前後の二文を訳すだけでなく、下線部に自分の内容を補い、論理の切れ目を埋める問題です。最初は「文化が違えば味が分からない」という意見を紹介し、筆者がそれを疑います。最後は日本人の中でも育った環境が違うため、国籍だけで味覚は決まらないと広げます。そこで補充部分には、味の好みは国籍より個人の経験から生まれる、という一文を置くと自然です。how food tastes、what tastes good、how and where a person grew up を使えば、原文の「味」「環境」を説明的な節へ開けます。補充で派手な具体例を足すより、前後双方を結ぶ一つの原理に絞ることが大切です。 補充部分の採点では、英文単体の美しさより前後との整合が重要です。例えば「和食は健康的だから外国人にも人気だ」と補うと、前の人気には関係しても、後ろの日本人の成育環境がさまざまという文へつながりません。一方、「味の好みは一人ひとりの食経験から作られる」と置けば、外国人でも経験次第で楽しめることと、日本人でも好みが同じとは限らないことの両方を支えられます。つまり空所は二文の間に置く橋です。文化の違いを無視するのでも、国籍で味覚を固定するのでもなく、文化に加えて個人の経験も働くと範囲を広げます。標準解では nationality alone の alone が否定の焦点です。この語を落として nationality does not decide と言い切ると、文化的背景は一切関係ないという別の強い主張になるため注意してください。 また、最初の発言者が問題にしているのは外国人に知識があるかではなく、文化の違いを越えて味を感じ取れるかです。know Japanese food だけでは料理名を知っている意味にもなるため、enjoy its taste や understand what tastes good と書きます。最後も Japanese people understand と一括りにせず、not necessarily と in the same way を入れて、個人差の幅を残してください。
次の文章を英訳しなさい。途中の下線部には,ふさわしい内容を自分で考えて補い,全体としてまとまりのある英文に仕上げなさい。下線部の前後の文章もすべて英訳し,解答欄におさまる長さにすること。(注:解答欄=各ヨコ121ミリ×12行) 海外からの観光客に和食が人気だという話になったときに,文化が違うのだから味がわかるのか疑問だと言った人がいたが,はたしてそうだろうか。 さらに言うならば,日本人であっても育った環境はさまざまなので,日本人ならわかるということでもない。
解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。
アプリでこの問題を解く 無料で1日2回まで添削できます海外からの観光客に和食が人気だという話になったときに,文化が違うのだから味がわかるのか疑問だと言った人がいたが,はたしてそうだろうか。
長い一文を、話題が出た場面、誰かの発言、筆者の問い返しの三つに分けます。「味がわかる」は understand the taste と直訳するより、know what tastes good や enjoy the taste とすれば何を疑っているかが明確です。断定ではなく疑問の紹介なので wondered whether を使います。
When we began talking about how popular Japanese food was with visitors from abroad, someone wondered whether people from different cultures could really understand what tasted good in it. But is that really true?
Once, while we were discussing how much foreign visitors liked Japanese food, a person asked how they could enjoy its taste when their culture was different. I was not sure that this idea was right.
popular の相手は with または among で示します。to では人気の対象との関係が自然に出ません。
outside Japan では観光客が今どこにいるかの話になります。海外から来た人は visitors from abroad とします。
原文で疑問を述べたのは筆者ではなく「ある人」です。内容や疑問の強さは変えず、主語だけを someone に直します。
whether の後ろは通常の主語+動詞の語順です。疑問符も不要です。
下線部に補う内容:味の好みは国籍だけで決まるのではなく、一人ひとりの経験から形づくられる。
空所には、和食を理解できるかどうかは文化圏だけでは決まらない、という橋を置きます。外国人にも分かると断定するのではなく、味の好みが個人の経験にも左右されると述べれば、後続の「日本人でも環境はさまざま」へ無理なくつながります。
What a person enjoys is not decided only by nationality; it also grows from what that person has eaten and experienced.
We learn what tastes good through our own lives, so people from the same country do not always like food in the same way.
