進路を決める前には十分に考えたい一方、その選択が本当に自分を満たすかは実際に経験するまでわからない、という避けられない難しさを述べる文章です。最初の二文は「検討すれば決められること」と「経験しなければわからないこと」の対比が中心です。最後は「腹をくくる」を stomach や decide firmly と直訳せず、未知の世界が待っていると受け入れたうえで進む覚悟として説明します。what path to take、how satisfying it will be、what lies beyond the choice などの節が有効です。
進むべき道を決めるには,事前に入念に検討し,最も満足のいく選択をしたいものだ。ただ,その道が本当に当人に実りをもたらしてくれるかどうかを知るには,ある程度の時間をかけて実際に経験するほかない。ここに避けがたい試練がある。岐路に立った時,その選択の先には想像もつかない世界が待つに違いないと腹をくくることも時には必要だろう。
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日本語では「道」「選択」が名詞で並びますが、英語では decide what path to take と choose what will satisfy us most の二つの動作に分けます。誰にでもある願いなので we を主語にし、naturally で「〜したいものだ」の一般性を出します。原文の願いは、考えれば必ず正解を選べるという断定ではありません。want to と what will satisfy us most を組み合わせ、決定前に最善を求める自然な気持ちとして書くと、次文の限界と対比できます。
When deciding what path we should take, we naturally want to think carefully beforehand and choose what will satisfy us most.
Before we decide how to move forward, we want to consider every option carefully and find what seems best for us.
road は物理的な道路に聞こえ、proceed のつなぎ方も不自然です。人生上の選択内容を what 節で示します。実際の道路選びに読めるため、人生上の進路や選択という比喩が伝わりません。
consider は他動詞なので、検討する対象を前置詞なしで直接置きます。think about との混同に注意してください。「よく考える」という準備の段階で基本的な動詞の形を誤り、答案の信頼性を落とします。
satisfy は物事が人を満足させる動詞です。この文では選択が us を満足させます。自分が何かを満足させる話になり、選択から満足を得たいという意味が逆になります。
ただ,その道が本当に当人に実りをもたらしてくれるかどうかを知るには,ある程度の時間をかけて実際に経験するほかない。
まず The only way to know whether ... is to ... という骨組みを作ります。「実り」は何が得られることかを how much the path helps us grow and how satisfied it makes us と二つの how 節で説明できます。一定期間の実体験は actually follow it for some time とします。前もって得られる情報と、選んだ後の経験からしか得られない情報を分けて読むのが山場です。the only way を使うと、検討が不要なのではなく、最終的な満足だけは経験しないと確かめられないという境界が見えます。
However, the only way to know how much that path will help us grow and how satisfied it will make us is to actually follow it for some time.
Yet we cannot know whether a choice will truly bring us what we hoped for until we live with it and see how it affects us over time.
果物を与える物理的な話に聞こえます。原文の実りは、その進路が成長や満足をもたらすことです。成長や満足という比喩的な成果が、進路から果物を受け取る物理的な場面になります。
「ほかに方法がない」の not は動詞を否定する語ではなく、名詞 way を限定する no にします。whether 以下は正しくても、have not other way では「別の方法がない」という限定を英文として組み立てられません。
原文は、事前に十分考えたいとしながらも、本当に実りがあるかは一定期間経験しなければわからないと述べています。この文では検討だけで将来の満足を正確に知れるとしており、避けがたい試練が生じる理由そのものを消しています。
ここに避けがたい試練がある。
There is an unavoidable trial here と直訳すると、here の場所も trial の内容も曖昧です。This is the difficulty we cannot avoid when making an important choice とすれば、何が難しいのかを前文から受けて説明できます。試練の内容は、選ぶ前に結果を知りたいのに知れないことです。when making an important choice を足すと、この難しさが人生全体の不幸ではなく、決断に必ず伴う制限だと示せます。
This is the difficulty we cannot avoid when making an important choice.
That is what makes an important decision so hard: we must choose before we know how the choice will shape our lives.
