system in which promotion depended mainly on how long people had worked と what/how 節で中身を書けば十分です。休むことが昇進にどう響いたかを made it much harder to be promoted と具体化します。年齢そのものより、仕事を中断せず積み上げた年数が評価された点が重要です。出産・育児の休職と昇進上の不利益を so で結ぶと、制度がなぜ女性に不利だったかまで説明できます。
This was especially true in Japan, where promotion had long depended mainly on how long people had worked, so taking time off to have and raise children put women at a serious disadvantage when they were considered for promotion.
In Japan, what mattered most for promotion was how many years a person had worked without a break. Women who left work for childbirth or child care therefore found it much harder to move up.
原文は年齢への好き嫌いではなく、勤続年数などを重く見る昇進制度を述べています。この文では若者全般への差別に話が変わり、出産や育児で仕事を中断した女性が昇進で不利になった仕組みを説明できません。
take a rest は疲れたときの短い休憩です。この形では、出産や育児のために一定期間職場を離れ、勤続年数に切れ目が生じたという制度上の問題が、休憩時間の話に縮んでしまいます。
「人を不利な立場に置く」は put 人 at a disadvantage という形です。for にすると標準的な結びつきが壊れ、休職が女性の昇進上の位置を悪くしたという因果が自然に読めません。
今後は休んだ後の復職を容易にするとともに、復職後業績を上げれば速やかに昇進できる体制を作り上げて行かねばなりません。(井村裕夫「時計台の朝」)
「体制」を system 一語で終えず、a system that makes it easy ... and allows ... と、その制度が何を可能にするかを説明します。速やかには quickly / without delay で十分です。改革は「復職を容易にすること」と「復職後の成果を昇進に反映すること」の二本立てです。both の形にしなくても and で動詞をそろえ、if they show how well ... で後半だけに業績の条件をかければ混線しません。
From now on, we must build a system that makes it easy for women to return after a break and allows them to be promoted quickly if they show how well they can work after returning.
We now need rules that let women come back to their jobs easily and move up without delay when what they achieve after coming back shows that they deserve it.
return 自体に元の場所や状態へ戻る意味があるため、back を重ねると「戻って戻る」という不要な重複になります。復職という動作は return to work だけで十分に表せます。
原文は復職後に業績を上げれば速やかに昇進できる制度を求めています。この文は復職した全員を直ちに昇進させる無条件の制度に変えており、成果を正当に評価するという改革の条件が消えています。
promote は会社などが人を昇進させる他動詞です。この形では women が目的語なしで誰かを昇進させるような未完成の文になり、女性自身が昇進できるという原文の意味になりません。
復職後に成果を上げることを、復職そのものの事前条件にしているため、時間の順序が成立しません。原文ではまず復職を容易にし、その後の業績がよければ速やかに昇進できるようにするという二段階です。
There is no doubt that the main reason why women could not play a full part in academic life in the past was that society had been built mainly for men and gave them little chance to show what they could do. This was especially true in Japan, where promotion had long depended mainly on how long people had worked, so taking time off to have and raise children put women at a serious disadvantage when they were considered for promotion. From now on, we must build a system that makes it easy for women to return after a break and allows them to be promoted quickly if they show how well they can work after returning.
原因を男性中心の社会に置き、女性側の能力不足にはしていません。what they could do、how long people had worked、how well they can work の三つの節で、能力、勤続年数、復職後の業績を説明しました。過去の制度には could not / had depended / put、将来の改革には must build / allows を使い、原文の時間の切り替えも明確です。
We cannot doubt that how society had long been organized around men kept women from doing as much as they were able to do in the academic world. This problem was particularly serious in Japan. What mattered most for promotion was how many years a person had worked without a break, so women lost chances to move up when they stopped working to give birth or care for children. In the future, we need a system that shows how women can return easily and rewards what they achieve after they come back by promoting them without delay.
年功序列という語が出なければ、昇進で何が重視されたかを What mattered ... was how many years ... と説明できます。出産と育児も give birth or care for children と動詞にしました。最後は復職しやすくすることと、復職後の成果に応じて昇進させることを別々の動詞で置き、改革の二本柱を見失わない答案です。

疑う余地がない
根拠を示した上で強い判断を導く形です。
結果と原因を結ぶ
長い原因説明でも、結果と理由の境界が明確になります。
期間を条件として示す
年数や経験の長さが判断を左右する場面に使えます。
Aを不利にする
制度や条件が人に与える不利益を客観的に述べられます。
Aが〜しやすくする
制度改善や環境整備の目的を表す定番です。
条件を満たした人に機会を与える
制度が人に何を許すかと、そのための条件を一つの文で明確にできます。if 節は実際に条件がかかる動作の近くに置きます。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| academic | 学問の、大学の | 形容詞なので academic life のように名詞を伴います |
| mainly | 主に | 男性中心の社会を唯一の原因と断定しすぎないために使います。main reason と only reason を混同しないでください |
| promotion | 昇進 | 人が昇進する場合は be promoted と受け身です。promote だけでは、その人が別の人を昇進させる側になります |
| take time off | 休暇・休職を取る | take a rest は短い休憩です。出産や育児で一定期間仕事を離れる場合は take time off work とします |
| raise children | 子供を育てる | raise は他動詞で children を直接取ります |
| disadvantage | 不利 | put A for a disadvantage とはしません。人を不利にするなら put A at a disadvantage というまとまりで使います |
| return to work | 復職する | return back と重ねません |
| give birth | 出産する | have a baby は子を持つ意味にもなります。出産という出来事を明確にするときは give birth を使い、育児とは分けます |
| based on | 〜に基づく | be based in ではなく be based on です。この文では promotion based on how long people worked と基準を続けます |
| without delay | 速やかに | 復職直後ではなく、復職後に業績を上げた場合の昇進にかけます。条件より前に置いて意味をずらさないでください |
| play a full part | 十分に活躍する | 原因を女性本人の能力不足にせず、社会側の機会の不足と結びます |
2004年第(1)問は木の素材が年月で美しくなる理由、2005年の二問は社会制度と健康管理、2006年後期第(2)問は書物の価値を扱っています。京大は抽象的な評価を、その理由や条件まで英語で説明させます。この問題では制度名の直訳より、誰がいつ昇進できる仕組みかを節にするのが有効です。
解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。女性が活躍できなかった原因を社会制度に置き、出産・育児による休職が昇進に与えた不利益を説明してください。今後の制度では、復職のしやすさと、復職後の業績に応じた速い昇進の二つが必要です。条件を落としていないか確認してから、Boost アプリで答案をそのまま AI に添削してもらえます。
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