夕刊の記事をきっかけに、絶滅の危機にあったトキの雛と環境保全について話す会話文です。最大の注意点は、雛が飼育下で生まれたのではなく「自然に放されたトキから生まれた」ことです。最後は、きれいな水と空気があり、珍しいからと追い回されない場所という長い説明を、what kind of place is comfortable for the birds と how people treat them に開きます。会話らしい短さと、事実関係の正確さを両立させてください。 新聞記事の内容、親鳥の経歴、雛の誕生を時間順に並べることも大切です。
花子:昨日の夕刊見た?絶滅の危機に瀕していたトキの雛が載っていたと書いてあった。 太郎:飼育係はさぞかし大変だっただろうね。 花子:でも,この雛は自然に放されたトキから生まれたのよ。 太郎:トキが住みやすい環境,つまり,きれいな水や空気があり,珍しい鳥だからと追いかけ回されたりしない場所というのは,僕たち人間にとっても居心地のよいものなのかもしれないね。*トキ=Toki (or Japanese crested ibis)
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アプリでこの問題を解く 無料で1日2回まで添削できます花子:昨日の夕刊見た?絶滅の危機に瀕していたトキの雛が載っていたと書いてあった。
「雛が載っていたと書いてあった」は不自然に重なるので、新聞に雛の記事があったと場面を整理します。原文の情報は落とさず、There was a story about ... で会話らしくします。紙面の上に実物の雛がいたのではなく、記事や写真として紹介されたという関係です。そこで on the paper ではなく a story about ... を選ぶと、会話の自然さと掲載の意味を同時に守れます。
Hanako: Did you see yesterday's evening paper? It had a story about a Toki chick and explained how close Toki had come to dying out.
Hanako: Did you read the evening paper yesterday? It said that a baby Toki had been born even though the birds had been in danger of dying out.
on the newspaper は雛が紙面の上に実際に乗っていた意味に聞こえます。記事や写真が掲載されたと示す必要があります。
dangerous は他者に危険を与える意味です。鳥自身が絶滅しそうだった内容と逆です。
太郎:飼育係はさぞかし大変だっただろうね。
keeper を知らなくても people who took care of the birds と書けます。過去の状況への推量なので must be ではなく must have had とします。太郎は仕事の具体的な内容を知って断定しているのではなく、絶滅寸前の鳥を育てたと考えて苦労を推測しています。must have worked hard のように、推測の根拠より前に終わった苦労だと示す必要があります。
Taro: The people taking care of the birds must have had a very hard time.
Taro: I can imagine how hard the people who cared for them must have worked.
今忙しいという推量になります。新聞に載った雛までの過去の苦労を振り返るには完了形が必要です。
花子:でも,この雛は自然に放されたトキから生まれたのよ。
the chick was released とすると、放されたのが雛になってしまいます。was born to Toki that had been released と修飾先を明確にしてください。花子の But は、飼育係が直接この雛を誕生させたという太郎の思い込みを直しています。親が先に野生へ戻り、その後で雛が生まれた順序なので、親側に過去完了を置くと訂正の要点が見えます。
Hanako: But this chick was born to Toki that had been released into the wild.
Hanako: Actually, its parents were Toki that people had set free in the wild, and this chick was born there.
放された後に生まれたという不可能な時間順序になります。放されたのは親のトキです。
let go だけでは手を離したとも解釈でき、野生へ戻した事実が不明です。
be born by A では、Aを受け身の動作主として親に結びつけることができません。ここでは、野生へ戻されたトキが親であることが花子の訂正の中心なので born to を使います。
太郎:トキが住みやすい環境,つまり,きれいな水や空気があり,珍しい鳥だからと追いかけ回されたりしない場所というのは,僕たち人間にとっても居心地のよいものなのかもしれないね。
長い名詞句を一気に訳さず、what makes a place good for Toki is ... と条件に開きます。水、空気、人の行動を並べた後、such a place で受ければ主語が見失われません。ここでの「つまり」は言い換えというより、住みやすさの中身を三つにほどく合図です。自然条件だけでなく、人が珍しさゆえに追い回さないことまで入れて初めて、トキにも人にも落ち着ける場所という結論へつながります。
Taro: A place where Toki can live well has clean water and clean air, and people do not chase the birds around just because they are rare. Such a place may also be what we humans find comfortable.
