食べる側から見れば手軽なパンが、作る側に回ると多くの時間と手間を必要とするという対比を訳します。「手間」は trouble 一語に押し込まず、how much work it takes と作業量へ開くのがポイントです。生地が膨らむまで待つ工程、簡単さを売りにする家電でも四、五時間かかる事実を落とさず、最後は Only after の倒置を避けて When you actually make bread yourself, you learn ... と平易に結びます。店のパンの「ありがたみ」は感謝そのものではなく、how helpful it is to be able to buy bread と価値を具体化すると自然です。 パン作りの工程を詳しく知っているかは採点の中心ではありません。こねる、発酵させるなど原文にない作業を列挙すると、語数が増えるだけでなく事実を勝手に補う危険があります。本文が明示するのは、生地が膨らむのを待つこと、便利な機械でも全体に四、五時間かかることの二点です。この二点を落とさず、食べるときの手軽さとの落差へ戻してください。「ありがたみ」は店のパンがおいしいという評価でも、販売者への直接の感謝でもありません。自分が時間と手間を経験したことで、完成品をすぐ買える状態の価値が初めて見える、という認識の変化です。標準解では When you have made ... と begin to understand を対応させ、経験が先、気づきが後という順序を保っています。 時制にも注意が必要です。一般的なパン作りの性質は現在形、実際に一度作った後の気づきは現在完了を含む when 節で書けます。機械を使う部分の even if は、「機械なら簡単」という期待と「それでも時間は必要」という結果をつなぐ役目です。パン作りが難しすぎて失敗するとは書かれていないので、hard や impossible を強めすぎず、時間と作業量の多さに焦点を合わせましょう。
パンは手軽に食べることのできる食品であるが,実際に作ってみるとなると,出来上がるまでに大変な手間がかかる。特に,生地がしっかり膨らむまで待たなくてはならない。簡単にパンを焼けることが売りの家電製品を使ってみても,全工程に4,5時間は必要である。自分で経験してみて初めて,店頭で売っているパンのありがたみが分かるようになるものだ。
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アプリでこの問題を解く 無料で1日2回まで添削できますパンは手軽に食べることのできる食品であるが,実際に作ってみるとなると,出来上がるまでに大変な手間がかかる。
日本語は「食品」「手間」という名詞が中心ですが、英語では people can eat、you try、it takes work と動詞を立てます。食べる便利さと作る大変さが対比の軸なので、but の前後で主語が変わっても意味が追える形にしましょう。
Bread is a food that is easy to get and eat, but when you actually try to make it, you find how much time and work it takes before it is ready.
Bread is easy to buy and eat. However, if you make it yourself, you soon learn what a long job bread-making really is.
easy to chew は硬さや噛みやすさの話です。原文の手軽さは準備せず食べられる便利さなので、get and eat とします。
make a try はこの文脈で自然な形ではありません。try to make と動詞を直接続けます。
work は「作業・手間」の意味では数えない名詞です。many works では個々の作品という別の意味になるため、much work とします。
特に,生地がしっかり膨らむまで待たなくてはならない。
この一文はパン作りのどの作業が時間を取るかを具体化しています。wait for the dough to rise でもよいですが、wait until the dough has risen enough とすれば、待ち終わる条件がはっきりします。
In particular, you have to wait until the dough has risen enough.
The longest wait is often for the bread mixture to become fully raised.
dough はこの意味では数えない名詞です。不定冠詞 a を付けず、特定の生地なら the を使います。
raise は目的語を取る他動詞です。生地そのものが膨らむなら自動詞 rise を使います。
簡単にパンを焼けることが売りの家電製品を使ってみても,全工程に4,5時間は必要である。
長い名詞句を一気に訳さず、a machine that is said to make baking easy と関係節に開きます。製品の宣伝と実際に必要な時間のずれが文の中心なので、Even with ... still takes ... という枠を先に作ると安定します。
Even if you use a home machine that is said to make bread-making easy, the whole process still takes four or five hours.