「ここ」は現在いる場所ではなく、事前に結果を知れないという状況を指します。This is ... で前文全体を受けます。前文の認識上の限界ではなく、今いる場所に試練が置かれているという意味へ変わります。
岐路に立った時,その選択の先には想像もつかない世界が待つに違いないと腹をくくることも時には必要だろう。
比喩が三つ重なるため、一つずつ英語の比喩へ置き換えようとしないでください。選択を迫られる場面、先の生活は想像できないという認識、それを受け入れて進む決意の三段階に分けます。sometimes we need to accept that ... and move forward と書けば、時には必要だろうという控えめな助言も残ります。「世界が待つ」は希望だけを述べる表現ではなく、先を予測できない事実を受け入れる姿勢です。unlike anything we can imagine として未知の大きさを示し、それでも move forward と続けることで覚悟の中身を行動にします。
When we stand at a crossroads, we may sometimes need to accept that what lies beyond our choice must be a world unlike anything we can imagine, and then move forward.
When we have to choose between different paths, there are times when we must decide to go on, knowing that we cannot imagine how different life beyond that choice may be.
branch road は一般的な表現ではありません。at a crossroads を使うか、choose between paths と説明します。進路選択の比喩が、道路の形について説明する場面に狭まります。
image はここでは動詞として不自然で、「想像する」は imagine です。待つという日本語も、その先にあると説明できます。未来を思い描けないという認識ではなく、画像を扱うような別の動作に読まれます。
英語では決意の意味にならず、身体の話に聞こえます。不確かな未来を受け入れて進む、と中身を説明します。不確かさを受け入れて進む決意が、腹部を固くする身体動作へ変わってしまいます。
When deciding what path we should take, we naturally want to think carefully beforehand and choose what will satisfy us most. However, the only way to know how much that path will help us grow and how satisfied it will make us is to actually follow it for some time. This is the difficulty we cannot avoid when making an important choice. When we stand at a crossroads, we may sometimes need to accept that what lies beyond our choice must be a world unlike anything we can imagine, and then move forward.
第1文では what path we should take と what will satisfy us most、第2文では how much ... grow と how satisfied ...、最後は what lies beyond our choice と、名詞のかたまりを五つのhow/what節へ開きました。事前に考える願いと、実際に進まなければ結果を知れない制限は However で対比しています。「腹をくくる」は未知を受け入れて進む行為として説明しました。原文の推量は may sometimes need と must be で残しています。
Before we decide how to move forward, we want to consider every option carefully and find what seems best for us. Yet we cannot know whether a choice will truly bring us what we hoped for until we live with it and see how it affects us over time. That is what makes an important decision so hard: we must choose before we know how the choice will shape our lives. At such a moment, we sometimes have to accept how little we can know about the future and still take the next step.
こちらは道、実り、岐路という比喩を減らし、decision、live with it、take the next step と日常的な動作で説明しました。選択前に検討すること、選択後でなければ満足や成長を確かめられないこと、その不確かさを受け入れる必要という三段階は保っています。what we hoped for や how the choice will shape our lives を使えば、「実り」「選択の先」を難しい名詞なしで書けます。

選択内容を節に開く
「道」「方法」という名詞を探さず、何を選ぶか、どう進むかを疑問詞節で書けます。
満足の対象を説明する
satisfactory のような形容詞を使わず、何が誰を満足させるかを what 節で示せます。
経験以外に方法がないことを示す
「〜するほかない」を否定の重なりなしで明確に表せる形です。
程度を節に開く
実りや満足度を名詞化せず、どれほど成長を助けるか、どれほど満足かと説明できます。
選択の先にあるもの
抽象的な未来を、ある境界の先に何があるかという what 節で表せます。
不確かさを受け入れて進む
決意を難しい一語にせず、何を受け入れ、その後どうするかを二つの動詞で説明します。
| 表現 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| path | 道、進路 | 物理的な小道だけでなく人生の進路にも使えます |
| consider | 検討する | 他動詞なので about を置かず目的語を続けます |
| satisfy | 満足させる | 物事 satisfy 人 の語順です |
| beforehand | 事前に | 文末にも動詞の前にも置ける副詞です |
| for some time | ある程度の期間 | 具体的な長さを限定しない表現です |
| crossroads | 岐路、分かれ道 | at a crossroads の形で使います |
| beyond | 〜の先に | 場所だけでなく選択後の未来にも使えます |
| move forward | 前へ進む | 決断して行動を続ける比喩にも使えます |
京大第III問は、2024年の無知、2025年の心と表情と同様、抽象的な考えを身近な言葉で述べ、途中で見方を反転させる構成が続いています。2026年は進路という題材ですが、重要なのは career の専門語ではなく、「考えるだけでは知れない」という限界と、それでも決めて進む必要を英語の接続関係で示すことです。
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