睡眠不足を個人の夜更かしだけでなく、深夜まで動く社会、照明、変わらない始業時刻という複数の原因から説明する文章です。重要なのは因果関係の鎖を切らないことです。「社会全体が〜を想定して動く」を society is organized on the assumption that ... と硬くせず、how society now works is based on the idea that ... と開けます。「体内時計を狂わせる」は affect how our body knows when to sleep、「集中力の低下」は make it harder to concentrate とすれば、高校語で正確に表せます。
今日,睡眠不足は見過ごせない問題となっている。原因の一つは,社会全体が深夜も起きていることを想定して動いていることである。照明器具の発達も,我々の体内時計を狂わせているのかもしれない。その一方で,多くの学校や会社の始まる時間は変わっていない。こうして睡眠不足が生まれやすくなり,日中の集中力の低下を引き起こすのだ。
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Today だけでも通じますが、Today, lack of sleep has become ... と現在完了にすれば、以前から今へ問題が大きくなった流れが出ます。how serious a problem it has become と開く別案なら「どれほど見過ごせないか」を説明できます。
Today, lack of sleep has become a problem that we cannot ignore, and we need to understand how serious it is.
We can no longer overlook how serious the problem of not getting enough sleep has become.
short sleep は昼寝など一回の眠りが短かったという長さの話に聞こえます。原文は社会の時間と生活がずれ、必要な睡眠量を継続して得られない問題です。lack of sleep なら、足りない状態そのものを表せます。
cannot see は問題が目に見えないという意味です。原文は問題が見えるかどうかではなく、重要なので放置できないと述べています。cannot ignore とすれば、対策が必要な深刻さまで保てます。
原因の一つは,社会全体が深夜も起きていることを想定して動いていることである。
「想定」を assumption 一語で決める必要はありません。how society works is based on the idea that people will stay awake とすれば、社会の制度やサービスがその考えを前提にする意味を出せます。原因を示す that 節と、中身を示す how 節を混同しないことが大切です。
One reason is that how society as a whole now works is based on the idea that people will stay awake late into the night.
One cause is the way our whole society is set up for people who remain awake even late at night.
wake up は眠りから目覚める瞬間なので、この文では社会が人々に深夜になってから起床するよう求める意味になります。原文は夜遅くまで眠らず活動を続ける状態ですから、stay awake を使います。
societies と複数にすると、国や文化の異なる複数社会がどれも夜更かしするという比較になります。原文は私たちが暮らす一つの社会の制度全体が夜の活動を前提にする話なので、society as a whole とまとめます。
照明器具の発達も,我々の体内時計を狂わせているのかもしれない。
development of lighting equipment は硬く長いので、lights have become brighter and easier to use と変化を説明します。体内時計の働きも how our bodies know when to sleep と節に開けば、clock の比喩を知らなくても書けます。
The way lights have become brighter and easier to use may also affect how our bodies know what time it is and when we should sleep.
Better lighting may also disturb our body clocks and make it harder for us to know when to sleep.
always disturbs とすると、照明は例外なく体内時計を狂わせると断定します。原文は複数ある原因の一つとして可能性を示すだけです。may を残し、照明だけが必ず原因だという強すぎる結論を避けます。
その一方で,多くの学校や会社の始まる時間は変わっていない。
starting time という名詞でも書けますが、what time many schools and companies start と節にすれば冠詞の迷いが減ります。社会の夜は遅くなったのに朝の開始は同じ、というずれがこの段落の中心なので At the same time を落とさないでください。
At the same time, what time many schools and companies begin the day has not changed.
However, many schools and companies still start at the same time as before.
start clock という語は始業時刻を表さず、開始を知らせる時計のように聞こえます。原文が変わっていないと述べるのは学校や会社が活動を始める時刻です。what time ... start と節にすれば、何の時刻かが明確です。
therefore は「社会が夜遅くまで動くから、学校も同じ時刻に始まる」という因果を作ります。原文は夜が遅くなった一方で朝の始業は変わらない、というずれを問題にしています。At the same time で対比を保ちます。
こうして睡眠不足が生まれやすくなり,日中の集中力の低下を引き起こすのだ。
最後は二段階の因果です。夜の生活と早い始業が睡眠不足を起こし、その睡眠不足が集中を難しくします。and だけで並べず、As a result と in turn を使うと関係が見えます。「集中力」は concentration を使ってもよいですが、how well we can concentrate と動詞に戻すほうが安全です。
As a result, people are more likely to get too little sleep, and this in turn reduces how well they can concentrate during the day.
