人は見かけ以上に複雑で完全には理解できない、という慎重な一般論から始まり、それでも初対面の相手を昔から知っているように感じることがあり、その誤解が友情の入口にもなる、と逆向きに展開する文章です。「とは言うものの」の譲歩、「ほんの少し言葉を交わしただけで」の小さな原因、「何十年も前から」の現実に反する感覚を落とさないことが大切です。標準解では how complex people are、what another person is really like、how long we have known the person、what begins as a misunderstanding と節に開き、抽象語を重ねず論理を見せます。第一文の見かけと本質、第二文の短い現実と長い感覚、第三文の誤解と友情という三組の対比を意識すると、文ごとの役割が見えます。難しい心理学の語を使わず、この対比を接続語と時制で読み手に示してください。
(1) 人間の性格は見かけよりも複雑なので,相手のことが完全に分かることなどあるはずがない。とは言うものの,初対面の人物とほんの少し言葉を交わしただけで,その人とまるで何十年も前からつきあいがあったかのような錯覚に陥ることがある。こうしたある種の誤解が,時として長い友情のきっかけになったりもする。
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アプリでこの問題を解く 無料で1日2回まで添削できます(1) 人間の性格は見かけよりも複雑なので,相手のことが完全に分かることなどあるはずがない。
原文は「性格は複雑だ」から「完全な理解は不可能だ」へ進みます。Because people are far more complex than how they look と理由を先に出し、主節を we can never fully know what another person is really like とします。相手のことを know the other person とだけすると、知り合いである意味にもなるため、what ... is like で理解の中身を示してください。
Because people are far more complex than how they look, we can never fully know what another person is really like.
There is no way to understand everything about another person, because how someone appears does not show what that person is really like.
humans と their looks の組合せが一般論として不自然に硬く、誰の見かけと誰の性格を比べるかもぼやけます。人を主語にすると明確です。
opponent は試合や議論の対戦相手です。ここは会話をする普通の他者なので another person を使います。
perfectly は知識が完全であるというより、行為を完璧に行う響きが出ます。人の性格を余す所なく理解するなら fully know what ... is like が明確です。
とは言うものの,初対面の人物とほんの少し言葉を交わしただけで,その人とまるで何十年も前からつきあいがあったかのような錯覚に陥ることがある。
「錯覚」を illusion の一語に任せるより、どんな感覚かを feel as if we have known that person for many years と書くほうが確実です。初対面は someone we have just met、交わす言葉の少なさは only a few words で対比させます。現実には知り合ったばかりなので as if が重要です。
Even so, after exchanging only a few words with someone we have just met, we may feel as if we have known that person for many years.
Still, a very short talk with a person we are meeting for the first time can make us forget how little we know and feel that we are old friends.
Therefore は前文から順当に導かれる結果です。ここは「完全には分からない」に反して親しさを感じる話へ進むので Even so が合います。
first meet は名詞を前から修飾できません。関係節で、会ったばかりの人だと説明します。
few は「ほとんどない」という否定的な量です。少ないながらも言葉を交わしたことを表すには a few を使います。
as if の後ろには主語と動詞を備えた節が必要です。誰が誰を知っていたように感じるかを書きます。
ここでは知り合った過去から今まで続く長さを思い描いています。継続を表す現在完了 have known が適切です。
mistake the person では、人違いをする意味になります。原文は相手を長年知っているように感じることなので、感覚の中身を書きます。
こうしたある種の誤解が,時として長い友情のきっかけになったりもする。
最後は、誤解なのに良い友情へつながるという意外さが中心です。Such a misunderstanding can sometimes mark the beginning of a long friendship と素直に書けます。さらに節に開くなら What begins as a misunderstanding can ... とし、最初の誤解が後の友情へ変わる時間の流れを見せます。
What begins as this kind of misunderstanding can sometimes mark the beginning of a long friendship.
A feeling that is not based on real knowledge of the other person may still grow into a friendship that lasts for many years.
friendship はここでは一つの長い友情関係を表す可算用法なので a long friendship とします。
原文は「時として」「なったりもする」と可能性を控えめに述べています。always では頻度を過大にし、内容が変わります。
Because how people look does not show how complex they are, we can never fully know what another person is really like. Even so, after exchanging only a few words with someone we have just met, we may feel as if we have known that person for many years and forget how short our talk was. What begins as this kind of misunderstanding can sometimes mark the beginning of a long friendship.