Taro: Perhaps what is good for Toki is good for us too: clean water and air, and a place where the birds can live without being chased because they are unusual.
live はこの形では場所を直接目的語にできません。住む場所を後ろに置くには in が必要です。
strange は奇妙な鳥という意味で、数が少なく珍しいという理由を表しません。
certainly で断定すると、原文の「かもしれない」という控えめな推量が消えます。
air は空気一般を表すとき数えない名詞なので、不定冠詞 a を付けません。a clean air とすると一種類の空気を数えているような形になり、水と空気という環境条件の並びが不自然になります。
in order to では、トキを珍しいままに保つ目的で追わないという意味になります。原文は、珍しいというだけの理由で人が追い回すことのない場所を求めているので、理由を just because で示します。
Hanako: Did you see yesterday's evening paper? It had a story about a Toki chick and explained how close Toki had come to dying out. Taro: The people taking care of the birds must have had a very hard time. Hanako: But this chick was born to Toki that had been released into the wild. Taro: A place where Toki can live well has clean water and clean air, and people do not chase the birds around just because they are rare. Such a place may also be what we humans find comfortable, because it shows how well people and other living things can share the same environment.
標準解では how close、what we humans find comfortable、how well people and other living things can share の三つを使いました。第3発言では、自然に放されたのが雛ではなく親のトキであることを that had been released で明示しています。最後の発言は水、空気、人の行動という三条件を落とさず、may で太郎の控えめな推測を保ちました。会話文なので難しい環境用語を重ねず、話し手が実際に口にできる長さを目標にしてください。
Hanako: Did you read yesterday's evening paper? There was an article about a baby Toki. It explained how these birds had almost died out. Taro: The people who cared for them must have worked very hard. Hanako: But the chick was born in nature to birds that had been set free there. Taro: Then we can see what kind of place the birds need. They need clean water and air, and they need people not to run after them simply because they are rare. Perhaps humans also feel comfortable in a place that meets these needs.
こちらは各発言を短文に分けた版です。記事、飼育係への推量、花子の訂正、環境についての気づきという順序をはっきりさせました。released が出なければ set free、comfortable が出なければ feel at home と言い換えられます。雛の出生場所について原文は「自然に放された親から生まれた」と述べるだけなので、誰が育てたかは勝手に足していません。

過去への強い推量
過去の状況を証拠から推測するときに使います。現在の推量 must be と時間を分けてください。
親とそれ以前の出来事を示す
生まれた子を主語にし、親が先に経験したことを過去完了で説明できます。
住みやすさを場所の節に開く
環境を難しい形容詞で表さず、その場所で何ができるかを説明します。
理由だけで行動することを示す
不十分な理由や偏った理由を「ただ〜だから」で示せます。
快適さの条件を開く
「Aの快適さ」を、その状態を生むものとして説明できます。
説明した場所を受けて結論へ進む
複数の条件を並べた後、such a place でひとまとめにして評価できます。may を添えると、観察から導く控えめな結論も残せます。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| chick | ひな | 鶏だけでなく鳥の雛に広く使えます |
| die out | 絶滅する | 個体が死ぬ die と、種が絶える die out を区別してください |
| take care of | 世話をする | care の後ろには of が必要です |
| release | 放す | 野生へなら release into the wild と場所を示します |
| rare | 珍しい、数が少ない | strange の奇妙だという意味とは違います |
| chase | 追いかける | 繰り返し追い回すなら chase around とできます |
| comfortable | 居心地がよい | 人が主語なら feel comfortable、場所が主語なら be comfortable for people です |
| evening paper | 夕刊 | yesterday's evening paper のように所有格を付けるとき、the は重ねません。evening newspaper としても構いません |
| be born to | 〜を親として生まれる | 親を示すときは to を使います。be born from とすると、原因や考えから生まれたという比喩に寄るので注意してください |
| in the wild | 野生で、自然の中で | release と組み合わせると release into the wild、そこで生きる状態なら live in the wild と前置詞が変わります |
2014年は電子書籍や車内の出来事、2015年はトキと文字のない言語、2016年はパン作りが出ています。京大の会話文では、発言者の驚きや訂正を自然な口調で残しながら、事実を一つも取り違えない力が必要です。この問題では But が太郎の推測を訂正し、つまり が環境の具体的な条件を導く働きをしています。
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