This makes it easier for people to lose sleep, which then makes it harder for them to pay attention in the daytime.
concentrate は動詞なので concentrate power という名詞の組合せは作れません。また power では能力全般に聞こえ、日中に注意を向け続ける程度が下がるという意味がぼやけます。how well we can concentrate と動作の程度へ開きます。
in daytime は標準的な時間表現として不安定です。during the day なら、夜の睡眠不足の結果が翌日の活動時間に現れるという対照も明確になります。in the daytime とする場合は the を落とさないでください。
この文では照明が直接人を不注意にするとしており、変わらない始業時刻と睡眠不足が途中から消えます。原文は夜型の生活と朝の時刻のずれが睡眠不足を生み、それが集中を難しくする二段階の因果です。両方を順に書いてください。
Today, lack of sleep has become a problem that we cannot ignore, and we need to understand how serious it is. One reason is that how society as a whole now works is based on the idea that people will stay awake late into the night. The way lights have become brighter and easier to use may also affect how our bodies know what time it is and when we should sleep. At the same time, what time many schools and companies begin the day has not changed. As a result, people are more likely to get too little sleep, and this in turn reduces how well they can concentrate during the day.
標準解では、how serious、how society ... works、how our bodies know、what time の二か所、how well の合計六つの how/what を使っています。特に「体内時計」を how our bodies know what time it is と説明したため、難しい医学語は不要です。時制は、今までに深刻化した問題と変わっていない始業時刻に現在完了を使い、一般的な仕組みには現在形を使いました。原因から結果へ One reason、At the same time、As a result、in turn と道標を置くのが得点を安定させます。
Not getting enough sleep is now too serious a problem to overlook. One cause is that our whole society is made for people who stay up late at night. Also, because lights are now brighter and used for longer hours, our bodies may not know clearly when it is time to sleep. However, schools and companies have not moved the time when their day begins. For these reasons, people can easily lose sleep, and they often find that they cannot concentrate well during the day.
こちらは lack や body clock に自信がない場合の説明版です。not getting enough sleep、our bodies may not know when ... のように、動作へ戻しています。「照明器具の発達」も明るさと使用時間へ具体化しました。原文にない新しい原因を足したのではなく、発達した照明が夜にも使えるという含みを明示したものです。短い接続語を置き、原因三つと結果一つを読み手が迷わず追える答案にしてください。

問題の深刻さを節に開く
seriousness という名詞を使わず、どれほど重大かを説明できます。
前提となる考えを示す
「〜を想定して動く」「〜という考えに基づく」を平易に説明できます。
働きへの影響を表す
抽象名詞を並べず、何をどうする力に影響するかまで書けます。
同時にある対照を置く
一方が変化しても他方が変わらない場面で、however より同時性を明確にできます。
能力の低下を動詞で書く
「集中力の低下」などを名詞化せず、誰が何をしにくくなるかに開けます。
二段階の因果を順につなぐ
第一の結果が次の原因になる流れを、単なる and の並列にせず示せます。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| lack of sleep | 睡眠不足 | lack はここでは数えない名詞なので a を付けません。short sleep は一回の眠りの長さになり、慢性的な不足とは区別します |
| ignore | 無視する、見過ごす | 見えない cannot see とは区別してください。ignore は問題を知りながら取り合わないことです |
| awake | 目が覚めている | 状態を表す形容詞で stay awake と使います。wake up は眠りから目覚める瞬間なので置き換えられません |
| lighting | 照明 | light は個々の明かり、lighting は照明設備全体を指せます。equipment と同じ感覚で複数形にしないでください |
| body clock | 体内時計 | clock は可算なので one's body clock と所有を示します。身体に複数の時計がある話でなければ body clocks とむやみに増やしません |
| concentrate | 集中する | 動詞なので can concentrate や find it hard to concentrate と使います。concentrate power という名詞は作りません |
| during the day | 日中に | in daytime より during the day が安全です。in the daytime を使うなら定冠詞 the を忘れないでください |
| starting time | 始業時刻 | start clock とは言いません。starting time、または what time a school starts と節に開いてください |
2012年は性格の複雑さや料理の効用、2013年は睡眠と星座、2014年は電子書籍や車内の出来事が出ています。題材は身近でも、京大は複数の原因・対比・結果を一文ずつ正しくつなげる力を見ます。2015年の言語問題でも however を境に表面的な思い込みを覆しており、接続関係を落とさない姿勢が共通します。
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