元の発言も筆者の結論も絶対的な never ではありません。問題にされている考えを断定に変えないでください。
健康やカロリーは前後に根拠がなく、日本人の育った環境の多様さにもつながりません。味の好みと経験に絞ります。
補充部は国籍だけでは決まらないという橋でなければ、後ろの日本人の多様さと矛盾します。
さらに言うならば,日本人であっても育った環境はさまざまなので,日本人ならわかるということでもない。
原因は、日本人の間でも育ち方が異なることです。Because Japanese people also grow up in many different settings と先に理由を置き、being Japanese alone does not tell us what they will enjoy と結べば、「日本人なら」という単純な基準を否定できます。
To go a step further, even Japanese people differ in how and where they grew up, so being Japanese does not necessarily mean that they understand the taste in the same way.
In fact, because the lives of Japanese people are also different, nationality alone cannot tell us what food each of them will enjoy.
natural を加えると気候や地形だけに限定されます。原文の環境は家庭や食経験も含む広い意味です。
Japanese は単複同形です。人々を明確にするなら Japanese people と書けます。
原文の「味がわかる」は作り方を知ることではありません。何をおいしいと感じるかという理解です。
When we began talking about how popular Japanese food was with visitors from abroad, someone wondered whether people from different cultures could really understand what made it taste good. But is that really true? What a person enjoys depends not only on nationality but also on what that person has eaten and experienced. To go a step further, even Japanese people differ in how and where they grew up, so being Japanese does not necessarily mean that they all enjoy Japanese food in the same way.
全86語です。補充部分を What a person enjoys ... として、外国人への疑問と日本人の多様さを一つの原理で結びました。how popular、what tasted good、What a person enjoys、what that person has eaten、how and where の節は、人気、味の良さ、好み、食経験、成育環境という別々の内容を自然に開いています。間接話法の was と could は、過去の会話を紹介する主節 wondered に合わせました。
Once, while we were discussing how much foreign visitors liked Japanese food, a person asked how they could enjoy its taste when their culture was different. I was not sure that this idea was right. We learn what tastes good through our own lives, and what we have eaten before changes our likes and dislikes. In fact, Japanese people also grow up in different places and families. Therefore, being Japanese alone does not tell us what food a person will understand or enjoy.
全83語です。こちらは空所を二つの what節で説明し、食べてきた物が好みに影響するとしました。後半の places and families は「育った環境」を平易に分解したものです。最初の how much と how they could enjoy、続く what tastes good、what we have eaten、最後の what food により、抽象的な culture や taste を具体的な経験へつなげています。補充内容は原文の主張から外れず、前後の橋として働いています。

疑問を間接話法で伝える
誰かが「〜だろうか」と思った内容を、疑問文語順にせず文中へ入れられます。時制を主節に合わせてください。
味や好みの中身を開く
taste や preference の抽象名詞だけに頼らず、何がおいしいか、何を好むかを節として書けます。
一つの原因だけではないと示す
国籍だけで決まらないという否定の焦点を only に置けます。not の位置で意味が変わるので注意してください。
育ち方と場所をまとめる
「育った環境」を名詞一語で探さず、どのように、どこで育ったかという二つの観点へ開きます。
属性から結論を決めない
国籍や年齢だけで理解や能力を決められないことを、平易な主語で表せます。
個人差を表す
集団全体を一つと見なさず、人によって違うことを短く表せます。taste や experience と相性がよい形です。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| abroad | 海外から・海外へ | from abroad なら海外から来た方向を示します |
| visitor | 訪問者・観光客 | tourist より広く、海外から来た人を自然に指せます |
| culture | 文化 | 数えられる場合があり、different cultures と複数にできます |
| taste | 味・好み | 文脈で意味が変わるため、what tastes good と開くと明確です |
| nationality | 国籍 | 国籍だけなら nationality alone と後置の alone が使えます |
| experience | 経験 | 個々の出来事なら可算、経験全体なら数えない用法があります |
| environment | 環境 | 家庭や生活を含む広い語です。natural を勝手に足さないでください |
| necessarily | 必ずしも | not necessarily で「必ずしも〜ではない」を作ります |
京都大学の第III問は日本語を英語に移すだけでなく、2018年のように空所へ内容を補って全体の論理を作らせる年があります。2017年の知識と発信、2019年のマイノリティでも、表面の語を置換するだけでは因果や定義が伝わりません。この問題では和食人気という具体的な話から、味覚は国籍だけで決まらないという一般化へ進みます。補充文は新しい話題を始めず、前の疑問への答えと後ろの根拠を一度に担う必要があります。
解説を読んだあとに自分の言葉で書き直すと、力のつき方がまったく違います。Boost アプリでこの問題を開けば、書いた答案をそのまま AI が添削します。
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