第一文では how people look と how complex they are を組み合わせ、見かけだけでは性格の複雑さが分からないと説明しました。what another person is really like は実際の人柄の中身です。第二文は Even so で転じ、初対面、短い会話、長年の知り合いのような感覚を順に置いています。最後は What begins as ... を主語にし、悪く見える誤解が友情の入口になるという意外さを保ちました。how節3個、what節2個を実測しています。as if の後ろでは、現在まで知っている感覚なので have known を使う点も確認してください。内容確認では、第一文の「完全には分からない」と第二文の「分かったように感じる」を同じ主張にまとめないことが大切です。実際の知識は不完全なのに、短い会話が長い付き合いの感覚を生む、というずれがこの文章の中心です。さらに最後は、その感覚が誤解で終わらず、本当の友情の出発点になる場合もあると可能性を述べています。never、may、can sometimes の強さをそれぞれ保ってください。
No matter how a person looks, we cannot be sure what kind of person he or she really is, because the human mind is very complex. However, when we speak briefly with someone for the first time, we sometimes feel that we already know how the person thinks and what he or she cares about. We may even feel as if we have been friends for decades. This mistaken feeling can become the first step toward a friendship that lasts a long time.
こちらは「性格」を the human mind としてから、how the person thinks と what he or she cares about に開きました。「錯覚」は this mistaken feeling と受け、友情への first step につなげています。少し長いものの、見かけでは分からないこと、短い初対面の会話、長年の知人のような感覚、友情の始まりという内容は落としていません。decades が出にくければ for many years で十分です。he or she の反復が重く感じられる場合は単数の they を使う答案もありますが、入試では自分が確実に扱える代名詞で一貫させることを優先してください。また、briefly と for the first time がそれぞれ会話の短さと関係の新しさを担当しています。どちらかを落とすと原文の意外さが弱くなります。

見かけと実際を比べる
appearance のような名詞を探さず、人がどう見えるかを節にできます。
人や物の本当の姿を知る
know A だけでは知り合いの意味にもなるため、理解の内容をwhat節で示します。
前文を認めて逆へ進む
「とはいえ」を短く示し、矛盾して見える次の事実へ読み手を導けます。
小さなきっかけを示す
わずかな行動の後で大きな変化が起きた、という対比を作れます。
事実と異なる継続感を表す
現実にはそうでないのに、長く続いてきたように感じる場面で使えます。
始まりと結果の変化を示す
最初はAだったものが、後にBへ変わるという意外な流れを一文にできます。
時に起こる可能性を残す
always と断定せず、「時として〜もある」という原文の控えめな一般論を保てます。can は可能性、sometimes は頻度を担当します。どちらか一方だけでも近い意味にはなりますが、二つを合わせると、必ずではないものの実際に起こりうるという慎重な観察が伝わります。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| complex | 複雑な | 比較級は complexer ではなく more complex です |
| fully | 完全に | understand や know の程度を表す副詞です |
| exchange a few words | 少し言葉を交わす | few だけだと、ほとんどないという否定的な意味になります |
| for the first time | 初めて | the を落とさないようにします |
| as if | まるで〜のように | 後ろには主語と動詞のある節を続けます |
| for many years | 長年にわたって | 継続なら have known のような完了形と相性がよい表現です |
| misunderstanding | 誤解 | miss understanding と二語には分けません |
| friendship | 友情、友情関係 | 一つの関係なら a long friendship と冠詞を付けられます |
| mark the beginning of | 〜の始まりとなる | mark は印を付けるだけでなく、節目を示す意味でも使えます |
京大の2011年(2)は一番のお気に入りを一つ選ぶ難しさ、2012年のこの問題は初対面の印象、2013年(1)は睡眠不足の社会的な原因を扱っています。いずれも日常的な経験を材料にしながら、「本当はどうか」「なぜそう感じるか」という見えない関係を英語で明示させます。日本語の名詞を一語ずつ置き換えるより、how / what節と接続語で読み手を案内することが京大対策の軸です。この問題では三文の強さも異なります。第一文は完全な理解を never で否定し、第二文は may で時に起こる感覚を述べ、第三文は can sometimes で友情になる可能性だけを示します。この助動詞の差をそろえてしまうと、筆者の慎重な観察が失われます。
解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。
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