A machine may promise that anyone can bake bread easily, but it still needs four or five hours to finish every step.
sale point は「製品の売り」を表す自然な組合せではありません。ほかの内容は変えず、機械が簡単さをうたうと説明します。
日本語の「4、5時間」は forty-five ではなく「四時間か五時間」です。or を入れて範囲を示します。
主語 process は単数です。現在形の動詞には三単現の s が必要です。
自分で経験してみて初めて,店頭で売っているパンのありがたみが分かるようになるものだ。
Only after ... do you ... は倒置なので標準解には置きません。When you make bread yourself, you begin to understand と順に書けば同じ論理が平易に出ます。「ありがたい」の対象は店員ではなく、手間なく買える状態です。what it means to have bread ready in a store と節にすれば誤解がありません。
When you have made bread yourself, you begin to understand how helpful it is to be able to buy bread that is already waiting for you in a store.
After you go through every step yourself, you learn what it means to find finished bread ready to buy at a shop.
for the first time は理解した最初の一回を示すだけで、作った後で初めて分かるという必要条件が明確になりません。when で順序を示します。
be grateful to は人への感謝に使うのが基本で、パンへのありがたみには不自然です。便利さや価値を説明してください。
Bread is a food that is easy to get and eat, but when you actually try to make it, you find how much time and work it takes before it is ready. In particular, you have to wait until the dough has risen enough. Even if you use a bread machine that is said to make baking easy, the whole process still takes four or five hours. When you have made bread yourself, you begin to understand what the work involves and how helpful it is to be able to buy bread that is already waiting for you in a store.
全101語です。食べる便利さと作る手間を but で対比し、how much time and work で「大変な手間」を具体化しました。発酵を待つ部分は until と現在完了で待ち終わる条件を示しています。最後は倒置を使わず When から始め、what the work involves と how helpful it is の節で、自分の体験後に店のパンの価値が分かる流れを再現しました。dough は単数扱い、process は単数なので主述も一致しています。
Bread looks like one of the easiest foods to buy and eat. Yet if you try to make it at home, you soon see how many steps are needed and how long you must wait before it is ready. The dough has to rise fully. Even a machine that promises easy baking needs four or five hours for the whole process. After you do all this yourself, you discover what makes store-bought bread so useful: someone has already spent the time and done the work for you.
全87語です。こちらは一文目で見た目の手軽さを示し、how many steps と how long で手間を二方向から説明しました。最後に what makes store-bought bread so useful として「ありがたみ」を節に開き、その理由をコロン後で時間と作業が済んでいることだと明らかにしています。原文にない感情を足さず、便利さの正体だけを補うので安全な逃げ道です。

必要量を人ではなく行為にかける
「〜するのに時間や手間がかかる」の基本形です。人を主語にして spend と書く形との違いを押さえてください。
待ち終わる条件を示す
何が起きるまで待つのかを節で書けます。until の後ろでは未来のことでも通常 will を使いません。
期待に反する結果を述べる
便利な道具を使っても時間がかかる、という譲歩を平易に示せます。倒置などの難しい形は不要です。
幅のある数を表す
日本語の読点で並ぶ数は or でつなぎます。後ろの名詞は複数形にしてください。
体験後の気づきを表す
倒置を避けながら「〜して初めて」を表せます。先の行為を完了形にすると順序が明確です。
価値や程度を節に開く
「ありがたみ」「大切さ」のような名詞を一語で探さず、どれほど便利か、大切かという内容に変えられます。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| bread | パン | 通常は数えない名詞です。一個なら a loaf of bread とします |
| dough | パン生地 | 数えない名詞なので a dough とはしません |
| rise | 膨らむ | 自動詞です。過去形 rose、過去分詞 risen も確認してください |
| process | 工程 | 一連の作業全体なら the whole process と単数でまとめられます |
| machine | 機械 | 家電を広く示せます。home machine と用途を補ってもよいです |
| bake | 焼く | 火やオーブンでパンを焼くときに使います。cook より具体的です |
| store-bought | 店で買った | 名詞の前に置き、store-bought bread と使います |
| useful | 役に立つ | 「ありがたい」を感謝ではなく便利さとして示す平易な語です |
京都大学の2016年以降の第III問は、日常の経験から一般的な気づきへ進む和文英訳が中心です。2016年はパン作り、2017年は不十分な知識での発信、2020年はレコードと所有の価値が題材で、身近な行動の裏にある考えを英語で説明させます。この年は特に、手軽さ、手間、ありがたみという日本語の名詞を一対一の英単語にせず、人が何をしてどう感じるかに開く力が問われています。
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